武野総局の実質的な最初の舞台である第263回臨時宗会が開催されました。解散選挙による異例の6月の予算審議が主でありましたが、すべての議案が可決され順調なスタートということができるのではないでしょうか。
今回の選挙では、情報公開ということが多くの候補者によって叫ばれていましたが、宗会の情報は私たち一般僧侶にはまったく聞こえてきません。数日遅れで届きます『中外日報』が唯一の情報源というお粗末な状況です。中外の報道によりますと公開の方法も検討されているとか。ところがその記事の中には、宗会審議の質の向上が先とも。公開すればおのずと質は向上すると思うのですが。
今回の臨宗で最も難産だったのが、「監正局の確定審決の公示に関する特例を定める宗則案」だったとのことです。監正局の審決がすべて非公開であることは知りませんでした。人権に配慮ということは当然のことではありますが、特に宗務員に関して非常に甘い制度が存在していたことに驚きを覚えます。宗務員には懲罰(懲戒)制度があることとは思いますが、恣意的な人事がおこなわれる可能性がある宗門事情を考慮すると、宗務員として不的確な人物が転勤によって宗務員のまま在職し続けることを可能にしてしまう制度になっているのです。更生保護の立場からは良いことかもしれませんが、このままでは宗務員の質の向上は望めません。特にその人物を受け入れなければならない教区等にとっては非常に迷惑な話です。
北山問題解決のための手続きのひとつなのかもしれませんが、もっと大胆な法改正があってもよかったのではないかとも思います。
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無憂樹 2001.7.1 |
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