1999年10月3日〜10月29日 帝国劇場
原作 高橋 治/脚本 掘越 真/演出 山田和也
日野 沙衣子 | 佐久間 良子 | 日野 恒之(沙衣子の義兄) | 綿引 勝彦 |
日野 松乃(沙衣子の姑) | 山田 五十鈴 | 深堀 洌子(深堀の女将) | 富田 恵子 |
鹿山 恭子(宗野の助手) | 涼風 真世 | 日野 洋平(鵜飼) | 石原 良純 |
宗野 徹也(建築家) | 西岡 徳馬 | 時子(洋平の母) | 丹阿弥 谷津子 |
剣 達之 | 北村 和雄 |
しっとりと日本情緒たっぷりの舞台でしたね。視覚的にものすごく綺麗だったなぁ・・・幕開き
からもぉうっとり・・・静寂の闇の中で、日本人形みたいな方が踊ってらした・・
桜がぁ〜月がぁ〜旅館のセットにすごく合うんだ。そぉみなさんおっしゃってた幽玄
って言葉が頭に浮かぶ・・・。日本情緒たっぷし(^^)。
舞台は京都の保津川のあたり。鵜飼の時期をメインとしている日本旅館「日野源」と「日野別荘」。
日野源の方は、大女将松乃が、日野別荘の方は若女将沙衣子が切り盛りしている。
松乃としては、息子は既に他界しているため、
孫娘をこの旅館の跡取にしたいの、そのためにゃ
沙衣子がよその土地にふいといってしまっては困るわけ。そのために鵜飼の洋平さんとの
再婚話を持ち出すわ
「日野源」と「日野山荘」をくっつけて、ビルを建てるなんて言い出すから・・・
沙衣子にゃ頭の痛い毎日だったわけ。
儲けを第1に考えて旅館を
経営しようとする松乃と、真心を大切に接客しようとする沙衣子・・・
まあ、よくある食い違いでもありますわね。ただ、大概にして若いものが近代的にしたがるんだけどなぁ・・
沙衣子のこの旅館に対する執着はなんだったんだろう・・。
しかし、女の対決というか・・・相手を立てつつ自分を通す
って姿勢のやり取りはすごかったぞぉ〜。あくまでも口調と表情は柔らかく・・・
頭にきてもポーカーフェイスってやつ(笑)。
その横でちょろちょろしてる義兄の綿引さん・・・がおかしかったわ
(なんかねナイスなキャラでしたよこの方)こういう世界じゃ男の立場よわそだね。
花火の日、ごった返した旅館。そこに宗野徹也が秘書つれてやってきた。17年前(やったらと17年を連発してましたねぇ・・・)
ふたりはパリで知り合って仲良くなり文通していたが、そのまま音信不通になっていたの。
でもってふたりは、とぉっても惹かれあっていたらしい・・・
数日前、子供が家の中ひっくり返していたときに出てきた1つの箱。それは沙衣子の
若い頃の思い出であり、最後の希望だという。その箱の中身は宗野からの手紙・・、
子供に後押しされ、最後にきた手紙の住所に手紙を出していたのだった。
それを受取った先生、その手紙の中には建築家である彼へ仕事の依頼もあったようで
一目散(だと私は思う)にやってきたってわけ。
でぇ〜〜その秘書っていうがかなめちゃん。ここで初登場(今回もまた40分ぐらいしてからでした^_^;)
出番的にゃ大きく分けて4場面・・出てくるたんびにお衣装や髪型を変えてらっしゃるんで、
それもまたお楽しみ(∩.∩)。
1回目のここは、赤いスーツ(横スリットがすごかったにゃ・・)に赤い口紅でコーディネイト。髪型はストレートロング。
髪切る前のかなめちゃんで、なんだか懐かしい感じ。ウイッグだとおもうんだけどあいかわらず違和感ない
(かえって、ちらしの写真の方がつけ毛っぽいよね^^;)
しかしぃ・・この場面の印象は・・最悪(笑)。嫉妬心丸出しでねェ・・・^_^;
だんなが残しておいてくれた、土地に自分の納得の行く
これぞ日本旅館だっていう旅館を立てて欲しいって話してるっていうのに、ここは日本旅館だっていうのに
「先生は、日本旅館なんて大嫌い」
みたいなことずらずらと並び立てるの・・。よーこんだけ次から次へと
でてくるもんだってぐらい・・^_^;。またかなめちゃん早口なんでぇ・・
滑舌が良いから私らは気にならないけど、
年配の御客さんにはどー聞こえるんだろ・・・(いらぬお世話ってか(笑))
恭子さんにしたら、先生がなんでここに来たのかと不思議に思ってたら、なにやらいわくありげな
再会してんで、これはヤバイと女の直感はたらかしちゃったのね・・・
季節がうつり夏から秋になって・・・沙衣子さんは図面が届かないし、連絡ない・・・
先生は図面送ったはずなのに答えがないって、あれは一時の気の迷いだったん
だぁってもんもんとしてたの
それもそのはず恭子さんたら、先生が沙衣子さんのために書いた旅館の図面、送らずに自分の机の
中にぽい・・・って^_^;。あぁ〜やな女(笑)
意を決した沙衣子さんが、事務所の近くまできてるって電話がかかってきてばれちゃうのだけど・・
せっかく祭りにふたりで出かけることになってたのに、先生は沙衣子さんのところに
飛んでった・・・。
あとに残された恭子さんのつぶやきは・・・せつなかった。自分も悪いことしたって
分かってるからよけにみじめだもの・・こんな時って。
普通なら同情余地なしってなのだろうが・・・センセイも沙衣子さんしか見えてないし、
かなめちゃんにあんな顔して訴えられると・・つらいぞぉ〜(笑)。で、このトーヘンボク野郎もったいないぞぉ〜
なんて思っちまう^_^;
でも・・思いつめた表情ででっかい素面を手にとりみつめる恭子さんに、
「ああぁ〜お願いだからその図面やぶかんといてよぉ〜、そこまでしちゃいかんよぉ〜」心の中で
でっかく叫んどりました(^_^メ)。なんかやりそなムードあったモノ〜・・・あぶねぇ。
結果的には恭子さんのやったコトがふたりを引き合せちゃったしねぇ〜
田沢湖で再会したふたりは・・そのままよいムードに突入しちゃったもの・・
そうなるかぁ〜おぃおぃでしたが・・・^_^;
京都に図面持って帰った沙衣子さん、古くからのお客さんの剣先生が来てらして、話が旅館の合併の方向に
行っちゃったことから、松乃の前で自分の計画を発表する。
剣は図面をみてとてもいいと(この人は、日野源が段々と変わっていくのが嫌だったらしい)言うが、
松乃は絶対に許さない!!宗野のことも含めて、
そんな勝手なことをするなら縁を切るって怒る。その様子をみて
剣先生ぽつり・・・「その昔にも同じようなことを言った女がいたなぁ」と・・・
その時は、嫁と姑の仲のことを言ってんだと私は思っていたんだけどねェ・・・^_^;
−1幕終了−
2幕はいきなり工事現場。どーやら工事が始まったらしい・・・宗野がとぉっても張りきって指揮してる。
工事やってる棟梁のおっちゃんも、こだわりのある旅館の仕事におお張りきり。
そこに女ライダーとかって言われて恭子さんご登場(∩.∩)。これがお噂の
レザーパンツスタイルなのね・・・と納得(^^)v。黒のレザーパンツにうぐいす色のジャケット。←いやに
流行の形でしたねこのジャケットだけ。
髪型はパーマヘアで・・たぶんこれが地毛なんでだろうなぁってみてた。サイドにちょっと残して
後ろで止めてた?よね(この辺いまいち記憶あいまい・・)
走ってくる姿がかっこよいね。どーせならバイクまたがってきてくれたら嬉しかったのに(笑)。
みてみたい・・・^^;
前場面とはうって変ってなんだサバサバと、この仕事に非常に協力的になってた「
この間はごめんなさい、がんばります」てなこと明るくおっしゃる(単純なやつや・・)。先生の思いを理解して、
それでもそばにいようって・・・自分の出来ることは仕事がうまくいくようにすることだって
なんだか言い聞かせながら言っているみたいにも聞こえた。
だって・・イヤに明るいんだもん。ふっきれたというよりもカラ元気。考えすぎかなぁ・・・
どーやら沙衣子さんと先生は、仕事のことも恭子さんに
伝達させてお互いに避けて会っていないらしい・・・。不思議に思っていた恭子さんが
なんでって聞いたら「会わない方がいいんだ」だってぇ・・おまけに「関係ない」なんて言っちゃう・・・(^_^メ)。
まぁったく鈍いんだから・・・(笑)カワイソ(;_;)
そのあとの子供とのシーン、ここのかなめちゃんが今回の舞台で一番好きだったなぁ。すごく自然な感じで・・・子供を
みる目が優しくてね・・・子供に向かって話てんだけど、自分に向かって話してる雰囲気がお気に入り(∩.∩)
旅館の建築が進むある日台風がやってきた・・・この旅館に使う木材は宗野があっちこっちから
こだわりもって集めてきたものだから、ぬらすわけにゃ行かない。
木材にかけてあるカバーを守ろうとする沙衣子・・そこに心配して駆けつけてきた宗野・・・
嵐の中の再会ってやつです
会いたかったが、この旅館を成功させるのが今一番の夢だから・・宗野と会ってしまったら
それが叶えられなくなるという沙衣子に宗野は「今日のことは夢だとおもってください」
と・・
ここは・・・ふたりのよい場面(^^ゞ。「沙衣子さん・・・」ガシっとつかまえた手に・・・うけてもた(笑)
(失礼^_^;)
台風もおさまり、沙衣子の旅館は完成。その完成披露パーティには宗野は欠席・・・代理に恭子が来ていた。
この時の恭子サン、先ほどのライダー姿とは一転して淡いピンクの訪問着。髪の毛もアップにして
別人の様(笑)。みんなの前でちょっと挨拶したあとは下手でずっとパーティの様子をみいてるのだけれど・・・
その横顔が綺麗でねェ・・・渋いセットの中に浮き出ているようでこれまたうぅっとり
。
話は真ん中で進んでいくもんだから・・・ちらっちらっと横目でかなめちゃんみつつ・・・
佐久間さんのお芝居みてたの。
とぉっても重厚な感じの旅館にできていて、落ち着くかんじ。沙衣子さんもとてもうれしそう。そこに
松乃がやってきた・・
挨拶をし始める松乃を一抹の不安をもってむかえるが、この旅館の出来映えと沙衣子さんの
がんばりに感動したと・・・そして、御褒美だといって鵜飼を眺めさせてくれた。
を川上にあるこの旅館からじゃ見えないとあきらめていた鵜飼だけになによりの御褒美・・・
ここの演出もものすごく綺麗だったよ・・・ばぁって窓をあけるようにセットが広がって、
鵜飼の灯りがみえて・・・ジーンときた。視覚的にも感動したけど同時に心も伝わる。
こういう感覚は理屈じゃない。
松乃は引退して剣といっしょになるという・・これにゃびっくりでしたけど、
剣の「以前に・・・」っていうのは自分と松乃のことだったみたい。
なんかねこのふたりのやりとりが、とぉってもほのぼのとして・・・ふたりで下手の花道に引っ込んで
いくすがたがかわいくってしゃーなかったですわ。
パーティが終わって一人たたずむ恭子サンの後ろ姿に「沙衣子さん」と声かける洋平(この人沙衣子さんに
ほれてたんだわ)。間違えるかァ〜とみんなで突っ込みましょう(笑)。
でも恭子サンは、嬉しそうなんだわ・・・好きな人の思い人に間違えられてうれしいんかなぁっとちょいと
分からんのですが・・・^_^;。きっとああいう女性になりたいって思ったんでしょうねェ。
その口調があまりにもさばさばしてっから・・好感度あっぷでしたわ(笑)。
このふたりのシーンのお稽古風景が、プログラムにのってまして、
なんだかふたりの恋愛話のようで可愛かったの。
どんなシーンかなァっておもってたら「同類哀れむ」だったのネ(苦笑)
このお芝居・・コールがないの(^_^;)。みんな下手に消えてゆくの。あとで思う・・あぁ〜あれが最後
だったのかと(笑)
最後には佐久間さんがだけがひとり残って、月を見上げてる。いつの間にか桜のセットが降りてきて、
まるで一枚の絵のよう。おもわず綺麗〜ってつぶやいてた私。
この数ヶ月のことを思い巡らせる静寂と間。
ゆっくりとした台詞のなかにこの沙衣子の決心が込められてて、おだやかな感動でした。
と感動しつ・・・かなめちゃんがこの舞台の上にいたら・・・ここで歌うかもねぇ〜なんて
頭の中涼風モードになってたの・・・(´〜`)ごめんなさいねぇ・・佐久間さん(笑)
−幕−
とまあこんな感じでした。休憩30分挟んで2時間半。みっちりお芝居みましたぁ〜って印象
同じ旅館が舞台の芝居でも1月にみた「あばれ女将」とはえらい違う(笑)。
華やかで、元気になって大笑いした「あばれ女将」
に比べると、これは女性好みなんじゃないかなぁ・・・っていう恋愛モードあり…
(嵐のシーンはなかなか・・・^_^;)。いや・・佐久間さんの
色香に男性もいけるんか・・・
はじめてだったのでなかなか新鮮でしたわ^^;。客席もさすがに
ある程度シーンとしてみてはりましたものね。
ひと場面ごとに、拍手で締めくくれるような演出みてたらね、宝塚思い出しちゃた
(特に植田演出(笑))。多分、こういう芝居を作っていた方が歌と踊りをとり入れてみたんだろうね
と勝手に納得(笑)・・・
しかし、どの場面も拍手がまばらで・・・ここで拍手するんやぁ〜って思って拍手しているってよりも
ここで拍手するん??って周りみながら拍手している雰囲気が笑えた(^_^メ)
で・・ついでにいっちゃうけど・・(笑)あの暗転になるたんびに鳴る音楽がぁ〜ツボにはまってしまったぁ
。あかん・・・帰りしななんてその音楽がぐるぐる回ってしょうがなかったワ
お芝居されているどの方も、もぉいぶし銀とでもいおう演技で・・・見ごたえありましたね。
お客サンなんかで出演されている方々も、ものすごく本物っぽくて・・そこいらのおっちゃんたち連れてきたんと
ちがうかなぁなんて思ってしまった。
そんな中好きだったのが、洋平さんのお母さんの時子さん。すごく物事客観的にみてて、一言一言が
暖かいの。こんな人近くにいたら・・・いいよねぇ。
演技がまたまた自然になったよと聞いていたかなめちゃん。確かに・・・納得(∩-∩)
だけどやっぱり独特だなァって感じた・・・華やかさがなんか違う。変な言い方なんだけれど、ひらがなで「ぴんく」
って書くのと「ピンク」って書いた時の受ける印象の違いというか・・・やっぱり育ってきた文化の違いなんですかねぇ
・・って感覚。
それがいいのか悪いのか・・・こういうジャンルの芝居の中で
どう映っているのか・・・ピーンと張った特有の雰囲気も
ふぁんの私にゃ一人だけ現代女性っぽいとしかうつらんしねぇ・・(笑)
いいように新鮮にうつってくれているといいな。
それにしても、山田さん、佐久間さんらの着てらっしゃったお着物がとぉっても素敵で・・・特に佐久間さんの
黒地のお着物がお気に入り。赤いさし襟の色がまたよくて・・・
お芝居と共にそんなところも楽しんできた・・・帝劇公演でした。
またこの劇場で出演するかなぁかなめちゃん・・・
やっぱり舞台は嬉しいから・・・ここでかなめちゃんをみたいなぁっ〜。ちと遠いけど。
きっとみれるよね(∩.∩)
食べようと思っていた帝劇の「紅茶アイス」食べ忘れたけどその時のお楽しみにしとこ(笑)。
1999/11/01