のぐじゅう

Keyboard Mania
2018
.06.16新規作成


Zenith ZKB-2

ずっと気になっていたZenithのZKB-2、ようやく手に入れることができました。普通の101キーボードとは少し異なるキー配置と、ノンクリック(リニア)というのが個人的好みと違うので、このキーボードには否定的だったのですが、歳を取るにつれこだわりも薄くなっていき、動画などを見ているうちにALPSのノンクリック音に魅せられてしまったのです。
全体的なデザインとしては、昔の一般的なフルサイズキーボードと同じですが、手前のパームレスト部分が少し大きく、逆に上側のペン置き場(?)が短めです。
背面。この年代で下部が金属ベースで作られているのは、これとOmnikeyくらいしか見当たりません。非常に重いので、落とすと壊してしまいそうで怖いです。ケーブルが左側からの固定なので置き場所によっては少し使いづらいかもしれません。
1989年1月製。ほとんどは台湾製のようですが、一部USA製もあるようです。この時代の台湾はいい仕事していましたね。
Zenithのロゴです。datasystemsを含め、なかなかかっこいいですね。このロゴパネルを外すと、AT-XT切り替えスイッチが現れます。
ここが変則配列、他では見られません。L字型Enterで大型Backspaceの場合、”バックスラッシュキー”がShiftの右側に来るのは時々見かけるパターンですが、Enterの右サイドの幅が狭く、何故か”]”キーが大きいです。また、AltやCtrlキーも大きいです。
テンキーにもこだわりがあったようで、”0”と”.”が同サイズになっています。データ入力を主とした用途に考えられていたのでしょうか。
CtrlとAltには、スタビライザーまで付いています。そんなに頻繁に押すキーではない気がするのですが、わざわざこういう設計にするとは豪華ですね。ケース表面につけられているシボも、昔ながらのプラスチック製品の美しさを彷彿させます。
一般キーが黄色軸のタイプの場合、LEDが内蔵されているキーのみ緑軸になるようです。比べてみると、緑の方が軽く、黄色はしっとりした感じがします。
キーキャップ(キートップ)は、基本的に2色成型です。80年代にありがちな分厚いタイプではなく、簡素なもの・・と思ったのですが、実はキートップの隅の方まで文字の樹脂を行き渡らせるための改良なのかもしれません。特殊キーの文字配置が、DELLの101キーボードが2色成型から昇華印刷に変更された後のデザインの酷似しています。
LED付きのキーのみ、2色成型でなく印刷になっています(ただし大型のCapsLockのみ2色成型)。LED内蔵にすると色々と作り分けが大変なんですね。


このキーボードの一番の特徴は、独自の薄型キートップにあるのではないでしょうか。ALPS純正のキーでは背高になってしまい、リニア軸に向いた、なでるような打ち方ができなくなってしまいます。ZKB-2ではキー配列やキートップ形状に徹底的にこだわり、入力のしやすさを追求したキーボードだと思います。ここまでこだわって設計されたキーボードはなかなかありません。

欠点と言えば、少し高い押下力が必要なところでしょうか。確かに重い方がしっかり押したという感触が得られるのですが、今どきのPC使用シーンでは、昔よりも大量で高速なキー入力を必要とするので、もう少し軽めの方が現代の環境には合うような気がします。また、ALPSのスイッチはCherryに比べて質感がとても高いのですが、タクタイルのあるタイプとは異なり、リニアの場合は比較的差が少なく、むしろCherryやCherry互換品の品種の多さ、軽い入力感の新製品が続々と出てきている状況を考えると、ALPS黄軸(緑軸)はいずれ過去のものになってしまうかもしれません。

このキーボード、結構気に入りました。特に大型EnterキーやSpaceキーの感触がよくできていると思います。中古でも持っておきたいキーボードのひとつですね。


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