98’9.1〜10.30
- 10月30日 「OPPEKEPE」
- 大阪市中央公会堂。なんだかすごかった。想像していたより古い建物で、舞台とは直接関係ないけれど、 地下のお手洗いや、食堂の雰囲気もなんだかタイムスリップしたみたいだった。
昔の建物の独特のシーンとした不気味さもあり…間違え階段をどんどん上がると、 その先にぽつんと、手だけが揺らめくる画像のテレビが置いてあるのに出くわした時には「バラサイト・イブ」かと思いましたよ(^_^;)。こわかった〜(>_<)。そんな古い劇場にぴったりの舞台でした。2階席で見ていると、一階の客席含めて全部が舞台のよう。 明治時代の芝居小屋の風景をそのまんま見ている感覚でした。
ですから、いまの舞台のようなハイテクじゃなく。びっくりするような仕掛けも うっとりするような照明もないけれど、あったかかったね。
物語は川上音二郎一座がシカゴに行くための壮行会から始り、アメリカでのハプニングの末に成功して 日本に帰ってくるって筋書き。国本武春さんの浪花節で舞台をひっぱっていく。この方、客席をつかむのがすごい。しゃべりっぱなしで、 どんどん捕まえて行く。基本的に淡々と進んでいく物語に飽きがこなかったのは、この方のおかげじゃないかなぁ。
川上音二郎も貞奴も、名前しか知らないので、こういう人達がいたのかと説明されたような気分で見ていました。
貞奴の方は、おもいきりがよく凛とした印象を受けたけれど、音二郎の方は 結局どうゆう人だったのかいまいちつかみ切れなかったのが残念。
根っからの舞台人であったということは分かったけれど、そんなにすごい人にはみえなかったなぁ。 あとお腹すいたぞ演技で笑わせる時間ながいよ〜(笑わしていただいたけど)
芸者、ハラキリ、チャンバラってその頃の外国人の日本のイメージ(いまだにそんな)をそっくり再現して、評判を得た。 娘義太夫がところどころに英語を入れるのがうけた(^^ゞ。本当は、貞奴のよしこちゃん(麻乃佳世)めあてにだったのだけれど、おっぺけぺー節の軽快さがすごく気に入った。 よしこちゃんは、娘道成寺のシーンでは日本人形のよう…やっぱり一番らしいのは 音二郎の死を前に、音二郎を舞台で死なせたいというくだり。「幕をあげて!!」の一言の威圧感はさすがでした。
- 10月26日 「うわさ」
- 本屋で小池真理子さんの「うわさ」を見つけて購入。
この本は、日常生活の中で芽生える殺人を書いた話をあつめた短編集だった。 基本的にあまり短編は好きではないのだけれど、文庫本の最新刊が出ていると、 無条件で買ってしまう作家さんが数人いて、彼女もその中のひとりだから…。
人を殺そうと思う時って、どんな時だろう。読みながら考えていた (1つは犬だったけれど)。どの人もそんなに攻撃的な性格の人ではなく、世間一般的には゛おとなしい゛と みられそうな人たち。
腹の立つ事はいろいろあるし、私の前から居なくなってくれ…なんて心の中で祈ってしまうこともあるけれど、 殺人を犯そうと考えることなんてそんなにないよねぇ。 ましてやそれを実行する…なんてなかなか思えません。
「鳴かぬなら殺してしまえ…」ってな言葉こと思い出しけどこれじゃ文明人じゃないしね。確か織田信長サン??
お気楽に生きているからだぁなんて声、どっかから聞こえてきそうだけれど^^;。 日常的なことではないと思いたい。でも、新聞みていると毎日どこかで殺されていたりするんだなぁ。 うーん(^_^;)怖いよ。で、この短編集。日常のささいなことがたまって殺してしまうというパターンや、 殺人を頼まれてやるパターンなど、いろいろだけれど、本当に不気味なのは、最後の数行。 そこまでも、なんだかやな気持ちとか思いながら(何が原因かわからないけれど、読みたくなくなる感じがある) 読み進んでいくのだけれど、最後まで読み終えた時には、違った怖さを感じる。
背中をさーっと何かがおりてくるような…
その数行が読みたくて、ちょっと嫌な気持ちになりながらも、最後まで読んでしまう私であった。- 10月9日 「結婚物語」
- 山田邦子の本を友人に借りてはじめて読んだのが、この本だったと思う。 いいなぁってその後次々読みあさったのを覚えている。芸能人の人っていろいろなことを やってしまう人が多い。もちろん役者ぱかと呼ばれるような人もいるけれど、 絵を書くのがうまかったり、文章を書くのがうまかったり・・・共通していることは、 感性なんでしょぅねぇ。゛神はにぶつを与えず゛なんてうそだわね(笑)
最近、単行本化されていて、私は嬉しくて買って読み返している。この「結婚物語」は美未結婚を軸にして、美未の結婚にかかわった人達をいろいろな角度で書いている。 結婚をする本人、その相手、その前の恋人、それを見守る友人、結婚式を進める人。 たったひとつの結婚に対して、人によってこんなドラマがあるんだなぁって…
すべて女性の目で書いているのですごく読みやすい。おまけにバライティ豊かな登場人物は、 キラキラ輝いている。幸せになろうとしてがんばっているもの。
美未ちゃんのパートナーであるジョー君の口癖は゛なんとかなる゛。一歩間違えると、なげやりな言葉だけれど。 この言葉を口に出して、相手を納得させてしまうことができるってすごいことじゃないかな。
私もこの言葉を言ってくれるパートナーが欲しいなぁと、しみじみしてしまった(笑)
年に一冊のペースで書いている邦ちゃん。その時々の邦ちゃんの「恋愛観、結婚観」がでてるって本人も あとがきに書いているけれど、ならこの年には邦ちゃん結婚する気持ちがあったのかなぁって思うぐらい、 人の気持ちが細やかにかかれているところがすきだなぁ〜
私の希望としてはもう一冊ぐらいだしてほしいがどうだろう(^^ゞ。- 10月6日 「ムーラン」
- アナスタシアに続けとばかり、今度は「ムーラン」を見に行ってきました。 ディズニーアニメがはじめて 中国を舞台にして描く・・・アメリカ人からみた東洋人ってあんな顔なんだわなぁって感じ^^;。 思いっきりひとえ〜(笑)にしてくれちゃってからに。 アニメにしちゃうと日本人との区別なんてないから、最初は台詞が英語なのがむちゃくちゃ変な感じだった。
年老いた父親のために男と偽って戦場に出向くムーラン。頭の回転のよさから仲間のピンチを助け、 中国を救ってしまうっていう英雄伝説。
男尊女卑の強い時代。勇気を持って自分の決めたことに突き進んでいく姿が気持ちよい。いくらなんでも 女だってばれないってのは・・・ってつっこむのはよそう(^_^;)
鏡にうつった自分をみながら ありのままの自分でいたいっていう気持ちは、いつの時代も一緒、どこの人でも一緒ね(^^ゞ。
ミュージカル仕立てのアニメをみたというよりは、コメディをみたって印象が強い。後半の盛り上がりの時に 目立ったナンバーがなかったからだろう。それに、ひたすら大笑いしちゃったのヨ私。
とかげに間違われるほど、貧弱な竜、自称幸運のコウロギ、なんだか無責任なご先祖様たち。 家宝になる皇帝からのお土産持って帰ったのに、「男連れて帰ってきたらええのに」っていうおばぁちゃん。 「私も戦争いこかしら」って・・・(^_^;)。うけたぁ〜
いいわぁこのノリ。やっはりディズニーアニメは脇役が最高!!
そして、最後はご先祖様の宴会で終わったぁ〜(^^ゞ。そのまんま足取り軽く、家に帰りました。
゛花木蘭゛ムーランってこんな字書くんですって、綺麗な名前だなぁ(^^ゞ。
- 10月3日 「シティオブエンジェル」
- アナスタシアの興奮もちょっと落ち着いて、またまたメグ・ライアンに会ってきた(^^ゞ。
ラブ・コメディの女王っていわれるメグ、今回もすごくチャーミングな役マギーでした(前回の「恋におぼれて」 はどうも好きになれなかった)。強さともろさを背中合わせに持つ生き生きとした女性が似合うな。
ニコラス・ケイジの扮する天使セナが、人間に恋する現代のおとぎばなしって印象かな。天使といっても 羽根背負って出てくるわけじゃなく、命をまっとうした人を呼びに来るという職業。だまって、最後を見守って 優しく連れていく…。
高いところにいて、毎朝海で太陽の音を聞く。
黒い服を着た天使たちが、海辺でただたたずむ風景が印象的だった。
触れること、感じることがない天使たちはどこかさびしそう。永遠の命をすてる勇気はないけれど、 生きているという感覚を感じられないのだろう。これって恵まれすぎて不幸になっている人間みたいだ。ニコラスのとぼけた瞳がなんかかわいかった。 じっと見つめて・・・吸い込まれそうなブルーアイ。
天使であることを放棄して地上におりれば、彼女に触れることができる。(高いところから飛び降りるだけで いいってのが簡単すぎて、かえって勇気がいるよねぇ)
マギーの「やはり、触れて感じてくれる人がいい」言葉に勇気をもって、飛び降りる。なのに最後は…(;_;) せっかく、人間になってこれからだったのに。
天使であったときの友人に「こうなると分かっていても飛び降りたか」ってきかれたセナが、 「一瞬でも彼女に触れてひとつになれた」って言った時の顔が忘れられない^^;。 よかったんだぁって悲しいラストの中の救い。
コメディのつくりではないが、ユーモアがあってくすくす笑える。特に人間になってからのセナの 行動は…(笑)すべてが初体験の驚きがすごくコミカルに演じられて、コメディ映画かと一瞬思ったよ。
おとぎばなしって感じだったけれど。マギーの「触れて感じてくれる人がいい」っていうのは 現実だったな。非現実的だと、そばにいて見つめてくれるだけでいいっていいそうだもの。現にそれで マギーはすごく落ち着いて、安らいでいたのだから人間になることを求めないでいてくれた方が よかったかなぁ。
- 9月26日 「アナスタシア」
- 「ローマの休日」「マイ・フェア・レディ」を超えるとかなんとかってたいそうなことを書いてあった看板を みたことがある。そんなにいいのだろうか・・・と。
結果は○かな(^^)。でもまぁ超えるかと言われると多分無理でしょう。時代も違うしねぇ。新鮮味とか、 豪華さなんかは物足りないもの。でも見終わってほっとできる素敵なラブストーリーと、 なによりも曲が気に入ってしまいました。(終わったその足でCD屋で購入しましたもの(^^ゞ。)
特にお気に入りは、最初アーニャが孤児院をでて、自由になったぞ〜みたいにして歌う歌 ゛Journey To The Past ゛。どこかで聞いたことあるなぁって思いながら、すごくいいなぁって…
この辺りの雰囲気は、声をやっているメグ・ライアンの個性とすごくあっていて、チャーミングでしたね。 ちょっとわがままで、でもイキイキしているところが魅力的な女性だった。
アーニャが記憶をフラッシュバックさせるシーンで聞こえるオルゴールの音が、ロマンチック。 宮殿あとで、空想のなかで踊るシーンなんてものすごくきれいだった。しかし、宮殿に行って「ディミトリに 会いなさい」ってつぶやいた人は何物だぁ〜??
実は、ずっとディズニーの新作アニメだと思っていたのです私。でも違った。別に どこが製作していてもいいんですけど、そう言うコトに聞くと比べてしまうね。全体的にリアルかなぁ。 ディズニーものって絵の輪郭がわりと太いし、どんなに精巧に動いていても絵だぁって感じは とれないし…。゛アナスタシア゛の方は、バービー人形が動いているって感じだったな。
ラスプーチンに関する場所意外は、かなり実写の感覚に近いものがあったと思う。
「美女と野獣」が舞台化されたのを見た時には、そのまんまや〜と、かなり漫画チックな舞台になっていた が、これが舞台化されても基本がアニメだったことは気にならないだろう。 是非是非みてみたいものです(^^ゞ。
ラスプーチンって最初、眠りの森の美女に出てくるカラボスみたいとか思ってたら、ロシア革命を勃発させた 人だったという設定だったんですねぇ(帰って「ぴあ」見るまで単に呪いかけたとおもってた^^;)。 なんかちゅうと半端で、いきなり呪ってやる〜とかって登場して一人で勝手に動いていたよな気がする。
きっと、この映画のもとの「追想」には、ラスプーチンなんぞ登場しないだろうね。
もし、舞台化されるなら、普通のロシア革命にして欲しいな。なんかあくまでも舞台化にこだわってる私でした。家に帰ってCDを聞いていたら突然、スケートを滑るシーンが目に浮かんだ。あまり自信ないのだけれど、 先ほどの聞いたことあるって思っていた曲は、長野オリンピックのエキシビジョンで、優勝したタラちゃん(タラ・ ルビンスキーでしたっけこの辺も自信ない^^;)が滑っていたのではなかったかしら。きになってしゃ〜ない(笑)
- 9月25日 「陽ざかりの女たち」
- リンクを貼らせていただいている「脚本家まで虎の穴」のかつをさんの感想を読んで、急にみたくなりまあ 当日券あるだろうってのりで神戸オリエンタル劇場まで行ってきました。
おしゃれな舞台でした。3階でみたのですけれど上から見ると一度に、いろんなところが見えて面白かった。 ひとつのセットが、光とあと少しの道具で時間と、場所が変わっていく。それがすごくスムーズで、 無理がなかった。出演者が話しながらいすの位置を変えたり、机の向きを変えたり・・・暗転とか、場面転換とか がないぶん、話が途切れることなく一気に見れて良かったです。スザンナ・マギー・ブロックという女性向けの雑誌を一緒に作っている3人の友情とポジティプな生き方。 小気味よくてすっきりしました。ただ、40代の女性がテーマということて゜、 共感するにはちょっと私、人生経験足りません(^^ゞ。見てはいないけれど、「きららの指輪たち」 の方がきっと自分と重ね合わせてみれたかなぁなんて見てました。特に一部は。
二部に入ると、みんなの心がばらばらになって行って、悩む人に、それぞれが掛けていく言葉が、妙に 人生語っていて、そうなんだねぇ〜って気持ちになってましたけれどね。反対に、新薬を開発していたミリアム・ロスっていう研究者。新薬の開発にすべてを注いできたという人。 なんかこの人の言葉すごく聞いていたくなかった。確かにすごい研究をしていて、女性の生理の時の 苦しみをやわらげることができたらって意気込みはわかったけれど…
研究をやめさせられたという事実にだけ、ヒステリックになって実際その新薬に問題があるかもしれない という事実を認めようとしないところがすごいなぁと思った。あそこまで自分のことが正しいって 思えるのもすばらい。
最後、ちょっと疑問に思ったのは、そんなに簡単にもとに戻れるのだろうかということ。あの場面には ブロックがいなかったし、どこかにわだかまり残るのじゃないかなぁ。「新薬」のことについても、 もう自分たちの手から離れたから、おしまいっていうのだろうか。
外人さんの感覚ってそうなの??それともそのくらい長年の友情は強かったということかしら。 う〜ん(ーー;)。
- 9月22日 「愛を乞う人」
- 台風の中、試写会に行ってきました。天気のせいか人もまばらだし、主催者の特徴もあり年配の 方(女性のみだったの)が多く、いつもとはちょっと違った雰囲気でした。最初に挨拶をしていた お姉さんも何度も何度も「嵐の中を・・・」とか言っちゃってた(^^ゞ。
映画の方も台風以上に、凄まじかった。よかったかと聞かれて良かったと答えてしまっては、 いけないような気がする映画でした。「愛し方を知らない母と、愛され方を知らない娘」がキャッチフレーズ。 ちらしの写真見た時もしかして、子供が母親を殺そうとしているところかいなって思ったけれど。 子供心に一番嬉しかった思い出のシーンでした。
虐待なんて言葉じゃおっつかないくらいに、母親の暴力は続く…今の時代ならあれだけおおっぴらに なぐられていたら、問題になって誰かが助けようとしてくれるかもしれない。しかし、映画の時代は 戦後の人が自分のことで精一杯だった時代だった。信じたくない事実のひとつ。
殴られてもすがるような目をして、笑う子供にいらつき、どうしようもない感情をすべてぶつけている。 母親が自分の子供を殴ることを後悔している様子はあまりかかれていない。それでも、 殴った後、手をむやみに洗おうとするしぐさに、苦しみがみえる。自分の手で直接殴ることをためらうのは どこかうしめたさがあったせいだと信じたい。もちろん、子供がかわいそうで仕方がないのだけれども、 なぜか母親の悲しみのほうが、せつなく感じた。すごく丁寧に作られている映画だと思った。子役の選び方とか、時代背景とか…。
いろいろな形の悲しみが渦巻いていたが、必要以上におおげさでなくて見やすかった。沈黙が 語ることがいっぱいある感じでした。
ラストシーンは、涙です。親子との数分の再開後、自分の子供に向かっていう 「あんな鬼のような母親にでも、かわいいよって一言いって欲しかったの。馬鹿みたいでしょ」って 言葉がすごくかわいそうで仕方がなかった。ずっとひきづってきた母親への思いから決別することが できた時、母親はどんな思いをしていたのだろうか。「子供は子供であるだけで愛される資格がある」って聞いたことがある。どんなに出来が悪くても かわいいのは血のつながりのせいなのだろうか…そして、反対に子供もまた…
ここまで、虐待されてなおその母親に愛されたいと願う気持ちは、私にはちょっと理解できないなぁ。
- 9月21日 「されど、かすみ草」
- 北海道を舞台に「正しく、普通に」をモットーにしている25歳のOL万紀子。 友人は、男の人に貢いでローン地獄に陥ってしまうお人好しの久代と、 自分の望むこと、やりたいことに貪欲でありつづける陽子となかなか個性的。それに財産持ちの未亡人のおばさん 早苗(桃井かおりのイメージ)。
ごく平凡な幸せを願っている万紀子の生活が、あわただしくなったのは、砂田という超いい男に であってからだった。
あまり恋愛経験のない万紀子の恋に、2人の友人がからんでの物語。
現実的なんだけれど、すごく良かったなぁ。万紀子の性格が素直で・・・
最後、自分の素性を隠していた砂田が、実は金持ちの息子であったと知った時に、「だまされた〜」って(^^ゞ。 「私は、かすみ草のように生きるの、玉の輿なんていらない」って叫ぶんだもの。私は、完全に 隣にいた早苗さんの気持ちになって笑っていた。こんな女の子かわいいじゃないですか(^^ゞ。
でもかすみ草って自己主張していないようで、実はものすごーくしているのよねぇ。没個性であろうとする ために個性的っていうのかな。テレビや雑誌で取り上げられる OLっていうのと、私の状況(分類すると私だってOLなのだろと思うのよ)を考えると あまりにも、違いすぎて共感できない。でも、藤堂さんの書く本の中にでてくるOLはなぜか身近にかんじる。
リアルっていうのではないが、あるかもしれないって・・・そして、 同年代の主人公の時には身につまされたりもする。
きっと、現実とあこがれの分量の加減がいいのだろう。 そして私が、藤堂さんの書く世界の人間関係にあこがれているのかもしれない(あっ不倫はごめんよ〜)。
- 9月16日 「団欒」
- この間の「壊れゆく人」に続く、ちょっとずれている人達系のお話(^^ゞ。短編集ではあるが、 一気に読んでしまいたくなる。こんなのばかり読んでいると、おかしくならないかなぁ
生活パターンってその家によって違う。365日いっしょに暮らす為に必然的に出来てくるルール。 子供は、親のそのパターンを洗脳されつつ(言葉わるいか)、育っていく。 だから何が正解でなに不正解ってことはないのだ。 その家族が、気持ちよく暮らしていければいい・・・しかし・・・
どの家族も私にとっては不愉快で不可解な家族だった。 一つ目は人のものは自分のもの、とばかりにまるで、 プライバジーのない家庭。親にでも、自分のことについては立ち入ってもらいたくない性格の私には、 この家庭は恐怖。
あと、家族がお互いに気持ちよく暮らしていけるようにと、どんどんルールを決めてそのルールに がんじがらめになっていく家族。外では普通の社会人であるが、家の中では子供になる という生活を楽しむ夫婦などなど。
いくつかは、まあありえないだろうなぁって話なのだけれど、ちょっとやりすぎると こうなっちゃうだろうなぁって話があり、あんまりのんきに読んでいられなかった。「家族なんだから」この一言に込められた大きな意味。 この言葉は守ってくれるものでもあり、追いつめるものにもなる。どの話にも この言葉は当てはまってしまう。こわい言葉だ。使い方を間違わないようにしなければ・・・(^^ゞ
しかし、こんな変な家族ばっかり思いつく宮部さんの家庭ってどんなんだろうねぇ。
- 9月12日 「壊れゆく人」
- あたのまえの日常生活の中で、「あの人ちょっと危ないかもしれない」って感じの人いるじゃないですか。 変っているっていうのとはちょっと違う・・・一見普通なのに、何かが違う。
゛私゛の目で書かれる日常生活は、こんな人いるかもしれないっていうそんな人がいて、 変に共感しながら読んでいた。同じ職場で、自分のテリトリを守ろうと必死になるひと、 コンサートでアイドルに見つめてもらったといい、愛されていると勝手に解釈するひと、知合いである 覚えがないのに知合いのような手紙をくれるひと・・・
で、最後まで読んだら、わけが分からなくなっちゃった。゙私゛が見てきたものは、ただの妄想なのどうか。 少しずれている人を語っだ私゛自身が一番ずれていた人だったかもしれないなんて。
最後に書かれた現実もまた、゙私゛の妄想だったかもしれないそう感じると 人事でない身にしみたへんな怖さがあった。解説で、小室みつ子さんが、「この本を読むにつれ自分が果たして正常な精神状態をもっているのかさえ分からなくなった。 それこそが作者の思惑で、それにはまってしまった」と言っているが、まさにそんなかんじ。
普段から、その辺のところあまり自身のない私は、よけいに分からなくなった。 日常使っている゙普通の人゛という範囲は、あまりにも漠然としていて、主観的なものだから。最後の数ページであっさりとコワイ気持ちにさせてくれた作者、島村洋子さん。 この方の本を読んだのははじめてだけれど、他にも読んでみたいなぁって思いました。
- 9月6日 「陽だまりの庭で」
- すごく可愛い女の子の笑顔に引かれて借りたフランス映画のビデオです。 第二次世界大戦中パリの街が、ドイツ軍に占領されていた時代。動物学者のおじいちゃんと その孫のフィリピーヌのお話。
時代設定的にあまり明るくないし、しょっぱなに父親が、外出禁止例を破った為に ドイツ軍に射殺されてしまうので、戦争映画でもしかしたらかわいそうなお話 なのかなぁって思いながら見ていた。でも、すごくかわいかった。女の子の笑顔もとびきりだったけれど、おじいちゃんがねぇ(^^ゞ。 ちょっぴし臆病なおじいちゃんは、フィリピーヌに父親の死のことを 言いそびれてしまって、父親は、レジスタンスの指導者で戦っているから、帰ってこれないって嘘をつく。 信じちゃったフィリピーヌは、レジスタンスごっこをして遊ぶようになる。かっこいい父親を夢見て。
たぶん、わりと裕福な家庭だったのだろう。あまり、戦争を思わせるような暗い表現はなく。 おしゃまな女の子におじいちゃんの職場の人までが、レジスタンスごっこに突き合わされていて、 なんだか楽しそう。おじいちゃんにとっても、子供を死なせてしまった事実から逃げて、 勇敢な子供を持った親の気分でいるわけ。結局、嘘が発端で、フィリピーヌの無謀な行動もあって、本物のレジスタンスの人達と かかわってしまうおじいちゃん。それまでは空襲も人一倍こわがっていたのに、 一味の爆破のお手伝いまで・・・それを全部息子がしたことにして、フィリピーヌの夢をつなげていく。
なんか愛があるなぁって(^^ゞ。戦争のそんな切羽つまった中、フィリピーヌとおじいちゃんの 夢に付き合ってくれるのだもの。フィリピーヌも途中気づくのだけれど、気づかぬふりして はしゃいでいるし・・・゛嘘も方便゛だと(笑)。だって、皆それで楽しそうだったのだもの。
ちょっと穏やかでいい気分になった映画でした。
- 9月1日 「アクペクツ オブ ラブ」
- MBS劇場も、この公演で終わりということで、気に入っていたわけではないけれど、少々感慨深げに 見てきました。
アレックスあんたってやつわ〜(笑)。「恋は巡る〜♪」とかって歌詞で幕が降りたときの私の感想。
まだ続くのだろうかぁ〜メビウスの輪のごとく・・・う〜ん。
「アクペクツ オブ ラブ」とは「愛の様々」という意味らしいが・・・・好きなように生きてくださいと しか私は言えない。やっぱりこういう恋愛体質のドラマは理解不能です私。やっぱりまだまだ 人生経験たりんのでしょうかねぇ。物語の内容は、ともかくとして、全編に流れる歌。これがすごかった。そして、キャストの方々。 四季の公演をみてキャストの方に関心が行ったのは久しぶり。まあ、主要人物の5人を覗くとちと 寒い感じもありましたけど。
この作品、なじみの「オペラ座の怪人」などの様に、ほとんどが歌。もちろん作曲者がいっしょだったりして、 ところどころ、どこかで聞いたような旋律が耳に入ってくる。 主題歌の「ラブ・チェンジス・エブリシング」延々とこの歌が流れるだけだよって話、聞いていたのだけれど、 だけって・・・どころじゃなく、台詞が歌でとにかく、音の取りにくそうな、聞いているほうもも一つ のりにくい曲が多い。歌唱力バツグンで歌詞がちゃんと聞き取れるところが、素晴らしかった(これ歌詞が聞き取りにくかったら 寝てたぞ)し、それぞれの 役どころもすごく似合っていたと思う。これだけみんなが個性にあった役をやっているのを見ると さすがだなぁと思わずにはいられない。
アレックスの石丸さんは、悩みつつ、恋にはまっていく男性。優しすぎるのもちょっと未練たらしいのも あの甘いマスクが許してくれるかな??ひげが似合ってましたね。きっと初演の時は、17歳の時の方が、 似合っていたのじゃないのかなぁ。今回は突然の12年後のほうがよかった。
ローズの保坂さんも、ピコなんてやっている場合じゃぁないよ。孤独感がすごくにじみでていて華やかなところとの 対比がよかった。 最初はローズあんたわぁとか思ってみてたけれど、最後は一番淋しくてかわいそうって思ってしまいました。
そしてジュリエッタの井料さんも、ジュリエッタのあの大地のような落ち着きと迫力は、怪人を 張り倒して逃げていきそうに思えたクリスティーヌよりも(彼女のクリスティーヌ好きですよ)、 はまっているって思ったし、(お葬式の時の迫力はすごかった) 一途にアレックスに迫るジェニーの堀内さんも、お人形のようだったベルよりもすごく好感もてました。舞台とは関係なくすごく睡魔一杯の状態でみた舞台を、睡魔に支配されることなく、みれたのは、 それぞれのインパクトがよかったからだと思う。一番前の割と端のほうだったので、 ジェニーがアレックスに迫っていくところとか、その他いろいろ表情が人に隠れて見えなかったのが 残念でした。
あと、セットの雰囲気とかは好きかなぁ。本舞台から少しせり出したところで、たまにお芝居してくれて、 あまりの近さにクラクラしてた。目の前にベッドが出てきた時には・・・(^^ゞ
しかし、一番幸せに生きて死んでしまったのは、ジョージだったのでしょう。その他の人は 多分本当の意味では幸せになれないと思う・・・・
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