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011 『非公認分院への総長訪問の件』について

 非公認分院への総長訪問

 8月6日付『中外日報』に、「信行寺(四州教区)が神奈川県川崎市に分院(春秋苑)を開設して40周年の記念に、新たな山号を冠することになり、本願寺派の総長より揮毫された山号額の序幕式法要が総長を迎え営まれた(要旨)」いう記事が掲載された。

 この総長の行動には、大いに疑問を感じている。



 現在まで東京教区において“春秋苑”は未包括法人であり、東京教区では非公認の団体である。東京教区に所在しながら、教区とは無関係という状態が40年放置され、現在に至っている。首都圏開教本部でも重要な懸案の一つとなっているのである。

 私の寺は、川崎からはいささか離れた位置にあるが、当の分院が共同墓地経営と本願寺派寺院としての二つの顔を持って活動していることを聞いている。最近では寺院としての活動を強化しているそうだが、浄土真宗らしからぬ活動を公然と行っている。例えば、春秋苑の新聞折り込み広告にも「願いの矢受け」と題し、『矢受けの名号のお力にちなんでおこなわれている「願いの矢受け」。みなさまのお気持ちを「願いの矢」に込めて、的に納めて願いをかなえてください』などとある。これは一例である。

 本願寺派を代表する現職の総長という立場で、前述のとおり公的に認知されていない未包括寺院の行事に出席したことは、認識不足であると批判されてもいたしかたないのではないか。総長は、そのような事情を全く認識せず宗会議員仲間として訪問したのだと推察する。しかしその行動は軽率の批判を免れないものと思われる。

 また、そのことが、仏教界に関係する新聞紙上に掲載されたことは、多大の誤解と混乱をまねき、現在東京教区で進める対応にも大きなマイナスになることは否めない。まことに残念なことである。

        (1998年8月 明日奈朗)

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