Keyboard Mania
2003.05.18
P/N8184692という珍しいタッチのIBMキーボードを入手したので、調査してみました。
ぱっと見は普通のIBM101キーボードですね。本来、グレーのIBMロゴマークは古いタイプのキーボードにしか付いていないはずですが・・・?
キーを打ってみてびっくり。BucklingSpringとは明らかに違って、わずかなクリック感のある、変なタッチなのです(最初はリニアだと思ったのですが)。底突き感が弱く、ソフトな感じです。Quiet Touchという、ラバードーム方式のキーボードともまた違う感触です。裏面も普通で、排水口も、導水路もついている新型です。Lexmark製を象徴する小さ目のラベルです。 今までに見たことのないP/Nでした。96年2月製造。ちょうどLexmark最後期に製造されたものでしょう。箱には97年12月のUnicompラベルが付いていました。
外観から見て気づくことは、まずIBMロゴです。グレーのロゴというのも古いタイプで珍しいのですが、なんとIBMの下に、"Soft Touch Keyboard"と書いてあります。 右側のCtrlキーが、"Ctrl/Act"となっています。これはIBMのRS/6000という機種などで使用されるものに表記されているとのことです。(ぴーすさん、情報ありがとうございました。) いつもは空っぽのスピーカーのスペースですが、これにはちゃんと内蔵されています。ただしこれはコンピュータ側でコントロールするもののようで、一般のPCに接続しても、音を出すことができません。
スイッチ部の構造がどうなっているのか調べてみました。最初はてっきりラバードームかと思っていたのですが、ちゃんとコイルばねが内蔵されていました。1391401などのBuckling Springと同じようですね。 よく見ると、ばね部分にシリコングリスのようなものがべったりと塗ってあります。独特のタッチは、このグリスによるものだったんですね。 キートップ裏側にもグリスがいっぱいついています。これだけのグリスを使用するのにも驚きですが、こういう発想をメーカーが採用してしまうことの方が面白いと思いました。
他に違いがあるかと思い、念のため分解してみましたが、普通ですね。 導水路、排水口がついているのも、92〜93年以降のIBMキーボードに共通していることです。 裏側もスピーカーが付属しているくらいで、特に変わった点は見あたりませんでした。 まとめ
RS/6000向けのキーボードとのことですが、シリコングリスでソフトタッチになっている以外には、一般的なIBM101キーボードと変わりありません。歴代のIBMキーボードの中で、最も手の込んだ作りであると言えますが、なぜわざわざシリコングリスを塗ってIBMの特徴的なクリック感を無くしているのかは謎です。
少し使ってみたのですが、やっぱりこのキーボードにはクリック感がないとしっくりきませんね。なんだか疲れてしまいます。実はこのキーボードを既に入手している方がいまして、試しにグリスを全部取ってみたそうですが、ちゃんと普通のBuckling Springになったとのことです。構造的には1391401等と全く同じということですね。静音を目的としたQuietTouchの原型という話が有力そうですが、詳しくは分かりません。
というわけで、どなたかこのキーボードの生い立ちをご存知ではないでしょうか?
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