2000.3.4〜3.31
- 3月31日「ハルモニア」
- 昨年だったかテレビドラマ化されていた、篠田節子さんの長編小説。ドラマの方はある程度見ていたという程度、しかし、全体的に原作のイメージをそこなわないように、忠実につくられていたよう・・
能の動脈瘤の手術の際の失敗で、感情的な部分を無くしてしまった由希は、「泉の里」という施設に暮している。彼女の音楽的な部分を見た深谷は、東野に由希にチェロの指導を依頼する。由希は音楽的に天才的なものをみせつけ、またたく間に腕をあげる。そして、そのころ天才とさわがれていた女流チェロリスト、ルー・メイの音楽に反応し、ルー・メイばりの演奏をするようになる。
音楽的な才能をふくらますと同時に由希の中の、不思議な力が大きくなっていっていた・・・
篠田さんの作品にしてはめずらしく?かなりドラマチックで幻想的な部分を含んでいる。これが映像化されたのもわかるような気がする。
長編であればあるほど、深く惹き込まれて行くのはいつものこと、悲しい結末には、電車の中でありながら泣きそうになってしまった・・・由希に対する、東野と深谷そして、深谷とおなじく指導員のそれぞれ、由希のことを思って行動しているのであろうが考え方が違うらしく、彼らの考え方は平行線。
深谷はどんな形であれ、由希を施設から独立させたいと思っているし、彼女の音楽的才能にすこし酔っているところのあるように感じる。中沢は、その特別な能力だけを伸ばすのは危険で、視野をひろげさせ、日常的なことが少しでもできるように訓練すべきだという・・・
東野は、たのしそうにチェロを弾く彼女をみながら芸術家として、ルー・メイのコピーではなく由希としての音を出して欲しいと・・・願う。
由希にとって何がよいのかわからない、生きる意味を考えるならばこの悲しい結末は、ある意味とても幸せなものであるのかもしれない・・・ただ、これは第3者だからこそ言える言葉ではあるのだろうけど・・・そんなに詳しくドラマを覚えているわけじゃないがドラマとの相違点は、東野の存在かもしれない。 本の中の彼は、もう少し年齢が上だから、その分だけ、自分のチェロリストとしての存在についての見極めがつきすぎてて・・・つらい。
自分がどんなにあがいても手に入れられなかったことが目の前でたやすく、手にいれてしまった・・・技術的なことだけじゃなくもっと根本的な芸術性・・・由希に夢をあずけてしまうと同時に嫉妬してしまうジレンマ・・この当りの心情には個人的に思い入れもってみてしまった・・・^^;
ドラマは学生だったから・・・もう少しピュアなやりきれなさを感じたかな。由希への思いの一途さみたいなものを感じて、ラストに同じく涙したのを覚えている。篠田さんの作品の中でも、「カノン」とおなじぐらい好きな作品になりそうだ(∩.∩)。
- 3月28日「ザ・ビーチ」
- 昨日、アカデミー賞の発表がありました。作品賞は「アメリカンピューティー」。各部門でもたくさんの賞をもらってましたね・・・うーっこの作品そんなによかったかしらん・・と^^;。これは好みの問題だなっ。昨年の「ライフ・イズ・ビューティフル」も私はイマイチだったもん・・。
そんな話題を横目で見つつ、ディカプリオの新作の試写会に行って来ました。
あんまりよい噂も聞いていなかったんですが・・・どこをどう楽しんでよいのか・・・わたしにとってはたいくつな映画となりました。
タイで、謎めいた男ダフィに白い砂浜がある地上の楽園とよばれる孤島の伝説を聞いたリチャード。その翌日ダフィは自殺、そしてリチャードの部屋にはその楽園と思われる島の書いた地図があった。 リチャードは、フランス人のカップルを誘い、その島を目指す。
辿りついたところでであったのは、人の知らない美しい島に住むひとつの共同体。世間のしがらみから抜け出て、自分たちのスタンスで生活している若者だった。そして、そこを楽園と呼んだ・・
美しい自然の中、本物の楽園のように楽しい生活を送っていた彼ら、しかし、サメに襲われた事件から、その楽しいことばかりの生活のひずみを感じるようになる。リチャードがまだ島に辿りつく前に、いたずら半分で人の渡した地図がもとで、リチャードの立場もおかしくなってくる・・・
前半を観ている時は、これは日本で言うアイドルの青春映画なんだろうか・・と思いながらみていた。 ディカプリオの若さを満喫できる人はいいかもしれない・・・しかし、後半なんだか話の雲行きがおかしくなってきて・・・レオ様ターザン状態のちょいと狂いかけ・・・(笑)。ワイルドだ。
もともとキレタ若者のイメージあるけど^^;・・・なんだか怖すぎ。結局楽園もまた人の手で作られたものであり、必死に守ろうとすればするほどズレが生じる。仲間をまとめていたサルが何故あれほどまでに、この楽園を守ることだけに冷徹になれるのか・・・。
だいたい、かなりワンマンなサラにみんなが従順に従っていること自体が疑問だったりもスル。
本来、緊迫感のある状態で話が進むのは好きなのだけれど、これなら、前半のノリで明るくテンション高くいっちゃった方が、何も考えずに楽しめるんじゃないかなァ〜と思いました。
サルをやってらした(猿じゃないよ)ティルダ・スウィントンという女優さんの個性がよかったな- 3月27日「青らむ空のうつろのなかに/川の流れのように」
- 篠田さんの短編集。
都市における大地震、それで食料の流通が止まった・・・人は食べるものを求め、田舎にやってくる・・食べるものが無くなった時人はどうなるのか・・・ひとりの男性の目を通して書かれている「幻の穀物危機」では、 現代の食料事情・・阪神大震災でも立証済みである都市の脆さ、そして、人としての理性は、今ある道徳感かを考えさせられる。
痴呆症にかかった老人と介護用ロボットの「 操作手」や、子供ができない夫婦ことからどこか関係がぎこちなくなっていた夫婦、かわいがっていた犬が死んだのを境に食べ物をとらなくなった妻のために夫が料理に凝り出す。妻は夫の作ってくれた料理なら食べるようになるが・・だんだんその食べる量が増え最後は、家からでられなくなるほど太ってしまうという「家鳴り」を読んでいると、人の幸せってどこにあるのだろうって考える。
「水球」は、この不景気の中、しゃれにならない話だし、「やどかり」も自分の世間体を気にしすぎたために起きてしまったこと・・・真面目に誠実に・・・いらないところに惑わされない・・・人の弱さをみせられた。
標題の話は・・虐待を受けて施設に入った光・・人を信頼することを知らない彼は、豚の飼育の時だけ生きていた。しかし、そこの豚は食用のもので、光が飼育した豚も出荷されてしまった・・・
命あるものを食べて暮している・・・そのことを普段は忘れていることをおもいださされる。
何度も読むのをやめようかと思うぐらいこわく、辛かった。つまらないのではなく、普段頭の中でしか考えたくないことが現実に起こったら・・こうなるのだという見本を見せられたような気がした。そう、考えたくない現実。
ホラーの怖さではなく、もっと現実的にせまってきていることに対する恐怖がそこにある。ほんまに起きたら・・・どうするのだろう・・・私は。「川の流れのように」は、美空ひばりさんのヒット曲の作詞をてがけた秋元康が、この曲をイメージして作った映画です。主演は森光子さん・・なんでも37年ぶりの映画主演だそうです。
森さんと滝沢くんが共演するってことだけの知識であまり期待せずにいったのですが、なかなか味わい深い話でした。
何度かツボにはまらせていただき(笑)、涙し、笑い・・・そして、優しい気分になる映画だなコレ。
出演者の顔ぶれが豪華で、田中邦衛、谷 啓、いかりや長介、久我美子、菅井きん、三崎千恵子、大滝秀治に、西村雅彦、段田康則と続きます。なかなかすごい平均年齢です(笑)。 それにあわせたようにか、試写会場もなかなかな年齢層・・・^^;その中に滝沢君のふぁんらしき妙に若い子がちらほらいてる客席となりました(この子らかたちわるかったんだわなぁ・・一部の方ですが、何がおかしいのかへんなところで受けてて、むちゃ気になってしゃあなかった・・ちょぃと怒りモード)
話は、すこしさびれた漁村が舞台。そこに小説家の百合子が引越ししてくる。普段、病院の待合室をたまり場にして、ひっそりと隠居生活を送らざる村の老人達は、百合子の雰囲気に最初違和感を覚える。
しばらく経つうちに彼女の前向きな行き様をみせられ、思い出したように生き生きと、生活しはじめる。明るい色の服を着て、女性は身だしなみを整え、男性は仕事をもう一度したいと思いだす・・
子供に「もっと年よりらしくしてくれ」と、いわれる場面がある。子供の立場からすれば、邪魔にしているのでもなんでもなく(まったまにゃほんまに邪魔に思っている方もいるかも・・・だけど^_^;)、何かあったらイヤだから、無茶はしないでほしいと思ってしまう・・しかし、イコールそれが親を大切にするということにならないところが難しいね。
「年を取ることと、あきらめることは違う」希望のもてる言葉ですよねぇ。じっさいあきらめざるえなかったりすんですが、気持ちの上で最初からあきらめちゃったらおもしろくないって・・・これは、別にいつくの人でも当てはまるかもしれないなぁ・・と。
特に日本は若い方がいいっていう考えがどっかにありますから・・だんだんといろんなところで、あきらめるくせがついちゃうのかな。この映画にでてくる方々には程遠い私の年でも、年齢を理由にだめだなぁ〜なんて思っちゃうことありますから・・・(性格的な問題もアリ(^_^メ))
人生の最後をいかに満足できるか・・・「くいがない」って死ねたらいいですね。
サビの部分を耳にすることはおおいわりに、曲をちゃんと聴いたことがなかったのですが、あらためて聞くと、人生語ってていいですね・・
この映画をみていた、おばあちゃん達明日から派手ェ〜な服着ちゃったりするかなぁ・・(∩.∩)- 3月26日「ボーン・コレクター/いちげんさん」
- 「ボーン・コレクター」は、 ここのところほのぼの系の映画がつづいていたのが一転してちょいとスプラッタ系かいなと思わせるハードな映像のあるサスペンスでした。おもしろかったです。
主演は、デンゼル・ワシントン、アンジェリーナ・ジュリー。ちらしを観た時に思ったのは、この女優さんTOKYOの長瀬君ににてるなぁってこと(笑)。実際に動いている映像は違いましたけど・・・^^;
その捜査をする科学捜査官ライム、彼は優秀な鑑識能力を持ち、科学捜査のエキスパートとして仕事をしていたが、事故で脊髄をやられ、肩から上と指一本しか動かせない状態にいた。
残虐な手口で殺されるという殺人事件が発生。発見したパトロール中の警官アメリアは、 状況証拠を残そうと、とっさに写真をとり、証拠がつぶされないように電車をとめる。彼女の上司は勝手に電車を止めたと起こるが、それは事件の核心にせまる大切な証拠だったのだ・・・
その事件に狩り出されたライムは、犯行現場にのこされた証拠からこれは、次の殺人の犯人からのメッセージだと読み取る。動くことの出来ないライムは、その時の状況判断を高く評価し、アメリアを自分の手足とし、ハイテクな機械を使い分けて分析し、次の現場と時刻を予測していく・・・犯行現場の映像がかなり・・えぐい^^;。観ている時はその映像のえぐさにおののいてしまったのだけれど、帰って風呂場で、その殺しの状況を考えるともっと怖くなっしまった・・・
生き埋め・・鼠の餌食・・・単に殺されるのではなく・・・恐怖との戦いの時間が長く・・それが迫ってきた時の精神状態を考えると・・ああぁ・・・たまらん(^_^メ)。
まあ、映画の主はそれで驚かそうとするものではなく、わけのわからない物的証拠から次々と推理していく様子みながら、犯人像を推理する楽しみもあり、謎解きをするのが好きな方にもおもしろいと思う。ただラストのクライマックスがちょっとあっけないかな。
そして、アメリアがライムの信頼を得て、最初は自信なさげだったのがどんどんと積極的になり、素晴らしい能力を発揮していくのもいいしライムの周りにあつまるライムの信頼している人達のチームワークもみていて気持ちがいい。
隣に座っていた男性2人連れが、「デンゼル・ワシントンは肩から上だけでもかっこいいな」といっていたが、本当にうごかなくても精悍な雰囲気と信頼感のある、まなざしがすごくよかった。
「いちげんさん」は、数年前に文学賞をもらった同名小説の映画化。鈴木保奈美さんの引退作品とかって話題にもなっていたやつです。
京都に住むスイス人留学生が、盲目の京子のための対面朗読という仕事を引き受け、二人は知り合い愛しあう・・・
京都人の言っていることをうのみにしてはいけない・・とよく言われます。裏表が激しいと・・(笑)文化が均一化されてきている今、そういう意味の京都らしさは気薄になっているのでしょうが、大阪出身で今京都に住んでいる友人が、そういうことをもらすので、変っていない部分は変っていないのかもしれません。
「いちげんさんおことわりだね」って言葉は、結構日常的に使っていましたが、あんまり深く意味を考えたことはなかったんです。
映画の最初に、京都の老舗の大きな店では、紹介がなければその店の客になることはできず、そこの主人は、その客が見えなくなるまで見送りをし、また、客も必ず振向く・・という細やかに決まりごとが決まりごとがあり、そういう紹介ではないお客さんのことを「いちげんさん」と呼ぶ・・と説明されている。
そういう文化的なぶぶん、外みた京都みたいなものが色濃くでているのかと興味があつたのですが、どうやら少し違ったみたいで・・みながらこの話はどういうものなんだろうという疑問がずっとありました。
外国人である゛僕゛と盲目である゛京子゛という、周りの基準から少し特異な存在としてみられることのある、2人が、ひかれ愛しあう図・・・だったのかもしれません。
日本に馴染み、日本で学んでいる彼が、゛ガイジン゛あつかいされる腹立たしさを語っている部分はありますが、それは京都に限ったことではないでしょうし・・いまさら取り上げられるようなものでもないと思ってしまいます。
流れ自体は、すごく情緒があり2人の関係は少しうらやましいぐらい一途です。
ただ・・何を伝えたかったのか・・・それが伝わってこなかったのが残念でした。- 3月24日「はつ恋」
- 田中麗奈主演の「はつ恋」の試写会に行って来ました。「がんばっていきましょい」をみて「はつ恋」もいくぞぉ〜と思っていたので、 試写状ゆずっていただけてラッキーでした。場所は道頓堀東映・・・^^;。ミナミの方は 年に数回しかいかないので、地図みながら・・・ちょいとはずかしいですよねぇ(笑)。この映画館がある辺りは、 これぞ大阪って感じなんですねェ・・・
映画の方は、桜の映像が情緒豊かで、甘酸っぱいいい香りのするものでした。聡夏17歳の春休みは突然母親が 検査入院すること、そして失恋からはじまる。 検査の結果手術をすることになった母親は、「どうしてもこの曲がききたくなって」と、 しまっておいた古いオルゴールを取出してきた。母に内緒でそれをこじ開けると1通の手紙がでてきた。
「藤木真一路様・・」25年も前にしたため、出すことのなかったラブレター「願い桜の下でもう一度あってください・・」 切ない思い・・・聡夏は、二人を再会させようと決めた。母親の郷に向かう。波が大きくある話ではないただ聡夏の行動に合せて物語が進んでいく。1 7歳この時期って変わっていく時なんだなぁとみながら思っていた。お化粧をするシーンがあったりする。とっても嬉しそうな顔をみていたら自分も最初はすごく大人になったような気がしたなぁとかって思えてくる。そして、母親がそれを見て「お化粧なんてしちゃって・・」って言うシーンがすきだった。
聡夏を取り巻く人達が言葉ではなく行動で、人生を表わしている・・(なんて、ちゃんと受け止められるほど私が大人じゃないんですが・・)。人を愛すること愛されること・・憧れではなく、その時初めて感じること…それはかけがえのないもの・・母親の言葉が静かに心に染みる…
急に何かが変わるというのではなく、一面でしか物事をとらえられなかった聡夏が、いろんな見方があるんだなぁっと、自然に感じていく…麗奈ちゃんは、かわいかったぁ〜。ちょっと小生意気というか・・・ほんと猪突猛進で、見ていてはらはらすんだけど、 憎めないよなぁ・・ああいう子。ああいうちょっと意地っ張りだけど素直な性格に生まれたかった(笑)と変なこと 考えてました(笑)
母親に原田美枝子さん、「愛を乞う人」以来好きな女優さん。今回も静かで母親として、女性の先輩として、ゆったりと聡夏を見守っている姿がいい。聡夏に降りまわされる藤木には真田さん・・かっこいかったよ(笑)。 聡夏を見る目がだんだん優しくなって…聡夏に何をみていたのだろうか、昔のことかそれとも娘のことか・・
何故、あの手紙が投函されなかったのか・・そのことについては、謎のまま・・
この二人のラブストーリーでも、みてみたいなぁ。
平田満さんがお父さん。いわゆる「普通のサラリーマン」。少ない登場ではあるが、その行動にあたたかさがにじみ出ていて、きっとそういう芯の部分に惚れたんだろうなぁって思わせる…すごく味がある。中に出てくるこのオルゴールの曲がとても綺麗・・オルゴールの音色ってなんともいえない安らぎを感じる・・・リラクゼーションCDとかって流行っているけれど、オルゴールのネジを回して耳を立てて聞くっていうのがいいんだろうなぁ、ちょっとノスタルジックな匂いがした。
- 3月23日「ストレイト・ストーリー」
- めまぐるしく化学が進化して、便利になると同時になにかを忘れてきちゃったみたいな 世の中、そんな風潮に逆行したかのようなのんびりした映画でした。
73歳のおじいちゃんが、10年間絶縁状態だった76歳の兄に会うために、最高時速が8kmという トラクターに毛布と食料を積んだ荷車つけて、560kmの道のり(車でいけば 1日だそう)を 6週間かけて会いにいく話です。
それだけのシンプルな話。延々とおじいちゃんがとうもろこし畑をトラクターで走る姿が 映し出されます。自然の風景と星空がすごく綺麗なんです。
台詞も少なくテンポかゆっくりなので、最初はちょっと寝るかなぁ〜って感じだったのですが、 慣れてくるととても心地よく、 おじいちゃんの旅につれていってもらっているような 気がします。(試写会場の椅子が硬くて、前の人が邪魔で(笑) あまり心地よさに浸ってもいられなかったけど^^;)旅の途中で会う人達とのエピソードの中で、彼の人生がぽつぽつ語られます。 娘のこと、戦争のこと、子供の頃のこと・・・その思い出を 映像化したりせず、ひたすらおじいちゃんがぽつぽつ語るのですが、すごく味わい深く リアルな感触。あんまり華々しい人生ではなかったよう・・でもすごく淡々と乗越えた 表情で語るので じわじわじーんと(笑)感動が襲ってきて、びっくり。
「年をとってよかったことは、何も怖くなくなること、つらいことは、昔の自分を覚えていること・・」と・・語る おじちゃん。その表情がふっきれていて・・・この旅の間にいろんなことを 見つめなおすことができたのかもしれませんね。
しかし、 自分が年をとった時に、あんなにいい顔で辛かった昔を語れるかなぁ〜ってちょっと考えてしまいました。 ああいう風になるには、ちゃんと自分を生きていかないとだめだなぁって・^^;
あと、出会う人達もすごくのんびりしてましたねぇ・・「変わったものにのって おられる」といって話しかけてくるおおらかさがまた・・たまらん(笑)。
ラストがおおげさでなくすごく好き。あっけないと思われるかもしれませんが、そのまま、 そうだよねぇ・・そういうもんなんだなぁって思いながら、テロップの後の 星空をずうっと眺めていたくなりました。
アクション映画が大好きぃ〜って方には不向きかもしれませんが、前日ちゃんと睡眠とって、 リラックスしてみるとすっごくいいよぉ〜- 3月20日「がんばっていきまっしょい」
- ずっとみたいと思いながらもいつ行っても貸出し中だったこの作品。かなり期待してみましたが、 それを裏切らない瑞々しい素敵な映画でした。
とある進学校に入学したものの、高校生活に夢を持てなかった女子高生が、ボートに見せられて、女子 ボート部をつくり、仲間に「新人戦まで・・・」と頼み込み大会に向かって練習をはじめる。
運動部の経験も無く、ちゃんとしたコーチもいない中、それでも楽しく練習をしていた彼女たち。 新人戦で惨敗し、「これではやめられないっ」とばかりにどんどん夢中になってく。
彼女達のひたむきさを、めんどくさそうにみていたコーチも、ちょっとずつ(このちょっとずつさ加減が いいの)自分が学生で一生懸命だったころを思いだし、応援するようになる。
水面が輝くようにキラキラとしていてまぶしいなぁ〜とおもいながら、 自分もその時間を共有しているような、よい気分にさせてくれる映画でした。
「がんばっていきましょう」ではなく「がんばっていきまっしょい」なのは方言なのかな。 言葉のあたたかさもこの作品に味を添えていたと思います。ボートに掛ける青春というよりも、高校生という時間をめいいっぱい楽しんでいる様子が、みていて 気持ちがいい。時代的には20年ぐらい前なのかな。「共通一次がお前らの年からはじまる・・・」なんて 先生の台詞がありましたから・・・(今共通一次って言わないよね確か・・・)
こういうのを見ていたら、高校生の時ってできるだけ友達と関わって、なんでもいいから、学校でしかできない 損得感情なしに一途になれるものを持っていた方が、絶対に楽しいよぉ〜 って、バイトとか勉強とかに開け暮れてる今の高校生にいいたいなぁって思ってしまう。
私も そんなこと思うようになったかぁ(笑)田中麗奈ちゃんが主演してます。現代的な雰囲気と、勝気そうな瞳が少女らしさいっぱいで、 とても良かったです。今度公開される「はつ恋」がますますみたくなってきました。
- 3月17日「ロッタちゃんはじめてのおつかい」
- このチケットを買っている時、お隣で「グリーンマイル」のことを「グリーンスマイル」と言ってる方がいて、 内心ちょいと笑っていたのだが、その直後、「ロッタちゃん」のことを「ロレッタちゃん」と 間違えて言ってしまってた・・・(ずっとロレッタだと思ってた(笑))アホ(^_^;)。
スウエーデンの童話が原作。とぉっても意志が強くて、ちょっとおこりんぼのロッタちゃんが主役です。 設定年齢はいくつぐらいなのかなぁ〜。ある程度の自分のことができて、まだ学校には上がっていない年頃。
じぶんでは、なんでも大人とおなじことができるって思いこんでいるからかわいい。
おそうじだって、おつかいだって、サンドイッチだって作っちゃいます・・・大人も形無しの行動力に脱帽!!。
めげないんだよなぁ何があっても。めげる前に、かんがえなくっちゃぁ〜っと考えて行動にうつすんだ。 大人も形無しの行動力。 特にお父ちゃん(このチチちょいとどんくさそだぁ・・)ね(笑) 絶対に大物になるぞ(笑)。 感嘆符をずっとつけてしゃべってるような 断定口調(笑)が微笑ましいのだけれど、これが日本の子供だったらイヤかなァ(笑)、字幕だから話し方そんなに気にならないけど・・ (くれよんしんちゃんが苦手な私・・・)。お母さんも、お父さん(今回は父ちゃん形無しだったの)も、とても優しくて、頑固な娘に絶対に無理強いしないで、 うまーいことロッタちゃんの自立心をくすぐるように対応しているのがいい。のんびりした街だしねぇ。
余談だけど、風呂場でロッタちゃんの兄と姉が歯を磨いているシーンが出てくる(ロッタちゃんはなぜか お風呂に入ってる)の、それ見ながら、キシリトールの宣伝は本当だったんだなと思いました。
お菓子屋のおじさんが「君は楽しい子だ」って言うんだけど、ホントロッタちゃんをみてると 飽きないし、元気が出でくるような気がする。このぐらいの子供ってたいてい そんな存在なんでしょうけど・・・その部分がうまーく現れている作品で、大人にも子供にも おすすめです(マネされても親は困るかもだけど(笑))。- 3月14日「水の翼」
- 木口木版の世界では有名な柚木修一郎とその若い妻紗江が住む家に、寺島東吾という青年がやってきた。 「学生だが、柚木のファンで、自分も木口木版をやるが、弟子にして欲しい・・」と・・・
元来人みしりがはげしく、弟子を取る気もなかった柚木だが、それを承諾し、東吾は、 柚木の家に通い、紗江の手伝いもしつつ、柚木から木口木版を学ぼうとする。
ある日、柚木も、紗江も、東吾も崇拝している壬生という作家の未発表の詩に柚木の作品を さし絵に使いたいといってくる。12編の詩・・それぞれがどくとくで繊細だ。
その矢先、柚木は突然しんでしまう。残された紗江は、彼の作品を仕上げようと東吾と がんばった。そして、2人の関係は深くなっていき・・・
小池真理子さんの小説。ちょうど学生運動が盛んだった頃…昭和40年代。 この人の作品には、この時期に青春を過ごした人作品が多いが、これもまた、 そういった時代にの中の話だ。
その当時の、セピア色の風景が目に浮かぶ。官能的な小説でもあるが、嫌らしさを感じないのは、 小池さんの小説の特徴だと思う。
- 3月13日「マーシャル・ロー」
- デンゼル・ワシントン、ブルースウイルス、アネット・ディニングが共演する話題作の試写会に行って来ました。今回は朝日放送主催だったのかな、時間になると、アナウンサーの石田さんが、抽選会を始めた…その間に私に睡魔が襲ってきて(~_~メ)・・しばーらく、みてはいるけどみていない状態に陥ってしまった。
そんなで、またまた導入部分よく分からん状態ですごし、意識がはっきり仕出した頃には、こりゃどないしょって感じになってしまった・・まあ、みているうちになんとなく理解できてきたけどこのくせなんとかならないだろうか…うーん。
バスがテロリストによって爆破された。FBIは、一刻も早くテロリストの組織をつぶそうとするが、 細分化している組織は。あちこちに出没し壊滅させることができない。
大統領は、軍隊を出動させる。街に銃を持ち、迷彩服を着た兵隊があふれだす。 軍隊はテロリストグループを壊滅することができるのだろうか・・・
FBIのテロリスト対策本部の本部長ハバートにデンゼル・ワシントン。国をテロリストから守ろうと必死になって いる姿がかっこいい。アネット・ディニングは、謎の女(笑)。ハブを吸湿するが目的ですが、 過去を隠しているため、存在が一転、ニ転する。そして、軍隊の指揮官であるダグロー大佐にブルース・ウイルス。
アメリカだからこそって感じの映画かもしれないと思った。 いろんな人種がひしめき合っているから・・・1歩間違えたらたいへんなことになる。
、 とにかく迫力のある映像と、いつ爆弾が爆発するかもしれないという緊迫感に圧倒された。。 話の中盤以降は、軍にうめつくされた街の中を、自分の手で捕まえ様と走りまわる デンゼンル・ワシントンの執念に取り付かれていく。
次々と起こる展開が退屈させず、おもしろくても、おもしろくなくても途中で時計を見る くせがあるのだが、今回入はそんなことも忘れてしまっていた。
「善と悪とを区別するのは簡単だけれど、達が悪いのは善にちかい悪」だってアネットが言う。 それがしみじみとしちゃって・・・印象的でした。
- 3月12日「剣と虹と恋と/ほんとうのジャクリーヌ・ディユフレ」
- 中途半端に用事ができてしまい、せっかく予定していたバウが行けなくなったので(ってこともないか^^;)、先日「シラノ・ド・ベルジュラック」観て以来、気になっていたこの公演のビデオを借りてきてみました。
大劇場の実際にみていない舞台をビデオでみるというのは初めてだったので、へんな違和感がありましたね。でもってやっぱり生でみるべし!!ですわ。みた舞台をあとでみるのはいい、感覚を体が覚えていて、それを思い出しつつみれるからろ・・。
化粧がどうのっじゃなく(そんなこと今更なんとも感じないが)、パワーとかオーラとか全然感じないんだもの・・かっこいいマリコ(麻路)さんだっていうのにさっ(;_;)。バウのビデオだとまた違うんだけど・・(何でかな?)で、気になっていたストーリー。大きな鼻を持ち容姿にコンプレックスを感じているが故にロクサーヌに気持ちを打ち明けることができないシラノの耐える恋という設定を、親のかたき故に告白することができないとなってる。
さすがに、宝塚のトップに容姿に難アリってな風貌にゃできないか…あとは名前以外、殆ど一緒。台詞までおんなじだぁ〜って(笑)。ただそうなると「美しい肉体を貸してくれ、 その代わりに、僕が詩を教えよう」っていう交換条件がなくなってしまったの・・
先にシラノをみちゃったから、そのあたりが物足りない気もするが、まあ、違うところで見せてくれたんでいいっかぁ、と妙な納得の仕方をしながらみてました(笑)。
それにしても懐かしいメンバーだったなぁ、まだ宙組できていない頃だもんねぇ・・「ほんとうのジャクリーヌ・ディユフレ」は、夜9:30からの回を観たのですが、わりとお客さん入ってましたね。最初1人で・・^_^; これは、笑えるなぁなんて思っていたのですが・・違った。残念?(笑)
お姉さんのヒラリーと弟(この弟ほとんど存在感ないの^^;)が書いた天才チェロリストといわれた女性の伝記の映画化。すばらしい才能に恵まれ音楽家として順調に栄光を得、ピアニストのダニエルと結婚するが、多発性硬化症という難病により死を迎える。
なんだかかわいそうで、何度も涙がこぼれそうになりました。彼女の華々しい音楽家としての生涯ではなく、身内がみていたジャッキーそのものを描いたものです。
幼い頃、フルートが上手だった、姉のヒラリーについていこうとして、一生懸命に練習するジャッキー。たぶん彼女の心の中は姉と一緒にいたい・・それだけだったのだろう。そして、生涯そのことのみを求めていたのかもしれません。
女同士の兄弟というのは、一卵性の双子に近いものがあるのかもしれませんね。実際年の近い女兄弟がある友人は小さな頃は、友達なんかいならかったというのをよく耳にします(みんなじゃないですけどね^^;)。
ちょっと異常なぐらいの姉妹愛があり、その点はちょっと理解しがたいものもありますが、そういう行動になってしまう過程がちゃんとかかれているから、いいです。おもしろいのは、ジャッキーとヒラリーそれぞれの視点でみた時間を映し出してくれること・・ヒラリー側でみるとジャッキーは才能ゆえにちやほやされたわがままな妹に写るが、ジャッキー側になると、孤独感一杯の生活にかわいそうになってしまう。
郵送された洗濯物、ヒラリーの結婚・・同じ演奏家である、ダニエルにもしも私が演奏しなくなっても愛してくれる?ととうジャッキー。そんなエピソードのひとつひとつに涙してしまう。
人は、孤独になることがなによりも悲しいのかもしれない、そんなことをすごく感じました。- 3月11日 「精神科に行こう/笑う出産スペシャル−アトピー息子」
- 大原広軌著/藤臣柊子マンがの「精神科へいこう」、まついなつき著の「アトピー息子」は、どちらも情報 センター出版というところからでている。これを貸してくれた友人は「アトピー」の方を買おうとして 気になって「精神科」も一緒に買ってしまったらしい・・・
どちらも、著者の経験をもとにした本であり、エッセイっぽいが(エッセイの定義ってなんなんだろう・・) もうちっとためになる・・かな。そして、 さしマンガが途中ではいっているような本で、一気によんでしまうのだ。「精神科に行こう」は、パニックディスオーダーという病気にかかった大原氏と、鬱病になってしまった 藤臣氏のお話。ふたりはもともと担当編集とマンガ家という間柄・・・そろいもそろって 精神科にお世話になるようになってしまったらしい・・・そんなにストレスたまるんかぁ・・? その業界の仕事って・・・
早い話が、精神科って別に特別な病院じゃないぞ!!ストレスがたまったり、眠れなかったり、食べられなかったり わけもなく落込んだり・・という、どっこも悪くないのになーんか機嫌よくすごせない人は、 精神科に行ってみようというもの。風邪をひいたら内科に行くように心が風邪をひいたら、 精神科に・・・だそうだ。
実際のところ、こんな本を執筆するまでにゃ、つらかっだろうが、なんせハイテンションの本にしあがっているから ものすごーく呑気ものふたりのように感じてしまう。 躁状態の時に書いたんじゃないかしら・・・(笑)
大原氏もまさか自分が精神科に行くことになろうとは思っていなかったらしいし、そのイメージたるや ほんまにそんなこと思っていたのかい?というような感じで(笑)。
はじめて行く時の気持ちやら、医者や薬とのうまいこと付き合う方法なんかが、楽しく書かれている。 今のところ、精神科にお世話になるような兆候はなさそな私だが・・何がきっかけでどうなるかわからないもんねぇ・・ 頭のすみっこにこういうところもあるんだぁって入れておこうと思う^_^;。「アトピー息子」の方は、まついなつきさんが「笑う出産」として、御自分の出産体験を書いた本の 第3弾・・・そう・・3人目のおこちゃまの話。
この本を貸してくれた彼女もワタシも、出産なんぞ遠いおはなしなのだが^_^;、この本のふぁんである。 すごくパワフルに大雑把な様子がとっても親しみを感じるから・・・
で、3人目のおこちゃまは、アトピーだったのだ・・・
すべすべで、さわったら気持ちがいいはずの赤ちゃんの肌がただれてくるのを見ているのは つらいだろう・・・どー遣ったら一番よいか・・
一般的な知識にふりまわされないように、アトピーだからといってすべてを特別にしないように・・ がんばる姿・・・アトピーとは戦わないぞといいつつ、その考え方に固執してしまって 疲れてくる・・・
ステロイドという薬に対する不信感と、何も説明してくれない医者とのやりとり、聞きたいのに 聞けない・・という複雑な心内。
そして、だんなさんや上の子供たちの反応・・・などなどが、明るく書いてある。途中 どぉ〜したらよいのだ状態になってしまう時もあるけれど、あくまでも明るい。
今、私には直接関係のないことだから、おもしろいと読んでいられるかもしれないけれど、 実際にアトピーの子供さんをもってらっしゃる方が読まれるとなんだか、ほっとするんじゃないかなァ なんて思ってしまう。
それから、まついなつきさんの書く文書のふぁんでもあるが、これにでてくるだんなさま・・・ 絵のなかじゃなんだかつぶらな瞳にかかれているが、その場その場で淡々と処理していき、 何事もありまののを受け入れる、だんなさまのふぁんでもある。 こんなだんなだったら、ほしいぞっ・・たぶん(笑)- 3月10日 「マグノリア」
- トム・クルーズが助演男優賞にノミネートされたりして、なかなか評判よい映画です。 しかし、あたしゃ・・・2度とみませんっみたくないっ!!と申し訳ないが叫ばせていただきます(笑)。
だからといって、この映画がよくなかったわけじゃないです。人間ドラマとしては ものすごくよくできていると思うし、コマ切れに映し出される様々な生活が、みているうちに(はじめは いったいなんなんだろう・・・と思いながらみてたんですけどね) パズルが組み合わさるようにつながっていく人間関係を頭の中で整理しながらみるって 作業はおもしろかった。30年以上もつづいているクイズ番組、それに何らかの関係のある人物がリンクされている。現在それに 出演している天才的な頭脳をもつ子供とその親、死を間近に控えたプロデューサーとその妻、 そして癌に冒されている司会者。子供のころこの番組にでて天才と呼ばれた栄光を もちつつ、今は落ちぶれてしまっている男。 そして、若い男性の教祖としてセミナーを行っている男etc・・・
それぞれの時間は同時進行。このクイズ番組が人のつながりの真ん中にあるだけでなく、 時間を感じさせる象徴的なものになっているのがおもしろい。
また、みんな最悪なの・・・もう何が起こっても仕方がないという極限の状態に向かっているのがわかる。 何かが起こらないはずがない・・と。後ろに流れる音楽もそう物語っていた。そして、 ひととおり絵が出来上がった時、音楽が消えた・・・これは何を意味していたのかしら・・・? その当りからなにやら懺悔ムードがただよってましだけど^_^;
ふたたび音が鳴り始め・・・クライマックスへ・・・
誰がこの展開が予想できたか・・できないだろうなぁ・・考えの範疇にないよ(笑)。 ただ、破滅へ向かっていた人々が、これをきっかけに変わって行く・・・そう、人の人生なんて こんなものかもしれない。気の持ちよう・・運の向き・・・子供の台詞じゃないけれど、 こんなこともあるんだ・・・だから、人の感じる苦悩なんてちっぽけなものなのかもしれない そんなことを感じました。映画を作った方の意図とは違うかもしれないですけどね。なかなか味のある役者さんばかりで、噂の(笑)トム・クルーズも人気絶頂の中、隠していた過去をあばかれて、動揺 していく様子が、よかったです。自信満万だったのに、息を吐きながらしゃべる姿がなんとも・・・
と、みながら意外なことに、トム・クルーズの映画を映画館でみるのははじめてであることに気付いて びっくりしました。なんでだろ・・・
こうやって書いてると、たのしんできたやんって感じですが、もう一度・・ 2度と観ません(笑)- 3月9日 「39−刑法第39条」
- 「刑法39条」とは「心身喪失者の行為は之を罰せず、心身衰弱者の行為は減刑する」とある。 すなわち、精神状態の普通でないものは、本人ではないという考え方だ。
最近、以上犯罪が増えて、精神鑑定をしているとかっていう記事をよく目にする。たとえ、本人に 責任能力がなくても、やったのはその人。病気でだとしても罰を受けないっていうのはおかしいのではないかと 思っていた私・・・
この映画は、そんな疑問提起と精神鑑定というものの落とし穴みたいなものを描いた社会派ドラマだと思う。 でも、この映画が公開されたときって、鈴木京香のすっぴん演技ばかりが クローズアップされてたよなぁ・・興行的には仕方がないのか・・(これもまた疑問だったりするわ)住宅街で無残に殺された夫婦。容疑者として柴田真樹が捕らえられる。彼は、容疑を認め「死刑に してください」と・・・しかし、彼にはその夜の記憶がなく、また弁護士の前で彼は豹変する。
精神障害を疑った弁護士は、精神鑑定を依頼する。依頼された鑑定士は彼を多重人格を結果をだすが、 助手としてその鑑定に立ち合っていた小川香深(カフカ)は、それが演技だと直感する。
検事の以来のもと香深による再度の精神鑑定が行われた。また、事件をあらいなおしているうちに、 被害者は十数年前に幼児殺害の罪で捕まっていたが、精神障害と認められていたことがわかる。 その事件と、柴田真樹との関係は・・・そして、彼は演技をしているのか・・・どんどんと意外な展開にびっくりした。この裁判の様子と、香深の過去もうかびあがらせ、 現在おこりうる事件に対しての警告をしているようだった。
キャラクターだった登場人物が、静寂の中でしゃべる。フィルムの周る音が聞こえてくるような 緊張感があった。ビデオで、おまけに編物なんぞをしながらみていたわたしではあるが、 いろんなことを考えた。
データにたよる鑑定のおそろしさ・・・しかし、みえないものを説明するにはデータに照らし合わせるのが 一番確実で、わかりやすい。それを逆手に取ることが可能であるなら・・・疑えばキリがなく 答えはでてこない。すべてはやみの中でうずまいてくる。
真実をあばこうとする香深を共犯者だという彼の言葉が悲しく、法律の矛盾をものがたっているようなきがした。- 3月6日 「ニジンスキー」
- 伝説のバレエダンサー゛ニジンスキー゛はっきりいって、その名前と天才的なバレエダンサーであった こと、最後は狂気の世界の中で死んでいったという漠然としたイメージしかなかった。
スイスの精神病院、そこの治療についてのセミナーが行われているという設定の中で、 ニジンスキーがすでに精神を冒され治療中であることを知らされるところから舞台は始まる。
彼は、元愛人でパトロンのディアギレフの幻影と話し、自分の世界にこもっていた。 3年ぶりに見舞いにやってきた妻のロモラは、主治医にショック療法を試みて欲しいと頼む。最初は拒んでいた 主治医も次第にその治療を許すようになる。
彼は、現実と幻影の中をいったりきたりしながらやがて、死を迎える・・・精神病院に入って、自問自答を繰り返すニジンスキーに市村さん。そして、彼の幻影の中にでてくる若き ニジンスキーを東京バレエの首藤さん。主治医に段田さん、妻のロモラにのんちゃん(久世)、 ディアギレフに岡田さんという布陣。
何を見せたかったのか・・・どこに感情をもっていってみたら良いのか、 がもうひとつわからず、ニジンスキーの生涯を知る入口をみせられた という気分で、もっと知りたいというジレンマに襲われ、ちょっと欲求不満。
そして、なによりも意外だったのは、市村さんの個性が邪魔に感じてしまったコト。
芸術家のもつ繊細さが感じられなくて、市村さんにしか見えなかったの・・・。 同じ狂気でも、昨年に見たリチャード3世のような爆発的な、発散型の方が似合うのかもしれない。
どうせなら、ニジンスキーの苦悩をすべて首藤さんの踊りにしてしまった方がよかったように感じた。
その、首藤さん・・綺麗だった・・・。体がすごくなめらかで・・もっと踊っているのを みていたかったなぁ〜ロモラの愛・・・これはもう破滅的というか、なんちゅうか・・ロモラにしたら最初は本当に一生懸命だったの だろうね。でも、全然方向が違った。彼女のもっている理想像にあてはめようとして失敗したのね、 そして、最後にゃもう意固地になって、驀進するしかなかったんだろう・・・
ロモラにゃ芸術家の精神は理解できなかった・・・ディアギレフとの関係も妻にしてみりゃ 理解できないのも理解できるが、一般的な常識に当てはめちゃいけなかった・・ 観ていてやはりロモラの行動がニジンスキーを追いつめんだろうなと感じた。かわいそうだけどね (まあ、あんまり責めてかわいそうってなキャラじゃなかったけど(笑)、 イライラ加減が伝わってきてみててしんどかったもん。そんな即効に直ったら、 精神病患者なんぞいなくなるぜ(^_^メ))。
この2人の間に何があったのか・・何がきっかけでおかしくなってきたのか・・・ ロモラの生涯を見ながらニジンスキーを語った方が わかりやすかったかもしれない。だって・・ニジンスキーの狂気の真実の答えは 誰にもだせないのだから・・・- 3月4日 「女たちのジハード」
- 直木賞受賞作品で、NHKでドラマ化された作品。ちょろっとみていて、おもしろかったので、 文庫化されるの待ってました^_^;。賞をとると文庫化されるのが心持ち早くてうれしい。
篠田さんの話の、 「絹の変容」や「ゴサタイサン」なんかとくらべるとちょっと違った感じの小説でした。確かご自身も OLの経験があるって聞いたことがあるから、実経験をもとに書いたのかしら・・・
ある、生保会社のOL5人を描いたもの。かなり個性的なんじゃないかなァ(笑)。 その5人が集まると、自然に役割分担されていく様子がおもしろい。この間脚本化の野沢さんが言ったことを思い出しながら読む。 あの「破線のマリス」の主人公はなぜ女性なのかという問いに 「女性を描いた方がおもしろい」と・・・
確かに女性であるから、不便のこともあるけれど、今女性の方が自由でおもいきりが良いのかもしれない。
日本でのキャリアアップをあきらめアメリカに留学して自分のやりたいことをみつける 沙織・・・。人一倍結婚願望が強く、よい条件の結婚をしようといろんな策略をたてるが結局は、 ネパールの山奥で生活する結婚を選ぶやり手のリサ。30 をすぎて、自分の城を持つ康子etc。
OLというひとくくりの呼び方でいわれていても、なかなかいろんなことを考えているものだ。と すごい他人事のように読んではいたが、私だって、 傍から見てたらOLさん・・ちょいとは考えさせられてしまった。
そんなに先のこと考えられないぞ・・・(笑)。いや考えないといけないのかしら・・・^_^;
特に30超えた康子に対する会社の人の反応がァ・・ そんなもんかぁ(・・?)?だった・・・。大きな会社は、新陳代謝するから年齢が気になるのかもしれないけど・・ 。
みーんな、一応前向きな姿勢、自分の行く道を解決していく・・・この辺が現実的でありながら小説の世界なんだ・ 。そんなにうまくいかないだろと・・おもってしまうのは悪い癖。ちょっとは、こういうのみて、 奮起して先のことを考えるよになりゃいいのにねぇ・・・
それでも、一生懸命幸せになろうと、もがきながら努力するのを読んでると、共感したり、感心したりしながら、 何かをしたいような気にもなる・・・。
- ●過去のDiary
- ☆97’10.23〜12.30
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- ☆99’5.2〜5.31 /☆99’6.5〜6.25 /☆99’7.4〜7.30
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- ☆99’11.5〜11.27 /☆99’12.2〜12.31 /☆2000.1.1〜1.31
- ☆2000’2.1〜2.29