仏教ちょっと教えて |
007 家に二つの仏壇 |
「妻の実家の仏壇を継承することになり、家に二つの仏壇を迎えることになってしまいました。このような場合どうしたらよいのでしょうか?」 |
少子化の上、核家族化が進んでいる現代では、このようなケースが多く出てくると考えられます。 この場合、まず最初に留意すべき点は、仏壇をどうするかではなく、ご自身の信仰がどうあるべきかの方にあります。 あなたが浄土真宗の門徒であれば、ご本尊阿弥陀如来(の本願)を生きるよりどころとし、これを礼拝するための場として仏壇を安置するのですから、他宗の仏壇は不要ということになります。 ただし、一家に二つ以上の仏壇がある場合でも、自分と配偶者の実家との宗旨が一緒ならば、どちらも阿弥陀如来(南無阿弥陀仏)を安置しているのですから、信仰態度のうえからは一貫しているわけで、別に問題はありません。とはいえ、仏壇は家庭生活の中心となるものですから、家族がそろってお参りできる場であることが望ましいわけで、その意味では一つであるべきでしょう。 また、配偶者の実家の仏事を継承することになるのなら、継承した人のよりどころとする宗旨で仏事を営むのが自然だといえます。あなたが浄土真宗であれば浄土真宗の仏事によって行うべきです。 仏事は縁のある人が営むもので、たとえ他宗であっても配偶者の実家は、今の家族にとっては先祖であります。位牌がある場合、本来浄土真宗では位牌を用いませんので、法名・戒名などは、過去帳に書き加えるようにしましょう。その場合、続柄を明記しておくようにしましょう。 他家・他宗の法名・戒名を一緒におまつりすることに親族から抵抗のある場合もあります。しかし、ご縁のある方々を阿弥陀さまの大きなお慈悲の元にお納めするのですから問題はありません。 不要になった仏壇仏具は、ゆずるか処分するかになります。そのさい長年お世話になった仏壇ですから、仏縁を感謝しつつお参りをすることも大切でしょう。仏壇仏具を処分したからタタリがあるということはありません。自分で処分できなければ、仏具店に引き取ってもらうこともできますが、この処分方法については、寺院に相談してみるのもよいでしょう。 なお、配偶者の実家がお世話になってきた寺院に対しては、同じ宗派であっても、他宗であってもそれがむしろ仏縁を深くするご縁であったとうけとめ、丁重にお礼を申し上げることが礼儀だと思います。いずれにしても所属の寺院のご住職に相談してみましょう。 |