仏教ちょっと教えて 




019 ミレニアムと仏歴について
 Q:  最近、ミレニアムという言葉を知りました。キリスト教の千年紀だそうですが、西暦はキリスト教歴だったのですね。浄土真宗は西暦を優先しているように思いますが、仏教徒として違和感はないのですか。仏歴と言う話も聞いたことがあるのですがどうして使用しないのですか。

 A:
  今年は、2000年という区切りのよい年です。マスコミ等で「ミレニアム」という言葉が盛んにつかわれています。まるで、世界がキリストの生誕をお祝いしているような錯覚もあろうかと思います。ただし、これも日本特有のクリスマスやバレンタインデーと同じように商業主義の中でマスコミ等に煽られているだけなのです。私たちは、そのような状況に踊らされることなく冷静に判断していかなければならないと思います。

 もしキリスト歴ということにこだわりますと、イエスの誕生から2000年目は数年前に終わってしまっているのです。現在の欧米でのイエスの誕生年の共通理解は紀元前の4〜6年ということになっています。

 また、西暦の考え方自体が、キリスト教の歴史観を根底から否定するものであったとも言えるのだそうです。西暦は、6世紀にローマの修道士がキリスト教の行事である復活祭の日程を特定するために考案したとされています。が、キリスト教圏自体では、西暦を使用するようになったのは17世紀になってからのことだそうです。なぜなら、キリスト教では天地創造を元年とする創世紀元を採用しており、紀元前が何年でも逆上れる西暦は宗教上認めることができなかったからです。しかし、それも、中国など聖書の記述をはるかに超える歴史を持つ文明との出会いで説明がつかなくなり、キリスト教的時間という宗教上の枠組みを放棄した形で採用されることになったのです。非キリスト教圏でも西暦が使いやすいのは、そのようなところに理由があるのだそうです。

 ところで、仏歴ですが、これが数多くの説があり、現在では特定することがまず不可能なのです。インドは、中国のように歴史を丹念に記述することをしませんでした。特定の人物の絶対年代を確定することは非常に困難なのです。お釈迦さまも例外ではありません。南方仏教の伝承と日本や中国などの北伝とでは100年以上の誤差があります。ちなみに、現在日本で賛同者の多い説は北伝に基づくものでお釈迦さまの年代は、紀元前463年から383年あたりとなるようです。

 このように、仏歴には諸説があり、そのために一般化もされていません。もし、宗派で仮に特定して使用したとしても西暦を併記しなければなりたちません。

 私たちは、西暦を世界共通の国際歴として解釈しています。国際化が進む中で、教団としても、広く世界を視野に入れた活動をしていかなければならないとの立場からです。また、事実、浄土真宗は海外にも多くの拠点を持っています。浄土真宗のみ教えの普遍性を考えましても世界共通の国際歴の採用は大切なことだと考えます。

 すなわち、西暦の数字には何の意味合いも考える必要はありません。たまたま、2000年前が数字の起点であったということです。
                     小林 泰善


 戻る

  POSTEIOSホームページ目次へ戻る