仏教ちょっと教えて 




035 報恩講は祝儀?不祝儀?


Q: お寺から報恩講のご案内をいただきました。これまでは母が行っていたのですがその母も今年の2月に亡くなり、今年からは私が行こうと思うのですが。お寺へのお包みはどのように書いたらよいのでしょうか。また、祝儀袋を用いるのですか、それとも不祝儀袋なのでしょうか。


A:  はじめて報恩講に参られるのですね。まず報恩講についてお話しします。報恩講は浄土真宗をお開きになった親鸞聖人の祥月命日1月16日の法要で、「御正忌報恩講」といいます。現在ご本山の本願寺では毎年1月9日〜16日の間勤められています。そして、浄土真宗本願寺派の一般寺院では「お取り越し」といいご本山の御正忌に先んじて勤めています。東京のお寺の多くは10月中旬頃から11月下旬頃にかけて各々報恩講が勤められています。つまり、報恩講は浄土真宗をお開きになった親鸞聖人のご法事であります。その主旨は、親鸞聖人のご苦労とご恩を偲び、その願いである阿弥陀さまのお念仏のお心をお聞かせいただくことにあります。お寺へのお包みは、結論から言えば、祝儀・不祝儀どちらの袋を使用しても構いません。本来、仏教では祝儀・不祝儀と考える必要がないからです。しかしながら、一般的慣習から、仏法を聞かせていただくご縁であり、お念仏に出遇えた人生をお慶びとする立場からすれば、むしろ祝儀用の袋を使用すべきでありましょう。
 なお、この場合の表書きは、「報恩講志」「ご仏前」「お供え」などでもよいでしょうし、この行事へのご懇念をあらわす表現、あるいは、ひろく仏法護持の願いをあらわす「お布施」という表書きでもよいでしょう。
 服装は平服でよろしいですから、是非ご家族そろって報恩講へお参りください。

 


回答者:有賀 良雄


 戻る

  POSTEIOSホームページ目次へ戻る