月組 1997年12月20日〜12月28日 宝塚バウホール
作・演出 中村 暁 作曲・編曲 寺田瀧雄/吉田優子
ローズバット | 成瀬 こうき | ダイアン(ローズバットの恋人) | 水沢 葉月 |
ルイス | 大和 悠河 | マージョりー(ルイスの婚約者) | 叶 千佳 |
カリーロ (レッド・オニオンファミリーの親分) |
真山 葉瑠 | チェン老人 | 名城 あおい |
ラインスター(カーナビー社の重役) | 美郷 真也 | リトル・チェン | 大空 祐飛 |
フォレストモア夫人 | 鈴奈 美央 | カーリー | 花瀬 みずか |
幕開きのダンスシーン。成瀬こうきの思わず見とれるぐらいの手足の長さ、スタイルの良さに脱帽!!。日頃から思ってはいたのだけど、 ああやってみると改めて、すごいって感心してしまう。この辺は世代の違いなんだろかぁ。
父親が亡くなって、ラインスター社を追い出され、無一文となったルイスがブラック・ぺバーミント というギャングの組織に出会い、そのギャングのボスの息子マリオとうりふたつということから、ブラックぺバーミント対 レッド・オニオンの争いに巻込まれてしまう。その中で起こるブラック・ぺバーミントの幹部のローズバット との友情や、マージョリーとの恋のお話。
出演者のキャラクターがかなりマンガチックで、登場しただけでおかしいという設定になっている。 これは好みがあると思うけれど、私は疲れてしまった。隣に座っていた人は涙を流して、笑っていたから、 面白いのだろうと思う。確かにローズバットとルイスのやり取りの中にはかなりおかしくて、笑わせていただいた けれど、コメディーだーっていう作りが丸見えで、ちょいとしんどいところがあった(^_^;)。
それから、成瀬こうきの初主演ということにするのにはわざわざこの作品でなくても、いいのではないかという疑問が
あった。
もう少し違った役柄の方が良かったのではないかと・・・
ブラックペパーミントの幹部で、ただ一人ルイスが本物のマリオではないと気づく人物。短気で、怒るとすぐピストルをぶっ放す、面倒見がいいのか、
ルイスの無鉄砲さが気に入ったのか本物ではないと知っていて、うまくやっていく賢い人物。黒と白のストライプの
スーツは良く似合っていたが、キャラクター的にはどこか違和感を感じる。おかしいというほどではないけれど、
良かったなという印象がないのだ。
話の芯がルイスで、見終わった後にはどう考えてもこちらが主役に見えてしまう。二人が主役だという先入観を
持ってみても、ルイスの印象の方が強い。要所要所で、二人の友情みたいなものを押し出してはいるが、お坊ちゃんだったルイスの
事件にしか見えない。
そしてこちらの大和悠河はまさにぴったりといったところナノダ(^O^)。素直に育って、
人の良さがそのまま出たような人物。どんくさいのだけど、憎めない。そんなルイスがみているこっちも気になってしょーがないのだ。
上手いとか下手とかということではなく(上手いっていえばローズバットさんの方が断然かっこはいいね。)、
キャラクターの差ではなく、もともとルイスの話なのではないかと思う。
ただ初演の時の二人が、この作品の後コンビのように使われていたということなのではないかなぁ。
見終わった後、そんなことをごちゃごちゃ考えていたら、何で今この二人で、これを再演したのだろうって・・・??
ルイスの恋人マージョリー 、ローズバットの恋人ダイアン、リトル・チェンを好きになるカーリーと、
娘役のほうも賑やか。ダイアンの水沢葉月ちゃん、すごくしっとりとした感じがよく似合っていて、
可愛い娘をやっているよりも奇麗に見えた。『エル・ドラード』の時も奇麗なひとだなって 思っていたことを思い出す。
カーリーは元気ですね。声も元気で気持ちがいい(^o^)。チーミンをやった人は歌がうまいですね。
娘役さんで、気になった方一人、たぶん円さくらさんだと思うのだけど、宝塚の娘役にしてはめずらしく豊満な
方。最初それでびっくりしてみていたのだけど、動作がすごくさりげなくて、いい感じ。違う舞台を
みた時に探してしまいそうだ。
今回派手ーな衣装でがんばっているるんぱちゃん。えばっている姿がえらそーでなくて、似合っている。
(なんか変な日本語(^^))。反対に極端な登場人物の中で、ただ一人見た目普通の人をやっている美郷真也さん。このところバウで大活躍だ。
派手な役はしないけれど、いつもどこかしら話しの筋に絡んでくるおじさまで登場している。いやみがなくて、
声が安定しているので、とっても安心する。女装したローズバットとルイスに操られるところなんて、ちょこちょこと
入れる言葉が的を得ていて、おかしい。この辺の方になると貫禄が自然に出てくるのでしょーか。
98/01/02