仏教ちょっと教えて 




068 「御仏前」「御霊前」どっち?


Q: お葬式の時に持っていくお香典の表書きは「御仏前」「御霊前」どっちでしょうか。


A:  お通夜やお葬式に弔問に行くとき、金封やお供物の表書きに悩んでいませんか。
 世間では四十九日までは「御霊前」とか、お通夜は「御霊前」でお葬式は「御仏前」などといろいろな事が言われています。こういう仏事作法はすべての宗派に通用するものはありません。
 仏教は宗派ごとに教えや物事の捉え方が違いますので作法も異なります。

 しかし、このご質問はおかしなもので、すでに答えが出ています。
 お葬式の時に持っていくお金の包みは「お香典」で良いのです。または「御香資」「御香」等とも書きます。これは仏さまにお供えするお香の代わりにという意味です。
 こういう言葉があるのに、いつの頃か「御仏前」「御霊前」と言う言葉が登場して、これらの言葉に意味付けがされるようになりました。

 あえて言うなら、浄土真宗は「往生即成仏」の教えですから、故人はこの世の縁が尽きると、すぐ「仏」に成ります。
 ですから浄土真宗はいつでも仏さまにお供えするのですから「ご仏前」です。決して「御霊前」ではありません。

 世間がどうであれ浄土真宗の信者である事に誇りと自信を持って、教えにあった作法でお参りしていただきたいと思います。
 どなたかに「何故そのようなことをするのですか」と訪ねられましたら、自信をもって「私は浄土真宗の門徒ですから」と答えてください。

 ○「お布施」?「お経料」?「読経料」?

 同じように、ご法事の時にお持ちいただく金封の表書きも「お布施」「お経料」「読経料」などまちまちです。
 正しくは「お布施」です。ご法事は料金制ではありませんので「お経料」「読経料」とは書かないでください。
 お寺にお持ちいただくものは、管理費、会費など定められたもの以外すべて「お布施」です。
  僧侶が読経や法話によって仏法を伝えたことを「法施」。これに対するお金によるお礼を「財施」といいます。お互いに施しあっているのです。


回答者: 白川 淳敬


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