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99’6.5〜6.19

6月19日 「愛逢い月」
「愛逢い月」と題されたこの本は、篠田節子さんの短編集だ。
表紙カバーってすごく重要だなぁって最近思う、かなりその作品のイメージを植付けられてしまう。 この本は黒地に赤系の花が、一面に敷き詰められていてちょっと官能的…
いろっぽい話しなのかと思いつつ読んでいたら…これまた残酷というか、なんともいえない恐さを感じる 作品が並んでいた。おどろおどろしい・・・そんなんじゃなくて、人間の弱さ故に歯車がずれていく恐さ。 親切心が人を追いつめる悲しさ…。思いこみの恐さ…それが、男女の関係をからめながら書いてあった。

「コンセプション」は、悪性の腫瘍にかかってしまった妻のために仕事を止めてホスピス で生活することにした男、病気のせいで腫瘍が体のあちこちにでき、醜くなってしまった妻が うとましく思える自分が許せないという苦悩からの悲劇がとても悲しかった。人は 自分のずるさを許すという行為も必要だなぁって思ってしまいましたね。
「柔らかい手」は、スティーブンキングのミザリーばりの恐さ^^;。
「ピジョンプロッド」はねぇ・・・ 話しの内容がどおとかじゃなくて・・・鳩ぉ〜(ーー;)。篠田さんの本って たまーにどーしよーもなく鮮明にグロテスクな表現がしてあって逃げたくなるんだけど(笑)、これも その一つだわ・・・もぉいったいどんなこと考えてこういうの書いているんだろね全く。
最後の「内助」ってやつはなーんかありえる話しだなぁって思ってしまった。 優秀な頭持ち学生時代のアイドル的存在だっただんなは司法試験にずっと受からず結局その夢を あきらめてしまう。ずっとだんなのためにと働いてきた妻は、失望して離れて行ってしまう。 次に再会した時は、だんなはものすごく腕のよいコックになっていた…
人の何を好きになるか…。ただね、結局だんなの素敵な未来に依存しすぎただけなんだろうけれど…
景気が悪くなると離婚率が増えるっていうのは、そういう人が多いってことだろうしねぇ… もう少し早く気づいていればって、人はすぐに後悔しちゃうのよねぇ。そこまでいかなきゃわからない のが悲しいなぁ。この主人公とおなじようなコトで悩んでいるひとに読ませてあげたいなぁなんて思っちゃう。 この子もある意味じゃ生真面目なんだから・・・この間の「不機嫌な果実」の主人公のことを思ったらねェ って、まだあの本を引きずっている私でした(笑)

6月15日 「不機嫌な果実」
なんか聞いたことのある題名だったので、図書館で借りてみた・・・聞いたことあるはずだよねぇ。 これ、確かドラマ化か映画化かされてませんでした??あまりに興味なかったんで、 かすかにしか記憶ないんですけど。すごいキャッチコピーが話題になってませんでしたかしら・・・
読んでるうちにこりゃ興味なかったはずだと・・・^^;。
これだけ、読んでいて不機嫌な気分になっちまう本もそうめったとない(笑)。 頭がうにゃ〜ってわけわからなくなる本はよくあるけど…

早い話しが、結婚生活になーんか物足りなさを感じていた主婦が、ゲームをはじめるみたく 不倫に走る話し・・・いやもっと奥深いものがあるのかもしれませんが、 独身の私には読み取れなんだなぁ〜。土台色気のある話しにゃついていけないんだわ(^_^;) それもまた問題だけど(笑)
でもねぇ〜なんでだろぉって思っちゃう。だってすごい頭の中でごちゃごちゃ計算して行動するの。 こう言ったらこんな風に思われるとかって人からどう思われるかばっかり考えている。 そして、何かをしてもらうことばっかり・・・挙句の果てには「私ばっかり損してる」って…
うーん。そりゃ旦那さんにも改善の余地はあるのだろうけど…どうみたってこりゃあんまりだって世界。
なんなんだぁって思いつつも最後まで読んでしまったのは、林さんの書く文章のテンポのよさなんだろう って思う。ポンホンと進んで行くのかなり真っ直ぐ…
しかし、この本ってすごーく売れてませんでした??ってことは、このような気持ちの 人がいっぱいいるのか・・・それとも、この主人公を通して疑似体験してるのか・・・
うにゃぁ〜(´〜`)

6月8日 「橋からの眺め」
休憩いらんよぉ〜先が知りたい!!って休憩に入った時、心の中で叫んでました(笑)。 正確に言うと先が知りたいというか、自分が予想している結末(見えてるからねぇ・・・)通りに なって欲しくなかったの。して、先が知りたくてたまらなかった。エディにとって邪魔な存在であるロドルフォ 達が、「密入国者」であるという切り札を使うのか使わないのか・・・
もうね破滅の階段をジリジリと登ってんだもの・・・先が見えるから・・・なるはずのない ハッピーエンドを祈りながら見ていたする。弁護士の先生と同じく祈るしかなかった・・・

最初からそう・・一緒に住んでいる姪を過保護なぐらい愛するエディとどこか落着かない妻ビアトリス。 そして、ひとり浮かれているキャサリン。一見幸せそうなんだがどこか芝居めいた感じがして 居心地悪かった。
そこに、マルコとルドルフォ二人の密入国者がやってきて、こともあろうにキャサリンとルドルフォが 仲良くなっちゃって・・・あちゃーって思っていたら、 エディの過保護ぶりも過熱して・・・ 最初は滑稽に感じて笑っていたのに・・・だんだん笑えなくなった。
愛し方を間違えてしまった…。愛することはいけないことじゃないから性質が悪い。 エディはただ、キャサリンが幸せになることを願っていただけのはずだったのに…そう思うと なんだか可哀想になってきます。
反対にエディのせいで不幸になってしまうビアトリスには、いい人の顔をずっと はずさないでいる姿勢にちょっと反感を持ってしまいましたね。エディからキャサリンを離そうと キャサリンが外に出ることを応援する。さもキャサリンの為のことだけを考えているかのように。
最後人間として誰もが許せないことをしてしまったエディに「愛している」といえる強さが、 少しまぶしかったが、ビアトリスのエディへの愛は男女の愛じゃなくなっているような気もしました。

tapの舞台は今回が初めてでした。気にはなっていたのですが、なかなかGOサインでなくて・・・ でも、思いきって行ってよかったなと思いました。しかし・・・次もみたくなりそで・・困るなぁ^^;。
堤さんの舞台は2回目のはずなんですが、全然印象になくて・・・(笑)あの時もオリエンタルの3 階・・・顔ほとんどみえてませんでしたから。 この舞台、この方の狂気に引き込まれたといってもいいでしょう。
ビアトリスののんちゃん(久世)は、最初は淡々とした雰囲気だったのが物語の中盤から、 ビアトリスもやっぱり少し精神的に おかしくなっているのではないかと思わせる不安定さが良かったです。
顔の表情がほとんど見えない席でみていたのにもかかわらず、なんとなくこんな顔してるんじゃないかなって 勝手に予想している自分がおかしかった^^;。 「聞いてちょだい」「もうたくさん」この台詞を何回いったでしょうか・・・ 壊れて行く夫婦ってこんな風なんだろうなぁなんて、結婚もしてないのに考えちゃいましたよ(笑)

東京ではどのような劇場で上演されているのでしょうか。 めいいっぱい入り込んで見てはいたのですが、やはり表情はオペラグラスを使わないと全然わからないし、 (そうするとしゃべっている人しかみれないんですよねぇ)どこか観察者っぽくなっている自分を感じで 残念でした。顔の表情が分かる席でみたかったな。

演出のアッカーマンさんが斜め後で、見てはりました。演出家というよりも俳優さんのような 雰囲気の方(∩-∩)。おかしかったのが、コールの時、出演者の方がにライトを避けて手をかざして 彼を捜しはじめたの。前の方にいると思ってらしたみたいで、一生懸命前のお客さんをじっとみて・・・。 前の方に座っていたお客さんはビックリしただろなぁ(笑)。
「橋からの眺め」この題名の意味するものは…いったいなんだったんでしょうか。 それを理解するところまでは見れなかったのが残念です。

6月5日 「星祭りの町」
津村節子さんの戦後の混乱期の埼玉県今間川町を舞台に女所帯の生活を書いた本です。 題名だけみて借りてきたのだけれど、どーも最近戦争にまつわるお話に縁があるようだ^^;
。 東京に住む一家が、疎開してきた今間川町。戦後米軍基地となってしまったこの村で 一生懸命生活しようとする3姉妹。両親はすでになくなっているが、財産をもっていて比較的裕福な家庭の ですが、あの時代何かを始めよう変えていこうとする人間のパワーを感じました。
実話だとは書いていないが、あとがきをよんでいると、たぶんご自身が経験されたことなんではないかなぁと 思います。

敗戦で今まで信じてきたものがいきなり変わってしまった戸惑い。いつもえらそうに規律の中にいた 軍人さんが突如個人として行動した時の戸惑い・・・そして、自分たちのいる町が軍の基地に なって・・・
思春期の女性らしい感性を残しながらいろいろなことを感じていく様。 そしてその生活がとても繊細にかかれている。 話しの主になっているのは次女。ある意味自己主張がはっきりしていて、自分の思うように 行動していく。その時代の生き方としては、たぶんわがままなほうだろう。
今の女性の生き方の根本はこういう人なんだろうなぁあって思った。

この本を読んでいた時期に、私の母がテレビで戦争についてのアンケートを行っていたんだけど・・・ って話し始めた。なんでも、街角で10代から20代前半の女性にきいていたらしく、その結果を 私も聞いてびっくりした。
だって・・日本が戦争していたことを知らないという子が半分以上いたそうな・・・ そしてその相手がアメリカだと聞いてものすごくびっくりしていたとか・・・
戦争を知らない世代だけれど、学校で習わないわけわない。忘れていたというのも考えものだが、 ホントに知らないみたいだったと母はいっていた・・・・
この間から、映画や本でどーも戦争を題材にしたのものをよく見て、それがあまりにも現実感が ないのに恐さを感じている私なのだが、これを聞いて日本の将来って・・・大丈夫なんだろうかなぁって 真剣恐くなりました。

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