海外からの英語を使われる方々に勧められる真宗書籍のお問い合わせが多いので、何点かご紹介いたします。
基本的には、真宗についてある程度の知識をお持ちか否かで、紹介する本が異なってくると思います。
海外の場合、宗教は個人的に大変重要視され、日本のように「家の宗教」ではありません。様々な宗教を既に体験してこられ、尚かつ、仏教も禅をはじめ密教系、チベット系などを熟知された方が多いのが現状です。単に英訳された書籍では真髄は伝えられません。
1) "Living in Amida's Universal Vow: Essays in Shin Buddhism"
ALFRED BLOOM博士、編者。 World Wisdom Books 出版、2003年。
明治から現在までの様々な書をもとに、阿弥陀如来の本願を今に伝える英文書籍。
あらかじめ阿弥陀如来と本願についての基礎知識があることが望ましい書物ですが、初心者の西洋の方に真宗を伝えることはできます。欧米の大学講義用としても用いられております。
著者について:BLOOM博士は、戦後の進駐軍の一員として来日。もともと、敬虔なクリスチャンであった氏が、来日後 阿弥陀如来と出会い、真宗者に改宗。元ハワイ大学宗教学教授。ハワイ在住の真宗僧侶。
2) "Ocean: An Introduction to Jodo-Shinshu Buddhism in America"
Kenneth Tanaka著 Wisdom Ocean Publications 出版、1997年。
本書は、以前POSTEIOS本の紹介で和訳本『浄土真宗入門』で紹介いたしました英語の原本です。現代欧米社会で浄土真宗を聞き、生きて行く道しるべ的な書物です。表題のように、位置づけは入門書です。
海外で、自分の信仰について問われる機会が多い中、英語で仏教徒で浄土真宗の門徒であることを伝えるのに役立つ本です。
著者について: TANAKA教授は、北米カリフォルニアを中心に活躍してこられた仏教学者。現在、東京の武蔵野大学教授。
3)「仏法のしずく −掲示法話とその味わい−」
藤枝宏壽 編者。 平成17年、永田文昌堂
48願にあわせて、48の標語にまとめられた和文書籍ですが、実はこの出版に当たって、先に挙げましたALFRED BLOOM博士を編集者に、英訳「Dewdrops of Dharma」が双子出版されております。42年間、教鞭を執られたその流暢な英語を生かしたお味わいに仕上がっております。 2冊とも揃えますと、和英対象で見られますので、英文真宗用語のお勉強に役立つと思います。
編者について: 藤枝師は、福井医科大学名誉教授であり、福井県越前市の了慶寺住職。
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