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056  宗門関係学校教職員の
  被選挙権について


宗門関係学校教職員の被選挙権について

   4月12日付の『中外日報』に、大阪教区でトップ当選をした出口議員が、相愛学園の学園長を形式的にしか辞職をしておらず当選は無効であるとの異義申立が、監正局に提出されたとの記事が出ていました。

   宗会議員選挙規程では、被選挙権について第4条で宗務員の被選挙権・第5条で宗門関係学校教職員の退職期限について宗門関連の職務についての厳しい規程が設けられています。

   中外日報の記事を読む限り、出口議員の退職は形式的ととられてもやむを得ないのではないでしょうか。ましてや、卒業式に出席し学園長として祝辞を述べるということが、宗門関連の職務を厳しく規制している選挙規程に違反する行為であることは間違いありません。

   宗会議員選挙規程第6条には宗務員兼任禁止の条項がありますが、選挙区内の宗門関係学校教職員の場合も宗務員に準ずる規程を設けるべきだと思います。また、もし兼任に支障がないのであるならば、第5条の規程は削除するか宗務員に特例(第6条)があるように特例の条項を設けるべきでありましょう。


明日奈朗 (2001.5.01) 
参考記事
  2001.4.12中外日報

   次点山田氏(大阪教区)が異議申立
    本願寺派宗議選「出口議員の当選無効」

 三月二十五日に投票が行なわれた浄土真宗本願寺派大阪教区の僧侶宗会議員(定数三)の総選挙で次点で落選した山田智之前宗会議員(55)が、十日、トップ当選を果たした出口湛龍宗会議員(49)が「宗会議員選挙規程」に違反、同教区内の宗門校である相愛学園(法人本部=大阪市中央区)の学園長を形式的にしか辞していないなどとし、出口議員の当選の効カに関する異議申立を監正局に対して行なった。

  相愛学園学園長 辞職に疑義

 「宗会議員選挙規程」第五条第一項には「宗門が設立した学校法人の経営する学校(宗門関係学校)の教職員は選挙の期日の宗告発布の日から三日以内に、その職を辞さなければ、その職務のある選挙区内では、被選挙権を有しない」と規定されている。

 今回の総選挙の宗告は三月五日に発布されており、出口議員(当時は前議員)はその前日の四日付で相愛学園学園長の任命権者である蓮清典総長に学園長の辞表を提出しており、翌五日付で退職書を受け取っている。

 しかし、山田氏は、出口議員(同)が選挙期間中の三月十六日に行なわれた相愛大学・短期大学部の卒業式に出席、学園長として祝辞を述べていることや今月一日付で再び学園長に就任している点などを指摘。

 「選挙期間中、形だけは学園長の辞任届けを出したものの(中略)実質的には学園長として振る舞っていた」などと主張、出口議員(同)の行動は「宗会議員選挙規程」に違反した脱法行為であるとし、同議員の当選は無効であるとしている。

 また、学園の寄付行為に基づき学園長を辞任すれば自動的に理事長も辞任することとなり、その場合には「私立学校法」に基づき知事に届け出ねばならないとされているが、山田氏は「この手続きもとられていない」としている。


  「何ら問題はない」と反論 出口議員

 これに対し、出口議員は「選挙の告示前に辞表を蓮総長に提出して翌日には退職書を受け取っており何ら問題はない」と反論。

 選挙期間中に学園長として卒業式に出席したことについても「今回の選挙は解散に伴う急な選挙であり学園の卒業式などのスケジュールは事前に決まっていたことで祝辞なども既に出来上がっていた。学園から要請があり道義上出席して祝辞を述べたが、立場はあくまでも前学園長ということで学園側に了承を得ている」と主張する。

 また、大阪府知事に対して理事長の辞職の届け出がなされていないとの指摘については「そのような事務手続きは学園の事務局サイドの問題であり、学園長・理事長ではなくなった自分の問題とされるのは心外である」としている。

 出口氏の宗会議員としての立場は監正局の審決が下るまでは保証される。

 なお、大阪教区の僧侶宗議選挙は、出口、山田の両氏をはじめ松永大徳氏(52)、本多隆朗氏(57)、好井純子氏(63)の五人が立候補した最激戦区。

 出口氏が602票、松永氏が445票、本多氏が394票を獲得してそれぞれ当選。

 山田氏は322票で次点、約半世紀ぶりの女性僧侶の立候補として注目を集めた好井氏も282票で落選している。



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