9月25・26日に招集された臨時宗会にて宗会調査特別委員会の報告書が承認され、宗会が「宗政浄化」の決議をしました。(『読売新聞』大阪版 9月26日・27日記事参照)
宗会はご門主の、「宗門に社会的信用を傷つける事件が続いていることは許されることではありません。宗会におかれましてはしっかりとした判断、対処を切望します(要旨)」との厳しい内容の挨拶で始まりました。
注目の宗会調査特別委員会の報告書の内容は、明確で実に厳しいものであります。北山問題ははじめから暴力団絡みで進められた事業であることを指摘、そして、その経緯をすべて実名を上げて報告しています。先の教区会議長会の報告書が宗会の調査委員会の後押しをし、このような報告書を導き出したといっても過言ではないでしょう。
宗門はこの報告書を受けて、まず北山別院の不正に関わった宗門関係者を処分し、適正な事後処理をしなければなりません。すでに、うやむやな解決は成り立たなくなったということです。I氏は辞職をしましたが、名の挙がっている宗門内有力者が複数名います。蓮総長および宗会の力量が問われるところと考えられます。大いに期待するところです。
宗会調査特別委員会の報告書は、宗会の承認を経たことにより宗門内に公開されたものと判断できます。教区会議長会の報告書は全寺院に送付されました。しかし、宗会の報告書は、各教区の宗会議員の責任において報告されることになったとのことです。
ここで、心配されることは、教区によっては情報が操作される可能性があるということです。
宗門の浄化は、宗門世論が正しい情報によって構築されなければ成り立ちません。近々、宗会議員から臨時宗会の報告書が届くことと思われます。この度の事件では宗会議員の資質が問われているわけですから、少なくとも選挙民である本願寺派の僧侶は、だれがこの事件にどのように関わっていたかを知っておかなければなりません。宗会調査特別委員会の報告書全文、または、その内容を踏まえた明瞭な報告が届くことを期待します。
尚、宗会特別調査委員会の報告書はコピー配布も可能とのことです。もし、原文を手に入れたい場合には、地元宗会議員にお問い合わせください。
2000.10.1 無憂樹
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資料
西本願寺北山別院2億円焦げつき問題 本山主導で架空墓地 宗会に報告書/京都
◆総局幹部が指示
浄土真宗本願寺派(本山・西本願寺)の本願寺北山別院(京都市左京区一乗寺)の墓地造成計画をめぐり、元輪番が別院名で債務保証した銀行融資二億円が焦げつくなどしている問題で、宗派の議会にあたる宗会の調査特別委員会が二十五日、報告書を臨時宗会に提出した。当初元輪番らが行っていたとされた計画は、実際は本山主導で進められ、京都市の造成許可を得るためにうその申請をした偽装工作は宗派の内閣にあたる総局の幹部の指示で行われたうえ、暴力団組長も介在していたことを指摘。同委は総局に対し、陳謝と関係者の処分を求めている。
報告書などによると、北山別院は墓地経営のために一九九六年、別院に隣接する山林三千三百平方メートルを購入。約二千区画の墓地を整備し、約二十四億円の売り上げを見込む計画を立案。
しかし、墓地造成は国などの指導で、既設の拡張か移転だけで新規造成は認められていないため、石材会社から古い墓石を持ち込んで並べたうえ、架空の墓地使用者名簿を作成。沿革書も偽造してすでに墓地があったようにでっち上げ、その拡張名目で同市に許可申請をしていた。
報告書では、この偽装工作は複数の総局幹部の指示だったとする、当時、別院の責任者だった輪番らの証言などを並べ、「事業推進の経緯から本山主導で行われたことは明白。指揮監督も怠った」と指摘。計画当初から総局幹部の知人の暴力団組長が「宗務所内において開催された度重なる会議に出席していた」などと関係していたことも示した。
一方、別院が債務保証し、墓地造成、管理主体として設立された「北山墓苑」が九七年に借り入れた二億円については、別院が宗派の規則などに規定された手続きをしておらず、「銀行側も手続きが必要であることを承知していたはず」などとして「法的には債務保証は成立していない」との見解を示した。
計画は問題発覚後の昨年十一月に中止された。同委は、宗教団体にあってはならない行為で、「多大な迷惑と不信感をもたらしたことを総局は宗門内外に陳謝すべき」とし、総局幹部ら関係者の処分などを求めている。蓮清典・同派総長は「すみやかに特別調査対応委員会を開き、解決に向けて努力を重ねていきたい」としている。
(『読売新聞』2000.09.26 大阪朝刊 38頁)
西本願寺北山別院の2億円焦げつき問題 宗会が「浄化」決議/京都
浄土真宗本願寺派(本山・西本願寺)の臨時宗会が二十六日開かれ、「北山別院墓地問題への反省と宗政浄化の決意を表明する決議」をした。京都市左京区の北山別院の墓地造成計画をめぐり、同市の造成許可を得るため宗派幹部の偽装工作指示などが明らかになったため。
また、宗派に無断で二億円の資金借り入れを同別院名で債務保証したとされる元輪番の宗会議員(56)が議員辞職した。
(『読売新聞』2000.09.27 大阪朝刊 34頁)
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