H氏証言『わたしの戦争体験』
1 は じ め に
明星大学(東京都日野市)の入試で男性の平均寿命を超えた方が合格されたのは、02年11月のことであった。その学生がわたしの講座を受講したならば、戦争体験を話してほしいものだと考えていた。
03年4月開講日。「H氏が講義を選択しており、テレビ局から取材申し込みが来ている。受け入れてほしい」と大学事務局企画担当から要請された。あまり深く考えずに了承したが、結構シンドイ思いもした。
戦前日本の政治機構・軍事機構のあらましを説明する中で、H氏に「戦争体験の証言」を依頼してみた。教員の立場からのいきなりの依頼であったが、引き受けてもらえた。
このことを聞きつけた別のテレビ局から、早速取材要請があったという。「それならいっそのこと、プレス・リリースをしてみよう」と、企画担当と相談して決めた。
H氏には、話したいことを簡単にまとめてほしいと依頼し、10日ほど後、リポート形式で提出された。それに対して、わたしから、こういうことを加えてほしいと要望を伝え、それだけの準備で当日を迎えた。
2 H氏従軍当時の日本陸軍の状況
3 [地図]中国戦線の態勢
4 H氏『わたしの戦争体験』
5 証言後のどたばた