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月組 1997年8月23日〜9月7日 宝塚バウホール
作・演出 正塚 晴彦 /作曲・編曲 高橋 城

バウ・ミュージカル
FAKE LOVE 〜愛しすぎず与えすぎず〜

  CAST
	アルバート・フォスター 	姿月 あさと	 マクシミリアン・ビショップ	大峯 麻友
	マイケル	 		大和 悠河	 ベルンハルト・キュンター	美郷 真也
	サラ・ブライアント		美原 志帆	 ガートルード	 		水沢 葉月
	ナディーヌ・グリフィス	西條 三恵	 アンジェラ	 		叶   千佳
	ライアン・グリフィス		未沙 のえる
今一番勢いがあると私が思っているズンコ(姿月あさと)さんが主演のバウホールってことで、 その上結構お気に入りの正塚センセということで結構楽しみに出かけた。 ポスターもちょっと渋くってかっこいいし…

客席に入るとなんだか楽しい曲が流れる。 パンフレットの正塚センセのお話じゃ 「粋でしゃれていて、さりげないおかしさがある、 そのような作品に仕上がればと願っている。」と書かれているがそのまんまという印象。しかしーポスターでから受けた渋さはない!!これは私の勝手な思い込みの結果でセンセには責任ナイ。(ちょっと小耳に挟んだお話だけど、この作品脚本がナカナカあがらなくて大変だったとか…)

私の勝手な思い込みとは別に話しは明るく、進んでいく。 怪我がもとでボクサーになれず、ジゴロをやっているアルバート、アルバートと はいわゆる゛大人の関係゛とでもいう束縛せずに心地よい関係を保っている サラ、そのサラが経営する画廊にむちゃくちゃめずらしい絵『マチネの未発表作』 という絵が持ち込まれたことから事件に巻込まれて…
その絵っていうのがナチの戦争犯罪者が逃亡のためにお金にかえるために売りたいというもので、その絵が問題!! その問題の絵に絡んでくるのが、ナディーヌ親子。ナディーヌの父親ブライアンはサラの所に出入りしている額縁職人で、この人がすべての鍵かな。でもってナディーヌは絵を勉強する大学生、ひょんなことからアルバートと出会うのだ。
その話とは別口でアルバートに振られた女が逆恨みして、アルバートを懲らしめようと、街のギャングに頼み込んで、けんかになるっていうお話があって、その二つの話がアルバートとサラのちょーど良いって言う関係に疑問を生じさせながら、事件が進んで行くんだ。

うーん一幕が終わった時ね。正直これは何だーってうなってましたよ。なんか面白くないの。2幕は、結構話が見えてきて、アルバートの心情もサラの心の葛藤も見えてきて、共感したりいろいろ考えながら見ることも出来て、最終ENDの時には結構話に入り込んでいたりして…(チョット゛メランコリックジゴロ゛話を思い出したりもして)女って強いというか、愛する人のことだとブレーキ利かなくなるのねって、ちょっとサラがかわいそうな気もしながら見てましたね。結局自分の方から去っていってしまうし…
ずんこさんはジゴロのスーツ姿もかっこ良く、 昔の過去を背負いながら焦っている姿が憎めなくてね。歌にも説得力があって、 すごく心が伝わるような気がする。

サラの美原志帆。美人ですね。前はお化粧下手なんだろかってくらい 素顔の方がかわいらしく、もったいないなーと感じていたけど。 年上のパトロンって役を宝塚で設定する時、結構遣り手で、少々姉御肌で、 妙な迫力があったりするものが多いんだけど。この人がやると、なんだか、 すーっとしてて、けばくなくでかわいいんだな。強烈な個性ではないけれど、 しっとりとして、いいなっておもう。
マイケルとアンジェラ若い二人は元気だ。マイケルはなんかちょろちょろと アルバートの周りをくっついて、息抜きの場面を作っているのか、 大人の二人の恋と対比させているのだろか? 一幕においてはそれが話しを途切れさせてくれて私にゃ邪魔なよう に感じてしまったんだけど。でもピカピカ光っていていた。

サラの画廊に出入りしている額縁職人で、この問題の゛絵゛にかかわってくる ライアンを演じた未沙のえる。重くなりすぎず、 悲しい人生を送った人物を演じていた。 私が見た最近ののえるさんの舞台の中で一番自然で、キャラクターに はまっていたのではないのだろうかと、えらそーにも思ってしまった。 酔っ払ったところなんかサイコー(^^)
あと、落着いた声でナチの大佐をやっていた美郷真也、貫禄が出てきて、 これからもっと重要なしめる役をやってくれるだろなって期待した。

私が見た日は、友の会の貸し切り公演で、大峯麻友と、ずんこさんの挨拶があった。
舞台の声と変わらず落着いた雰囲気で話す大峯さんと、なんだか小学生が作文読んでいるようなかわいらしいずんこさんがとても対照的だった。