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1998年11月2日〜11月29日 青山劇場
翻訳 酒井 洋子/訳詞 大場 公之/演出 釜 紹人

SHE LOVES ME−シー・ラヴズ・ミィ−
CAST
ジョージ・ノワック 市村 正親 ラディスラフ・シーボス 斎藤 晴彦
アマリア・バラッシュ 涼風 真世 ミスター・マラチェック 犬塚 弘
スティーブン・コダリー 村井 国夫 アルパ・ラズロー 堀米 聡
イローナ・リター 島田 歌穂 カフェ・インテリアルのウェイター 藤木 孝

シー・ラヴズ・ミーがなぜか今回からシー・ラヴズ・ミィになってましたね。ミィの方がしっくりくる ポップなかわいらしい舞台です。
初演を見た時、物語のあまりの楽しさに笑い転げて… (クリスマスが近づいて、どんどん動きがコマ送りのように速くなるところなんて最高に笑った(^^)) 帰ったのですが、その後、飛天で見た時には、そんなにのれなくて…
自分の中で美化しすぎたのかなぁとか、何度も足を運ぶ舞台じゃないかもとか思っていたので、 今回も半分はわざわざ東京まで行かなくてもいいかなぁと…
しかし、結局は涼風見たさに初日に行ってしまった私。行って良かった\(^o^)/。つくづく思いましたね。 再演というものの良さを、初めて実感したような気がする(今度は落としすぎてたのかしら…^^;)。

劇場が一回り小さくなったこと、銀橋と、オーケストラを取り去った ことで、客席との距離が縮まって、(オーケストラに関しては、ちょっと寂しい気もするんですけどね) それぞれの歌詞が聞きやすく身近に感じるもの。
そんなに前で見たわけではないのに、すごく見やすくて、この劇場気に入りました私(^^ゞ。関西にも このぐらいの大きさの劇場あったらいいのに…

初日観劇ということで、テンションはどうかなと心配しつつ、見はじめたのですが、なんのなんの、 初日からこれだけ飛ばしてもいいのかい??てな具合にみなさんノリまくってらした。 さすがに再演というだけあって、チームワークばっちりのみていて気持ちのいい舞台でした。 派手さの少ないこの舞台、個々の魅力がすべてです。 そこはなんてったって実力派の皆様、みせてくれますぅ〜

その中でも飛ばしていたっていえば、やっぱり市村ジョージ
プログラムの座談会でも、触れていたけれど、どんどんお茶目になっていっているらしい市村ジョージ。 初演の時は二枚目ジョージだったらしいけれど、忘れちゃった…^^;。 どーもいつも二枚目半的の役をやってらっしゃるようなイメージあるもんで…(飛天公演のときには既に くずれてましたもの)。
今回、シーボスさんの雰囲気ががらりと変わったので、よけいにエスカレートしやすくなっているのでは ないかと私はみた(笑)。市村さんの舞台っていつも熱いデス。

斎藤シーボスは、菱谷シーボスがボクトツな感じがしたのに対して、 どこにでもいる口のうまいおっちゃんって感じ…噂好きの(^^ゞ。で、 ジョージの恋を面白がってけしかけているように見えた。
やる人が変るとこれほど違った雰囲気になるものなのかなぁと面白かったです。 舞台を飽きさせない間はさすがですが、歌を聞くとをテレビでよく拝見していた頃に比べて声に張りが なくなったような気がして、残念でした。
この方の歌《心の持ちよう》は不景気の今の世の中、笑い事じゃないねぇ。

そして、なんといっても、涼風アマリアがずいぶんと良くなっていたこと。 声のトーンが幾分押さえ気味になっていて、その分、現実味が増してジョージを嫌っていたわけじゃない という、気持ちが見えるようになりました。
そのおかげで、前半と後半の行動に違和感がなくなった(^_^;)。ということ(ジョージがクビになったあとの 作業場のシーンがすごく自然になりました\(^o^)/)と、 ジョージとの呼吸ももうばっちりってことがこの舞台の出来映えが格段によくなったと感じた、 最大の原因じゃないでしょうか(なんたって主役コンビですし、私がアマリア中心に見てるんで…^^;失礼)。
高音の歌い方も余裕が出てきたようで、抑揚がついてきて、歌っているという状態から、 お芝居の中の歌になってきたなぁと感じる。
よくなったなぁと成長を喜んではいるのですが、ちょっと厳しい見方をすると、 もう少し早い段階でこのレベルまでくる必要もあるのかもしれませんね。 (涼風ファンの私としては、どんどん変って行く彼女を見ていけるという楽しみもあるのですけど。)

今回復活の島田イローナ。涼風アマリアが現実に近付いたとおもいきや、 反対にこの方が漫画チックになってました(^^ゞ。声もちょっと作って、なによりもすごいお化粧(@_@) これにはびっくり。おもわず、プログラムの前の公演の写真見て確認したくなりました。
《恋の図書館》の歌とお客さんを引付ける求心力はいうまでもなく、表情がくるくる変って…すごいわぁ。 ベティちゃんみたいだった・・・(^^)。 初演に比べてこのお方もかなり思い切り爆発しちゃってます(^^ゞ。

そして、コダリー殿。おもいっきりキザにやってはりますねぇ。この方の舞台は、「 レ・ミゼ」とこれしか見たことないですが、声の太さといい、おっちゃんのダンディさといい、 コートの使い方といい、日本人のおじさまじゃ貴重かも。でもって コダリーの方が、素に近いんじゃないかしら・・(笑)。
ちょっとだけ聞かせてくれる裏声が、耳について離れまっせん(好きってわけじゃないんですけどねぇ…(笑) )。

三代目マラチェックさんは、かなり柔和な感じ。舞台がどこか暖かい雰囲気にまとまっていたのは、 この方のせい??。ただ、かなり濃いメンバーの中に入ってしまうと少々の物足りなさを感じるし、 台詞がちょっと棒読みっぽいのは気になる…(^_^;)。

何度みてもいいなぁと思うのは、セットですねぇ。この上品でオシャレな雰囲気、 電光の色を変えるだけで、季節が変っていくぅ〜。2階でみると綺麗なんですよねぇ
そして、カフェのシーン。この舞台唯一のアンサンブルの見せ所。ここのダンスはとてもかっこがいい。 (初日ちょいと乱れてましたけど…) ウエイターの藤木さんが、わざーとらしくバラをひろって隠し持つ、ここ、 見逃さないように必死ですわ私(^^ゞ。なんか待ち遠しいんですよね。
話としては、ほのぼのとしてこじんまりとしたもので、刺激のあるものじゃない。 でも、ほっこりさせてくれていい気分になれるのよね。ハッピーエンドのお話は、 やつぱりいいものです(●^o^●)。