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089 情報の見えない宗会


情報の見えない宗会

  2月19日から27日まで定期宗会が開催されました。

  北山問題が一応の終結を見、中央相談員の休職問題についても、宗会前の12日にに中央相談員に対しては譴責というもっとも軽い処分をもっての復職という結果がでていましたので、表立った争点のない宗会であったということができます。

  しかし、耳目を引く宗会ではなかったとしても、情報がまったく漏れてこなかったことには驚かされます。先の宗会選挙の折りには、北山問題が未解決でありましたので、不正を起こさせないためには宗門の情報公開が必要不可欠であるとの公約を掲げた候補者が多数ありました。にもかかわらず、喉元過ぎれば熱さを忘れるということなのでしょうか、情報についての締めつけがより厳しくなったという印象があります。私たち一般僧侶には、宗会が終わるまで何が審議されているのかまったくわかりませんでした。

  今までは、与野党の攻防が激しかったので双方から情報がリークされていたのだと思います。今回はオール与党の色彩の強い宗会でありましたので、意図的な情報の流出が行われなかったということなのでしょう。

  しかし、宗会に関心を持つ一般僧侶が、宗会で何が審議されているかわからないという現状は問題です。少なくとも議題は事前に公開すべきであり、審議経過の情報もインターネットを利用するなど逐一宗門内に公開できるようにすべきです。高度情報化社会である現在においては宗門内への限定的な公開は十分に可能なことであります。
  宗門の立法府である宗会の情報公開は宗門の民主化の重要な切り札であると思います。そのカードは、宗会が責任を持って切るべきだと思います。より開かれた宗門運営を考えていただきたいと思います。

 現在の段階で私たちが知り得た今回の宗会情報の注目点は次の通りです。

 1.基本法規調査会が設置された。
 2.宗祖750回大遠忌事務態勢が確立された。
 3.先の臨宗で決定した宗門の機構改革に伴う大幅な人事に着手する。
 4.次年度から帰敬式での法名の内願が可能になる。

 詳細については、まだ明らかでありませんので情報が入り次第論評をさせていただきたいと思います。


群生海   2003.03.01 

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