のぐじゅう

Keyboard Mania


二色成型キートップ(キーキャップ)にも色々あるようなので
世代別として分けてみました
2021.07.02更新

二色成型 第1世代

外殻と軸部分が異なる色の樹脂で作られ、軸部分の樹脂が外殻の抜き文字支持層を回り込むように文字層に流れ込みます(環状文字以外の単純な文字には支持層はないと思われます)。文字用の樹脂が軸を兼ねるため必然的に強度が必要となり、結果厚みのあるキートップになっているようです。80年代くらいまでのキーボードにみられるもので、中にはとても分厚いものも存在します。
二色成型 第2世代


外殻と軸はあらかじめ一体で構成され、編み目構造になっている文字支持層に文字色の樹脂を流し込んでいるように見えます(環状文字以外も同じ構造となっているようです)。材料の量を節約して外殻全体が薄くなり、代わりに骨組みが増えています。最初で最後のコストダウンといったところでしょうか。文字用樹脂の流し込みは個体により過不足があるようで、裏から見るとペンキで塗った跡のように見えます。

二色成型 第3世代

ゲーマー向けに文字照光のキーボードが流行るようになり、再び2色成型が脚光を浴びてきていますが、これまでの2色成型とは構成が異なるようで、文字支持層がなく簡略化されています。よって「O」や「B」のような環状の文字には切れ目があり文字中央部は外殻とそのままつなげています。支持用の橋を一段凹ませれば文字用樹脂を回り込ませることができるはずですが、バックライト照射時に影が出てしまうので無用と考えたのでしょうか。樹脂は単純な上下方向だけの流れになり圧力も低くできるので、コスト的なメリットもあるようです。デザイン的な自由度がないので、敢えて文字の切れ目を強調したような(アメリカのミリタリーグッズのような)製品も見られます。
二色成型 第3.5世代
第三世代は急速に廃れ、環状文字の切れ目問題を解決するために、2021年現在では二種類の方法が採用されるようになりました。一つはモバイルPCで採用されているような塗装+レーザー抜き加工のタイプ(日本語対応はこれが多い)、もう一つはこの第3.5世代です。環状文字の文字中央部と外殻とをアーチ状の橋でつないで外形を作り、文字用の樹脂を裏側から流し込みます。成型完了後に橋の部分を削り取るという荒業により、切れ目のない文字照光を実現しています。これが機械作業なのかどうかわかりませんが、よく考え付いたものだと感心します。とても品位が高く文字の照光もきれいです。

※分かりやすくするために、画像はやや大げさに描いてあります

 


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