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98’12.4〜12.31

12月31日 「今年は…」
1998年も今日でおわりだなぁ。今日もまたまたよいお天気。過ごしやすいけれど小さい時は雪降ってたのになぁと、 つくづく温暖化を感じてちょっとコワイ。景気も悪い一年で、見とおしもあかるくないしねぇ…^_^;。

というわりには、ひとりものの強さか、そんなに不況の波を受けていない極楽とんぼな私(笑)。
今年は、映画15本、バレエ2舞台、ミュージカル12本、宝塚11回、芝居5本となりました。
映画は、タイタニックの映画にはじまって、去年ほどみなかったせいか割とはずれが少なかった用に思う。
ミュージカルは四季の舞台によく足をはこんだなぁ。みたいなぁっとずっと思っていた「エビータ」や 「ドリーミング」「ハンス」「アクスペクツオブラブ」なんかをMBS劇場でやってくれたのが嬉しかった。
MBS劇場は閉じちゃったけれど、また専用劇場できるっていうし…願わくは四季の「秋」劇場でやっいるような 演目をやってほしいなぁ・・・「ライオン・キング」もいいけどね。
そして、「She Loves Me」「蜘蛛女のキス」の再演!!。両作品とももう再演はなしって聞くけれど、 またやって欲しいなぁ。
宝塚は、みきちゃん(真矢)、まりこさん(麻路)のさよならで涙。そして、後半は いくつか私好みの舞台に出会えて…久しぶりに、同じ舞台を2回見るなんてこともありました。 新しい演出家の方がでてきているのが楽しみ。
来年もまた素敵な、舞台に映画に出会えることを期待して…
1998年ばいばい(^.^)/~~~

12月30日 「あくむ」
東京から帰ってきてからえらくハイテンションが続いていた私。眠いのになぜか変な夢をみる日が2,3日 続いた。夢だからあまり覚えていないが、一晩で蜂に追っかけられる夢を2回も見たときには、 いい加減笑った(笑)。夢判断の本でも見てみようかしら…
井上夢人さんの「あくむ」は、なにやら気持ち悪いお話の短編集だった。
どこまでが現実で、どこまでが狂っているのか・・・すっきりしないので後味がなんとも悪い(笑)。 フジTVがやっていた「世にも不思議な話」の中のやつみたい。一つのお話を読み終えたらタモリさん 出てきそうだもの。
どの話も、自分の中の思いこみにはまってしまう人ばかり。聞こえるはずのないものが聞こえたり、 疑心暗鬼にかかったり。どんどん内側に入りこんで行く…
現実にはありえない話もあるけれど、まったく作り話でしかないと言いきれないところがコワイな。 心のバランスを崩したら…この本の世界に入りこむ可能性もあるなぁなんて思った。
しかし、虫はやめて〜。
12月23日 「ライオンキング」
トニー賞の受賞式で、ちらっと見て以来見たくて仕方がなかったライオンキングがいよいよ開幕した。 大阪でも3月頃にはやるってことだけれど・・・ちょうどディナーショーを観るのに東京に来る事になったので、 これ幸いにとチケットを取ったわけです。
ただ、夜行バスで着いて、昼食を食べた後の1時公演ってぇのは…ひたすら気持ちよく眠い(笑)。 まぁそのぶん正直というか…ちょっと興味が薄れると意識が遠くなっちゃいますもんで…ねぇ。
劇場もはじめてだから、ちょっと期待していったのだけれど…・劇場の方は、仮設なんでしたっけ??あそこは。 歩くとぼこぼこという床や、あまりにも人の動線を無視したトイレなどをみているとそう思ってしまった。 うーん。MBS劇場と雰囲気違わなくて、あれが四季が理想とする劇場のイメージなんでしょうか。

舞台の方はというと…のっけから、大きな象なんかが出没して(笑)。驚かせてくれましたねぇ。 何がよかったってはやり衣装、セット、美術でしょうか。ほんとに新鮮で、素晴らしい。次から次へと 見せられる仕掛けにあんぐりと口開けてみていたような気がしますもの。
影絵を使ってみたり、人形の大きさを変えて遠近感を出してみたり…なんでもありかも…。渦巻き上の セリにもびっくりした。そして、ムファサが襲われるシーンは迫力もの。私は、端っこだったので真中でみたら、 自分の所に襲いかかってくるんじゃないかなぁって感覚になるだろうと思う。
精密で繊細で、やっている人の顔と、人形の顔の両方に表情がつくから、二倍にみえる。お気に入りは。 ハイエナちゃんと、豹なのかなぁあれは、顔と顔が糸で連結していて、人の顔が動くと、まったく同じ動きを する動物。なんとも言えない。
ただ、「美女と野獣」を見た時にも思ったけれど、もう少し大き目の舞台でやって欲しい。この作品ならもう少し 横幅がないと、空間が全然見えないし、圧迫感の方が先だってしまうのは、もったいないと思う。

ストーリー自体は、やはりディズニーアニメで、ヤングシンバが(上手かったの〜)主の時間が長いので、 少々お子様向けかもしれない。
どちらかと言えば、心理的な表現の深い作品が好きなもので、その辺りは少々物足りない。 シンバが、王国に戻るくだりがあっさりしすぎなんだもの…^^;
役者さんでは、スカーをやってらした下村さん、ラフィキの青山さんがダントツの存在感。 歌も引きこまれる。ベテランの味というものなのだろうか…求心力がすごい。このおふたかたを観れただけでも 来たかいがあるって感じですよ。
若いシンバとナラは、あまり印象に残らなかったな。2人だけのシーンは少し眠かった^^;。
ダンスシーンなども、楽しかったけれど、帰りに行ったお台場のところで、B.Wの舞台を宣伝用に使ってい るのを観ると、何かが違った。さっきも書いた舞台の幅のせいかもしれないが、なんか スピードがちがったような気がして、本場で観てみたいなぁと思った。
コールでは千秋楽のように盛り上がって・・・客席も立上がり拍手をしていたが、そこまでの感動は私には なかった。感動というよりも感心して帰ってきたような気がするのが正直な気持ちだ。
って言っているが大阪でまた行くのだろうなぁ

12月19日 「風紋」
この物語の主人公は、誰かに母親を殺された高校生の少女だ。
母の死をなかなか受けとめられずにいる主人公の気持ちが痛くて、読んでいて涙が出そうになった。
容疑者は、学校の先生だった。何度も、繰り返される裁判。 責任をどこかにとらそうとやっきになる父親を横目に、 彼女は「お母さんのための裁判じゃなの…」という。素朴な疑問だが、裁判は容疑者の白と黒を 決めるものなので、物言わぬ被害者の出番はない。
そいわれてみると、テレビや新聞のニュースでも、容疑者が何をしたかとか何故やったかしか報じられることは ないなぁ。
一つの事件の起こした容疑者と被害者の家族、そして新聞記者、刑事いろいろな人の目からみた 様子が細かく書かれていて読み応えがある。
刑事は、早く証拠を固めようとやっきになるし、新聞記者は、家族にコメントをもらおうとやっきになる。 そして遺族は…
作者の乃南アサさんは、犯罪被害者をテーマにした小説を書きたくてこれを書いたそうだ。 殺された被害者、残された家族、そして犯罪者の家族もまた被害者のうちの一人だということがこれを 読んでいるとよくわかる。
マスコミに追い掛けられて、犯罪者の家族だというレッテルを貼られて、世間から逃げるように暮していく。 最後の方に、この少女と犯人の妻が言い争うシーンがある。罵り合いの後に感じた奇妙な連帯感こそが 耐えてきた時間を象徴するような気がする。
あまり感情を爆発させないこの少女が、言葉を人にぶつけるシーンがいくつかあるが、どれもすごく 真っ直ぐでびっくりさせられた。

今、世間を騒がせている「和歌山カレー事件」真須美容疑者の話す姿がテレビに映るたびに、これが冤罪だったら どうするんだろう…って思っていた。私だって、冤罪で捕まっているとは思えない状況にはなっているらしいということは 知っているが、捜査がここまでくるまでにも、いかにも彼女が犯人とばかりの報道にいささか疑問を感じていた。
彼女らが、住んでいる家はらくがきやいたずらで、ぼろぼろなのだそうだ。
実際に自分に降りかかったことではないから、隣でおこったことではないから、近場に住んでいる人達の 気持ちはどうしても分らないけれど…なんとなくコワイと思う。
そして、この本を読むと彼女の子供達がどのように暮しているのか少し気になった。

12月13日 「翼」
作者の村山由佳さんは、この辺りの人達との交流があるのだろうか…。それとも住んでいたのかしら…
日本人を主人公に、アメリカの都会のある人間のひずみ、今でも伝わるきたネイティヴ・インディアンの 教え、有色人種のこだわり…感覚的i翻訳物の本を読んでいるような気がしていた。
どれだけ本当のアメリカの現状に近いか私には比べることはできないんですけれどね。
見たことのないアリゾナが目に浮かぶような描写に、映画を見ていた気分になり強く。 本当に映像でみてみたいなぁと思いました。心理的なものと、最後の方は緊迫感がある展開なので、 きっと面白いのではないかしら。

副題は「cry for the moom」。「翼」という題よりこっちの方がしっくりきた。
「お前が近づくものはみんな不幸になる」そんな言葉を母親に植付けられて育った真冬。 その言葉におびえながらアメリカで暮すうちに知り合ったラリーという男性。 彼の連れ子ラリーの連れ子ティムもまた、虐待を受けて育った子供だった・・・。 そのラリーとの結婚式の直後、彼は銃に撃たれ死んでしまう。
そして、ラリーの葬儀の為にアリゾナへ…、ラリーの家族そしてブルースとインディアンの 生活に出会い、心が開放されていく。そのようすがすごく細やかに書かれている。
なんと言ったらいいか…手元に置いておきたい1冊に出会った気がする。(でも借り物なんですよねぇ^^;)

12月6日 「天空の蜂」
最新の機能を持ったヘリコプターが略奪され、原子力発電所(原発)の真上に止まっている。 犯人の要求は、日本のすべての原発を破壊すること、そうでなければヘリコプターを発電所の上から 墜落させる…。FAX、メールなどの伝達方法で犯人からの要求が、行われる。 そして最後に「天空の蜂より」と。
パニック映画になりそうな題材、社会に何かを訴えるような話だった。
かなりの超大作にもかかわらずずっと続く緊迫感がものすごい。犯人と、それを捜索する警察、 事件関係者のそれぞれの立場からのものの見方。「立場が変われば見方も変わる」だそうな。
早い時点で読んでいるものには犯人は分かってしまうのだけれど、なぜそんなことをしようとしたのか、 何が目的なのかはずっと不明である。そして、最終的に何をしようとしているのか・・・

そんな、推理をする楽しみとは別に、犯人する国民に対してのメッセージは、そのまま新聞に載りそうな もので、あらためて考えさせられる。
なにげなく使っている電気の元、原発で働く人達の生活、反対派の活動etc。
「絶対に落ちない飛行機はない。人間のできることは飛行機が落ちる確率を下げるだけ。でもゼロにはできない。 乗客はそれを承知でその確率なら大丈夫だろうと都合良く解釈して乗りこむわけだ。それと同じだ(中略) いってみれば国民全体が原発に乗っているようなものだ。搭乗券を買った覚えもないのに…」
こんな会話がかわされる。確かに人事ではないのだ原発が近くにないからといって、原発に何かがあったときに 放射能が風に乗って運ばれてくるのをとめることはできない。 それに原発今の原発を全部止めたら、電気の需要はおっつかないらしいということだって多分、知らない人が 多いだろうもの。
「ヘリコプターの仕組みをしらなくてもいい。だけど原発の仕組みはある程度国民が知っておくべきだ」 ごもっともです(笑)。

作者がどういう考えでこの本を書いたのかは分からないけれど…、テレビの特集番組なんかをつくるよりも こういう話を映像化した方が、人の興味を引くし頭の中にはいるのじゃないかなぁなんて考えてしまった。 もっともあんまり見たくないけど…(笑)。
しかし、東野さんの最近の作品は、難しくて…どんなに簡単に説明されても、原子炉の仕組みなんて、活字だけ じゃわからないよぉ〜^^;。それでも最後まで一気に読んでしまうのは、登場人物の生き方に筋が通っていて、 その人が最後どうなるのか見届けたいから…カナ。とにかく読み応えアリの一冊でした。

12月4日 「時雨の記」
吉永小百合、渡哲也主演の「時雨の記」を観てきました。思ったより良かったですって言ったら失礼かしら。 ラブストーリーということで、あんまり期待していなかったのですが、静かで日本的な情緒たっぷりの映画でした。
数年前に深夜のテレビで吉永さんが与謝野晶子の役をやっていらした映画を見て以来、この方 大好きなんですよ。今回も、予告の映像があまりに綺麗なんで足をはこんだってわけです。

10年前のお話、なんで10年前じゃなきゃいけないのか謎ですが…。美しい未亡人と、56歳の エリートとの恋。まあ不倫なんですけどね。大ヒットしたマディソン群もこんな感じだったのでしょうか…
どうもニヤニヤしてみていたみたいです私(笑)。とても微笑ましかったんですよ。もちん不倫なんですけれど、 それゆえの危うさなんて微塵も感じさせない、一生懸命で朴訥な恋愛が。
しぶい役どころをいつもやってらっしゃる渡さんが、なんだか子供のようにはしゃいでいる姿が、 ちょっとおかしくもあって…台詞回しも、わざとなのかそれが普通かわからないけれど、なんか不自然で… 昔の役者さんってっていう感覚なんだろうかぁと思いつつ、それが壬生の一生懸命さにも思えて不思議でした。
壬生の出現によって止まっていた時間が動き出した多恵の生活。 愛される喜びと戸惑い、そして寂しさ感じてる様子がすごく感じられて、切なかったな。 結末がハッピーエンドにならないことは、途中までくると予測できる展開だけれど、悲しいというよりも すがすがしい印象です。

鎌倉と京都を舞台に自然の美しさも観られました。多恵のゆったりしたしぐさ、生活をみていると、 自分はつくづく余裕のない生活をしているなぁって^^;痛感ですね。
館内はやはり年配の方が多かった。2人の行く末を自分に重ねてみているのかしらなんて思っていたら、 帰り際、「あんな風に死ぬ人多いらしいよ〜」「怖いわねェ」ってな感想が耳に入ってきて・・・ もっと現実的かぁとちょっとがっかりしちゃいました(笑)。

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