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046  宗門の封建体質


宗会宗政浄化議員協議会の文書


   宗会は、宗門浄化に向けて動き出しています。しかし、総長の動きはいかにも鈍いと言うのが一住職としての私の感想です。本山から些か離れたところにいる私ですらそうですから、宗門浄化を目指す宗会議員のみな様は内心忸怩たる思いであったのでありましょう。

   2月13日、浄土真宗本願寺派宗会・宗政浄化議員協議会から封書が届きました。本派全寺院に発送されたもので、そこには、蓮総長の北山問題に対する対応の姿勢が如何に消極的であり世論操作まで目論んでいることが書かれています。この文書により、現在、宗会において宗門浄化を求める宗会多数派と総局が厳しく対立していることが明らかになりました。そして、その事実がすべての寺院に知らしめられたことになります。

   この文書を読みました時に、暗然とした気持ちにさせられました。何故このような文書を送付しなければならなかったか。それは、民主的に運営されている宗会の議決や手続きを、権力によりねじ伏せてしまおうとする働き(すなわち封建的な構図)があるからです。

   この文書は、宗門が封建的体質を払拭でき得ないような制度を内在していることを宗会の立場から私たちに明示されたと読み取っても良いのではないでしょうか。宗会の真の民主化を目指して、宗会は大いに力を発揮していただきたいと思います。

   宗門の封建体質は、本山に限ったことだけではありません。教区の運営についても教務所長への権限の一極集中化は、まかり間違えば、教区の自主性を無視する封建的体質をいとも簡単に表面化する可能性を秘めています。要は、宗門の民主的運営は上に立つ者(宗門においては総長・教区においては教務所長)の資質に負うところが大なのです。

   宗門は民主化への動きと封建化への揺り戻しを絶えず繰り返しています。一例をあげますと、基幹運動はそのような宗門のあり方にメスを入れることも目的の一つでありました。しかし、教区基推委会長の教務所長兼任を法制化することにより機能を弱めてしまいました。

   この機会に、宗門の制度をもう一度チェックし直し、改めていくことの必要性を痛感いたします。





無憂樹 (2001.02.16)

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