仏教ちょっと教えて 




066 仏像鑑賞の作法


Q: 最近、仏像鑑賞が密かなブームになっているようです。その際に何か心がけるようなことはありますか?


A:  最近、密かな仏教ブームだそうです。
 作家の五木寛之さんや瀬戸内寂聴さんらのご活躍によるのでしょうか。それとも、乱世故の現象でしょうか。お遍路さんもブレーク中。今年に入り東京国立博物館では「大日蓮展」・「西本願寺展」が相次いで開催され、それぞれにおよそ15万人もの拝観者がありました。
 それに伴って、仏像鑑賞もブームとなっているようです。
 「この仏像は室町時代の○○の作で…」「この仏像は○○○○万円位するだろう」との言葉をよく耳にします。これも信仰不在・拝金主義のあらわれでありましょうか。

 しかしここで一言。仏像は“骨董・美術品”ではありません。仏像は信仰上とても大切なものなのです。
 敬いの心が見られずにモノ扱いされている様は、信仰を持つものからすると、家に土足で踏み入られたような思いが致します。
 生きることの苦しみ、悲しみ。仏の教えはその現実から出発します。仏像を「彫らずには、彫らせずには」おれなかった人々の信仰心や、仏像に表された「仏の心・仏の教え」こそを、感じ取っていただきたいと思うのです。
 そこをご理解の上、敬いの心を持ってご覧ください。
   
 仏像鑑賞の作法として、次のことをお守りください。

 @まず、お寺の住職に一声かけてください
 A仏前に合掌・礼拝
 B心を落ち着けて対面してください
  (決して「幾らぐらいするのだろう?」などと煩悩をむき出しにしないでくださいね。恥ずかしいですよ)
 C最後に合掌・礼拝して退席
 D寺院境内の出入り時に、本尊に向かって“軽く会釈”も忘れずに
 ※尚、展覧会場でも、「合掌・礼拝」の心をお忘れなく。


回答者: 菅原 智之 


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