僧侶向けページ



025 オウムに見る落とし穴



  今朝、別冊宝島476「隣りのオウム真理教」を購入し今ペラペラとめくっておりました。そのなかに「緊急アンケート実施 オウム信者をどうするか?「新宗教」「伝統仏教各宗派」のマイオピニオンという企画があり、20の団体のアンケートに対する回答が掲載されています。残念なことに本願寺派の回答はありません。なぜないのでしょうか。多分アンケートは宗務所に送られているとは思うのですが。フットワークの鈍さでしょうか。もし、アンケートが寄せられているのであれば、結果的に黙殺して発言の機会を逸してしまったことになります。その中で島田裕巳氏が「各宗教団体の『見識』から見えるもの」というコメントを寄せています。
 「ある仏教宗派の一部の僧侶のなかに、今でもオウムの問題を自分たちの信仰に照らし合わせて考えようとしている人たちはいる。しかし教団レベルでは、オウムは社会秩序を脅かす危険な存在、宗教にあるまじき教団として切り捨てられているように見える。・・・オウムが宗教であることを否定できないのだとすればなぜオウムが、そこまで逸脱していったのか、宗教の立場から検討を加える試みがなされてもいいのではないか」と言っています。
 オウムという集団を見るとき集団が陥っていく、(私たちも例外ではない)落とし穴が随所にあるように感じます。また、神秘主義的な体験を打ち出した点についても整理しておく必要があるように思います。ニューサイエンス的な土壌の上に又新たな問題が出てくることは間違いはないと思います。

                    酒井 淳


僧侶向けトップページに戻る