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 定期宗会終わる


定期宗会終わる

  10月23日から29日まで定期宗会が開催されました。これまで北山問題のために宗会が混乱し続けてきましたが、北山問題解決のための山場を一つ越えたことから、久しぶりに宗門の将来についての重要懸案を審議する宗会となりました。下記『中外日報』(10月25日付)の記事にある首都圏宗務総合センターの設置や教学振興評議会の設置などの宗則案、また監正局の充実を図る宗則改正案など、総局から提出された議案は全て可決されました。

 
これから決議された議案が、どのように運用実施されるかを期待を持って注目したいと思います。

無憂樹 (2001/11/01)

資料: 2001年10月25日 中外日報

 本願寺派の定期宗会開幕
   首都圏での“市民権”を
    宗務総合センター設置提案
     都市開教や情報の収集

 浄土真宗本願寺派(武野以徳総長)の第265回定期宗会(石上智康議長)が23日招集された。会期は7日間。武野総局は25日、東京首都圏における出版、広報などの宗務機能の充実を図るために首都圏宗務総合センターの設置を求めた宗則案や、脳死問題など現代社会のさまざまな課題に臨機応変に即応するため総局のもとに教学振興評議会の設置を求め宗則案など11件の法規議案を上程した。
 首都圏宗務総合センターは、現行の東京出張所を発展解消し、新たに設置される宗門の東京首都圏の“顔”。
 同センター設置の布石として今年9月に、築地別院輪番が兼務してきた東京出張所長と東京首都圏都市開教対策本部長を総局直属のポストとして分離、現在、山内教嶺総局公室長がこの二つの職務を兼務している。
 西日本を中心に教線を張る本願寺派にとり、東京首都圏は最大の“ウィークポイント”。人口に比して寺院数が極端に少なく、「本願寺派の市民権は無きに等しい」とまで酷評されてきた。
 首都圏宗務総合センター構想は「首都圏における宗務機能の充実」が目的。東京首都圏都市開教対策本部と緊密な連携のもとで「強力に宗務を推進しなければならない」等と異例とも思える強い表現でその職務が規定されており、「西高東低」の宗勢の偏りを是正、首都圏での本願寺派の“市民権”確立を目指している。
 同センターが所掌する宗務は、都市開教をはじめ官公庁など外部団体との折衝、マスコミ対応、情報収集、出版などでセンター内に「総合庶務部」「都市開教対策部」「出版企画部」の三部を設ける。

     教学振興評議会の新設も

 教学振興評議会は、現代社会の動向を把握、宗門内外の要請に応える教学の振興および調査研究を行なうため設還される総局の諮問機関。
 脳死・臓器移植などの生命倫理の問題や米同時テロなど現代社会に惹起するさまざまな諸課題に即応し、適宜的確に宗派見解を表明するためのシンクタンクとしての役割を担うことが期待されている。
 同評議会の委員(任期二会計年度)には、教学研究所長、研究員、宗会議員および学識経験者、宗門関係学校の教職員、管理職以上の宗務員をはじめ基幹運動本部員、司教以上の学階を有する者が含まれ、教学研究所、基幹運動本部、勧学寮の三者の連携が図られる。

     豊原総局以来の積み残し懸案

 首都圏宗務総合センター、教学振興評議会は、ともに武野総局の“オリジナル”ではない。
 昨年一月の臨時宗会に当時の豊原総局が総局部門の全般的な機構改革案を上程、その中で「東京首都圏対策事務所」および「教学会議」の設置を目指した。
 しかし、同派北山別院の墓地造成問題(「北山問題」)をめぐる宗政混乱のあおりを受け機構改革案は審議未了で廃案に追い込まれ、両機関の設置も見送られた。
 今回の首都圏宗務総合センター、教学振興評議会はいわばこの機構改革一案の部分的な復活。
 当時に比べ宗政が安定していることから考えて今回再び否決(廃案)されることはあり得ないと思われるが、本来ならばすでに設置、稼働しているはずの機関。
 結果的に見れば「北山問題」で宗務に一年九ヵ月ものブランクが生じたわけで、武野総局は今後もこのような「積み残した課題」の整理に追われることになりそうだ。



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