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仏教では「シチカイキ」と読むのが通例です。しかし漢字や数字の発音は時代と共に変化するので、個人的には、そうこだわらなくても良いと思います。
本願寺派では8年後の2011年(平成23年)に親鸞聖人の750回大遠忌を迎えます。この750を「シチヒャクゴジュウ」と発音するか「ナナヒャクゴジュウ」と発音するか、宗派の議会で議論となっています。
仏教の通例では、数字をイチ・ニ・サン・シ・ゴ・ロク・シチ・ハチ・クと読みます。問題は四(シ)と七(シチ)と九(ク)です。4は四諦(シタイ)・四法印(シホウイン)・四無量心(シムショウシン)などと「ヨン」ではなく「シ」と読みます。
七も七難(シチナン)・七宝(シチホウ)・七條(シチジョウ)などと「シチ」と読み、九も、九字名号(クジミョウゴウ)・九品(クボン)・九條(クジョウ)など「ク」と発音しています。
七を「シチ」と読むのは、僧侶仲間では常識に近い読み方です。 宗派の会合で、「シチ」にこだわる人に、ある方が過去の法要である「顕如上人400回忌はどうよんだか」と質問したそうです。 本来は「シヒャッカイキ」と発音します。ところが大方の人が「ヨンヒャク」と発音して、疑問さえ持たなかった。 おそらく「シチ」にこだわる人も400を「ヨンヒャク」と疑問なく読んだ人は、たとえ現在、七を「シチ」よ読むことが自分の中では常識であっても、時と共に七を「ナナ」と違和感なく読むに違いないと思ったはずです。 実際、寺院生活でも「初七日」(しょなのか)・二七(フタナノカ)など、読み癖でシチと読まない場合もすでにあります。
さて結論です。「シチカイキ」と発音するのが理想ですが、発音は時代と共に変わります。「ナナ」と発音した人がいても、むきになって訂正するほどのことではないようです。 実際、私が住職をしているお寺でも、多くの方が「ナナカイキ」と言ってご法事を依頼されます。たまに「シチカイキ」と言われると、私は「この人は教養があるな」と思ってしまいます。 仏教では「シチ」と発音することを理解していて、その場に相応すればよいのではないでしょうか。
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回答者: 西原 祐治
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