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きっか(吉川友)にとって8ヶ月ぶりのツアーは、ニューシングル発売もない、アルバムの発売もない。というかってないものとなった。 それだけにセットリストは、ベスト・オブ・ベスト。ベスト・オブ・吉川友。 基本的には、きっからしい勢いのある曲満載のライヴとなった。 1月9日。 まだ新年の気分が抜け切らないこの日。 ツアーは ここ名古屋からスタートした。 本日の会場は、一昨年、伏見から新栄に移転したHeartLand Studio。 8ヶ月前のバースデーツアーで訪れたSPADE BOXの隣の..というか真横にある。 入り口が隣り合っているのである。 しかし、会場の規模、キャパとしてはSPADE BOXと比べてもかなり小さい。 その代わり、前回、フロアに引き詰められていた椅子はない。 要するにオールスタンディングである。 だが、年末から風邪で体調を崩し、本日もマスクをしてライヴに臨んでいる自分にとっては非常に間が悪い展開であった。 (ライヴ的には盛り上がったので良かったのだが...。) ライヴ開演。 定時をやや過ぎた頃、きっかのライヴでは定番中の定番「Ignition」が会場に鳴り響いた。 きっかコールの中、勢い良くステージに飛び出してくるきっか。 毎週月曜日、夜10時。Showroomの番組「吉川友のShowroomで配信してみっか」において、絶妙な距離感できっかと接している(笑)ので、物凄い久しぶりという気持ちは無かったが、やはりナマのきっかは違う(苦笑)。 セットリストは「Time to zone」から始まって ほぼミディアムテンポ、スローな曲なしの勢い溢れた曲で固められており、より生々しいライヴ感を感じるものとなった。 ただ、その中で唯一、ゆったりとした雰囲気で披露されたのが松田聖子のカバー曲「赤いスイートピー」であった。(ちょうど今夜、着用していた赤の衣装を意識したものだったのだろうか?) ちなみに昼公演では森高千里の「渡良瀬橋」をカバー。 こちらも評判が良いと聞いていた為、長年の森高ファンとしては、きっかが歌うバージョンも聞いてみたいと思ったのだった。 また、最終の原宿アストロホール公演の昼公演でも「渡良瀬橋」を披露したきっか。 其処では、森高さんよろしく”リコーダー”を吹いたという。 これも貴重な瞬間だったに違いない。 ツアー最終日(1月28日 処:原宿アストロホール)レポート アイドル界の横綱 吉川友 2017年はドラムに挑戦! http://entameclip.com/topics/52787 だが、きっかが歌う「赤いスイートピー」も絶品であった。 正統派アイドルソングを情感を込めて歌い上げ、きっかの歌唱力が遺憾なく発揮されたのだった。 その後は、きっかのアップテンポの曲がメドレーのようにフルヴァージョンで披露された。 「Candy Pop」「恋愛遠慕」「あまいメロディー」....。 「恋愛遠慕」はバンド・ヴァージョンというおまけ付き。冒頭からきっかの「ジャンプするよ」という命令が飛んだ。 すると場内では「Hi Hi」という掛け声と共に上下に乱舞する光景が拡がっていった。 勢い良くきっかの煽りが入る。それはライヴ後半戦への合図となった。 「チャーミング勝負世代」「アカネディスコ」「URAHARAテンプテーション」「ハコの中のブルー」 「ずっとずっとずっと君がスキだ」。 曲中のコール&レスポンスがお決まりの「アカネディスコ」、『跪くのよ』の歌詞で一斉に客がしゃがみ込む「URAHARAテンプテーション」、『L・O・V・E LOVERY きっか』の掛け声が とっても気持ち良い「ずっとずっとずっと君がスキだ」。 きっかの楽曲でも 特にアップテンポでノリの良い曲が続いた。 その為、客席は熱気で、自然と汗が溢れてくるぐらいとなったが、ステージ上のきっかはそれ以上に顔から汗が吹き出していた。 「以上、吉川友でした」 その言葉と共に、ステージを捌けていくきっか。 客席では 一呼吸を置くとすぐにアンコールを求めるきっかコールが木霊した。 その声が最高潮に達した時、きっかはステージに復帰した。 アンコール1曲目は デビュー曲「きっかけはYOU!」である。 この曲を聞くと、いつも初めてナマのきっかを見たプレデビュー・イベントの光景を思い出す。 あれから もう6年の月日が経とうとしているのだ。 「きっかけはYOU!」を歌い終えたきっかは 呼吸を整えながら徐ろに話し始めた。 そして−このMCタイムが 本日のライヴである意味、ハイライトとなった。 このMCにタイトルを付けるなら こうなるだろうか。 『きっか 涙で心情を吐露する』 そんなタイトルを付けたくなるような内容であった。 8ヶ月ぶりの名古屋公演であった事を振り返りながら「体力が無くなって正直、辛かった。」と思いもかけないきっかの発言に「ええっ そうだったの?」と驚いてしまった。 「体力がない」という話は、なぜか昨今のアイドル事情へと繋がった。 「今の御時世、アイドルさんが年齢がそろそろでって辞める子がいたりとか、スキャンダルで辞めちゃう子が居たりとか...」 「去年、今年もなんですが アイドルが卒業するというニュースを結構、目にすることが多くなりました。」 いきなり、ドキッとさせる話に戸惑いながら、静かにきっかの話に耳を傾ける我々。 「私も24歳か、、これからどうしようかな?と悩む事も多いのですが、みなさんがライヴに、一人でも会場に来てくれるまで私はアイドルを卒業しないぞ」 と力強く『アイドル続行宣言』をしたきっか。だったのだけれど....... 続く言葉は、涙声となり観客を唖然とさせた。(えっ 此処で泣くの?) 「なんででしょうね。歳を取ると涙もろくなって....。」と笑わせるものの、もう感情を抑えきれなくなったきっかの瞳からは涙が溢れ出した。 「昨年から 悩む事が凄い多いんですけど...ソロは結構、辛いんですよ。一人でも私の事を応援してくれる方が居る限り、アイドルをやっていきたいなと思います。頑張ります。」 と声を震わせながら、語りかけるように話したかと思ったら、その照れ隠しに爆笑するきっか。 なんとか気持ちを落ち着け、平常心に辿り着こうと努力するものの再び、泣きながら 「歳を取ると涙もろくなって、結構、体力も無くなってアイドルとしてどうかな。とも思うんですが、これからも応援よろしくお願いします。」 と言うと、会場は大歓声に包まれた。 ライヴも遂にエンディングを迎えようとしていた。残りは2曲であった。 きっかからコールされたのは「水色」。 場内にはタオルが舞い(「水色」は タオルを振り回す”タオルソング”である)大変、盛り上がりながらもきっかの目の下に涙がキラキラ光るのを見て取れた。爽やかな涙だ。 最後の「きっと キミが好き」で大合唱。いつもどおりのきっかのライヴである。 名古屋公演最後の曲は「Stairways」。 階段を上っていくような希望に満ちた曲をラストに持ってきたのは今回のライヴでは特に意味が有ることのように思えた。 「涙もろくて 体力のない 吉川友ですが、またライヴしに帰ってきたら、遊びに来てください」 そう友フレ(きっかファン)に伝えたきっかは足取り軽く、ステージを下りていった。 このライヴから もう1ヶ月以上過ぎてしまったが、その間にもアイドル業界では本当に色んな事があった。 例によって、文春が乃木坂46の男絡みのスキャンダルをすっぱ抜いたり、期待されていたAKB48の若手が思いもよらず卒業(引退)を発表したりと有ったが、先日(2月8日)私立恵比寿中学の松野莉奈さんが致死性不整脈(おそらく心室細動ではないだろうか)で急逝するというショックな出来事は未だに尾を引いている。 松野さんのファンにとっては この最悪の結末に涙も出ない程、唖然としているのではないだろうか。(私には岡田有希子さんの自殺の衝撃を思い出さずにはいられなかった。) きっかも最後のMCで涙ながらに、アイドルとしてやっていくことの悩みを吐露していたが、その言葉に今、あらためて重みを感じているのである。 ちなみにMCで口を滑らせてしまったが、待望のニューシングルが4月?5月?に発売されると発表があった。 おそらくその時期にリリースイベント、そしてツアーがあるのではないだろうか。期待したい。 |
SET LIST | |
0 | 〜 Ignition 〜 |
1 | Time to zone |
MC | |
2 | 「すき」の数え方 |
3 | こんな私でよかったら |
4 | 歯をくいしばれっっ! |
MC | |
5 | 赤いスイートピー (松田聖子) |
6 | Candy Pop |
7 | 恋愛遠慕 (バンドアレンジ Ver) |
8 | あまいメロディー |
MC 煽り | |
9 | チャーミング勝負世代 |
10 | アカネディスコ |
11 | URAHARAテンプテーション |
12 | ハコの中のブルー |
13 | ずっとずっとずっと君がスキだ |
・・・Encore・・・ | |
14 | きっかけはYOU! |
MC | |
15 | 水色 |
16 | Stairways |
↑画像は昼公演の様子。 |