仏教ちょっと教えて 




024 友引にお葬式?
 Q: 先日、叔父が亡くなりお葬式に行ってきました。火葬場で待っている間に次々と霊柩車がやってきます。今日はお葬式が多いですねと親戚に言うと「昨日は友引だったからなおさらなんだよ」との答えが返ってきました。すると、一緒にいらしたお坊さんが、「本当は友引だってお葬式をしてもいいんですよ」と言われました。本当に友引でもお葬式をしてもいいんでしょうか?

 A:
友引にお葬式を出してはいけないというのは俗信です。そのお坊さんが言うように勤めていけない日はないのです。
 もともと友引は、六曜という中国の暦に端を発します。そして、日本には江戸時代後期に中国から伝わり変化しながら現在に伝わってきました。そして、いつの間にか友引に葬儀を出すと「友」を引くと忌み嫌われるようになったのです。単なる語呂合わせでしかありません。日にいい日、悪い日はありません。いのち恵まれている一日一日がどれも大切な今日として精いっぱいの日暮をさせていただきましょう。
 自分自身の生活を振り返ってみると、根拠のない俗信迷信、まじないや占いに振り回されて過ごしていることが意外と多くありませんか。誰も替わってくれない自分自身の生き方まで、あてにならないものに頼って左右されていないでしょうか。迷いに縛られた窮屈な私に気づかされます。
 そして迷いに気づいたとき、迷いから解き放たれたほんとうの私・ほんとうのいのちに変わっていける私でありたいものです。そして、私が迷っていたなと気づかされて自分の生き方が変わるとき変な常識にとらわれている迷った社会もまた変わっていくことでしょう。


                     有賀 良雄


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