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042  東京教区内未包括寺院の活動に思う 


東京教区内未包括寺院の活動に思う

  東京教区には現在約430ヶ寺の本願寺派寺院と24の布教所がありますが、その他に「東京教区未包括寺院」が50ヶ寺以上(推定)あります。

 「東京教区未包括寺院」とは東京教区内に寺院として存在し活動しながらも、東京教区組に属していない寺院なので、我々が所属する東京教区の管轄外の寺院ということです。

 したがって、東京教区の基幹運動計画や申し合わせ事項などの連絡が行かないので、独自の活動になる傾向があります。ともすると、浄土真宗といいながらも浄土真宗にそぐわない教化や行事をしかねないのであります。東京教区の寺院ですとそのようなことが起きると回りの寺院から助言や指導があります。お互いに良いところ悪いところを見ながら地域として浄土真宗の繁盛に貢献してゆきます。 地域内に未包括寺院があって、その一つが独自の活動、地域の習慣等にそぐわない動きをするとその地域の浄土真宗のイメージダウンにつながることになります。

 また、未包括寺院の方は地域のお寺からよそ者扱いされる、いじめられるとの声を聞きますが、これは単にされるべき手続きがされてないだけです。長く未包括で活動されている寺院にとってはそれを修復するのは大変です。最初のボタンを掛け違ったようなものです。

 しかし、都市開教本部の布教所は教区内に現在24箇所、教会や法人になって宗派包括された寺院が12箇所ありますが皆たいへんな手続きをとって一宇を建てています。候補地を断念せざるを得ない状況が起きることもしばしばです。何カ所もの候補地を調査し、周辺ご寺院方との話し合いを何度も繰り返してやっとの事です。それまでに何年間も費やしたこともありました。

 未包括寺院はその手続きが無いのがほとんどです。「東京に行って一旗揚げるか」的発想で突然やってきて関係業者と密接になり経済効果を上げていく。寺院の設立趣旨を聞くと表向きにはうちの門徒が東京にいるのでその手当をするためと言いますが実際はいかに経済効果をあげるかということです。これでは既存近隣寺院との軋轢があるのもしょうがありません。それにどこの誰かもわからないのですから。

 近隣寺院に挨拶をした、しないという話になることもありますが、挨拶があるのはすでにここにお寺を建てましたのでこれからよろしくという既成事実ができあがってのことですから、その時にはすでに手遅れです。そんなことをお話しすると、自坊があるので忙しい、どこに相談したらいいかわからないと言われます。しかし今布教所で活躍している専従員の方々は全員それをやってきているのです。話し合いの上に話し合いを重ね、設立が具体化しますと、近隣寺院の法務のお手伝い、布教のご縁、別院の報恩講や各種行事にかならず参り、顔を覚えていただき人物を見ていただき信用を頂いていく、このようにして今を築いているのです。これをとばしてはいけません。



  
もう一つ大きな問題があります。

  それは宗派の規則です。宗教法人法の改正によりまして、宗派内の手続きが変わりました。他府県に飛び地境内地(分院)を持つものは本院のある教務所を通して宗派に届け出をするということになりました。これで分院の所在がわかってよいと思いますが、その手続きの中で、分院のある教区や組には何の連絡もなく手続きが宗派と本院のある教務所で交わされてしまうのです。この手続きをされますと東京教区未包括寺院でありながら、宗派的には認められた寺院と言うことで、うちは宗派に認められている寺院だと開き直られると誠にやりにくいのが現状です。

  これに対しては強く宗派に改善を求めます。

  最後に、もしこれから、東京教区に寺を建てたいと希望される方は、まず、築地別院の都市開教本部にご相談されることをお勧めします。




合 掌  

元、東京首都圏都市開教対策本部主事
白川淳敬
 (2000.12.16)

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