京都新聞(2001年2月21日)
北山別院問題で宗会が解散
浄土真宗本願寺派
浄土真宗本願寺派(本山・西本願寺、京都市下京区)の蓮(はちす)清典総長は二十日開会した定期宗会の冒頭、宗派の議会である宗会を解散した。宗会の多数派は「北山別院問題への対応が不十分」として同日、蓮総長に対する不信任案提出を宗会議長に通告しており、可決の見通しとなっていた。宗会の解散は戦後五回目で、十二年ぶり。宗会議員総選挙は三月下旬に行われる見通し。
北山別院問題では、同別院(左京区)が計画した墓地造成に際し、本山の主導で、境内に既存の墓地があったように偽装して京都市の墓地経営許可を得たことが発覚。暴力団の介在も指摘された。さらに別院の元代表役員らが、宗派で定められた手続きを経ないで別院名で保証した資金約二億円もこげつき、融資した大和銀行が別院などを相手に債務履行を求め提訴した。
このため同派は関係者の処分のあり方などをめぐって混乱。昨年十月、閣僚に当たる総務の一人が宗会から監督責任を問われて辞職した。蓮総長は総局を改造したが、総務五人のうち四人が同問題への総局の対応を不満とし、わずか三カ月後の今年一月にそろって辞職する事態となった。
蓮総長は第二次総局改造に踏み切ったが、宗会の三会派を中心に「北山別院問題解決への真しな姿勢がみられない」として総長不信任案を用意、総辞職を求める構えを見せていた。
宗会議員らは「理由も示さない解散は暴挙」と批判。一方、蓮総長は解散後の記者会見で「(北山問題の対応など)取り組んできたことに対し総局と宗会の考え方が違い、やむを得ず解散を選んだ」と説明した。
宗会議員らの任期は今年七月までだった。宗会が二〇〇一年度予算案の審議を前に解散されたため、同派は臨時(暫定)予算で新年度を迎える見通し。同派の宗法では、宗会が解散された場合、選挙直後の特別宗会で信任投票を行い、総長の信を問うことになっている。 |
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