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遂に、この日がやって来た。 そう思っているファンは数多かったと思う。 それぐらいこの15年という月日は長かったのだ。 1998年の「SAVA SAVA」ツアー後、翌年に為された電撃的な結婚・妊娠報告。 当時、私は10年近く更新を続けたファンクラブ『珠里亜(ジュリア)』に新年度の更新 をしたばかりで、来るべきツアーに期待に胸をふくらませていたところだった。 結婚・妊娠によって当然ながら、歌手活動は中断され、それは幾年にも渡った。 そろそろ復帰の話も伝わるのではないかと思われた頃、第二子妊娠の報告が 流れ、我々ファンの願いは完全に潰え、歌手・森高千里の名前は最早、 永遠となるのではないかと思われた。 しかし、そうではなかった。女性雑誌のグラビア、連載を手始めに徐々に芸能活動を 再開した森高さんの姿は、CMでも活写されここ数年は見慣れたものとなった。 デビュー25周年を記念した昨年−2012年は歌手活動を本格化。YouTubeでの200曲 セルフカバーが良いリハビリ代わりとなったのであろう。昨年末からはTV番組でも 唄う姿を全国に向けて発信し、歌手・森高千里の復活を高らかに宣言したのだった。 そうなれば、次はライヴステージへの復帰が待たれるばかりだったが、それはすぐに叶えられた。 年明け早々、「渡良瀬橋」で有名な足利市での公演が決定。その他の場所の開催 も期待せずにはいられなかった。 そして − ネットFC『デジタル・ジュリア』を通じ嬉しい一報が届けられた。 東京・大阪・名古屋のツアー。 しかも、ここ名古屋は最終日−千秋楽となる−との事だった。 私にとって最高の環境が整えられたのである。 だが、コンサートの決定以後、自分の体調、家族の健康状態など諸事情があり 直前までこのコンサートへの参加の可能性は不確定であった。 だから、当日は朝から非常に緊張したぐらいである。 緊張し過ぎたせいだろうか(苦笑) 地下鉄に乗り遅れ、予定よりも遅く会場である日本特殊陶業市民会館に到着すると 会場フロアは人でごった返していた。年齢層は予想通り高め。其処に準備されて いたグッズ売り場も、それほど長蛇の列が出来ている程でもなかったので安心した。 90年代始めの全盛期には、階段に長蛇の列が出来て開演に間に合うのかどうか心配で 仕方なかったのが昨日のように思い出された。 私は、なんとかコンサートパンフだけ購入し客席に入場していった。 自分が遅れた事で、開演前に落ち合う予定だった友人のOさんを客席で見つけ声を掛ける ものの、気付いて貰えなかった為、そのまま自席に向かった。 今回、「デジタル・ジュリア」を通じて入手した席は5列目のほぼ真ん中。 もう少し前だったら最高!と思わなくもなかったが、これ以上望んだら贅沢と いうものだろう。 コンサートは定刻よりやや遅れ、17:09にスタートした。 スペイシーなSEが流れる中、暗闇に包まれたステージ上でバンドメンバーが ポジションを固めると、ステージ奥の紗幕に微かに人の姿が見えた。 それが確認出来るやいなや、突然、場内に流れ始める森高さんの歌声。 一段と高くなったドラムセットに陣取る森高さんが紗幕からステージの前方へと せり出してきた。 SEと切れ目なく、余りにも自然に曲が始まったので驚いてしまったが 目前の15年ぶり”生”森高千里の登場に私は感激も一入となった。 そのオープニング曲は「ロックンロール県庁所在地」。 黒と白のツートン・ストライプの衣装が眩しい森高さんが昔と同じように力強くドラミングする。 この光景に私の気持ちは、一挙に1990年代初頭の頃にタイムスリップした。 2曲目の「ザルで水くむ恋心」でも森高さんはドラムキットから下りる事無くパフォーマンス。 1曲目が音響環境からか、やや聞こえにくかった森高さんの歌声もこの曲では、はっきりと聞こえ 私は1曲目以上に胸がいっぱいになった。それは油断すると涙さえ溢れそうになってしまう程だった。 「ザルで水くむ恋心」を終えると、森高さんはドラムキットを離れステージセンターに立った。 「皆さん、こんばんは、森高千里です。お久しぶりです」 会場は拍手に包まれた。 このMCではここ最近、名古屋で森高さんをキャンペーンキャラクターとした CBCテレビや番組「ゴゴスマ」について話された。 「思いっきり、最後まで楽しんで帰ってください」 そう言ってMCを終えて始まった次の曲はお馴染み「NEW SEASON」。 記念すべきデビュー曲である。 ほぼオリジナルどおりに披露され再び、気持ちは 20数年前にタイムスリップした。歓声もひときわ大きくなった。 4曲目も懐かしき定番曲。メドレーのように途切れなく雪崩れ込んだ。 マイクスタンドを持ち出し、有名な振りを交えて「ミーハー」を披露する森高さん。 『お嬢様じゃないわ、私、ただの、ミーハー』 観客も、このサビのフリを真似をする。昔、当たり前に見られた光景だ。 そして、森高さんの事務所の後輩であるモーニング娘。や、Berryz工房、℃-ute、スマイレージのライヴで 繰り返される”振りコピ”の源流が、森高さんのコンサートにあった事を改めて実感させられたのだった。 大興奮の後は、それを冷ますように今夜2回目のMCである。 ここでは先程、披露した「NEW SEASON」「ミーハー」の想い出を語るが 自分の一列前の客が「NEW SEASON」のシングルレコードを掲げて見せ、森高さんは すぐさま、反応しトークに反映させた。 また「(今日のコンサート)何処から、みえてますか?」との問いには 方々から一斉に「東京」「札幌」....と叫ばれる中、 「香港」「ニューヨーク」とか目立ちたいが為、云うファンも居て一瞬にしてカオスな状況へ。 その次にはバックバンドのメンバー紹介が行われた。 現在、奈良に住むというベース:横山雅史さん(58歳)、キーボード:前嶋康明さん(49歳) という懐かしきメンバーに加え、ドラムスに安田信二さん(51歳)、バンマス兼ギター:高橋諭一さん(50歳) −の森高さんの楽曲を数々、創作されてきた方々が紹介され、バンド名は「LOST IN SPACE」と 発表された。 4人の方々の衣装も、なるほど確かに映画「LOST IN SPACE」つまり「宇宙家族ロビンソン」に 登場してきそうなものであった。 また、森高さんがバンドメンバーの年齢をいちいち紹介するという趣向も 笑えるものだった。平均年齢52歳。女性アーティストのバックバンドでは間違いなく高齢な部類に 属するものであるだろう (苦笑) その安田さんが作曲された「道」が5曲目に披露された。 ゆったりとしたミディアムテンポのメロディラインに身を委ね、手拍子で答える我々観客。 懐かしさが身体を貫いていった。 しっとりとした楽曲の後は、聞き慣れた軽快なメロディが耳を捉えた。 森高さんの代表曲の一つ、「私がオバさんになっても」である。 齢40を超え、世間的にオバさんと呼ばれるようになった森高さんがこれを唄うのも感慨深いが (この曲がさかんに歌われていた時代、後になっても唄われるなんて事を考えもしなかったからだ。) 年齢を全く感じさせない美しさに脱帽である。一体、何処がオバさんなんだ? それを我々ファンが証明するように、大きな声で一緒になって唄う。正にカラオケ状態である。 |
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SET LIST | |
1 | ロックンロール県庁所在地 (on drums 森高千里) |
2 | ザルで水くむ恋心 (on drums 森高千里) |
MC 1 | |
3 | NEW SEASON |
4 | ミーハー |
MC 2 バンド「LOST IN SPACE」メンバー紹介 | |
5 | 道 |
6 | 私がオバさんになっても |
MC 3 観客の年齢確認 | |
7 | ザ・ストレス |
8 | SWEET CANDY |
9 | 二人は恋人 |
VTR 『渡良瀬橋の事』(新規ナレーション追加・短縮版)上映 | |
10 | 渡良瀬橋 |
11 | 一度遊びに来てよ |
MC 4 「渡良瀬橋」の思い出 、コンサートGOODS紹介 くまモン&くまモン隊 登場 | |
12 | くまモンのイメージソング「くまモンもん」BD:くまモン&くまモン隊 |
MC 5 「気分爽快」振付指導 | |
13 | 気分爽快 |
14 | 17才 |
15 | この街 (金のしゃちほこ/味噌煮込みver) |
MC 6 「あなたは人気者」振付指導 | |
16 | あなたは人気者 |
17 | GET SMILE |
18 | テリヤキバーガー |
・・・Encore 1・・・ | |
19 | 雨 |
MC 7 | |
20 | コンサートの夜 |
・・・Encore 2・・・ | |
MC 8 ファンと記念写真撮影/くまモンも交えて記念撮影 | |
21 | 見て |