●過去のDiary
- 12月8日「イン・ザ・ヘブン」
- ものすっごく久しぶりに新井素子さんの本が書店で目についた。
執筆されていなかったわけではなさそーなんですが、私は久々って感じがした。
で、内容もなにも考えずに勢いで購入しちゃったわけですが・・・・「人間って、捨てたもんじゃないぞ」っていうお話。
は素子さんのあとがき。それを描くのに出てくる天国だとか、神様だとか、人の命。
一人称の「あたし」って書き方がらしくてほっこりするものの、 けっこう内容シュールでね。人が自分たちに被害がおよばないように隔離した死亡率高い病原菌をもった隔離病棟 へ、もっと死亡率の高い病原体から逃げて入ろうとするとか・・未来にネットを使えないというのは病気であって、 それが使えるように手術をしたが為に起こる頭のなかの混乱とか・・・。人口が飽和状態になって、ひとりが 死ななきゃ子供が生まれないって話とか・・・
未来の話、現実の話ではないようでものすっごくリアルで・・・怖いっす。
あっ、SF作家だったんだこの人とか、妙に納得したり、昔の御伽噺ってこういう感覚だったのかしらって 思ったり・・・・短編集だからか、ものすごくいろんな気持ちが頭の中をめぐった。表題の「イン・ザ・ヘブン」は、命の最後を迎えた人との天国談義。
こんな風に安らかに死を迎えられたら幸せだろうなと思いながら読み進めると、ほんまにこんなことになりそっな 怖い未来。ん・・・・^^;
パラレルワールド的な考え方は、なんとなく同意というか、そんなことずっと思ってる私なんで、 面白かったかな。
昔、蟻の観察とかした時に、こんな風に今いる人類の世界よりももっと大きな世界があって、 人間を間引きしていたり、攻撃していたりするんじゃないかって思ったし・・(けっこマジで現在進行形(笑))。そんな中、「あけみちゃん」は、かわいらしくて、悪魔だったなんだって、子供の 純粋さにはかなわないなぁ〜〜って、一番ほっこりした作品でしたっ。
なんかね、人の命とかっていろいろ考えるようなことが私的にあって、 そんな時にこの作品に出会うってコトがびっくりだったりすんですけど・・・
あまりに変わらない素子さんの世界に触れて、なんだか自分がすごく年を重ねたなと感じてしまったのも事実で ちょいとつらいなぁ(笑)って感想でおしまい。- 1月4日「レンタ猫」
- あっ・・更新が1年前^_^;3日坊主やったってことやね(笑)。
単に正月が暇ってことかもしれん。
ここから・・・2013年・・年の為違う作品をレンタルしに行って借りてきた。
市川実日子さん主演、萩上直子監督。見つけると借りてきちゃうなこの監督の作品。
流れる空気とか、出演者とか好みらしい。
心の穴を猫で埋めてくださいっていいながら猫を貸し出す サヨコさん。リヤカーで猫を連れてであった心寂しい人に猫を貸す。
貸す相手は、いろいろ。
どうても、職業として成り立つ感じではないのだけど、本人曰く違う商売をしてますので 大丈夫です・・と。
その違う職業が、貸す相手によって違っていて、本当にそれをしている映像が出てくる(笑)。
冗談なのかどうだかわからない。この辺りはちょっとB級映画っぽい。
と書いていて思い出したが、同じレンタル業の車なんかのシステムと比較して、何事も Aクラス、Bクラス、Cクラスとランク付けするのはどうかナンテ問題提起っぽいことしちゃっている ところもある。
この監督の作品にしては、ちゃんと会話があって見やすいかな。
サヨコ本人は不思議な存在だけど、今ある境遇の前がちゃんと読めるもの。
そして、いつも思うのはあくせくしていない日常が輝いてみえるなぁってこと。 古い一軒やで縁側と庭のある風景。今じゃ珍しいし、そこでゴロゴロ(一見)している 生活も難しいのじゃないか。
単に私が物や便利というものに囲まれて暮らしているのが普通だと感じているだけなのかな。みていてほっこりすること間違いない・・・。
彼女のゆるーい生活もいい感じだし、なによりも猫かわいすぎ。時折、猫だけの映像とかになると たまらなくキュートで顔がほころんでくる。
猫、抱けませんケド、抱きたいのよホント(T_T)。
でも、そんな余裕ある暮らしでもひとりは寂しいらしい・・・この辺りはわかるような分からないような・・・
他の出演者も、個性的。隣のおばちゃんて・・・小林克也さんだよねぇ〜〜。
笑えます。- 1月15日「ニライカナイからの手紙」
- DVD鑑賞(癖になってる(笑))
物語は、沖縄の竹富島。母と娘の別れのシーンから。母は東京に、おじいと7歳の風希は残る。
詳しいことを知らされないままに郵便局員のおじいと二人暮らす風希。
土地の人たちが一体となって風希を守ろうとしている感じが新鮮に映る。
母はいつまで経っても帰ってこなく、誕生日には手紙が毎年届くのだ。
少女から大人になり、母の存在に疑問も湧く。14歳の誕生日に届いた手紙に 「20歳になったらすべてを話す」という言葉を信じて20歳の誕生日を待つ。
高校を卒業して写真の勉強をすると言って東京に出た。20歳の誕生日はそこに来ていた。蒼井優ちゃんがかわいかった。。2005年だからちょっと前の映画。
「手紙」シリーズだそーです。他に何があるのかな。
とても綺麗な映像の映画。
日本でありながら、日本でないような風を感じる。
いらいらするぐらい無口なおじい。その愛情が誰よりも深いことは 見ていて察する。ただ、それは傍で見ているからなのだろうなぁ。やはりちゃんと 伝えなければ伝わらないよと思っていたが・・・。言葉なくとも伝わる時は伝わるようだ(笑)
話の流れから、母の秘密についてはなんとなく想像はつく。でも、ちょっと衝撃的な 知らさせ方になっていてビックリ。
淡々と静かに終わるのかな・・とか思っていたから。
話の筋とは別に、東京で風希ががんばる姿がよかったなぁ〜〜。
そんとくなしに夢に向かうエネルギー。キラキラまぶしかった。- 1月9日「トイレット」
- DVDで鑑賞。
舞台はおそらくイギリス。日本人の母を亡くし、気持ちがばらばらになった個性的な3人の兄弟。
ひきこもりの兄のモーリ、作家を目指している妹の。プラモデル好きで歩くのも直角に歩くような 真面目なレイ。
その兄弟と、英語が全くできない祖母の不思議な同居生活が始まる。「かもめ食堂」「めがね」に続く萩上直子監督の映画。
「かもめ食堂」は好きだったけど、「めがね」は狙いすぎてもう一歩という印象。
しかし、これは面白かった。独特の間は健在で心があったかくなるユーモアと人間模様。
かなり個性的で一見バラバラな兄弟だけど、実はとても優しくてつながっている感じが好き。
母が日本人で、死ぬ間際にやってきた「ばーちゃん」を戸惑いながらも 受け入れる。ばーちゃんはもたいまさこさん。
ものすっごい存在感に惚れますね(笑)。
DVDのパッケージに、「みんなホントウの自分でおやんなさい」って書いてありましたが、 実際台詞は「モーリー cool」その一言だけ。すごいなぁ〜〜
言葉は通じなくても、分かるっていう次元を超えた、コミュニケーションの取り方で(笑)
なのにばーちゃんを軸に皆の気持ちが少しずつ一つの家族になっていく自然さが 素敵だった。
理屈じゃない心のつながり。
ラストはちょっぴりほろっとして穏やかな気持ちになれるそんな映画。
映画の題名になってる「トイレット」のくだりは笑えて泣けます。