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2006年11月1日〜12月25日 帝国劇場/ 2007年1月3日〜1月27日 博多座/ 2007年2月7日〜3月5日 梅田芸術劇場

脚本・歌詞  ミヒャエル・クンツェ
音楽 シルヴェスター・スターリー

演出 栗山民也/翻訳 竜真知子



CAST
マリー・アントワネット 涼風 真世 ルイ16世 石川 禅
マルグリット・アルノー 新妻聖子・笹本玲奈(Wキャスト) アニエス 土井 裕子
カリオストロ 山口祐一郎 ボーマルシェ 山路和弘
オルレアン公 高島政宏 ロベスピエール 福井貴一
フェルセン 井上 芳雄 ロアン大司教 林アキラ

ツーンとした空気の中音楽と共に斜めに切られた幕が上がる。
3本の蝋燭が舞台を回る。
人影・・・
黒いマント姿の人物は・・影の主役、カリオストロ殿。不思議な動きが物語の世界に導く。

ボーマルシェの声が現実に引き戻す。これは、おとぎ話ではなく現実だとでもいうように。
ボーマルシェ・・・過去を話す男。
カリオストロ・・・未来を歌う。
♪偶然は突然に必然に変わる・・
♪ささいな原因が大きな結果を残す

そんな歌詞が頭に残った帝国劇場。そして、「歴史は繰り返す」ってな言葉が 残る博多座以降・・・
どちらにしても、フラット入った旋律が不穏な空気を強調する。

1975年4月10日 オルレアン公の舞踏会。
王ルイと王妃マリーアントワネットが影で映し出される。一緒に歩いていたふたりだが、 マリーの影がどんどんと大きくなる。一人で出かけていく妻と置いていかれる夫という図が、 ふたりの関係そのままストレート。
さみしそーなルイ(一時期、おののいたような感じになっててコントっぽくなっちゃってましたね)^_^;

民衆が道端で蝋燭で暖をとるように集まってくる。 ここの旋律、ミゼラブルを思い出す・・・同じ時代か・・・
少女の目がぎらぎらしていて怖い。

「どうだい〜すみれだよ〜」
よく通る声と共に通路からマルグリットが登場。
ボロボロの服で男の子みたいな姿。それでもなんか元気なんだな。
ボーマルシェに持っていた花を売ろうとする。相手にしない様子だったが、 顔を見て何かを感じたように彼女をとどめる。
「名前はなんてんだ?」
「マルグリット・アルノー」
「我らが王妃さまと同じイニシャルだな。」

そんなやりとり・・なぜボーマルシェが目を留めたのか?
なぜあの人とこうも違うのかと歌うマルグリット(♪「なぜ」)に、ボーマルシェは花を 買ってやるが、手渡したお金はブリキの塊・・・
怒ったマルグリットは追いかけてパレルロワイヤルへ。
ボーマルシェが渡したお金は本当に偽者だったのか?この出会いは偶然?
お金を持っていそうなボーマルシェに近寄っていく人々の目か鬼気迫る。

パレルロワイヤルの舞踏会。
貴族の登場にまぎれて引っ込む佐山さんがコミカル(途中で踊ってるの)で、 ついついみちゃう。
貴族達は、やみくもに白い粉を叩き、頬紅をいっぱいつけたそんな化粧だ。
民衆がそのころ描いた風刺画はこんなだったのかと想像する。
当時流行ったつけ痣を好きなところにつけているって春風さんがコメントしていたが、それが エッチで生々しい。
男性の方の踊りがバレエ風でかわいくお気に入り(^^)。

壇上では、マリーとフェルセンとが戯れている。 (場所によっては、貴族たちで見えないのぉ(;O;))
無邪気に踊る2人。優しい瞳のフェルセンと歌われてる歌詞そのままにはしゃぐマリーの図。扇で顔隠して内緒話か顔を近づける。
聞こえてくるのは、マリーとフェルセンを思いっきり見下げたもの(♪「ご覧王妃を」)。宮廷での 彼女達の陰口そのまま。
愛人、外国人どうし!!その言葉が象徴的。

目をまんまるにしてるマリーはかわいい〜〜と。おっきなドレス姿を楽しみにしていたのだが、 あまりに違和感なくて・・・今までにも何度もみている気がしてならない。なんでそんな普通に着てるんだ??
ブルーのドレスは袖丈が短くて、そこから出てる腕が 白くてねぇ。。。(^^。帝劇では気になった青タンは、大阪では気にならなかったので ほっとした。あんな大きなのどこで作ったのかしらんかなめちゃん。痛そでした。
頭には大きめの花飾り。マリーっていえば鳥かご頭にのっけてるイメージがありまして、 それを心配していたよーな期待していたよーな(笑)。
(それはそれで、普通に似合っちゃったかもしれないナンテ。)
そーいや、ウィッグの歴史って古いのですよね。
最初の頃は時折客席に挑むような目をするのが気になったけど、 どんどんと柔らかくなっていた。フェルセンとのツーショットは 絵から抜け出たよーなというのは褒めすぎかしら(笑)。欲を言えばキャピキャピした感じでなく もうちっとほわんとしていてくれてもよかったかな・・と思う。

主催者オルレアン公は、外面よく貴族に愛想を振りまいている。目細めてうなずいている 姿がいかにも胡散くさそなんですけど^_^;
そこにマルグリット乱入。
走りこむマルグリットに押されてこける貴族のこけ方が見事!!
花を騙し取った人がこの中にいるというマルグリットに、私の客の中にはお嬢さんの花を とるような人はいないとオルレアン公。
お嬢さんって言い方がいやらしくて・・・だあい好き(笑)
マリーと合わせてみようと画策したのはもちろんオルレアン公。
ふたりだけで話していたマリーとフェルセンだったが、 何事かと様子を観に来る。まるで何かおもしろいことがはじまったんじゃないかとうきうきしている足取りと 表情がかわいい。スカートたくし上げてそぉっと人の輪の方に近づいていくんだなぁ〜〜

ふたりのM.Aの御対面。

「なんて汚れているのでしょう」マリーの第1声
なんて・・・素直なお言葉でしょうか^_^;
パンも仕事も住む場所もないというマルグリットの訴えに。 「パンが無いのならケーキを食べなくちゃねぇ」 と言ったのはマリーではなくポリニャック婦人。
この台詞が歌になるとは・・・^_^;(♪「なぜケーキを食べない」)
貴族の合間からひょこひょこと、花を持ったボーマルシェが首を出す。 もぐらたたきのように叩いてやろうかしらって気になる(笑)
助けてくださいというマルグリットに、 パンはないけれどシャンパンならあるってグラスを高く掲げる。
マルグリットがおそるおそる手を伸ばすと そのシャンパンぶっかけちゃった^_^;
舞台上ではシャンパンを銀の粉のようなもの。それがマルグリットに降りかかるわけだが、 光が当たるとキラキラして、そんなこと思ってるシーンではないのは分かっているのだが、 思わず綺麗とみとれてしまう。

失意のマルグリットが歌う。
気がついて欲しい市民の暮らしの悲惨さに。この世の中を動かしているのは 貴族たちなのだから。キャンドルがまぶしすぎて目がくらんでいるのではないか・・・と(♪「100万のキャンドル」)。
段の下で、寝転がって歌うので、1階前方席の下手だと表情があまり見えないのがつらいなぁ〜〜。
「100万のキャンドル」という歌詞で、その前のシーンの電光のひとつひとつが頭によぎる。実際に 100万もあったわけではないのだろうけど、マルグリットにはそのぐらいまぶしかったのだろうなと。 宮殿では1日に当時にしてはものすごい数の蝋燭が使われていたそうだから。
物陰から見ていたフェルセンが、マリーからと思って欲しいとお金を差し出す。
意地でも受け取れないというようなマルグリット。
それでも、飢え死にさせるわけにはいかないというフェルセンの言葉に考えつつも、 差し出された袋の中から硬貨を1枚抜き出す(この当時って お金ってかじって確認するものだったのでしょうか・??佐山さんもかじってたし)。
フェルセンの台詞の中に、 「貴方は素晴らしい人だ」というのがありまして・・・ あまりに突然の台詞でびっくりしてましたら・・この台詞早々に消えました^_^;。

舞台奥では、民衆の悲惨な様子が描かれている。
目の見えない母親を紐で誘導している男の子。母親は力尽きてしまう。 静かに・・・静かに・・・驚きもせず、あわてもせず手を合わせ母親の遺体を 片付ける。痛ましい彼らの日常。
亡き人への慰霊のようにアニエスが歌うのは♪「流れ星の彼方」
とても優しい響き。
歌声をきっかけにマルグリットとその恩師であるアニエスとの再会。
マルグリットの父親がよく歌っていたと母親から聞かされていた曲で、修道院でふたりでよく歌ったという。
後ろで2人をうらやましそうに見ている男の子と老人の姿がなんだか気になる。
尼のアニエスが街中で歌を気持ちよく歌っているのはちょっと違和感あるんだけど そんなこと忘れちゃうぐらい清らかな歌後に聞きほれちゃう。
つっぱっていたマルグリットの心が優しさに触れて一息つくようなシーンで、 見ていてほっとする。
離れて座っていたマルグリットを引き寄せるような動きがジーンとくる。その後の舞台に入る姿が子供みたいなのもツボ。

何度か流れる「流れ星のかなた」ここではアニエス&マルグリットの歌声が重なって聞き応えがある。
土居さんの歌声は硬質な感じで、似た感じの 新妻さんの声が合わされるとと私には強すぎるように聞こえていた。だから、 玲奈ちゃんとのデュエットの方が好きだった。
それが、土居さんの歌声がだんだんと柔らかくなってくると今度は、似ているだけに新妻さんとのデュエットがものすごく綺麗に響いてきた。ちょっとした変化で違うように聞こえるものだ。
2幕でリプライズされマリーの声でも聞ける、かなめちゃんの声と土居さんとでは全然違うので(状況も違うしね)違いを聞いているのも楽しい。。

がらっと変わって、宮廷内。次の日の朝ってところでしょうか。
マリーが、衣装選びをしている。マルグリットにシャンパンかけたと意気揚々と話してる。
靴をまとめ買いし、値段関係なくよい物を欲する。マリーの浪費ぶりがここでのみあらわされてる。
周りにいるのは素晴らしいと相槌うつ衣装係、宝石商etc。王妃を持ち上げて、自分たちの富を得ようとしてる。
何をしても・・妃殿下は素晴らしい・・らしいんだな(♪「完璧な王妃」)。
ものすごく誇張していてコミカル。
ここのシーン後ろが鏡になっていて綺麗。かなめちゃんの客席に見せていない横顔なんぞも 拝めて嬉しかったりするが、客席も映ってしまうし、 春風さんたちの動きにあわせて、揺れるように指揮してる塩田さんが見えて笑える^_^;
財務長官のチュルゴーは少しは節約して欲しいと言いに来るが、マリーは やなこったと(とは言ってないが)下がれ!!と一喝
そして、友人のランバル婦人には城を贈る・・・といっちゃうんだな。これにゃびっくり

ルイ16世陛下のおなぁりぃ〜〜
ルイだって分かると、マリーの目が空をおよぐ。何か目線が定まらなくどうしたもんかという様子。
ルイっていえば、靴の右と左をちんばに履いてきていて・・・ため息も大きくなるわな^_^;。
マリーは、チュルゴーが浪費家と侮辱したとルイに訴える。
彼は必要だといいつつ、マリーの機嫌が悪くなっていくのにうろたえ、 強く言い切られルイは、ついに罷免を承諾してしまう。
ルイの歌(♪「不器用な王」)にマリーの台詞という形で進むこのシーン、テンポが難しいだろうなぁ〜と思う。
あまりのマリーのわがままぷりに圧倒されるが、なんだか面白い。あらあらって思ってみていた。 ここで、ガツンとルイが抑えられるような関係なら、歴史は変わっていただろうにね。
悩めるルイの後ろでくるくる回ってるし・・・表情がいたずらっこのように変わってかわいのだ。 キャンディーのようなオレンジのドレスも似合っている♪。
まあ、クビにするのです!!と言い切るマリーは怖すぎ(笑)。ここ、 妃殿下としての威厳を見せるのではなく、ヒステリックになった方がよかったかなぁ〜〜なんて 思っていたら、大阪では感情の幅が大きくなってそっちの方向に行っていたよーな。

裸天球がぶらさがってる・ カリオストロの研究室(実験室??)。
「奇跡が起きる・・・世界は変わる」と歌う(♪幻の黄金を求めて)。鉄でさえ黄金に 変化する・・・(錬金術者だものな・・)らしい・・・。ここの山口さんの体って 不思議なリズムを刻んでる。
余談だけど・・・黄金がお盆に聞こえていたという方がいた・・・そう思って聞くと、 お盆に聞こえてしゃーない(笑)。確かに、この舞台盆がぐるぐるまわっておりますが・・・(^_-)

盆の上に疲れきったマルグリット、反対側からは売春宿のラバン婦人が登場。
♪「心の声」をマダムラバンが歌い、マルグリットにスープを与える。
売春婦にならないかという誘いに、嫌がっていたマルグリットも 「人の価値は自分で決める」てな言葉に、承諾した御様子で・・・売春婦の仲間入り。
この売春婦たちのシーンが私的にはちょっと長いなぁ〜〜と。娼婦のダンスシーンはいるのか?
なんて思っていたら、大阪公演ぐらいからここ面白くなった。
その前の、出会うところから言葉の無いストーリーが綺麗につながって、マルグリットが ラパン婦人を信頼するようになるのが自然。
場面的には一番、手が入った印象。
単にカリオストロが出会わせたというのではなく、操っている感も出てきた。
生き倒れ状態のマルグリットをマリオネットのように立たせる部分が好きだなぁ〜
そして、ふたりのマルグリットの反応もはっきりと違うの。
警戒心を持ちながらも、婦人の言葉に力づけられて信用できる人に出会った喜びの 感じの新妻さん。女の子が綺麗なおねーさん方を見てあこがれるように、 だんたんと楽しそうになっていく玲奈ちゃん(しぐさが男の子っぽくてかわいいっす)デシタ。

自分を信じるところに自分の価値が見出せるというラパン婦人の言葉に、 自分も価値があると信じているというマルグリット。
そして、「あのマリーアントワネットよりも!!」って言っちゃう(^^)
だれよりも、価値のある人間かもしれない・・・とそう思ったことが おごりだと・・誰かが言っていたなとこの台詞聞くといつも思い出す。

♪「もしも」のナンバーは、製作発表の時そのままな感じ。なんとなくもったいない使い方のような気もしないでもないな。
仮面舞踏会のように白い仮面を持って歌います。前後に移動する動きがマリー様のお衣装じゃ最初は大変そうで、 ちょこちょこと動く姿が見られた。いつの間にか他の方と同じ歩調になってましたけど あの舞踏会用のブルーのドレスで前向いたまま後ろに下がるのは危なそう。
後ろの貴族や民衆の動きが好き。ひそひそ話しているような感じもする。
綺麗な旋律だが、歌詞はえらくシビア。
もしも・・と思いを歌うが、その思いは心の中に隠して人生演じていくと。
ファンジックな絵でもあり表情のない白い仮面のぶきみさもある。四角い仮面は妙におちゃめだ(目がテンだし(笑))。
化かし合い的な人間関係をあざわらうかのように、 カリオストロは、外側の盆に乗って回ってくる。
黒い仮面を持ち、時折仮面をはずし変なお顔でニカっとしてみせる^_^;。
おちゃめさに笑ってしまいますが皮肉な笑みなんか?。座る場所によっては・・歌っている人がみえませぇ〜〜ん(;O;)。止まる場所考えてほしと願ったカリオストロちゃんでした^_^;

ギヨタン博士が発明したギロチンの完成を喜んでるルイがいた。
自らもっとよく切れるとギロチンの刃を斜めにすることを提案する。
鍛冶屋になりたかったと遠い目をするルイは、単純に処刑される人がいかに苦しまずに死ななくて よいかということを考えているだけのようだ。
そこに、マリーが登場。ギロチンの説明を聞いているが、何を考えているのかはよく分からない。 ギロチン真ん中にして、動きがストップするシーンがあるのだが、 なんだかよく分かったような分かっていないような・・そんなお顔してます。
自分の命を落とすとも知らずに微笑むルイって図は残酷だな。
ここにカリオストロの歌が重なる。
ギロチンの刃の下に2人とクビが並んでいるのが見えると。
マント翻して走って去ったのはこのシーン。微妙なフラット加減の音を見事に伸ばしながら 走り去るってのもすごいとあっけにとられる。

街中の広場
男好きのマリーとだまされたルイのお芝居。
マルグリットとアニエスも笑い声を上げて笑ってみている(アニエスは微妙かしら)。
そこに近衛兵が現れ、公開処刑をするという。
売春を経営した罪でアントワネットの名の下の処刑。
ムチで打たれ、息絶えるラパン婦人。
その遺体の前で、マルグリットは怒りに燃える。
怒るのはいいが・・・ラバン婦人の手を離すのがあまりに乱暴なんだなぁ〜〜^^;
ずっと、生まれをうらんでいたが・・・そうではなく、この世界が悪いのだ(♪「心の声」)
立ち上がろう!!
マルグリットの声に、民衆が賛同する。
強い言葉が人の心を動かす。マルグリットの歌声が見事で、曲調が高揚していくと 共に人の心の中に眠っていたものが動き出した瞬間を感じる。
歌いながら、舞台の奥の方へ・・(これはちょっと寂しいか^_^;)

静寂の中、アニエスは神に祈る(♪「神は許してくださる」)
マルグリット心よりもっと傷ついているようにも感じるの・・・
神を信じようとする心が潔くて・・・悲しい。
戻ってきたマルグリットはアニエスに疑問を投げかける。
神が何をしてくれたのか・・・助けてくれたよいおばさんがなぜ殺されなきゃいけないのか。
王妃への怒りをぶつける。
この怒りを涙を誰が責められるというのか・・・という歌詞が入ってくる。
良し悪しは別にしてマルグリットの心を誰も責められはしない^_^;。

その頃マリーは・・・とテロップ入りそうなんだけど・・・いきなり宮廷の庭園です^_^;
舞台の後ろ中心に生垣がひとつライトアップ。それとベンチがひとつ。 それだけで空気までもが変わる。
フェルセンがアメリカの独立戦争に行くというので庭園で別れを惜しんでいた。
見えるのは、モンゴルの気球。それに乗ってどこかに行ってしまいたいと願うマリー。
「アメリカ以上に貴方を必要としているのに・・」フェルセンを求める。
♪「すべてはあなたに・・・」の出だしのかなめちゃんの歌い方、最初は 思いの全てを吐き出すような熱いものだったのが、だんだんと諦めの入ったつぶやきのように聞こえるようになってきていた。その前の台詞からするっと入ってびっくりしたことも・・あったな。
ここでのデュエットでは、見詰め合うのではなくそれぞれの場所でお互いを求めているという一方的なものを感じる。博多で変わった動きもそれを強調する。
ひとりにしないでほしいと嘆くマリーに、よい王妃になってほしいというフェルセン。
愛される為にはどうすればよいのかと聞く姿は心細そうな女性なのだが、 フェルセンの口からマルグリットのことを持ち出すと、嫉妬心にかられて話が違う方向に・・・。
最期には「くだらないことは言わないで」なんていっちゃった^^;。フェルセンと一緒にいたいそれだけのはず。
頼んでいるそばから、命令口調になっちゃって。この人は、命令するっていう ことでしか人を動かせないと思っているのではないかな。
北風と太陽の話思い出したりしてた(笑)
フェルセンもねぇ・・・他の女性の話持ち出したらあかんでぇ(笑)。ものすごーく真面目過ぎて、 ストレート過ぎるってそんな問題じゃないかしら。
聞く耳をもたないマリーの言葉に絶望的な寂しいお顔が私のツボに入ってました(^^ゞ
喧嘩わかれのようになった2人、ふたりの見えるところから気球は行ってしまい、フェルセンも去ってしまう。
残されたマリー・・・
「こんな別れ方はイヤ・・・」
つぶやいて退場
ものすごーく思わせぶりに言うんだな。そのまま1曲ありそうな雰囲気なんで ちょいと残念(願望入ってます)・・・。

出てきたのはオルレアン公。
モラルは偽善者にくれてやる。勝ち抜いてやる。私こそが権力を手に入れるのにふさわしい!!と強くといいながらも、そんな自分を恥ずべきか?と自問しているところが人間くさい(♪「私こそがふさわしい」)。
ココ、気色悪さ満開(笑)。髪ふりみだしてえらいこっちゃぁ〜〜

マリーアントワネットの誹謗中傷という情報操作が上手く行っている中、 ついに首飾り事件。
ボーマルシェの軽快な語りで説明されていく。途中ラモット伯爵になっちゃったりもしてごくろーさま(^^)
この事件の関係するものが、ひとつひとつ盆の上に登場。
ボーマルシェだけでなく、カリオストロの歌は聞き答えあり(♪「7つの悪徳」)。 不思議な動きは?ですが。
内側の盆が青くなって上から見るとすごく綺麗。マリーを象徴する白いドレスと赤いバラと とても絵画的。

宝石商ベメールは、王妃に宝石を売って儲けたかった。
ロアン大司教は、王妃に横恋慕していて王妃の力になって少しでも寵愛を受けたかった。
マルグリットは、王妃にあこがれていてそして今は復讐したかった。
そんな思惑を利用して、王妃を陥れる・・・
これは、オルレアン公のたくらみ??それとも、カリオストロの魔術か・・

この事件有名なんだけど・・・理解していないというか頭に残らなかったのだが、すっきりした。こんだけ回数みりゃ否が応でも頭に残るかですが(笑)。
この舞台その後どうやって王妃のせいになったかとかっていう部分は はしょられているので、そっちすっきりしてないけど・・・なんとなくは分かったぞ^_^;

首飾りの受け渡しが上手くいって、ロアンの手からラモット公爵夫人の手に渡ったところでひとやすみ。
山路さん指揮者の塩田さんやお客さん巻き込んで、ぶつぶつぶつぶつ・・・(笑)
イロイロつぶやいておりましたが、遊びどころの少ない舞台、楽しみにしちゃっている人も多かったんじゃないでしょうか。
途中、恋の歌が歌いたいっと、「すべてはあなたに〜」を歌いはじめていた頃はながかったぁ〜〜でも、その後、簡潔になっていたところみると長すぎと怒られたんでしょうかねぇ。
博多では、宣伝マン化していたらしい。大阪では大阪弁入っていた。

その間に、舞台は宮殿の鏡の間。白い布に血が滴ったようなバックは不吉さを増徴させてる。
貴族たちが集まってくる。
忘れられない出来事と歌う(♪「なんというセレモニー」)貴族の表情は前の宮廷シーンよりもっと下品っぽい。 うわさが渦巻きどろどろとしている高貴な裏社会を映し出す。
舞台の前方中央に寄ってくる動きなど、貴族の動きや表情も生々しくって見所満載。←好き(#^.^#)
上手の通路には、カリオストロが出没。そして、下手にはマルグリットが思いつめた目して 近寄ってきている。なんでここに入れるのだよぉ〜〜ってのは、置いておいて何かが起こる予感。

国王と王妃の登場。
マリーはチラシでのお衣装でとっても豪華♪・・なんだけど、全体に白い場面なので 思ったよりはおとなしく感じる。よくみると羽が留めてあるのはMAの頭飾り。細かいところまで MAですっ。
ルイはちらちらとマリーの方を見ながら、がんばって挨拶してる。目で合図送る マリー様ちょいと怖いっす。
まあるいほっぺのルイ様は、とっても和み系。人の良さ丸出して対話してる。
かわいいんだぁ〜〜でも、あんまり意味ないよね(笑)。
ルイがマルグリットを見つけて話を聞こうとすると、 宝石商べメールと銀行家が割り込んでくる。
首飾りの代金が未払いだと。
マリーは、首飾りなど買っていないと。
でも、大司教ロアンに渡したというベメール。
のこのこて満面の笑みでやってくるロアン。
立て替えたと・・・手紙もあるぞって意気揚々。
もちろん、その手紙のサインも偽者と分かり事態は混乱状態。
「これは罠!!」
マリーの声が響く。この声の響き方って空気を変える。
「この男を逮捕することを要求すします」怒ったマリーの言葉に おろおんろするルイがかわいいぞぉ〜〜
同意を求めるように貴族たちの方に顔を向けるが、貴族たちはマリーから顔を背けている。
なぜってなお顔。いままでのようにうなずいてくれると思っていたのに・・・
マリーが怒って「悲鳴を上げますよ」って言うと、後ろで それを口真似したりしてる人がいるんですよねぇ・・・
捉えられたロアンが、 「そうだあの女だ・・・」と、指差したのはマルグリット。
これちょっと?なとこ・・・マルグリットの顔覚えていちゃまずかろーがと。 だって、王妃の顔を知らないはずのないロアンが違うと判っていてマルグリットに首飾り渡した ことにならないのかなぁ〜〜???

「王妃様こそ悪魔よ」
「人殺し」

マルグリットはもっていた赤い布を投げつける
今まで、隠してきた王妃への感情をもう隠す必要もなくなったというように表に出してる貴族たち。
売女!!
歌われてるこの言葉が突き刺さって、 マリーの打ちのめされた表情がいい。
赤い布を投げつけられた時の、嫌な笑い声とか・・・
四面楚歌という孤立したマリーが白いライトで浮かび上がっているこの構図って見事!!
赤い布がマリーの白いスカートにかかり白いライトが当たる。 このコントラスト綺麗。このために白いスカートにしたのかと思ったぐらい。
死神のように後ろに立つのはカリオストロ。横で楽しそうなのがボーマルシェ。

♪狂った歯車はもう止まらない・・・
1幕終了。


2幕

舞台上に大きな壁が存在する。
その上部からカリオストロが覗いている。

街中、ロアンが逮捕されオルレアン候が、今回の事件は王妃のせいだと言っている(♪「正義の鐘よ」)。
それをそのまま受け入れる民衆。王妃が自分の浪費を隠すために仕組んだ罠だと。
ロアンは無実だ!と叫んでいるところにロアンが登場。
貴族たちが自分たちの尊敬する司教を幽閉することを許さなかったという話だが・・・
このロアン司教って・・・そんなに尊敬できるのか??と。
もしも、本当に王妃の罠だとしても、色恋がらみでだまされてんだからなぁ〜〜。
アニエスがマルグリットは?と聞いてくる。
マルグリットも・・・無罪!!
私、何度見ても何でマルちゃん無罪なのかわからない。
宮廷で王妃に赤い布投げつけて・・それだけでこの時代何の罰も受けないわけはないと思うのですけど・・・
そして、いつの頃からか、このシーンはロアンに目がいっちゃう私(笑)。
ロアンは、分かっているんでしょうねぇ・・この事件マリーが仕組んだことではないと。オルレアン公が、民衆をたきつけて、民衆の心が沸いているのを横目に ひとり見てるのです。居心地悪そうな「僕は、何も言ってませんから」ってな感じで袖に入ってしまう。

ここのマルグリットは、復讐にすべてを掲げているという感じ。周りが見えなくなってます。
アニエスの助言も聞かないのですが、新妻さん演じるマルグリットは聞いてしまうと自分の心が緩むからというようなニュアンスもあって、この子は本当は素直なんだろうなぁ〜と思ってしまう。ただ、あまりの剣幕に引くこと数回。特に怜奈マルグリット、表情怖すぎ。
「何かを変えたいのなら、人間を責めるのではなく受け入れなければならない」 アニエスの言葉・・これいい言葉だ・・・

下手側にしょぼいと噂の(笑)ベランダ(そんなに気にならないんですけどねぇ・・・ここで立派なものも必要ないだろし)。
ジョセフ王子がベランダから下を覗いている。
遠くから聞こえるような歌で民衆が押し寄せてきているのがわかる。パレードではなく3部会の集会
ここで、歌う曲(♪「DAN・DA・DA・DAN」曲名がそのままってのも・・)は、 その当時に民衆が歌っていた歌なのかなと思ったのだが、違うのかなぁとも思える。
町中が血だらけぇ〜ってこの子は預言者か^_^;。
彼は、病魔に蝕まれてる体で必死になって何を見ようとしているのか・・その姿は痛々しい。
マリーとルイがやってきて、ジョセフは部屋の中に。
「王妃さま万歳」の声にルイは、私たちは慕われていると。
マリーは、その民衆に毒を注ぐ存在としてオルレアン候の名を上げる。
「ありえないよ」あくまでも信じている様子のルイ。現実をみていなかったのはルイなんじゃないかぁ〜〜(笑)
ジョセフの死・・
マリーが泣きながら歌うのは♪「流れ星の彼方」
肩を抱いてあげたいのだが、そうできないルイがそこに居た。抱いてあげてよぉ〜〜。
初見の日は、この二人でのデュエットがものすごくお気に入りでした。

オルレアン候とロベスピエールが3部会を召集したので、ルイに来るようにと告げる。
子供が亡くなったこの時に。
「ひとの子の親はいないのか」このつぶやきは心にくる。
見ていて心は痛むが王としてはどうだろう。家族のことだけを一番に考えていられる立場ではないはず。
フランスの未来が亡くなったのだというマリーに、
「貴方の未来でしょう、 フランスの未来はここにいる人々」と冷たくいい放つ。

バスティーユが燃えている
マルグリットが洗濯をしている女性達に私たちも立ち上がろうと説得している。
女だけでパリへ行って自分たちの要求をぶつけようと。
殺しあうことでなく戦うことができるはずだと。
傷だらけの旗や男性ともくもくと洗濯している女性の対比が絵的。
マルグリットの声に鼻にもかけない雰囲気の女性達だが、 オルレアン公の賃金を渡すという言葉に、飛びつくように集まってくる(♪「金が決めて」)。
「お金なんかにつられないで」という言葉がむなしく消える。 ここのボーマルシェっていやらしいよなぁ〜〜金でつられる犬と化してる(笑)
呆然となるマルグリットだが結局は、一緒にパリに向かう。
帝劇では、しぶしぶながらも旗を持って先頭に立ってしまっていましたが、 博多では、走り去るという演出が変わっていた。
市民たちの様子が、お祭り騒ぎのようで・・少しショックだった。考えてみれはあり得る話、 責める気にはならない。ただ、あまり考えたことなかったんだよなぁ〜〜

それまでの喧騒が嘘のような静けさの中 マリーが手紙を書きながら歌う(♪「愛したことだけが」)。
よき妻にも母にもなれず後悔ばかりだけど、 フェルセンを愛したことだけが救い。それでも、もう二度と会えないのでしょうと。
ライトが十字架のようにてあてられ、ぽつんと置かれた机がそのまま彼女の懺悔と 孤独感をあらわしているよう。
14歳で異国に何も知らずにやってきた・・そんな歌詞のところからフェルセンの声がかぶさる。 アメリカの独立戦争に行っている彼。そんな中でも彼はあなたを守ります・・と。
デュエットになったところからメロディーがドラマチックになり、歌う方も聞く方も気持ちが高揚する。
この後フェルセンで歌う♪「なぜあなたは王妃なのか」と同じ旋律。
遠く離れていても通じ合うようなふたりの心。
上部から降りてくる立派なMAのロゴがに圧迫感を感じる。逃れられない・・宿命。
マリーは机の前で座ったまま歌いつづけ、気配を感じて振り向くと、 フェルセンは消えてしまう。
もちろん、彼がそこにいたわけではないのだけれど、このタイミングがすごくいい時があって、 本当に消えたように見えたことがあった。その時は妙に感動・・・だったなぁ。
派手な曲ではないけれど、マリーの中にある心情を表している唯一の曲。 丁寧に歌っているのが感じられて聞きこたえがあるんだな。
歌詞の中にある「なぜか憎まれている」という言葉。
マリーは結局最期まで自分が至らなかったということは分かっても、何が 悪かったのか・・までは理解できなかったと言うことなのでしょかねぇ・^_^;

マリーの歌から弦の音がそのまま引っ張り緊張感を生み出す。
表情が一瞬にして険しくなる
「誰!!?」 掠れた声のこの言い方が好きなんだが・・・
出てきたのはルイだった。
それも「大丈夫ぅ〜〜」とえらく呑気なお声^^;。安心感というか気が抜けるぞ。
声とは裏腹におびえた様子で「ボロを着た女たちが、狂ったようにやってきていると言う。 衛兵隊も逃げてしまったそーな。
大丈夫じゃないだろ!(怒)
危機感を持ったマリーはすぐに子供を呼び寄せる。
軍隊を出してでも追い払うというマリーに、王は市民に銃を向けることは出来ないという。そして、 逃げないと。
「王が居る所が私たちのいる所です」
王と一緒に残ることを宣言するマリー。
ここの音楽の使い方が好き。こちらに向かっている足音が聞こえてきての緊迫感と、 決意したマリーの横顔とハリのある声。
王妃の物語が動き出した合図のように聞こえた。 その時歴史は動いた・・(笑)

さて、ルイの志はりっぱだが・・事態は深刻なんだ。
オルレアン公と女達が宮廷内に入りこんで対面。オルレアン公ってば、女装してまして^_^;でっかいし・・ 頭のてっぺんから何をしているのぉ〜〜殺すのよぉ〜〜って声出すものだから 思わず笑ってしまう。
博多では、この声はちがってましたから笑っちゃいけなかったんでしょねやっぱり(笑)
マルグリットが民衆の前に立ちはだかり、♪戦うのは正義のためだけと止めに入る。
博多では、傷つけることではないと、アニエスの言葉そのままの歌詞に変更。
マリーがオルレアン公につかかと歩みよる。横顔がかっこいい(ファンもーどだな^_^;)
それを止めようとしながら、子供たちの様子も気になるしとおたおたするルイ様も なんだか気になっちゃいますねぇ・・
オルレアン公は、国王一家をパリに連行する。

皆がはけると、幕前にローズ・ベルタン、ラ・フェルテ、レオナール登場。
移り変わるのパリの様子をコミカルに歌う(♪「パリ情報」)。
トリコロールが流行、王家の紋章は最悪と。
ローズ・ベルタンのプードル頭かわいいぞっと。一度ボーマルシェのひっかかってるのみちゃったなぁ〜〜(笑)
市民の様子を話しているわりには、宮廷に押し入ったそのシーンとのギャップで、 別世界のよう。
貴族風は流行らないとは言っても、着ているドレスは貴族に出入りしているものと いった感じで・・・
ボーマルシェは、ギロチンは無いのか?なんて聞く。
そんなもの発売しますかいな(笑)。かわいい振り付けと明るい口調でこれから流行るのはギロチンと歌になってますが、この後のことを感えると笑えんなぁ〜〜

ボーマルシェは残り舞台はジャコバン党の集会の場。
恐怖こそ力だ・・・と始まる男性ばかりの歌声(♪「恐怖政治」)は、文句なしにかっこいい(笑)。
ロベスピエールの福井さんの声はずっと聞いていたい・・・(^^)
オルレアン公の提案で、マルグリットをマリーの小間使いに入れて スパイさせることになる。
おもいっきりボーマルシェを蹴る新妻マリグリット。ダンと椅子の上に足をのっける 姿がおもいきり様になる玲奈マルグリット。それぞれかっこいいぞぉ〜〜と。
どこまで行ってもマリーは「オーストリア女」だったのだなと思う1曲でもある。彼女が外国人でなければ、 ここまで憎まれなかったのかもしれない。

カリオストロを真ん中に、呼び寄せられるようにマリーとマルグリット。
言葉のない静かな対面が神秘的。
黒いドレスの下の白いペチコートのドレープが見事だ。
無表情な仮面の下の熱いものを感じる。
心を許していない人たちの中でのフェルセンとの再会。
駆け寄って、抱きつこうとするマリー手を止めるフェルセン。これ悲しい(;O;)
2度目の♪「すべてはあなたに」。
緊迫した中で、はっきりと違うマリーの心。
お逃げくださいと逃亡を進めるフェルセンに貴方が危ないと。
信頼できるのはお互いだけ・・
安心しきった顔がとても綺麗でいろんな写真がある中で、 いつもいいなと思う場面。
彼を信じての逃亡劇。
すっと立ち上がり顔はすっかり戦闘態勢、スカート翻す姿が素敵でした(^^)。

馬車は回る・・・盆の上を(笑)
ドライアイスで馬車がみえないぞっと。。上からみててもたまに隠れる・・・ 前方席ではほとんど・・・んで、ドライアイスの加減か馬車というより私にゃ汽車に見えちゃってました。
ココ改善されないかなぁ〜〜
計画はあと少しで失敗。
横からカリオストロ出没。 動きが妙だよぉ。んで、馬車みつけて「おぉ」って なに?(笑)。愛しいものみつけたようなんですけど。
馬車を止めるよーに黄色い旗をばさばさ。これまた何??ここも笑う場面?
と思っていたら、博多では幾分静かになってました(笑)。ノリはそのままだ。
歌詞も変わってたなぁ〜〜。
「♪逃げ切れたはずだぁ〜〜」が「♪逃げ切れはしない」と。
言葉だけでみると反対で・・でも言いたいことは同じで・・・印象はちと違う。
日本語って・・・ムズカシイ(笑)。

「お前たちを逮捕する」。
「私は、フランスの国王だ」
「わたくしは、フランス王妃です」
力強い、精一杯の威厳がむなしい。

捕らえられた国王一家。
ほうらってルイのやさしい声。子供に馬車を作ってあげた。
僕は鍛冶屋になりたかった・・・と歌うルイ(♪「もしも鍛冶屋なら」)。王妃は隣で手紙しこしこ。マルグリットはテレーズと一緒にいてマリーの方をちらちらと。
このメロディーはルイのテーマ。完璧な王妃のシーンでも、 歌っているのはこのメロディ。
家族を守れなかった自分を恥じ、なぜ神様は自分を国王にしたのか・・もしも叶うなら 鍛冶屋になろう。名も無い鍛冶屋になりたかったという歌(鍛冶屋も大変そーなんですけどね^_^;)。
ジーンと来てしまう1曲。
ただねぇ・・そーはいってもやっぱりこの状況で「もしも・・・」と後ろを向いている場合ではないのだ(笑)。争いをもう見たくない・・と言われても^_^;
あきらめたようなルイを見てたら、そりゃフェルセンを頼りにするわな・・と 思わずにはいられない。これが恋愛部分があっての結婚ならこんなところを好きになっちゃったんだとあきらめもつくだろがねぇ・・・と妙に現実的コトおもふ^_^;。
1幕の「もしも」で国王だったならとうたっていたオルレアン公。本当に彼が国王の立場であったなら、変な小細工しないで強いよい国を作っていたかもしれないし・・皮肉な話。

ランバル夫人が外に出たいと言い出す。
自分は、自ら尋ねてきた客であって囚人ではないと強く言うその姿は精神的に参っている様子が見えこの状態の生活がいかにきついものであるかを感じさせる。
一緒に行きたいというシャルルにマリーは歌を歌ってやる。
(♪「流れ星のかなたへ」)
子守唄のように優しく優しく。。途中でシャルルは父のとろこに。 驚いたのはマルグリット何故という顔をしながら、マリーの歌に加わる。
今度はマリーが驚いて・・・
ここのデュエットはとてもきれい。ジョセフの死の後にも歌っているが、 泣きながらではなく1曲まるごと綺麗に聞けるのは嬉しい。
土井さんのボイスとは違う「流れ星のかなた」。訴えかける迫力よりも優しさが強い。
デュエット部分に関しては、個人的好みからいうと、新妻さんとの方が声質があっているように思える。

「何故この曲を・・・」ふたりの胸に沸く疑問。
父が歌ってくれた。。懐かしい・・と楽しかった少女時代を慈しむようなマリー。 こわばった表情で「私には父はいません」というマルグリットの言葉に、現実にもどったかのように表情が変わるマリー。
そして、胸元から手紙を取り出し。届けてほしいと手渡す。
「あなたも女なら分かるでしょラブレターよ」
この言い方がねぇ・・・らしくて(笑)好き。ふたりの間に走る緊迫感。
疑るような新妻マルグリット、ふたりの間に火花が散ってるようにみえるのは・・玲奈マルグリット。バチバチ!!

マリーが窓から下を覗き込み一瞬にしてくずれる。
見えたものは・・・ランバル夫人が暴徒 よって撲殺され、その首を高々に上げている様子
「あの人達は人間じゃない」マリーの叫びに、 今まで人間として扱われなかったからだと言うマルグリットの目は硬い。

民衆が客席から首を掲げて行進(♪「我らは兄弟」)。
その血走った形相は、人の善悪を越えている。
掲げられた首を指差し、これは人間の犯罪だと訴えるアニエスに襲い掛かる民衆。
たった一言・・・
マルグリットが通りかかり、アニエスを助かるが・・・集団心理の ものすごさを感じる。畜生のようになっている民衆は普通に怖い。
ここで、オルレアン公がふたりを許すのには彼の心の変化だという高島さんのコメント。 舞台が終わってから見た言葉だったので、そう思ってみると また違った思いでみれるかなぁ〜〜と楽しみにしてる(人も変わるんで違うんですけど)

マルグリットとアニエスがふたりになったところに手紙をもらっていないかとフェルセンが駆け寄る 。(その情報はどこから??)
持ってはいるが渡すわけにはいかない陰謀だというマルグリットに
「ラブレターです」
言い切ったぁ〜
陰謀ならマルグリットにラブレターならフェルセンに渡す約束でアニエスが 手紙を読み始める。
「愛しているのねあの人を」マルグリットのつぶやき。
ここの心の動きは私には判りにくい。

ラブレターでありますように・・
結果は分かっているのに、毎回ここで祈ってしまう。
中身は、他の国からの援軍を要請するもの。
失意のフェルセン。
ここの呻きはものすごいぞ・・出来ればもうちょっと客席に向かって ほしい・・・(どこにいてもお尻ばっかってのは。。ネ^_^;)
絶望的な状態において、 名前だけ立場だけでなく一人の女性としてではなく、 あくまでも王妃でいつづけようとする姿への嘆き( ♪「あなたは何故王妃なのか・・・」) をなんともいえない気持ちで見てた。つっらいだろなぁ〜〜^_^;
こんな使われ方をしちゃうんだぁ〜〜と舞台前に曲だけを聞いていた時の想像と違った一曲。
言葉どおりにあなたは何故ロミオなの?そんなストレートなものではなかった。
わかっていた・・・そう歌詞にもある。
それでも、この手紙はラブレターであって欲しかった・・その絶望感が井上フェルセンから 伝わってきて悲しい。

マリーアントワネット、貴方は何故自分が王妃であることを証明するためすべてを捨 てなければならなかったのか。
その誇りは代償に値するのか・・

このくだりの台詞好きですねぇ・・・(笑)
こんなつぶやきを軸にして、この話をフェルセンがこの騒動を語ってくれても良かったかな なんて考えてしまった。同じ血なまぐさい話も違って見えたかな。
歌い終わったあとの間が日に日に長くなっていった気がした。虚脱感いっぱいの足取り。

1794年国王の処刑。巨大なギロチンがゆっくりと降りてくる。
ボーマルシェの語り。
追いうちをかけるように、カリオストロの歌声。声の荒々しさが恐怖を煽る。

マリーが子供たちを寝かしつけていた。
見事だったブロンドの髪は白髪に変わっている。
まだ手紙を持っているというマルグリットは、この手紙を返すわけには行かないという。
でも・・・

「愛しい方よ」
現れたのはフェルセン。その場に崩れるマリー。
ここの音楽が流れると反射的によかったぁ〜〜と涙がてできちゃったりすんだな。
必死の形相の井上フェルセンのお顔と共に。
最期の再会。
会えただけで嬉しいというマリーに熱い熱いフェルセン。
熱い抱擁・・・

そして・・・
我に返ったマリーが変わってしまった自分の姿を見られたくないという衝動にかられる姿が 痛々しい。
その姿こそが美しい・・と3度目の♪「すべてはあなたに」
何も言えません・・・(;O;)。
歌というよりも台詞に近い二人の声で始まる。
マリーの歌声はどんどんと強くなっている。冷静だったフェルセンが熱くなる。
まだチャンスはあるという言葉に子供たちとここにいるという。
♪もしも違う時代違う世界だったら・・
♪ふたり生きることも許されたのか・・・

あんだけ泣いてよく力強く歌えるもんだと思う・・・
「早く!!」
マルグリットの声に、 もう一度抱き合おうとするマリーの手が止まる。
襲い掛かる現実に、一瞬にして冷静さを取り戻す姿。
「またお会いできる?」
会えないと分かっていての笑顔での答え。
「必ずやきっと」君の笑顔がいいんだぁ〜〜ちょっと時代劇っぽいけど(笑)
「私のことは忘れて」
振り返りながら去るフェルセンとは対照的に、決して追わないのはマリーの強さか意地か?(T_T)。

ロベスピエールが来てシャルルを連れて行く。
子供と引き裂かれるシーンは、その時のタイミングによって激しさが違ってくる。
ロベスピエールの「それとも殺そうか」という台詞に反応して、 走り出すときは、ジャコバン党員の方を押しのけているように見えたり、みえなかったり・・・
捕まえられる体制も手がねじれそうな時があって、はっとする。
つかまれた腕を振り払い追いかける母親と、母親を呼び叫ぶ子供の声。 このシーンに心を痛めない人は少ないだろうな。

「私を殺して」
マリーの感情が爆発する瞬間。使われた旋律が♪「心の声」・・・
駆け寄ろうとするマルグリットが躊躇してしまうような迫力が公演を重ねる毎に 増していった。

裁判シーン。
暗闇の中、中央にスポットライト。
その中心にマリーがいる。敵の中にひとり。
横領罪、謀反罪・・・ならべられた罪名を否認し、戦う。
マルグリットも手紙を受け取ったかと聞かれ、言葉に詰まる。
無表情な中にも緊張が走るのが分かるマリー。
手紙など受け取ってはいないと言う マルグリットは怒っているよう。
それならばと、今度は皇太子を肉体的にも精神的にも堕落させフランスを貶めようしていた と告発するものがでてくる。
真実かどうか・・ではなく、マリーを断頭台に送る裁判。
覚悟は出来ている・・絶えてみせる一人の人間として・・
この命に代えても、子供のことを侮辱するのは許さない。
そう言ったまま何かを突き抜けたような表情になる。最期の音で笑ったように見える日もあり、 ちょっとその表情は正気と思えずゾクっとくる時があった。

判決はもちろん死刑!!
何かが違う・・
民衆たちの歌の中(♪「その首をはねろ」)マルグリットの叫びが響く。

鐘が鳴る。
舞台の真ん中には断頭台。
ヘタな行動をすると一緒に断頭台行きになってしまうとアニエスは心配するが、 マルグリットは同情なんかしない「見届けるだけ」と。
博多から変わったアニエスの歌詞の「どこにも人間の顔がみえない、心をなくしたら人ではなくなるのに」が、その旋律とあいまって不気味な空気とマッチする。
正しいと信じて突っ走ってきた マルグリットを責める気にはならない。
ただ、その思いは利用された・・終盤のマルグリットをみていると やりきれなさを感じる。

上手、花道から荷台に乗ったマリーが現れる。
静寂の中、カタカタという車の音のみ。
荷台が止まりマリーが降りる。
マリーのひとつひとつの動きに全ての目が注がる。 もちろん観客も佇を飲んでみている。自分の飲む唾の音が大きく聞こえてためらう。
荷台を降りたマリーはゆっくりと歩き、そして民衆を見回す。
冷静に民衆をみるのは初めてだったのじゃないかと・・思う。
うなるような民衆の声がする。何度見ても慣れない不快な声。
無の表情からは、凍りついたように自分の心をガードしていたのじゃないかと。
生気のないマリーをからかうように一人が押し倒す。
床に倒れて動かないマリー。
震えているように見える日があった。
舞台という短い時間では描き切れない時間。ここまでどういう形でこの人は 来たのか・・そんなことを想像してしまう。
人々り罵声の中をやってきたのだと想像するが・・・。
マルグリットもまたその様子を固まったように見ていた。
ただ、マリーが倒れたその瞬間、スイッチが入る。
マルグリットがマリーに駆け寄ると、舞台の上の緊張感がピーク。
これ以上にないぐらいに張り詰める中マリーに手を差し出すマルグリット。
起き上がると、マルグリットの手があることに一瞬驚く表情のマリーだけど、 すぐに表情が和らぎ、目に光がもどる。
手を一度着ているものでぬぐってから、マルグリットの 手の上に手を重ねる。
そのしぐさは優雅でドレス姿のマリーがそこに重なる。
更に近づこうとするマルグリットの手をゆっくりと押し戻す。
「ありがとう」それまでのどの台詞よりも 優しい声。
それよりも目が、ありがとうと語っているのだけど。

かぶっていた帽子をゆっくりとはずすと散切りに切られた頭が露出する。
それをゆっくりとなでつけ、微笑む。
その微笑みはくもりの無いもの。そして、凛とした姿で 静かに断頭台に自ら横たわる。
巨大な血で赤く染まったギロチンが上からゆっくり降りてくる。
民衆の唸り声がBGM^^;。

目を開いたまま寝ていたかなめちゃん。
その後、その表情みているだけでがギロチンの刃が近づいて来くる距離がわかるようなものになってた。
これ、ちょっと後悔した(笑)。みちゃいけないものみちゃった感じ。でも 一度みたら・・見ずにはいられないような・・
思い出して書いているだけでも目頭が熱くなるんですけど^_^;。

ガシャン。
ギロチンに映し出される文字。
たたずむ空気。
ものすごいものを目撃してしまったというような空気が、舞台の上だけでなく会場を 包みこんでしまう。

♪「自由」が流れる。
カリオストロが盆にのって現れ、歴史は繰り返すと歌う。その表情は険しいもの。
それぞれの手がつかんだものは自由か?と疑問符で終わる。 この世は変わりはしない
と絶望的な言葉をボーマルシェとオルレアン公が歌う中、 マルグリットは自由とは愛の上に成り立っていると歌う(この辺りは、歌詞変更があってよかったと 思います)。
ロペスピエールの解放!!という叫びが力強い。
ギロタン博士もいるんだなぁ〜(いつの間に?)
赤い紙ふぶきが舞い圧倒されてのけぞりそうな絶叫がうずまく
それぞれの自由を叫び 不協和音の
自由!!
幕。


初めて見た時は、涙が止まらなかった。
誰に感情移入していいか分からないという声もある中で、最初っからマリーを見ている私は入りやすかったのかもしれないが・・・
ただ、想像していた感情ではなかった。
マリーアントワネットの人生は変えようがない。どういう風に書かれていても最後は断頭台。
そんな、役を演じる姿を見るのはつらいだろうなと想像していたのだが・・・
涙の中にそういう気持ちは無かった。そんなファンとしての感情ではなく、 魔女裁判的なお話を見た時に感じる怒りでもなかった。
目の前の女性が精一杯生きている姿と、民衆たちの感情へのずれ。
そしてそれによる惨劇への恐れ・・そんな圧力が私を襲っていたようなキガスル。マリーへの同情ではなくこの状態は異常だと体が受け止めていた。
ラストは、自由!!と叫んで終わる。
その前に、ボーマルシェとオルレアン公はこの世はよくはならないと歌う。現実はそういうものかもしれないが、 自由は愛の中にあるマルグリットの存在は救い。いつの世もどんな世でもなくなることもないだろうと思わせてくれる強さがある。

フランス革命は人の血が一番流された革命だという。
集団の恐ろしさ・・
ささいな原因起きる大きな出来事としてのひとつの事例。
歴史に学ばなければならないことは年号じゃないのね。

膨大な話のを3時間に詰め込んだ。
それだけにひずみもあるような気もする。マリー一人の人生を追うだけでなく、 マルグリットの人生と、フランス革命の闇。そして、現在に続くメッセージ。 それだけにシーンひとつにいろんなことを表現しすぎて受け取る方が大変。
音楽に身をゆだねるというよりもきちんと歌詞を頭で聞いていないと何かを逃したような気分になる。

淡々と進む1幕。
正直なところ、初見は製作発表で発表されていたこの舞台の中心となるであろう楽曲が次々と歌われるのに もう??とびっくりしていた。実際1幕でほとんどの曲が歌われている。感情よりも先に歌がきてしまう ところがもったいないと思う。
これまでの作品「エリザベート」や「モーツアルト」に比べて曲数は少ないらしい。
同じ曲がリプライズされるということだが、その素晴らしい。
2幕で歌われる数々は、どれも台詞の一部のように歌われ曲として聞くよりも情感を感じる
何度も使われる「すべてはあなたのために」のナンバー。どんなに状況が変わっても2人の心は変わらない と象徴しているかのようでもある。
1幕最初にマルグリットが歌う♪「なぜ」がマリーの最期の歌。
14歳のまばゆいばかりの結婚の時を歌う旋律でボロボロになったマリーが自らの 意志を伝えるとは、なんて皮肉なんだろうと思ったりもするが・・・

マルグリットの存在は救いだな。
どんな時代でも、オルレアン公やボーマルシェのような人物もいる代わりに、 アニエスやマルグリットのような人もいるのだと。新妻さん曰く 無駄に正義感が強い人(笑)。この舞台では空回りしちゃってますけど・・・
マルグリットが手を差し伸べるあの一瞬がほっとする瞬間。
そして、そのあとのマリーの表情。
手を差し伸べるかどうかというのは、かなり話し合ったとかなめちゃんの言葉。 こうでなければ、どんな演出があったのか興味がある。それによってこちらがどう思うかとか。
マルグリットっていくつぐらいの設定なのだろうか。
原作ではマリーと同じぐらいだというが、コメントを聞いていると低く設定されているよう。
でも、最初は子供だと言っても娼婦となれるぐらいのトシではあるはず。
マリーとマルグリットが対面してからマリーの死までの15年以上は月日があまり見えてこない。
あの時代、たくましく生きていたものがお金で人が動くの見てこういう結末になったのを見て、 「何かが違う・・」というのはあまりにも無知なのじゃないだろうか。
そこまで純粋でいることは奇跡だよ。
演じている2人が若いということもあり、見ていて不自然さはなく、信じていたことに裏切られた 気持ちがかわいそうで、すごく せつない気持ちになってしまうんですが。。。もっと地に足のついたような女性が演じていたら どんな感じなのだろうかと。


役者さんの感想・・なんぞ。

★マルグリット・アルノー(新妻聖子/笹本玲奈) ちらしでみると、そっくりな二人。
同じ役をやることも多いそうで、声の出し方や台詞回しは似てるかな。
新妻さんのマルグリットには「怒り」を、玲奈ちゃんには「絶望」を最初は強く感じた。
マルグリットという人はどちらの思いも持っているのでしょうが、歌い方や 声の雰囲気で強調される部分が違って見えるのは面白いもの。
公演が進むにつれて、2人の演じ方が近くなったり遠くなったり・・・
栗山さんの演出っていうのが緻密らしいから、ちゃんと決められた筋書きがあるのだろうと 思う。でも演じているうちに個々の感情が入ってきてしまうのを調整しながら演じているの だろうなと想像すると面白い。
新妻さんは、わりとちゃんと計算して演じてる風に見える。
大阪公演の後半は、がらっと変わってきてびっくりした。怒りのボルテージが高かった彼女が 静かに燃える方向に変わってきていた。
玲奈ちゃんはおおらかで心のままに演じてる印象は、役柄が違えどサリーの時とかわらない。
1幕は玲奈ちゃん、2幕は新妻さんが好きかな。
2人とも気持ちよく歌いますよねぇ・・・ほんと。

★ルイ16世(石川禅)
ものすごく丁寧に芝居をされる方なんだなと思いながらみていました。
ほわっとした雰囲気は抜群で、優しさと優雅さをもっていて 生まれながらの血を感じちゃいます。
あの状態の中で「もしも・・」なんて歌っている男はヤダけれど^_^; 「もしも鍛冶屋なら」は名曲。いや名曲にしたのは禅さんだと思ふ。 よいお声ですっ。
かなめちゃんとは「回転木馬」でも夫婦。その時もかみ合わない夫婦だったなぁ〜(遠い目)。コールの時に並んでいる姿を見るととってもお似合いなんですけどねぇ・・・

★フェルセン(井上芳雄) この役いいですねぇ・・(笑)。
何でこんないい人?ってぐらいいい人に描かれてます。
それをそのまま井上君がこれでもかってぐらいいい顔して演じているので 素直にみれます。
終盤、もう終わりというのもあったのでしょうが、 びっくりするぐらい熱いフェルセンになってまして・・汗なんだか涙なんだか分からない えらい状態で熱演してました。
「必ずやきっと」あの笑顔がもうみれないのは寂しいな。

★アニエス(土居裕子)
「She loves me」でも、かなめちゃんとご一緒でしたね。
役柄があまりにも違っていてその時のことが飛んでしまった(笑)
パワーある歌声はそのままに、清楚なイメージで。
天使の歌声(^^)と紹介されてましたが、その通りでした。素はおちゃめな方のようですね。
最初の頃、アニエスが毅然としすぎていることに違和感があった。
語尾が少し変わっていったりして柔らかくなったのと、 神を信じてはいるが、目の前の現実を祈ることしかできない 自分にジレンマを感じている様子が見えるようになって、マルグリットのように 怒りに突っ走れないところがつらそうに思えてきた。
この舞台で、思想的なとこでいい言葉を言っているのはアニエス。
それを土居さんの声で言われると、よく通ってすっと入ってきやすくて助るんだな(^^)。

★オルレアン公(高島政宏)
怪演と言っては失礼だろうか・・・(笑)。
それをものすごく楽しんでやってらっしゃるように見受けられた。
したたかに生きる男。ちょっと嫌らしい自信家の顔が道化のようなお化粧から にじみ出てた。
あのお化粧もそのまま引継ぎするのだろうか・・・??

★ボーマルシェ(山路和弘)
ちょいワル親父と評判の山路さん(笑)。
いいテンポの語りで、この作品を引っ張っているのは彼なんでしょうね。
うまく時代に載って生きぬいている、悪く言うとずる賢い小物なんでしょうけど とっても魅力的でしたっ。
4,5月は暑いでしょうけど(笑)楽しみにしています。

★カリオストロ(山口祐一郎)
この役は、2階席から見るとものすごくいいです。
1階前方で見ると・・・時折りいいところで見たい人を隠してくれるので・・・(笑)邪魔とか思っちゃう。
そんな個人的思いは別にして、狂言まわしというよりも、この世界の大きさと闇を表現しているような役。
なくてもいいんじゃないか?という声も聞こえますがいなくちゃすかすかぢゃないかな。
この人のスケールの大きさは必要なんだと思います。天井の高い梅田の劇場では一番気持ちよく 歌ってましたものね。
カリオストロのダミーが出没する場面があり、誰だか分からないががんばって様子を 真似てらっしゃいます(笑)でも、重さが違うものなぁ。
まあ、ちょろちょろと顔出しすぎなのは出しすぎかも(笑)。 小出しではなくドーンと出てきて欲しいような・・・
新曲が増えるってことですが、アレ以上どこにそんな隙間があるんでしょねぇ・・・見物です(^^)
個人的には、この舞台の始まりのようにのカリオストロのこの世離れした空気 で終わってみるのもみてみたい気がする。
山口さんの舞台はとっても昔から見ているのだけど、こんなにひとつの役を見続けたのは 初めてで・・・クセみたいなものも見えておもしろかった(笑)。

★久しぶりに佐山さんのお声が聞けて嬉しかったり、自由自在に演じられる春風さん の上手さを再確認し、福井さんの声に惚れて・・・
ロアン司教の嫌らしいおっちゃんぶりに笑わせていただいた。
アンサンブルさんは、女性の方の方が印象深いかな。
舞踏会での生々しい笑みや、洗濯している時のたくましさ・・・。高島さんに目がいっちゃう ことが多かった気がする。
民衆になったり、貴族になったり、お衣装だけでなくお化粧なんぞも変えなきゃいけないから、 きっと忙しいのでしょうねぇ・・・
怖かった民衆のパワー。それがあの舞台の土台だと思います。

★マリーアントワネット(涼風真世)
見事にマリーアントワネットとして生きていた。
その一言ですませちゃいたい(笑)ぐらい、それが私には一番嬉しかったかな。
くるくると表情の変わる舞踏会シーンから、フェルセンにわがままを言う姿。 打ちのめされるような表情で終わる1幕ラスト。
子供の死や周りの世情の変化に伴っての生活の変化の中で息づいている姿。
終盤からラストに向かってのエネルギーの持って行き方は見事で。大きな空間の中で 観客の呼吸を意識しながら動いている姿。
そんな姿を見れたのはファンとして幸せとしかいいようがない。
今の涼風がマリーをやることに意味があるというコメントが頭をよぎりますね。
こういうこと・・かと。
いつもにも増してべたボメな、痛いファンコメントかもしれないがいつものようにいっぱいの 言葉が出てこないぞ。
あまりに有名な生涯。みんなの中にある固定観念を超えてなおマリーだったそれにつきる!!。
長いと思っていた公演も最終章
あと2ヶ月・・・もう2ヶ月?・・・ああぁ〜〜(意味不明だ^_^;)

舞台に流れる世界観は好きで、見た後はクセになる。
語りがいもあるしなぁ〜〜(笑)。長く見てると細かいところのこだわりが見えてきてそれも楽しかった。
あと数日で、凱旋公演が始まる。
公式ブログなんぞを(もうちょっとマメだと嬉しいなぁ〜〜と思いますが。。。あのブログ)覗いて いても、細かい手直しをしたものをみせてくれるそうなので、期待しようと思っています。
あまりに、見切れるところの多かった舞台、そういう意味でもお客さんに優しいように 直されているといいなぁ〜〜。
こだわりもあることでしょうから・・・どうなるでしょ楽しみぃぃぃ!!

2007/04/03

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