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99’.9.4〜9.29

9月29日 「天の瞳−幼年編−」
灰谷健次郎さんの本は、いつもほのぼのとして、それでいてこんな大人がいっぱいいたら いいなぁって大人がいっぱいいる。そう、これもまた、ものすごーくあったかーいお話 デシタ。灰谷さんって子供の気持ちをわすれないでそのまま大人になれた人かもしれませんネ
この「天の瞳」は小瀬倫太郎という男の子の成長過程をずっと追っていく。 はたからみれば、ものすごいワルガキなんですわこの子、でもその行動には1本筋が通っていて、 ただものではない。世が世なら天下とってんぞぉ〜秀吉みたいに(笑)
おもしろくってTとUを一気によんでしまいました。 読んだのは−幼年編−ですが、この先続いているそうでこの倫太郎君がどのような大人になっていくか・・・ 無茶楽しみです。

大きくなったら゛空゛になりたいという子。自分が納得するまではがんとして動かない、分からないことを 分からないままにしておかない。それが集団生活の中であっても…はっきりいって はた迷惑な子なんだけれど、みんなが好きになっていく…
成長過程の中で、出会う大人達も理想的だ。
倫太郎が通う保育園の園長先生の園子さん… 「子供をどうしたいかではなく、子供のことを知りたいって思うの…」っておっしゃる…
その保育園にいる゛あんちゃん゛この人の存在は、倫太郎にとってものすごく大きい、 どーやら、競争社会には乗り遅れてしまったらしいが、子供を一人の人間としてあつかえるにいちゃん。
両親もまた、倫太郎が何をしようと子供を信じてあわてずさわがず・・・理想的な考えの持ち主。
なんだかできすぎたお話でもある(笑)が、ちょっと懐かしい気もする。自分の 子供の頃をなんとなく思い出しながら読んでたの。
特に倫太郎が小学校に入ってからの部分では、出会う先生との葛藤、給食のエピソードもなつかしい。 好き嫌いが激しい人は、かわいそうだったものねぇ。 ひいきぃ〜なんて言葉も久しぶりに聞いたぞ。 忘れていた感覚がよみがえってくるような感覚。
両親ももちろんだけど、学校の先生との出逢いってものすごく影響力あるものねぇ・・・ 私も小学校の時はけっこ学校好きで、 先生もある程度好きだったんだけどなァ〜。ひそかな問題児だったもんで、 お世話になってたし・・(笑)。
いろんなパターンの先生がでてきます。ベテランで倫太郎に調子くるわされっぱなしの先生、 現代っ子(この言葉も古くなりましたねぇ)で、なぜか普通につきあってしまった若い先生。 体育会系で力で押さえようとする先生。それぞれが怪童倫太郎に奮闘する姿もまたおもしろいよ。
「わんぱくでもいい・・たくましく育って欲しい」そんな昔のCMをふと思い出しました。

時代的には今よりも少し前らしいので、今の状況と直接比べることもできないだろうが、 実際に子育てに翻弄されている人が読んだら、そんなこといってられないぞぉ〜なんて思うのかなぁ ・・・
でも、気持ちがおおらかになるような気がするから是非、大人にも子供にも読んで欲しいなァ〜って思う。 はっきりいって、これはものすごーくお勧めですJ

9月27日 「レナードの朝」
ずっと観たいみたいとおもっていた映画がNHK教育で放映された。10時からっていうのにちょいと抵抗 感じるのだけど、ビデオにとったらまた絶対みないで置いとく状態 になってしまうのでがんばってみた。
つきなみだけれど、生きることに感動しました。

この話は実話なんだそうだ・・・医師セイヤー(ロビン・ウィリアムス)がやってきた 病院では惰眠性脳炎と呼ばれる患者がたくさんいた。
はっきりいって人間の抜け殻状態の患者たち・・自分ではうんともスンとも動かない 患者がものを投げると反射神経をつかって受取ることに気付いたセイヤーは、 彼らを救おうとする。
ある新薬が、発表された。それをレナード(ロバート・デニーロ)に投与する。
30年間眠りつづけてきた彼は、突然朝がきて目覚めたように活動し始めた。
病気のことを研究していくセイヤー医師の姿が真摯で、この話はそういう軌跡の美談なのかなと思って みていると・・・その後がすごかった。
レナードが回復したことで、他の患者たちにも投与し、そしてみんな目覚めた。その時の 病院の様子がおかしい。現実にそんないっぺんに目覚めたかどうかわからないけれど、 ずっと動かなかった患者が一度に話し、明るい混乱がおこるの・・・
日本人じゃないなぁって思ったのが、みんな「あなたは誰」って聞いていくんですよねぇ。 きっと日本の話だったら「私は誰?ここはどこ?」の世界でしょうに(笑)

軌跡は長くつづかず、外の世界を楽しみ生きることを満喫していたレナードに異変が起こる。 凶暴性を増し、痙攣がでるようになる。
レナードは自分を実験台にして、学べという。セイヤーも 彼らがもう一度眠ることのないように精一杯手を尽くしたが・・・
つかのまの時間を与えたことが、彼らにとってよかったかどうかは分からないけれど、 この映画をみて、新薬を投与したことが間違いだったと、失敗だったといえる人はいないと思う。 悲しい結末ながら、そんなすがすがしさも残していた。

ロビン・ウイリアムの笑顔は、どんな制振安定剤よりも聞くんじゃないだろうか、しばし、メガネをとって の素顔が安らぎをあたえてくれる。人間が好きこの人の映画からはそんな 叫びが聞こえてきそうだな。
ロバート・デニーロは、すごかったその一言かしら・・・
だって・・この人誰??って顔になるの。抜けてる私は途中まで気がつかなかったもの(ーー;)。 いろんな症状が現われてくるのだけれど、それがあまりにもリアルで怖かった・・・ 顔の筋肉どーなってんでしょうねぇこの方^_^;
セイヤーとレナードは、患者と医師ではなく、友達だったんだ・・そんなフレーズが好きでした。

9月23日 「鳩笛草」
宮部みゆきさんの推理小説集「鳩笛草」を読んだ。3本の話が入っている。どの話しも特殊な能力をもった 人間がかかわる話。どの話しも静かな雰囲気をただよわせている。
一つ目の「朽ちてゆくまで」は予知能力をもった女性の話。両親の事故死の時から、その能力を 知らずに過ごしてきた智子。ずっと暮してきた祖母がなくなり、家の中の整理中に出てきた ビデオテープの山。
そこにうつっていたのは、幼い頃の智子だった。
今では、家庭用ビデオが氾濫していて、珍しくないけれど、ただ子供の夢の話しえんえんと とりつづけているビデオをひたすら、古い家の中でみている・・・そのシュチュエーションだけで なんだか、恐い話しのよう。
2つ目は、「クロスファイア」の番外編のような話。これは回想録のような感じがしてちょっと物足り なかった。

最後は、「鳩笛草」。この話ものすごく気に入った。
これは、透視能力をもった女性。その能力を生かすべく刑事となっていたが、最近どんどん能力が衰え始めている。
能力がなくなることに対する恐れ、自分が自分でなくなり存在価値がなくなってくようだと、悩む。
こういう能力を持っていることに対する悩みを持つ話はよくあるが、その能力がなくなることに対して おびえるって話しは私は初めてのような気がして新鮮だった。
能力の衰えとともに体調が悪くなって、消えてしまいそうな同僚を、励ます男性刑事。 その2人のさりげないやりとりも心地よかった。それと、読んでいて映像をみているような感覚があった。 描写が細かいのだろうか。
火曜サスペンスあたりで映像化して欲しいなァ。

9月21日 「ライン」
乃南さんの「ライン」はかなり身近な話だった。この本の中と同じようなコト現実にあってしまうのだろうなぁ。
ネット上の人間関係の問題点が浮彫りにされていた。相手の顔がみれない。自分のことが 相手から分からない…。その気楽さが、いいという部分もあり、問題になる部分でもある。
主人公の薫は大学を3浪している浪人生。むしゃくしゃする毎日のなかで、みつけた 楽しみの「パソコン通信」。ハンドルをつけるときに何も考えずに本名を ローマ字「KAHORU」としたのと、文体からいつのまにか女性だと思われ姫 と呼ばれて、ちやほやされていた。
嘘をついたわけではない。相手が勝手にそう理解したのだ。別にゲーム感覚だし冗談なのだから ・・・と楽しんでいた。
しかし、姫に惚れた男性とあうことにしてしまう。もちろん本人はでるわけには いかない。するとその男性は何物かに殺されてまった・・・

読んでいて珍しく、犯人の見える展開だった^^;。でも、主人公の置かれている環境、 友人関係が丁寧にかかれていて、考えさせられた。遠い未来に希望が持ちにくいってとこがねぇ・・・(ーー;)
私がやっているチャットとパソコン通信はちょっと違うようだが、見えない相手、何者か分からない相手と 話していることには違いがない。なにげなしに話しているけどねぇ・・・
薫君が、女性に間違われてそれをおもしろがってそのまま続けていた気持ちはわかるけど、 この本の刑事さんにゃそれが理解できなくて、「オカマじゃなさそうだし・・・」っていうのが笑えた(笑)。
そういうものなのだろうなぁ。
インターネットがさかんになればなるほど、増えそうな犯罪で・・・現に今でも小さなことなら起こっているのかも しれないなぁ〜って思うと、なんだか気が重くもなる。
乃南さんの作品には、今の生活のふと隣にある問題を考えさせられる ことが多いなァ。

9月18日 「エリザベス」
このまえ「プリンス・オブ・エジプト」の時の予告でこれはみにゃぁ〜って前売りをその場で 買ってきてしまった「エリザベス」やぁっとこさ見れました。
アカデミー賞の時にひときわ、その豪華さに目をひかれたのですが、本編も想像以上に 豪華でそして、重みがたっぷりの映画でした。あっというまにラストシーンが来てしまい、 この話しは2時間ちょいの映画に収まるものではないのだなと感じた。
かなり急ぎ足で話しが進んで行くのがちと残念。

ラスト、髪を殺ぎ落とし、異様に白い肌に化粧をしてみんなの前に現れるエリザベス。 「私は英国と結婚しました」と・・・無表情で歩いて行く姿をみていたら、涙が出てしまった。
その仮面に隠された彼女の心は、死んでしまったのだろうか・・・それから40年 大英帝国を治め続けたという彼女。偉大な人間だと思う・・・

この映画を見ていて、この時代の人々の画策の仕方、血縁へのこだわり、 宗教間のあらそいなどを見ていると、シェークスピアのあの数々の悲劇が つくられた背景が見える様でした(時代的にあっているのかどうかはちょつと分かりませんが)。
でもねぇ・・・エリザベスはどーしてあそこまで王座というものに固執し、守ろうとしたのか・・・ 始まって5分くらい遅れて入ったので、エリザベスがどのような生立ちをもって産まれてきたのか 理解できなかったのが残念。
ひとつ傷つくたびに、大きくなって行った彼女・・・ あの気の強さ、威厳、プライドはやはり゛血゛によるものなのでしょうか。これまた理解不能(笑)。 腹心となるウェルシンガムをやっているジェフリー・ラッシュが渋くてよかった(∩.∩)。 この頭の切れる男が、エリザベスにとって良い人なのか悪い人間なのか・・・よくわからないので、ハラハラ してた。まったく、人間不信にもなるわなァ〜こんなんばっかに囲まれていたら。
セットや衣装がリアルに豪華で、その時代にタイムスリップさせてくれる。 その国の特徴を、しっかりと持っていたこの時代の作品って好きだなァ。ただ、あまりにも 生々しい残虐なことはこわすぎるぅ〜。

9月4日 「さくら日和」
「ちびまる子ちゃん」でおなじみのさくらももこさんのエッセイです。 かなりヒットした漫画にもかかわらずあんまりしらないんだけれど、独特のテンポがなかなか笑えるなァって 印象がありました。その方のエッセイとはいかに・・・
ほのぼのとしていて、おもしろいよぉ〜ってお勧めいただいたのでよんでみました。

それでどうだったかといいますと・・・ほのぼのどころら抱腹絶倒って言葉が あてはまるんじゃないかしらってぐらいおかしいの(^^ゞ。
ちょいと冷めた目でみちゃうもチョーくだらんのだが(笑)・・・
こういう状況で、できあがるのねあのテンポは・・と妙に納得してしまった私でありました。
中でも、息子に自分が「さくらももこ」ではないと、思いこませようとして奮闘する姿はもぉおかしいよ。 大きくなった息子が、真実を知った時に人間不信にならなきゃいいが・・(笑)。
でもってなんで、大の大人がこのテンションで毎日を過ごせるのだろうかなぁ〜ってぐらいテンション高いの。 どっちかと言わなくても低いテンションで生活している私にはうらやましいよな気がするわ・・・
楽しそうだよぉ〜。気合が適当に抜けてて、なんだか楽そうだものなぁ〜。 ちょっとファンになってしまいそうな予感がしました。

今度はエッセイではなくて、小説を書いてみるというさくらももこ殿。 ほのぼのぉ〜とした、読んでてほっこりできるような小説をたのんます(笑)。
思いがけずこわぁ〜い、ホラーだったりしてね。どっちにしてもちょっと楽しみだわ。

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