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1998年1月1日〜1月8日 神戸オリエンタル劇場
原作・構成 衣装監修 松本零士/演出・振付 ジェームス・ロッコ
作曲 シュン・トクラ/作詞 ダグラス・A・ブレイフィールド/脚本 ミラニー・ミンツ

松本零士原作 銀河鉄道999より
GALAXY EXPRESS 999
CAST
星野哲郎 本田 修司 キャプテン・ハーロック 宮川 浩
メーテル 大浦 みずき 機械伯爵 留守 晃
クレア スージー・カン 車掌 三谷 六九
リューズ 杏子 プロメシウム 杉村 理加

「銀河鉄道999」が流行っていたころはいったいくつぐらいの時だったのだろう。
活字を読むことは小さな頃から好きだったけど、映像というものにはまったのは これがきっかけだったように記憶している。 松本零士の繊細な絵に惚れて、機関車の中の緻密な部品を一生懸命写したりしてた。
そんなこんなでかなり思い入れが深く、正直最初にチラシを見つけた時にはえ〜ってかなり批判的だった。 観たいような観たくないような…

キャストをみて、かなり力入っているなと感じたけど…。 メーテルがなーちゃん(大浦)これが一番引っかかったですねぇ!! 申し訳ないけど、あのハスキーな声でメーテルは… 元来アニメの中の人で、こんな人間が居るわけないのだけれど、 謎の美女メーテルに多大な憧れを持っていた私は、パワフルななーちゃんのイメージとの接点を見つけられなかった。 (出演者の中で言えば鳥居かほりさんなんかイメージなんですけどね。)と、同時に謎の美女になりきっていたらどうしようという失礼なこと考えながら見に行った。

いきなり車掌さんが浮きながらの登場。目だけ光って、劇画そのまんまの姿に嬉しくなってきた私(*^^*)。 この車掌さん、この後ずっとコミカルなキャラクターで和ませてくれる、この舞台一番のお気に入りになってしまった。

一幕は、機械伯爵に母を殺された哲郎が、敵を討つために999に乗り込み、時間城で機械伯爵との決闘をする 前のシーンまで。一幕が終わった時の印象は、なんか淡々としているなぁって感じ。自分自身が宇宙の中に 居るような照明の中で、999ってこんなエピソードあったなぁって記憶をたどっていた。 レコード聞いたり、かなりビデオを見たりしていたにもかかわらず、あまりはっきりとは覚えていなかった… (^_^;)(20年近く前のことで、まだ幼かったということかぁ??単に頭のタンクちっちゃいだけかもしれない・・・)
最後クレアとメーテルが、哲郎に機械人間になっても必ずしも幸せではない、伯爵と戦うことに意味はないから、 といって諭す中、哲郎は行ってしまうというシーンの歌が、すごく良くて、三人で歌うところなんかは 圧巻です。幕間にロビーに行ったら、スージーが歌うこの歌が流れていて、まろやかな歌声になんだか 洗脳されるような気がした。

メーテルとの出会い、母との別れ、などのエピソードの中でシャドウが出てくる氷のシーンが好きだな(^^)。 シャドウ達の踊りが、不気味で、悲しさが伝わってくる。確かメーテルの体もこの中にあって哲郎がショックを 受けるということがあったと記憶していて、メーテルがいつ出て来るのだろうかと、期待してしまったのだけど そんなのなかったかなぁ・・・。

二幕はリューズの歌から、リューズのキャラクターってこんなん??でしたっけ・・・。リューズの裏切りにより 機械伯爵をあっけなく倒して、惑星メーテルであっけなくブロメシウムを倒してしまうという、ものすごーく あっさりとかたが着いてしまったなぁという印象。機械帝国を操る人達が破壊するにはあまりにもあっけない。 照明、音響でかなり雰囲気がででいるので、もう少し肉厚に話を進めて欲しかったような気がする。救いはプロメシウムの熱演かなぁ。 迫力ありました。キャプテンハーロックもタイミング良すぎるよぉ〜(~_~;)。
クレアと哲郎のほのかな愛がいいですねぇ。哲郎やっている方は少年ぽさがぴったり。歌い方が猪突猛進って 感じで。クレアも今回のお気に入りの一人(^^)。たどたどしい日本語が、人間ぽさを希薄にしてしてクリスタルでできている っていう華奢っぽさが浮き彫りになってたと思う。こういうのだけは作ってなるものでないので、上手いキャスティングだなぁって おもいました。機械人間を生身の人間に変えるという花の種。クレアが死ななかったらずっと見付けられなかったのですねぇ。 なんか悲しすぎる・・・。

この作品、顔が見えない人が多いんです。機械人間の方はもちろん、ハーロック様だって、ほとんど素顔は分からない。 とちろう君なんて、機械そのものですしねぇ。(二人の太っとい歌声はこれぞって感じでほれました。) ラスト機械が人間に戻って、素顔で舞台に出でらした時、こんな人が出てたんだーって、まじまじと見てしまった。 あっメーテルさんですが、心配していたほど違和感なくというか、帽子にマントの扮装されたら、メーテルにしか見えなかった・・・ 一個所だけ、帽子を脱いでまして、前髪カールはちょっと・・・。謎めいた雰囲気はあまり感じなかったけれど なーちゃんの存在感で、そんなことどうでも良くなっていたの〜(^^)歌なんかの説得力はさすがです。年上の女性というよりも、母親の変わりって イメージでしょうか。でも今度映画みたら、メーテルってこんなんだったっけって反対に思いそうでコワイ(^_^;)。

思い入れあるので、変なところでこだわってみてしまったけれど、全体的には良かったです。 アニメを舞台にした時の違和感はなかったですし、あの長ーい話を2時間ちょっとに凝縮して、 曲に載せて感動もさせてもらった(^o^)。銀河の中に漂わせてもいただいたし・・・この話って スペクタクルな装置とか使ったらもっと大きな劇場で派手にやっていけるんじゃないでしょうか。 3月に公開される映画の方もみたいなって思いながら、帰りました。

98/01/04