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032 20回目を迎える千鳥ヶ淵全戦没者追悼法要



  本年9月18日の
本願寺派主催の千鳥ヶ淵全戦没者追悼法要は、第20回目の節目の年を迎えます。この第20回目の法要を宗門としては、大切にお勤めしなければなりません。

  ここ1年間の政治の動きは、当時の野中官房長官の靖国神社特殊法人化発言・国旗国家法施行とその後の動き・森首相の「神の国」発言とその後の首相と与党の対応など、数の力を背景にした右傾化傾向が強まっています。また、少年犯罪に対する報復感情を必要以上に煽り、現在の教育を批判して戦前の教育を美化することばを聞く機会が多くなったような気がします。現実に、規律やしつけと称して教育勅語や徴兵制度を懐かしむ声が大きくなっています。森首相の教育勅語発言の背景には、そのような社会傾向(世論)を力としている意図があると思われます。

  このようなときであるからこそ宗門は、社会の福祉に責任を持つ宗教教団として信教の自由・思想信条の自由を守ること、そして非戦平和を社会に訴える運動を強力に推進していかなければなりません。千鳥が淵全戦没者追悼法要を、宗門の意志を社会へ表明する場と明確に位置づけ、9月18日に向けて、宗門内外の論議を深めていただきたいと思います。

  また、今年の法要には、是非ともご門主のご親修を復活していただくことを強く要望いたします。


                   2000.6.1    無憂樹
 


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