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2000.4.1〜4.30

4月30日「CURE−キュア−」
首すじをXに切られるという残虐な手口の殺人事件が起こる。どの事件もまたたく間に犯人は捕まるが、犯人につながりはなく、共通点といえば、犯人はいたって普通の人間で、残虐な殺し方をしなければならない動機は、みあたらず、そんなに簡単に人は人を殺せるのかという疑問が残る・・・
事件を追う刑事高部、そして友人の精神科医の佐久間・・・
犯人の精神状態をみながら、誰かにあやつられているのではと思う。
高部の妻は神経を患って精神病院に通院している。高部は家では、いつも声をたからめないように神経を立てていなければならなかった。
そんな中、記憶をなくしたという不思議な男間宮が、保護される。完全に普通の状態ではないのはわかるが、何か異様な人物だった。
間宮の摩訶不思議な対話で、操作をしている高部の感情がたかぶっていく様子がすごくて、どんどん追いつめられてくる・・それを横でみていた佐々木は、彼には近づくなというが・・・
反対にその佐々木の方が近づきすぎてしまう・・・
「あなたは本当の僕の言っている意味を理解できる」と高部にむかっていう間宮・・その言葉の意味は・・

途中まではね、間宮の会話が会話になってなくて、(だって、あなたは誰ってそれ繰り返すの)イライラしているのをみていると、こっちまでイライラしてきてた。でも途中で なにぃ〜って感じでねっころがってビデオをみてたのを思わず正座してしまいました^^;・・。
間宮の役をやっているのは萩原聖人。この人犯罪者顔なんかなぁ(笑)〜たよりなげでふわふわして、どんどんと人を陥れて行く・・・はまってましたね。
高部刑事は役所さん・・・どんどんと冷静さを失って行く様子が怖かった。ラストは・・・またまたなにぃ〜ですわ。背筋凍りそう・・・
音楽が殆ど流れず、水のおと、洗濯機の音とかなりシーンとしたなかで聞こえる音が無気味。廃校や、病院も薄暗くて・・・
こういう映画は、映画館でみるともっと凛場館があってよかっただろうなと思う。こわすぎかも・・だけど・・・
なんせ見ている途中で、外から草刈りの音がうるさくって・・・集中力半分でしたから・・

4月29日「真夏の夜の夢」
見終わったあと、ふにゃぁ〜ってなっちまった私(^^ゞ。かわいかったぞぉ〜。
シェークスピアの「真夏の夜の夢」の実写版。かなり豪華なキャストです。
19世紀のイタリアの片田舎が舞台。自転車と馬車がゆきかうぐらいの時代らしい・・・^_^;。まだ、結婚は親の意志が絶対的。領主さまの結婚式を目前に街は盛上っている。
ハーミアの両親はディミトリアスとの結婚を、望んでいるが、ハーミアはラインサンダーが好き。 父親はディミトリアスを気にいっており、ディミトリアスもハーミアにぞっこん。そのディミトリアスを追いかけているのがヘレナ。「嫌われてもついていくぅ〜」とこちらはちょっとストーカーはいってる(笑)。
結婚を反対されたハーミアとラインサンダーが駆け落ちするのを知ったヘレナは、ディミトリアスにそれを告げ・・4人は森のなかへ・・・
この森の中のシーンはあまりに有名。森の中に妖精たちが舞い踊る。

ここの衣装やセットがものすごくファンタジックで、幻想的にしあがっている。金髪の妖精がタイテーニアにかしづき、世話をしている・・・。タイテーニアはミッシェルファイファ−。こんなに綺麗な役やっているのはじめてみるが^_^;。むちゃくちゃ綺麗でちょいと気ぐらいの高い女王様が良く似合う。
パックの役者さんもものすごーく愛嬌があって・・・おもしろい。最後にパックがつぶやく「たわいもない話ですが・・」そう、ほんとたわいもない痴話喧嘩ばっかりだったりするけれど(笑)。面白かった。
森の中のシーンはよく見かけていただが、結局私はこのシーンのことしか印象がなかったみたい。それでその他の場面。結婚式のために街の労働者たちが寸劇を行うために練習しているところとか・・ なんか新鮮だった。
でまた、この劇中劇がおかしい(笑)。決して上手ではなく、むっちゃくちゃな舞台なのだが、なーんか楽しいんだ。笑わせてもらった。
こういうのが演劇の根本なのだなぁ〜なんて思ってしまった。

領主の婚約者がソフィーマルソー。最終、4人の恋はオベロンのはからいでうまく落ちつき(しかし、 目覚めた時になして素ッ裸じなくっちゃあかんのやろ(笑))、合同結婚式となるのだが、 ソフィーが一番綺麗だなぁ〜。
ヘレナをやっているのは「アリーマイラブ」の役者さん。猪突猛進でTVのイメージと一緒だったね(笑)。

バックを流れる曲はおなじみのクラッシック。オペラっぽいのが多かったかな「乾杯の歌」「結婚行進曲」そして大好きな「カヴェリア・ルスティカーナ」の使い方が最高でしたわ(∩.∩)(ラストテロップこれで終わって欲しかった・・・そのあとの乾杯は・・いらんぞぉ〜)

4月28日「インサイダー」
アル・パチーノ、ラッセル・クロウ主演の「インサイダー」の試写に行って来ました。
「内部告発」を題材にしたもの、それも、実在する社名、が使われている実話ということで、 この映画を公開する際にもひともめあったらしい・・・
いたるところで、身を守るための圧力が現実に動いているのだ。

たばこの害について、タバコ会社は「たばこには中毒性はない」と発表した。
その頃、ジェフリー・ワイガンド(ラッセル・クロウ)という開発担当の重役が解雇を言い渡された。原因は「協調性がない」と・・そして、 その解雇の際、彼は会社と守秘義務について契約を結んでいた。会社の内部については外に漏らさないと。
ローウェル・バーグマン(アル・パチーノ)は、CBSの報道番組のプロデューサー。 彼の元にたばこ会社の研究に関する資料が届いた。
その資料を元にローウェルは、番組でたばこの害について、タバコ会社の内幕を暴こうと考えた。そして、ジェフに近づく・・・
しかし、守秘義務契約のため話せないというジェフを説得するが、どこからかそれが会社にもれ、 ジェフに対しての脅迫をはじめる。それでも一大決心をし、ローウェルのつくる取材に応じるが、今度は、タバコ会社とCBS局の利害関係からその取材ビデオを流すことはできなくなっていく・・・
危ない橋を渡ろうとする夫に付いて行けないと離婚を申し渡す妻。そして過去に対する中傷・・・ 彼を守ろうとするローウェルもまた、職場の立場がなくなっていった・・

はっきりいって細かいところはあまり良くわかりませんでした。州の法律がどうの、利害関係がどうのってやつはねぇ^_^;
だから、事件の内容よりも、大きな組織の圧力の大きさと、それに立ち向かう男達の奮闘ぶり・・ 2重にも行われる内部告発・・コトが起こった時の人の行動にハラハラしながらも惹き込まれて行った。
迷う心・・・家族を守るために黙るのか、それとも研究者としての信念を持つのか・・・彼が途中で逃げたとしても当たり前だし、実際に逃げ出してしまう妻を責められる人はいないだろう。 人の弱い部分と、強い部分、揺れ動く人の心が生々しい。

「破線のマリス」も同系統の社会派ドラマで、ちょっと比べてみてしまうのだが、どちらかというと、かなり作られた話であることを感じるが、 「インサイダー」はもっとシビアで、大きな力の強さに対する激しい抗争がいろいろなところで起っているということをつきつけられたような気がする。
こちらは実在の人物でありるからあたりまえか・・
それでも、「破線」の方が現実として捉えて怖かった用に感じるのはやはり私が日本人で、直肌に感じてしまう部分があるからなんだと思う。

アル・パチーノ(もうすぐ60歳なんだったねぇ)、もうかっこよすぎ♪、「私は提供者を決して裏切らない」 そんな信念のもと突き進んで行く。ここまでは・・なかなかできないよ。
窮地に立たされた中、ローウェルがジェフに「あなたのような人は大切な人材だ」というのにジェフが 「あなたも・・」と・・・
ローウェルの心がジェフに通じた時・・・すごくジーンと来た・・・

4月26日「ロミオ・マスト・ダイ」
黒いサングラスの男と、女性の顔が黒地に見え隠れし、下には撃たれたであろう人物が横たわっている。 何やら、ハードな試写状にちょっとおっかなびっくり見に行きました。
私はホラーよりもドンパチやる音とか、高いところから飛び降りるとかっていうそういう映像に 物凄く弱いから。おまけに、キャッチに「マトリックスの進化がここにある」と・・ マトリックスも結局見ていないので、想像ばっかり膨らんで・・(笑)
しかし、実際はなんちゅうことない・・デス。別に面白くないというわけでもないが、 インパクトがすごく弱かったような気がします。
黒人マフィアと中国系マフィア対立する家と、それを利用する白人事業家。 そして、中国系マフィアの次男が殺されその復讐に立ち上がった長男と、黒人マフィアの娘が知り合い、これまた 殺されちゃった娘の兄の死の復讐を心に決めて。二人で真相を究明すると、 意外な黒幕が現われて・・・
話しとしてはこんな感じかな。

主演は「リーサルウエポン4」でアクションが有名になったらしい、ジェット・リー。この人の カンフー技が、今の技術と組合わされ・・物凄い技を繰り広げる。
それが、見せ場だというのだろうが・・・やっぱり私には通じない(笑)・・すごすぎて・・ あまりに現実味がなく笑えた。だって、まるで「るろうに剣心」ばりの空中戦を 実写でやられても・・・すごいと思う前にそりゃないでぇって思っちゃう^^;。
おまけにこのジェット・リーさん、 中田カウスボタンさんとナイナイの岡村君を足して割って爽やかにしたように しか私には見えず・・^^;
黒人の娘をやっていたアリーヤ(歌手らしい)の見事な音感と、スタイルの方がやっぱり 見ていておもしろかったもの・・
多分、来年の今頃にはどんな映画だったかしら・・ って言っているだろうなぁ(笑)

4月24日「月の影、影の海」
お勧めしていだだいて・・・ 聞いてはいたけれど・・・ほんまにこの本は、ひとつの物語の始まりにすぎない^^;。こりゃいかんわ。
小野冬由美さんの本は、以前に一度かなりきょーれつなホラーを読んだきりだったので、 ホラー系のばかり書いているの物だとおもっていたが、そうではなかつたのね。
このお話は、高校生の女の子が、突然十二国という、地球は丸いっていう常識では通じない別の次元にある世界にいっちゃうお話。
「守る」といって連れてこられたはずなのに、ひとりぼっちにされ挙句のはてにゃ海客とかっていって追われるはめに・・・さまざまな試練を乗り越えて死にかけながらも戦っていく。
そして、それはここでの生活の序幕でしかなかったみたい・・・
あぁ〜この先知りたい^^;

冒険物っぽいし、ちょっとSFッぽい?ひさしぶりにこんな感じの話を読んだような気がする。ちょっと違うけれど・・新井素子さんのほをよく読んでいたいた頃の感覚(最近あんまり書いてくれないからなぁ〜)なつかしかった。
しかし・・貴方の前世は中国人ですかぁ〜っていいたくなるよな、十二国のものの名前のつけ方・・隣にこれ用の辞書と地図をおいとかなくっちゃ(笑)。漢字の音をうまく使って、作ってあるのがおもしろい。

人は、危機に直面した時に、生きることを確認するのだろなぁ〜。
最初はなんでぇ〜って逃げ回っていた主人公陽子さん、人に裏切られ疑心暗鬼に陥りながら、 徐々にそれまでの自分を見つめなおして、生きることを考える。どんどん意志がはっきりしてきて、 決断力が出てくるの姿が自然でよい。
この先、どんな冒険してくれるか・・・よむぞぉ〜(笑)

4月22日「LONG AFTER LOVE」
なんだか・・この雰囲気にはまりそうな予感・・・^^;
狭い空間の中での芝居の雰囲気か、はたまた三島由紀夫という人の世界の雰囲気か・・・
゛死゛の香りを漂わせながら愛を描く・その張り詰められた空気のせいか・・・

三島由紀夫作「LONG AFTER LOVE」は、近代能楽集の「卒塔婆小町」「葵上」「班女」の3作品をひとつの戯曲として書かれたものらしい・・・
今回は、その中の「卒塔婆小町」「葵上」のふたつが上演された。
時間になると、なにやら遠くの方で鐘の音がする・・・話している観客はきがつかないぐらいの音・・それがちょっとの間続き、異様な雰囲気が流れる。
ベンチが3つ、どこかの公園らしい・・夜の公園。カップルがそこいらで、キスしている。
そこに、老婆が一人・・・たばこを拾い、カップルの隣に座り吸い始める。カップルはけげんな顔をして去って行く。それをみた詩人がいう・・・「カップルが座っている時のベンチはただのベンチ じゃない、生きている」と・・・
老婆はいう・・「あんたはもうじき死ぬよ、死相がでている」と・・・
そして、老婆は80年前の話をはじめる。話して行くうちに、老婆は小町とよばれれた姿に見えるようになる・・・
「皺だらけのおばあさん」と思っていた詩人は・・びっくりして女を見つめる。鹿鳴館でくりひろげられる音楽とダンス・・・小町が当時通われていたという、男性と詩人がだぶってくる。不思議な感覚・・詩人は小町の過去の中に入りこみ言ってはならない言葉を口にしようとする・・・
「あなたは美しい」と・・・
言ってはならない・・その言葉を言った男性は死んでしまう・・・必死になって小町が止める甲斐なく・・男は口に出してしまった・・・
現在と過去が2重に重なり、不思議な感覚を起こす。男がみたのは幻覚・・・そして、80年前小町がみたのもまた・・なのかもしれない。必死に止め様とする小町の叫びが、とてもせつなくて、泣きそうになった。「もう嫌だ」と叫んでいるようだったんだもの。

詩人の死体を通り病院に通う男゛光゛。妻゛葵゛が夜中になると、うなされ発作を起こして入院した病院に向かう。
こちらは源氏物語の葵の上、と光源氏と、六条の御息所の関係さながらに、現代に置き換えた話。葵の病室に訪れる六条康子、光との再会。そして、ふたりが恋人どうしだった時代に入りこんでしまう・・
真剣に怖かったです・・・コレ。ふたりが昔話をしながら、その昔話の世界に入りこんでしまう。現実なのか光の中の夢なのか・・このあいまいさが奇妙な感覚を起こしてくる。
生き霊・・だぁ〜〜(笑)って光が、気付いた時には私も、だぁ〜っと鳥肌もの。

2つの話は別々なんだけど、一体感があって1話完結ものの連続ドラマのような感覚。のこりのもうひとつも観たくなった。また何かの時にやってくれないかなぁ。
シンプルな舞台、そして無茶苦茶客席に近い舞台、役者さんは大変だろうなぁ〜。
演じる狂気をビシバシ感じて・・・どこまでが幻覚でどこまでが現実なのか良くわからない舞台にはまりこんだまま・・ひとりで帰りました。夜道はたいそう怖かったです^^;

4月21日「アナザヘヴン」
「アナザヘヴン」は、試写会に・・・(∩-∩)
脳みそが切り取られ料理されるというパターン性をもつ残忍な連続殺人事件・・首をひとひねりされていることから犯人は男だと 思われていたが、ちいさな手の跡、そしてsexをしたあとがあり、頭を悩ます。
この事件を追う刑事二人。早瀬マナブと昔カタギ刑事の飛鷹。マナブを追いかける女朝子は、ぜったいに女性だというけれど・・・
いくつかの事件の端々から失踪した柏木千鶴という女性がうかびあがる。 美術館のユハネ象の前で忽然といなくなった女性・・
目に見えないものとの戦いのはじまり・・・。

これはR-15映画です。みせたくないわ^^;こんなん子供に(笑)。感化されたら恐ろしい。奇しくもこの試写会が行なわれていた時間に TVでもやっていたみたいだが、あらすじを読む限り、 こちらはもう少しおとなしいよだ^^;(だろなぁ〜こんな映像お茶の間では・・)。
原作は2冊にわたる長編で、映画ではマナブと朝子の恋愛が軸になっているが、いろんな楽しみ方ができるという・・原作も読んでみたいと 思った。
シチューとカルボナーラのスパゲティはしばらく食べられないかも(笑)。しょっぱなから衝撃的な映像と、たたみかけるような 展開で、ひきこまれてていく。男か、女か、何故に脳みそ??何故に料理すんだぁ〜と・・???飛ばしてた(笑) いくつかは、見終わったあともわかんないだが・・・(触れてないと思う)。ラストの方はこの殺人事件なんぞ どっかいっちゃってもっ精神世界・・・に入っちゃってます。マナブと飛鷹と朝子と敵だけの世界に入りこんでますもの・・
ラスト30分が見せ場だとおっしゃっていたが・・・私は出力ダウン気味・・に感じた。それでも充分って気はしますね、まあ 前半の割りにはってこってす^^;。
突っ込みを入れるとしたらこのふたりが、戦っている間他の刑事はどうしていたんでしょって ことかしら・・(笑)

松雪泰子、柏原崇、岡元夕紀子の切れた表情がすごかったですねぇ・・どなたも整った顔立ちだから・・妙にコワイ。岡元夕紀子さんは はじめてみるような気がしますが、ほんとに化け猫みたいで・・・迫力ありましたねぇ。
猫っていえば・・・市川さんも猫みたいだった・・こっちは計算してなくて、 かわいいの^^;。でも、猫っぽい女性って男にもてるんですかねぇ・・・(笑)。
ラスト飛鷹さんがつぶやく「すごいや」っていうの好きでした。←わかんないねェこれだけ書いたって^_^;
プロデューサーの方が、「りんぐ/らせん」よりも絶対におもしろいと思いますと、自信をもっておっしゃっていたけど (いくら自分がプロデュースしたからって、ええんか?)・・私もそう思う。SFっほいからって、ホラーだからってあまりの不自然さからくる 変な笑いは今回はなかったですもん。

「雪の断章」と頭の中で、並んでいるのだけれど、なんと違うことか(笑)・・・根本に流れているのは「一途な愛」なんだけどねぇ〜(笑)。 この一途さがみんなの涙を誘うっていうのも一緒なんだが・・・時代はかわったのねぇ・・やはり現代人は 刺激をもとめているのかしら・・
ここいらへんが、この映画の意図するところらしい。人の中に住む悪意を楽しみする感情。もし・・争いのない 天国のような場所になったら・・・すぐにたいくつしてしまうだろう・・ だからこの今の状態がもうひとつの天国(アナザヘヴン)なんだと。

4月20日「雪の断章」
佐々木丸美さんの同名小説の映画化。斎藤由貴さん主演で、榎木さん世良正則さん。
ユウイチは、雪の中歌を歌いながら歩いているイオリと出会う。 イオリは孤児だったが、養女にもらわれた先でいじめられ逃げ出してきたらしい・・・ ユウイチはイオリを引きとって育てることにする。
そして、10年。イオリはすくすくと成長し、高校生になっていた。進学のことユウイチさんにたいする思い・・・ そんな時、ひとつの殺人事件がおこる。

映画化にあたり主要人物名が変えられていてちょいと気持ちわるぅ(笑)。これは名前に限らないことなんだけれど、 独特の世界っていうのは無視されているように感じた。
冒頭、深々と雪が降る中ふたりは出会うシーンはファンタジックなムードがあって・・・ (なぜかピエロがやってきたりして)良かったんだけど・・あまりにもクリアで分りやすくなっていて、 物足りなかった・・・もともと、ミステリーっぽい要素も含まれているが、そちらを 優先した雰囲気もなし。
設定と起承転結をそのままに違う作品をみたような気がする。私の中にあった色と違っうし、 あまりにも外壁が削られていた。まあ、これシーリーズ化されていて、それを前部読むと人間関係 わかんなくなるぐらいややこっしいから・・それを出す必要もないのだろうが、あまりにもあっさりしたものだったよ^^;

この主人公は高校3年生、 お手伝いさんが「恩に報いる為にも、はやく花を咲かせなさい」って彼女にいうの。 光源氏するために拾ったんだって・・。それにすごいショック受けちゃうんだ・・
でもね、今なら小学校高学年ぐらいの子供にいう台詞だよなぁって思った。 そんなこと考えたらいったい原作はいつごろが舞台となっているのだろうって気になった。
佐々木さんの作品ってどれも現実離れしていて、普通ならつっこみたくなるような設定でも 気にならないような不思議な部分があるから・・・
映像化してみてほしいなぁって思ったけど、ロードショータイプのではなく、もっとこだわりを持って作れる ビデオ映画みたいなので、ちょっと全体に紗かけたような、 カラーじゃないような・・フィルムっぽいのでみたみたいなぁ〜

しかし、孤児って言葉も死語だな最近は。この映画は昭和60年の映画です。いきなり由貴ちゃん聖子ちゃんの 歌うたってんだもん(笑)・・。由貴ちゃんは、まぁっ白な感受性の強い少女の役が似合っていた。つかみ どころのないところも・・^^;。
「情熱」の歌もねェなつかしかったわぁ〜。青春映画としてみたら・・わるくないか。

4月19日「橋の上の娘」
とてもシアワセになる映画だって聞いていた・・・ちょっとバイオリズム下降線だったから、映画館の前通ったらいきなり 今見ようと思った・・・。それが解消されたかどうかは別として、「信じるものは救われる・・」「何事も気の持ちようだ」と 言われてしまったよな気がした。
私は、何事も運命は自分でそないに変えることができないってなんとなく思っているし、そんなうまくいくはずはないって わかってるけどそれを忘れさせてくれて、こんなんありかっておもっちゃう。 モノクロの映像も相俟って、全体的な雰囲気が現実離れしてて、不思議な映画でした。

橋の上から自殺をしようとしたアデルは、ナイフ投げを職業とするガボールに助けられる。ガボールもまた 自殺をしようとしていたらしいのだが、アデルの雰囲気に惚れこみ、的になってくれと頼む。
結局アデルはガボールと組んで、各地を回ることになる。ガボールはアデルに暗示をかける。君はついているから 何でも上手く行くと・・彼自身本気で思っていたわけじゃなさそうですが・
でも、それが無茶苦茶好調で・・何事も上手く行く・・仕事でも何でも・・・。ただ、アデルはすごく惚れっぽく、結局 二人は分かれてしまう・・別れた後のふたりは・・絵に書いたように(笑)絶不調におちいてっていく・・・ 後悔するふたり・・・
ナイフ投げのシーンがものすごくセクシーです。 初めてアデルが的になるシーンなんか鳥肌もの。そこでかぶさる音楽もまた 守り立てて・・・。言葉がわからないので、字幕を読んでいなきゃならないのがすごく じれったかった。
恐怖が快感にかわる・アデルのそんな表情がとてもいい。緊張感の中に二人だけの世界がみえた。
アデルのパネッサ・パラディがとてもかわいいの。ドキッとするほどセクシーに見える瞬間もあるのだけれど、 笑うとすきっ歯で・・(笑)

細かいことを言えばかなり突っ込みがいのある映画でもあんですよねぇ ・・・フランス映画らしいというか・・・^^;。ラストは 絶対にそうなるって見えちゃうのだけれど、それをこっちは待ってるみたいな感覚。
幸せな笑顔はいい気分にさせてくれるもんですね。

4月16日「華の乱」
いつみたのか忘れたけれど、偶然夜中に見た映画・・・吉永小百合さんがとても綺麗で、 そのまま見てしまっていた。途中からだったので、題名もわからなかったが、吉永さんが 与謝野晶子を演じてらした・・・たまたまビデオ屋で見かけたので、借りてきた。
大正時代、自由に生きた女性たちと豪快な男たちの話。
与謝野晶子の毎日は戦いだったようだ・・・いったい何人なのか数えられないぐらい子供がいて、 「明星」などの雑誌を発行して意気揚揚としていた、だんな、与謝野ひろしは、 雑誌の廃刊とともに、鬱病状態・・・
もともと彼には妻がいて、その妻を世間的には追い出したようなかたちでおさまった家庭なのに・・
「乱れ髪」でセンセーショナルな存在となり、「我君しにたもう・・・」という歌で、 反逆者とののしられ・・・反骨精神を磨きどんどん、強さを増して行く。

たぶん時代的に女性が、意志をもって世間に出始めた時代なのかもしれない。 晶子の周りにくる女性達は、こわいぐらいに激しかった。
新劇の女優の松井須摩子脚本家(島村抱月だったかな?)を愛し・・そしてその死をいたむ。 松坂慶子さんが、これでもかぁ〜ってぐらい女優を演じてらっしゃった。とぎすまされた感じがして すごく綺麗だった。
やり手の女性記者の波多野あきこ(あきこってどんな字書くんだァ?)。 女性を人形としかみていない旦那に反発し・・・最後は、互いに死を望む 有島氏と心中。池上季美子さんの色っぽさはものすごい・・・
無政府主義者の大杉の妻として戦う女性が石田えり子さん、子供を抱えながら、 さばさばと戦う人生を選んだことを語る。生き生きとした目が印象的。最後は大杉と共に 捕まり処刑。
激しい思い、愛が破滅を招いていく登場人物たち。悲しみと同時になにか清々しいというか、 敗北ではない死を感じました。こんな風に激しく生きられたら・・ちょっとだけ 自分にもそういう気持ちがあるのかなぁ・・・^_^;

4月15日「震える岩」
宮部みゆきさんの時代長編小説です。人には感じないものを感じること、見るとができる という能力を持つお初の捕物帳です。
死人つきにあったと評判の吉次。油樽の中で死んでいるのを見つかった少女。浅野内匠頭が 切腹したという屋敷にある石が動く事件・・・別々の場所で起こった 出来事が、「りえ」という名前を手がかりにつながって行く。

正直とっかかるまでにちょっと時間がかかっちゃいました。時代的に頭の中でちゃんと整理して行かないと 分からなくなってしまうのです。漢字も・・・^^;。普段本を読む時にどれだけ感覚で 読んでいるのか・・・学生時代勉強していなかったか・・・つくづく感じちゃいました。
それでも、事件がどんどんつながっていき、話にリズムができてくると、 今度は一直線で最後まで・・いっちゃった・・・
なんだか優しい話だったなと・・優しいっていう言葉を当てはめるのは適当じゃないかもしれませんが、 優しい心を持つ人が多くて・・・だから、悲しくもあり楽しくもある。そんな印象を受けています。
特殊な能力をもつがために見えてしまう出来事。それはえてして楽しいものではなく、せっぱつまった 人の思い・・・しかし、お初はそれを操作することはできず、その思いと彼女の周波数があうのを待つだけ・・ もどかしさを感じもがく姿がいじらしい。

宮部さんは、浅野家菩提寺、花岳寺に保存されている「義士出立の図」で、 吉良邸に討ち入りをしようとする赤穂浪士の中にひとりだけ後ろ向きになって顔を隠している 義士がいるというその図をみてこの話を思いついたのであろうか・・・
その着眼点のすごさと、膨らまし方の手の込み様を感じ、ますます宮部ワールドにはまっていく 私であります。

4月14日「恋におちたシェークスピア」
昨年の今頃アカデミー賞のTVをみながらこれは絶対にみにいくぞっと思いつつ行けなかった作品。 劇場でやっていると知り、喜んで出かけていきました。
好きだわァ〜この映画。何がどうって・・・。 時代といい、それを表現する美術といい、理屈じゃなく根本的に私好みなんだっ(∩.∩) シェークスピアの香りがすっし、それも「ロミオとジュリエット」だもんねぇ。
帰りには、何年かぶりで映画のパンフ手に持ってましたもの(笑)。同じように 話題になっていた「ライフ・イズ・ビューティフル」よかずっと好きです。

1593年ロンドン。ウィル(シェークスピア)は、スランプに陥っていた。ライバルのマーローの 一言が助けとなり、「ロミオと海賊の娘エセル」という喜劇を書き始める。
ヴィオラは芝居好きの娘だが、この時代女性は舞台に立つことができなかった。それでも芝居に 出たいとトマス・ケントと名乗り男装をしてオーディションを受ける。そのケント を追っていったウィルは、裕福な商人のパーティに紛れこみ、そこの娘ヴァィオレットに出逢い、 お互いが一目ぼれをしてしまう。
ヴァイオレットにはエリザベス女王もみとめた貴族との結婚が決まっていた。
それでも、ふたりのは隠れて逢瀬を重ねる。
ウィルの喜劇は、ふたりの恋そのままの「許されざる恋」をテーマにしたものになって行った。

ウィルとヴィオレットの恋の模様がもう、ロミオとジュリエットそのもので・・・ 最初っからすごく嬉しくなってしまうぐらいうまくできている。。
これは史実ではなく、真っ赤なおお嘘らしいが(笑)。この一大劇を書き上げる裏にはこういう物語が あってもうなずけるって思ってしまうぐらい自然にふたつの話を重ねてみてしまう。
ウィルとヴィオレットの熱い恋・・・ええかげんに頭ひやさんかいと、冷や冷やしながらも、 惹き込まれて行く。ロミオとジュリエットの結末は知っているけれど、 このふたりはいったいどうなってしまうのか・・・と。 そして、この話もまた、わずか2週間ばかりの恋なのだ・・・

すべてをみとおしたような貫禄のエリザベス女王(歯がなくて・・わらうとコワイ^^;)。
話がどんどん進んでいっているのに、 ひとりいつになったら海賊が出て来るんだぁ〜とかってずれたこといってるプロデューサーに 最初はお金のことばっかりだったが、だんだんと芝居にのめりこんでいく高利貸し。
紳士なスターに密告しちゃう子供、亭主関白きどりなのに、ヴィオレットを前にするとあんまり 強く言えない婚約者(みていてやなやつだけれど、ちょっと気の毒かなぁ(笑))。
と、周りの人達の細かいキャラも楽しかった。

シェークスピアの作品を見るたびに好きだ好きだと言ってる私だけれど、なーんにも知らないの^^; 今回、この時代女性が舞台に上がることは禁止されていたということもはじめて知った・・
「十二夜」をみるたびにそりゃぁ〜ないだろとほざいていたが、それなら舞台の上で そういう設定にしても面白いかもしれないなぁ〜って・・・
今回、トマス・ケントとして男装をしているグゥイネス・パルトロウをみていても、あまりに違和感なくて・・・ (声の出し方とか上手かったの)そりゃ全体の感じからして、ひげの生えるような男性にゃみえないけどね(笑)。 お姫様のかっこよかこっちの方が好きだったりするかも^^;

4月10日「スリーピーホロウ」
絵本から抜け出たような映像が気に入りましたっ!!
ニューヨーク郊外のスリーピー・ホロウで 首が切られて殺されるという連続殺人事件が起こる。ニューヨーク市長よりその捜査を命じられた クレーンは、いろいろな道具を使って犯人を探そうとする。
しかし、実際目にしたものは、首のない騎士。なんのために騎士は甦ったのか・・・

映画みながら、これって日本で言うと「八つ墓村」のような話じゃないのかしらって・・・ その土地の古い有力者が、たくらんだことに対する復讐劇。黒幕は意外なところに・・・
もっとも魔女やらまじないやらがでてきてもっと、童話的にかんじるけれど・・かぼちゃをくりぬいて 顔をつくった灯りを持った首のない騎士がだぁってって登場したときは、なんかかわいかったりした(笑)
おまけに、このクレーンのキャラがねぇ・・すっとぼけてて(笑)憎めない。 トヨエツの金田一さんが「しまったぁ〜」って事件が起こった後に 叫んで現場にかけつけていくのをやっぱり思い出してしまった。
幽霊をみてひっくりかえり、戦ってはやられて・・・(笑)それでもめげずに復活するところがいいわぁ〜。 ジョニーディップっていくつなんでしょう。シザーハンズの時のウィノナがもう 30近くなっているところを思うとかなりいってらっしゃるだろうに・・・
そのころのイメージとまったく変らず・・憎めないキャラを演じてらっしゃいましたね。 して、ヒロインの子がまたお人形のようで・・・ちょっとした恋物語がついてくるところは 微笑ましかったです。

4月9日「鉄道員−ぽっぽや」
浅田次郎さん原作の「鉄道員」。99’のアカデミー賞では賞を総なめにしたからか、本も文庫化され、 レンタルビデオ屋にいってもいやに目に付く^^;。どちらからみようかと思っていたのだけれど、 ビデオ屋の思惑に先に乗っちゃった(笑)
泣きました・・泣かずにゃおれんかった・・・おだやかで、優しい映画。別に悲劇じゃないのだけれどねぇ・・ 幸せな人生なんだと思うのだけれど泣いてしまう・・・
北海道の元炭鉱のあった村の駅長さん。妻と娘をなくし今は駅長室でひとりぐらし。根っからの鉄道員で、 定年後を心配する友人にも「鉄道屋しかできない」と・・・
駅の電車が日に数本。雪の中それを出迎え送り出す・・・吹雪き舞う中の北国の汽車にはどこか 哀愁を感じてしまうのは何故だろう。
持病を密かに持ち定年を間近に控え・・そして駅自体ももうすぐなくなってしまう・・中。彼の心の中 でり返される回顧。それが映像となって浮き出される。
途中、少女が懐かしい人形を持って、駅に出入りするのもその回顧を促すようになっている・・・
しかし、思い起こすのは後悔ばかり・・・ぼっぼやであることで、妻の娘の死につきそってやれなかったこと に対する負い目・・・
周りの人には好かれて、みいていも奥さんが彼を恨んで死んでいったとは思えないのだが・・ 当人にとっては、悔いることなのだろう・・その反面ぽっぽやであることを誇りに思っているのが 伺える。その複雑な淋しい表情に この人の人生は「そんなにいいことはなかったんだ」と錯覚してしまっていた。
だから、最後娘の幽霊が「恨んでいない」と言うのを聞くとよかったなぁ〜って涙せずにはいられない。 そしてラストも・・・

こういう仕事師の父親は多かったんでしょうね昔は・・だんだんと、マイホーム型がよしとされて、 今じゃあんまりみかけませんし、こういう人が住みにくい雰囲気ですよね。
この映画を見ている人も、実際に自分の父親がこういう男性だったら、反発するかもしれないし、 奥さんだったら・・と思うと大変そうだけれど・・どこかで こういう男性像を求める部分があるのかも知れません、 だから・・・高倉健さんかっこいいのよ・・(笑)
大竹しのぶさんが奥さんでした。「奇跡の人」よりもこっちの方がいいなぁ〜。母性をすごく感じました。 広末ちゃんの笑顔も透明感があって、あったかくて・・心を溶かすという 役がぴったりだったなぁ〜って思いました。
あと、定年後いっしょに働こうと説得しに来た小林念次さんが、お墓にすでに自分の名前を 掘り込んであると知り、すべてを悟ったような表情になるところが、心に残ります。
いいですねぇ・・この方の軽さも(笑)

浅田さんの作品は昨年「ピエタ」の舞台を見た後にひとつ読んでいるはずなのだが・・・題名が思い出せない。 その作品も、父親との関係が深く書かれていたような記憶がある。過去を摸索しながら・・・
原作は短編らしい・・また興味がでてきた。

4月7日「奇跡の人」
話題の舞台「奇跡の人」を観てきました。
目が見えず耳が聞こえずしゃべれないといった三重苦の少女ヘレンケラーと、ヘレンの教師アニーサリバンの 物語は、あまりにも有名。いつどんなかたちで知ったのか分からないぐらい・・・ (きっと小さな頃に偉人さんの本とかで読んだのかもしれないなぁ〜)
舞台になってどうなるか・・こちらが思いもしなかった演出をされるのか・・それともオーソドックスな舞台なのか。。 前知識全く無しでした。
大人になってから、ちゃんとした話を読んだわけじゃないので、あくまでも印象ですが、事実に忠実に 有名なエピソードをつなげてつくってあったような気がします。
ただ、ヘレンケラーの物語というよりもアニー・サリバンの生き方が強くでてました。それと、 ヘレンの家族・・・
サリバン先生のイメージは・・・ヘレンに世界を与えた方・・それだけのものだったので、ちょっと新鮮でしたね。 まず、若かったんですねェ・・・ヘレンに会ったのは二十歳の時だったんだ・・・
彼女もまたヘレンを救うことで、 施設でそだち・・弟のジミーを守りきれなかったことに対しての負い目から逃れ様としていたのかもしれません。 落込んだ時に発作のように襲ってくる、彼女の心内・・・
不幸だった境遇が、彼女のエネルギーとなり奇跡を起こしたのでしょう・・・

それからヘレンの家族・・・南部の男である家族の中で絶対的存在である父親と、それに反発する息子。 後妻の妻ケート。そして、なにかというと家柄を重視する伯母・・
ヘレンを愛するあまり、わがままをゆるし出来るだけ何事もおこらないように・・そしていつかは 見えるようになるんじゃないか・・と現実から逃げている。その家族が、サリヴァンが家に来て、 荒っぽい彼女のやり方に戸惑いながら、変化していくの姿が印象的でした。。 サリヴァンがアニーを教育するために近くの小屋でふたりだけで暮すことになった2週間の初日の夜。静かになった 家の中で自分を、見つめなおしているシーンがとても好き。ここで、大竹さんが 口ずさむ歌がなんとも・・悲しかった。

家族の愛が邪魔になる・・言葉をどうしても理解させたいとして頑張るサリヴァンに、おとなしく、人間らしく行動 できるようならいい・・という両親との葛藤。観ている方は、どちらの気持ちも分かるのだけれど、 やはり両親にはちょっとイライラしてしまってました。特に父ちゃん(笑)
母親のどうにかして欲しいが、手元から離してただみているだけでどうしようもないという忍耐・・その姿は やはりみていて辛いものがありました。
約束の2週間目に言い放った「返してください」・・・その言葉に何か文句をつけられる人は・・いないでしょう。
クライマックス・・・
ヘレンの中で何かがはじけ、がwaterが水だと理解した瞬間・・・家族の中に喜びが 溢れた瞬間・・・なんともいえない感動がありました。ヘレンが自分の中の物を外にだす糸口を みつけた喜びをすべての人が喜んでいる姿・・・
よかったぁ〜・・・・って涙(T_T)。ここでこうなるって結末は分かっちゃいるのにねェ(笑) やはり体感として感じてしまうんだろなぁ〜

アニー・サリヴァンは大竹しのぶさん。ヘレンは菅野美穂ちゃん。
大竹さんのしゃべり方あんまり好きじゃないので最初はどーしようかと思ったが・・(笑)、 中盤以降はそんなことわすれてましたね。 役になりきり、人を惹きつける力は圧巻なんじゃないでしょうか。
ただ、演出かもしれませんし、大竹さんのサービス精神なのかもしれませんが、 ここのところあまり明るくないテーマの舞台の上で、突如として起こる笑い・・・
自然な笑いではなく、作ったような笑い・・・それによりお客さんをのせようとしているのか・・ (ニジンスキーでも感じたの)確かに、客席は笑っているけど・・・そんなこと気にしてる人 いないのかもしれませんが・・
家にいる黒人の使用人たちとの絡みで楽しい場面はいいんですけどね・・ 突然声色を変えたりしている部分が妙に嫌だったりしました。
菅野ちゃんは、かわいかったですねぇ・・・^_^;。動物的な動きと、感情が表にだせなくて かんしゃくを起こす・・台詞はないけれど、表情から喜怒哀楽が伝わってきました。 彼女の初舞台みてんですよねぇ確か・・^_^;
しかし、体力勝負ですよねぇ・・このふたり。もぉ力いっぱい戦って・・・すごかった。 劇場に入っていただいたチラシ類の中に2人の対談が載っていて、大竹さんがどちらかっていえば ヘレンをやりたいっておっしゃってましたが、どっちかっていうと大竹さんヘレン役者なんじゃないかなぁ って妙に納得してしまったです。もう無理でしょうが(笑)(御本人も言ってらした)

4月5日「フリークス」
綾辻行人さんの推理小説です。舞台は精神病院・・・語るのは患者
「夢魔の手−313号室の患者」「409号室の患者」「フリークス−564号室の患者」 の3編。どれも緻密な計算の元で読者を混乱させてくれる・・・^_^;。
精神病患者の告白・・・そういう話だとわかっているのにいつの間にか惹きこまれてしまい、忘れて 結末まで読み終えてから・・ありゃぁ〜って思うと同時に、なんともいえない変な気分になる。
告白される話・・それだけでも充分に楽しめる(楽しい話じゃないがねぇ・・)。それが何重構造にもなっているから・・・ 私の頭の中は・・あぁ〜うにぃぃ(笑)
綾辻さんの文中によく出てくる「・・・・・・・コワイ」「・・・・コロセ」(行替えありの必ず字体を変えた太字で印す) といったような、書き方は、その表現を本の活字を頭の中で感じるだけでなく、視覚からも 感じることが出来、ものすごくインパクトがある。
んでまた、頭のすみっこで引っかかるような感覚して、たまらなく気持ち悪いんだよなァ〜 はよちゃんと教えてくれぇ〜って感じ。 あとがきのなかで、「病室」シリーズと呼ばれていたが、本当にシリーズ化して欲しいような 気がする。
あんまり精神的によくない話かもしれないけど・・・

4月4日「スリーキングス」
最高にノレる新感覚アクション・アドベンチャーと名を売っている「スリーキングス」の試写会に行ってきましたる アクションものはあまり見ない私ですが、試写会ということでトライ・・・
最初のコメディタッチの芝居は・・よく見えてこず、意外にも予告でかんじた軽さよりももうすこし、 社会風刺的な感覚をうけました。日本にいてはわからない湾岸戦争の一面をみせられましたし・・・
湾岸戦争が終結。現地の兵士は、戦争が空爆線であったためにいったいに何をしに やってきたのかとおもいつ、戦争がおわったというお祭り騒ぎに興じていた。
そんな時、イラク軍がクゥエートから奪った金魂の隠し場所が印されている地図を手に入れた、 少佐とチーフとトロイ・・・最後に何かを・・とその金魂をネコババする計画を立てる。
負けた兵士から奪うのは簡単だと行きこんで出かげるが・・・・

かなりテンションの高い精神状態での話で、最初はどうしようかと思いましたよ。これは、こういう夢を 追える人じゃないと楽しむことのできない映画なんじゃないかと・・・
しかし、単に金魂を探しにいっただけの彼らが、フセインの弾圧になくイラク人にであったことにより、 そのイラク人たちを送るくだりぐいから、面白くなっきた。。
すがるような目でアメリカの軍人をみるイラク人。味方をしてくれたアメリカの兵隊なら助けてくれるだろうと よってくる。それを無視できなかった彼ら・・・
この当りがきっと安全な国に生まれそだった人間特有のことなのだろう・・。 戦争だから・・・自分の身を守るために戦いはするだろうが、敵が憎くてやっているわけじゃないもの。
捕まったトロイも、拷問を受けが。拷問する相手の境遇に同情をしてしまい、殺せないかった・・・。 そして、どんどん3人の意識が、変わっていくにつれ、見ているほうも同化して何とかして、 イラクの国境に彼らを連れて行けるのか・・・祈ってしまう。
ラストはなかなか、感動的かな。金を横取りするためにやったこと・・・金は奪えなかったが、 彼らの表情は満足げだった・・ただ、そのために命を落とすものが出たのも事実なんだけどなぁ・・・ あの人かわいそっ^_^;
ジョージ・クルーがかこっこよかったぁ〜渋い声にほれそうて゜した。

4月1日「孤独の歌声」
お勧め本との声が高かった「孤独の歌声」。天童荒太さんの本ははじめてです。
残忍な連続殺人事件。犯人は「彼」、愛人として彼を生んだ母親のゆがみの影響をもろに受けて、 完全な愛を求めて女性を拉致してくる・・・仮想の家族の中で生き、真実の愛を探す・・・。 ひとり暮しの女性を監禁し、裸でポータブルトイレに座らせ、自分の幼いころの ビデオをみせ・・自分の価値観を植え付ける。そして、ダメだと分かると切り殺す・・・ 狂っているとしかいいようがない・・・
コンビニに勤めて、自分の音を探す順平。
そして、都会でひとりで住む という自由と同時に付随してくる現実を感じながら生活する女性刑事の「私」。
主要人物3人は、ひとりでいることに対して、孤独であると言う言葉に対して敏感なように思う。
殺人事件と、コンビニで起こった強盗事件そのふたつの事件の展開と、人の心の中を交錯させて 話が進んで行く
話の中で順平は「おれ」と指されることが多く、最初は この「彼」と「おれ」がごっちゃになった。順平は人をよせつけない何かを持っているだけなのだが、 どこか同じ匂いがしたのだろう・・・

新潟の監禁事件 つい最近判決がおりた母子殺害事件で、被害者のだんなさんが、涙ながらに被害者もまたリハビリが 必要だといっていたこと・・・そして、ちょっと前にみた「完全なる飼育」 という映画・・・いろいろなことを彷彿させる・・
精神異常者が起こす事件に嫌悪感を覚えながらも、読んでいるうちに怖いという感覚よりも 淋しい話だなぁって思った。
言葉にしにくい・・
が作者は文中から言葉を借りると「ひとりぼっちの話だけど ・・・きっとひとりぼっちじゃないんだって感じさせる話」を書きたかったのかなぁと感じた。

この本を読んで「孤独」の意味を考えてしまった。いや 「孤独であることの淋しさ」の意味かな。ひとそれぞれ感じ方はちがうだろうけど・・・
私自身は、別に友達づきあいが上手なわけじゃないし、分類するとひとりでいることの方が多いけど・・
ひとりでいること=淋しいとは感じないからなぁ・・。ひとりでいるの好きだし^^; 人といるなかで、自分の居場所がない状態の時のほうが苦痛だと感じるから・・・。
ずっと親と一緒に住んでいるので、本当の意味の「ひとり」を感じたことがないからか もしれないですけどね。その時どう感じるんだろ・・自分のことながら他人事のようにちょっと興味ある(笑)
クライマックスで彼女が言う「ひとりだから出会える」って 言うフレーズが気に入ったなぁ〜。そして、順平が感じたバトンを渡す感覚、私が感じた受け取った 感覚が体に入りこんできて感動した。

過去のDiary
97’10.23〜12.30/ ☆98’1.3〜3.30 /☆98' 4.5〜5.30
98' 6.7〜7.28 /☆98’7.29〜8.30 /☆98’9.1〜10.30
98’11.1〜11.29 /☆98’12.4〜12.31 /☆99’1.4〜1.30
99’2.3〜2.26 /☆99’3.3〜3.29 /☆99’4.7〜4.27
99’5.2〜5.31 /☆99’6.5〜6.25 /☆99’7.4〜7.30
99’8.1〜8.24 /☆99’9.4〜9.29 /☆99’10.2〜10.29
99’11.5〜11.27 /☆99’12.2〜12.31 /☆2000.1.1〜1.31
2000’2.1〜2.29 /☆2000.3.4〜3.31