1999年4月6日〜4月29日 日生劇場
訳・訳詞・演出 青井 陽治/作曲 ハリー・ウォーレン/作詞 アル・デュービン
ペギー・ソーヤー | 涼風 真世 | アン・ラリー(アニー) | 春風 ひとみ |
ジュリアン・マーシュJr | 錦織 一清 | ロレイン・フレイング | 森奈 みはる |
ドロシー・ブロック | 寿 ひずる | フィリス・リー | 吉岡 小鼓音 |
マギー・ジョーンズ | 冨士 眞奈美 | ビリー・ローラー | 本間 憲一 |
バート・バリー | 花王 おさむ | アンディー・リー | 本間 仁 |
バット・デニング | 加納 竜 | アブナー・ディロン | 山田 芳雄 |
初演時のことをこと細かく覚えているわけじゃないけれど、
こんな話だったのかぁって妙に納得しちゃう部分があって
すごく話の筋、気持ちの流れが感じられてびっくりしちゃった。ペギーの存在にも無理がなくなったというか…
大スターが怪我をして、舞台が存続できなくなった…その時に抜擢されるというだけの人物像が
見えて来ていなかったんですよねぇ…それまでの段階で、カンパニーの人々の
細かな視線なんかで表現されていたのが嬉しかった…。
もちろん、かなめちゃんのタップが軽やかになっていたということも要因しているのですが、
少しのエッセンスで与える印象が、こんなにも違うものかと思いました。
それに伴って、ドロシーの心情だけでなく、ペギーやジュリアンの心の動きもストレートに
伝わってきました(ドロシーは心情をせつせつと歌ってますし、感情の波もあって分かりやすいもの)。
単に私が見落としていたのかもしれませんが・・・^^;。きっと口あんぐり開けてみてただわ(笑)
そんなことを感じながらみると、この舞台ものすごーく流れている…止まることがないからテンポよくって
なんてよくできた舞台なんだって改めて実感^^;。
前はなんだかとても幼稚でおかしかった黄色いスカーフの存在も、
ものすごく象徴的に思えて…。最後ジュリアンがペギーに渡そうとして辞めるでしょ。あの舞台が始まるまでは、
幸運のスカーフって何かあるにつけて、引っ張り出してきてなのに、ペギーはその存在すら忘れている。
ペギーがもうそんなものに頼らなくてもいい自信をつけたってことなんだなぁって(渡そうとして
もういいかって辞めるジュリアンの表情がよかったよぉ〜)。
そして、それを見ながら歌うジュリアンは、初心を忘れないためにきっとあれをずっと持っているのだろうと
想像させてくれた…。ジュリアンにとってもペギーは原点になるのだろうな。
そのジュリアンのニッキ。今回は喉を傷めていたらしく、かなり辛そうで聞いている方も辛かったわ。
やはり体の管理っていうものは一つの義務ですからねぇ・・・気をつけて欲しいです。
そのことを除けば、なんだか自然になっていて好感が持てました。演出家という部分を意識して大きく見せようと
されてれいた感じがあったのですが、今回はリキみが抜けてとにかく一生懸命に舞台を作る、そのためには
なんだってやるぞーって気迫のみえる熱血感のジュリアンでした。
コメディ的な雰囲気が強くなった原因といえば…もう絶対にこの方のをはずせない(笑)。気の利いたアドリブも
いれてくださいまして…ペギーが、本番直前にドロシーに釈明したいって近寄って行く時に一言…
「どーっかおかしいと思っていたんだ」には、よくぞぉ〜って思っちゃったもの(笑)。
あれって絶対にしないよねぇ。そのあとドロシーがペギーに押されたって主張する伏線になっているのだが、
どー考えたってあれは変だもの…(それとも…アメリカ人はそういうこと平気でしちゃうわけ??)
ただねぇ…ビリー・バンバンだきゃあやめて欲しかったな
(これは個人的願望…会場はうけてたから^^;)。
ペギーの特訓シーンは、ボケるペギー(別にボケてるわけじゃないんだが…(ーー;))に対するリアクションが
面白くて…あそこはなんか素にもどってんじゃないかなぁなんて思う。
ジュリアンの台詞ってかっこいいのが多いよねぇ。
「ここから出て行く君は新人だが、もどってくる君はスターだぁ」音!!って
いうの何度きいてもぞくぞくするぅ〜。
上月さんの代役で入った寿さんはこわいよぉ〜(笑)っていうかねぇ。
すごく女やぁ〜って感じを受けた^^;。いらんことしたら、
ばこーんってはったおされそうな貫禄(表現悪いなぁこれ…ごめんなさい…悪気はナイ)。
歌声もねェ…バーンって感じでしたもの。
ペギーに対してもバンバン嫉妬している(パッドとのことよ)っていうか…。だから、あの8時45分のシーンも
ふたりの関係図が違ってきてて…ちょっと違ったものに見えたの。
「あなたいいもの…(中略)・・私がやるよりもよかったかもしれない」なんて言っていますが、
いやいやまだまだまけないわよぉーってオーラが残っていて…(笑)。
それと同時に女性としての幸せを見つけた満足感とが、ペギーに対して頑張りなさいよって
エールを送らせているのだなぁっていうぐらい、色っぽく綺麗だった。
最後、肩にのせたパッドの手をふと触るところなんて、なんて表情すんだい
って思っちゃった。
これは、実年齢的なものもあるのでしょうねぇ。またまだお若いですから…^^;。親子ほど年の離れた
すばらしい新人の出現に、エールを送りながら世代交代への一抹の淋しさをどこかに匂わせていた上月さんの
ドロシーとはまた違った匂いがしましたね。
パッドも加納さんに若返り・・・(笑)。ただちょっと存在薄かったですね。付け髭がにあってんだか
にあってないんだかっていう微妙なところが、ちょっとうだつの上がらないっぽいパッドにマッチしてたかも…
聞くところによると千秋楽のパッドはキレたらしい…(笑)
かなめさんのペギー…愛らしさではお墨付き。一緒に行った友人も「She Loves」の時も可愛かったけれど、
また違うかわいらしさねぇ・・・って言ってくれて満足っす(∩.∩)。
鬘も変わってまして、全体的に私は今回の方が好きだなぁ〜
真っ白で一生懸命やっていて、向こう見ずなところと、内気な性格が混同している感じが伝わってきました。
前はねヒャー、キャー、ワァーってイメージに近かったから(すいません
、イメージしてください)(笑)。
どっかの批評家さんが「ドロシーを怪我させてのし上がるっていうしたたかな一面も見える」みたいな
ことを書いていたらしいが…おいおい…それじゃ舞台の主旨が違ってくるだろぉって(ーー;)。
ドロシーを怪我させた直接の原因はペギーじゃないからねと、声を大にして言っておきましょう。
他のダンサーがペギーにぶつかって、それでペギーがドロシーにぶつかったんだから…
と、えらそうに言っている私ですが、初演の時の自分の感想みると「ドロシーがわざとペギーに
ぶつかっていったように見えた」と書いてた…おいおい(^_^;)。
しかし、その誤解はちゃんと解けているのだろうか・・・・(素朴な疑問)
ついでに、あれだけの前ふりじゃペギーちゃんがどんなにすごいダンサーか分からないって…書いてた。
それも今回は感じなかったの…。まわりがすっごーいとかって、ちょっとオーバーなぐらいに持ち上げてくれた
こともあったけど…これで十分なんだって納得!!。「Go into your dance」のタップ楽しそうに
踊ってましたものねぇ…
それでも、カンパニーをくびになったペギーちゃんの心情を歌にして欲しかったかなぁ(^^ゞ。
そう、その後のみんなに説得されるペギーちゃん、迷って迷って・・・で決めたっていう
心のひだもちゃんと伝わってきた。結構思いつきでOKしたんじゃないかって思ってたもの(^_^;)。
OKしてからのあの晴れ晴れとした顔がまたええじゃないですかぁ〜。あっまたのろけてもた(笑)
「42nd street」のナンバー、演出がはっきり変わっていましたね。タップダンスの振りも違ったし…
ストーリーが明確になるようになっていたような気がした。踊り終わって恋人が殺されて
放心状態…みんなで狂った様に踊るのもよかったけれど、今回の方が悲しみは強く伝わってきた。ああい
う場を表現させると上手いわやっぱり(∩.∩)。歌は…聴けて幸せでございましたぁ〜\(^o^)/
タップのデュエットもより色っぽくなってましたねぇ・・・うぅーっとりしちゃった(^^ゞ。
そんなに短いナンバーじゃないのに、あっという間に終わってしまうの。ダンスシーンをみたさに
公演みる回数が増えたのってかなめさんの舞台でははじめてだよ。ホント
今回のお気に入りは・・・アンディ!!いつもペギーの味方なんですもの(どういう基準だ>自分)。
悪いけど前回は全然覚えてないの・・・こんなにいっぱいペギーと絡んでたっけってぐらい(^_^;)。
なのになんかすごく気になった。お髭つけてねぇちょっと低めの声で「ボス」って渋いの(笑)。
ダンサーのビリーも一番しんどいんじゃないかってぐらい踊っているけれどよく見ると、
あっちこっちで踊ってるよー。
アニー達は一段とペギーの保護者度が上回って、こっちこっちよぉーっていつもペギーちゃんのこと気にしてくれて
た(^^ゞ。ロレインとフィリスが今回みはるちゃんと小鼓音さんに変わったんで、3人がいつも一緒だよーっ
ていうのがすごく感じた。私がこのお2人に馴染みがあるっていうせいもあるのだろうけどね。
みはるちゃんはプリティでしたねぇ。すっごいアメリカンって感じが良く似合う。
カンパニーの中で一番無理がなかったんじゃないかしらぁ…小鼓音さんと2人で腰ふって歩いている
ところなんて、むっちゃ可愛かったね。
マギーの存在感は相変わらず、もうお茶目でしたね。足を怪我されていたようで包帯ぐるぐる状態。
階段がつらそうでしたが、元気いっぱい。たおれちゃったペギーの寝顔を見ながらいう「綺麗な寝顔だこと」
って台詞心待ちにしちゃってました。
明るい曲が多いんですよねぇ。繰り返し出てくるナンバーも多くて、うまく使っているなぁって気がする。
「ひとり」なんてドロシーが寂しさによっているシーンから同じ曲でショーの中につながって行くんだもん。
編曲の仕方歌い方によって全然、無理がないらすごいわ。だって花の輪っかもって踊ってんだよビリーは…(笑)。
「ブロードウェイの子守唄」は有名な曲なんですが…この訳詞で何回聞いてもきになるのが…
牛乳屋がくるって歌詞…そこになると大合唱で強調されているように感じで、おかしくて
仕方がなかったんですけどぉ〜私だけかな??
2幕の最初の「どんな状況でも希望はある」これっていいよねぇ。もう元気出ちゃうもの。
別に今私失業中じゃないけれど…名曲「ケセラ・セラ」に通じるものがあってすごく大好き。何かの
拍子にふと口づさんじゃいます。
ダンサーの方々もすごいよ…幕開きからずっと踊ってばっかり…「お金がジャンジャン」のシーン
で、酸欠状態になってんじゃないかしらって思う。
タップだけじゃなくて、バレエもそして、新体操っぽいのをやっている人もいて…ご苦労様です!!
ニッキが「10年たったらJrじゃなく原作そのまんまのジュリアン・マーシューができればって」
のようなことおっしゃってたらしいが、その言葉を聞いた時に、その時にゃかなめさんもドロシーができるような
深みのある女優さんになってほしいなぁなんてちょっと思ったりしました(でも10年後じゃ
まだ2人とも若いよねぇ??)。
しかし、今はまだもっとペギーが見たいよぉー。おしまい(笑)。