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吉川友さん、ソロ・デビュー10周年である今年。 5月から 記念イベントが開催されてきたが(6月にはイベントがなかったものの)7月には7日に単独ライヴ、24日に「吉川友 どんなときも笑顔になれるイベント」というトーク(対談)&ライヴの2本が行われ8月はこの「10th Anniversary LIVE 2021の夏きっか」、そして8日の盟友である ぱいぱいでか美さん主催のイベント「でか美祭2021〜8月8日はぱいぱいの日」に出演と順調にパフォーマンス披露の機会を得ている。 コロナ禍の中で迎えた2年目の夏。 感染力の強いデルタ株が猛威をふるっていることもあり、毎日のように芸能人が感染が報告され(同じ事務所のアップアップガールズ(仮)のメンバーも先日、感染が報告されていた)、それによって舞台やライヴが中止、延期、あるいは代役を立ててとなっている今、普段どおり ライヴが行えているのは奇跡に近いのかもしれない。 そんな感染の脅威を感じながら、今回の「10th Anniversary LIVE 2021の夏きっか」は感染防止対策を施した上で、表参道GROUNDにて有観客で行われた。 そして、同時にツイキャスでの配信も予定されているという地方在住者には有り難いものとなっていた。 今回のライヴも@13:00とA17:30開演の2回公演である。 例によって自分はA17:30開演の配信を予約し、10分前にはパソコンで開演するその瞬間(とき)を待ったのだった。 時計が17:30を示すとライヴを知らせる告知画面(静止画像)が消え、画面には暗闇に包まれた表参道GROUNDのステージを映し出した。 ステージにバンドメンバーが現れると、会場では拍手が上がる。 1曲目のイントロが流れ始め、本日の主役、吉川友が姿を現し、マイクスタンドの前に立った。 徐に静かに歌い始めた曲は「あまいメロディ」である。 バンドの演奏が きっかの歌をサポートし始めると、スポットライトがきっかの半身を照らし出した。 今夜の衣装は、事前予告されていた通りのシックな色使いの浴衣である。本日の公演のスペシャル・トピックの一つでもあった。 2曲目は「TABOO」。 ステージ中央に用意された椅子にもたれつつ、横乗りのリズムを取りながらしっとりと歌い上げていく。 時折、きっかの表情をカメラが捉える。 浴衣に合わせた髪型も とても似合っていて今宵は特に美しい。 なお、この2曲目は13:00開演の公演では「いいじゃん」だったそうである。 休みなく続いた3曲目「恋」は2019年5月1日(吉川さんの誕生日)発表の配信シングル。 もう、この曲も2年前の曲なのかと時の流れに唖然とするばかりだが 会場に響き渡る きっかの伸びやかな歌声が心に染み渡っていく。 3曲を披露し終えて、初のMCタイムとなった。 「こんな状況下の中で、ご来場頂いてありがとうございます」と感謝を述べる。 そして直近の曲が「恋」だった為か、いきなり「恋してますか?」と観客に尋ねるきっか。 唐突な質問だったため、会場は一様にポカーンである。が 「(観客の)女の子が、すごい(メンバーの)コーハンさんのことを見てんのよ。穴が空くぐらい。恋しているんだなあと思って」 と補足説明があってようやく合点がいくのだった。 今回のライヴ・タイトルが『夏きっか』ということで浴衣で歌わせて頂いているのですが。と言って 浴衣姿を回りながら(あるいは腰を振りながら)紹介すると ツイキャスのカメラはその艶姿を余すとこなく捉えていく。 またヘア・スタイリングも ユーチューブを見て覚えて自分でやったと自慢するのだった。 そして恒例のバンドメンバー紹介である。 キーボードのじゅんじゅん、ドラムのたっくん、ベースのコルティ、ギターのコーハンというラインナップであった。 きっかバンドとしてはドラムの方は新顔ではないだろうか? 「(東京)オリンピック見てます?」と観客に尋ね、挙手を求めるきっか。 多くの観客が手を上げたのであろう。 「やっぱ、みんな日本人だよね」と一言。 そして同様の質問をバンドメンバーにする。 うなずくメンバーたちにきっかは「そっちの人間?」と発言した。 吉川さんは 最近、ずっとテレビ(地上波)は見ておらずTVではネットフリックスなどを流しながらいるので、テレビを付けても結果報告だけを見るという感じで、生中継を見て感動するっていうことが未だに判らなくて、全く興味がない。と語るのだった。だからこその「そっちの人間?」と言ったのだろう。 月曜夜のShowroomの定期配信を見ても、オリンピックについて興味が薄いことは判っていたので、この発言は想定内。驚きはなかった。 だが「(オリンピックの種目で)卓球をやってみたい。女子卓球なら金メダルを取れる自信がある」と断言した時は 流石に驚いた。 その理由も「卓球って瞬発力じゃないですか。最近、自分、瞬発力すごいなと思って。夏って 走っていると、いろんな虫が飛んでくるじゃないですか。れを全部かわしているんですよ。虫が手に止まった時、こうやって(手を素早く動かしてみせる)するじゃないですか。この動き、卓球のこれ(スウイング)に似てる。」 「私、多分、卓球やらせたら、金メダル取れると思う。福原愛ちゃんに続く、金メダル女子になれると思いますよ」と発言して観客を唖然とさせるのだった。 また きっかは「絶賛 夏バテ気味で、楽屋でもずっと眠い眠いと言い続けてきて 今日のライヴを乗りきるにはマカとかヘビとか飲むしかないなと話になったけれど、でも飲まずにやれているので、浴衣を着ているから余計に疲れているのもかもしれない。だから、今日はグッスリ眠れるのが楽しみ。」と奔放な発言を繰り出した。 でも、マカって男性用の精力剤じゃないですか?吉川さん(笑)。 このように きっか曰く「どうでもない話」(苦笑)を5分に渡って行い、MC明けの4曲目は「ありのままのI LOVE YOU!」が選ばれた。 コーハンさんのギター・カッティングと、じゅんじゅんさんのキーボードのバッキングがムーディーな曲の雰囲気をよりいっそう盛り上げる。 今の、29歳の吉川さんにとってノリの良いミディアムテンポの楽曲は年齢的にも映える。 5曲目は「Sweetie」であった。 13:00開演の公演では「ダーリンとマドンナ」が披露されたようだが、個人的にはこっちが好みである。 ハネるようなリズムに乗せて歌い上げる。 バンドアレンジで生まれ変わった「Sweetie」。 また新たな魅力に気付かされたのだった。 バンドアレンジと云えば、次の名曲「こんな私でよかったら」も今回、大きく曲の印象を変えた楽曲である。 もちろん、きっかが歌う主旋律の歌メロは変わりないものの、バンドが奏でるバッキングはオリジナルとは随分、異なったものになっていた。 特にエンディングのキーボードは非常に特徴的であったと思う。 今夜のライヴで白眉な瞬間は?と聞かれたら、一つはまず このバンドアレンジ「こんな私でよかったら」の披露であったろう。 絶え間なく3曲披露の後は小休止。 今宵、2回目のMCタイムである。 ここでのMCもきっからしく、文字通り会場全体を引かせるほどブッ飛んでいた。 それは最近、友人の仙石みなみさんと共に車の免許取得に励んでいるという話であったのだが....。 「最近、私、免許取るんですよ。で、勉強して、仮免の学科が受かった。凄くないですか?しかも一発で」 これに対して会場が拍手で湧く。すると すかさず 「仮免の学科、落ちたことある人います?」と観客に問うと、ちょうど目の前に該当する人がいたのか「私、絶対、下にみるわ」「簡単だったじゃん」と言い放って笑わせた。 どうやら、吉川さんは免許を一発で取る予定らしいのだが、Showroomでは車校(自動車学校)に通っているような発言もあって「一発免許」?と訊いて謎であった。 しかし こういうやり方もあるそうで、ようやく納得したのだった。 きっと周りに実技を教えてくれる人がいるのだろう。 だた、「一発免許」そのハードルはかなり高いと思いますけど。 「一発で受けるんですよ。と言うと周りからは絶対、無理だよ。と言われているんですけども、一発で受かる自信はあります。迅速だから...卓球、金メダル取れるぐらいの速さがありますから」 −と先程の金メダル話に引っ掛けて、謎な自信を見せるきっかであった。 それから吉川さんが免許を取ってやりたいこと。と宣言して、その内容が特にブッ飛んでいたのである。 「これダメなの知っているよ。私は運転が慣れてきたら、胡座をかいて運転してみたい。ダメなのは知っているよ」 「オンナなのに、胡座かいているよ。と思わせたい。」 言うまでもないが、緊急時に対処が全く出来ないこのような運転はダメですね。大きな事故につながる可能性大だから。 そして もうひとつ免許を取ってやりたい事とは− 「車でバックする時(手を助手席に載せて)こうしたい。これカッコよくないですか」と言って「これをやる人います?」と観客に問いかけるも、誰も手を挙げる人はおらず。 「みんなやんないの?誰もが通る道だと思ってたのは私だけ。めっちゃ、恥ずかしいじゃん。」 それから、最後にもうひとつ。これは男子に共感してもらえると思うと言ったのは 「急ブレーキかけて、交差点で止まる時、助手席に乗っているオンナの胸のあたりに手を伸ばして、胸を触りながら止めるヤツ。これ、やりたい人?」と観客に挙手を促すが やはり、誰も手を挙げない。 バンドメンバーもどう反応していいのか判らずに苦笑いだ。 「全然、みんなと価値観が違うだけど」と言いながらも 「免許取ったら、メンバー(同じ事務所のアップアップガールズ(仮)のメンバーか?)を助手席に乗せて、危なくないのに危ない〜と言ってメンバーの胸のあたりに手を持っていって、胸触るというヤツをやりたい。理想じゃないですか。男のロマンですよ!」 −と力説するものの、会場が湧くようなこともなく空気は凍ったままであった。それをきっかも察してか 「こういう空気になるとは思わなかった。みんな、賛成の意見が多いかなと思ったんだけど、あたし、免許取るの止めるわ。私、何の為に免許取ろうとしていたんだろう?」 −と言うとようやく会場が笑いに包まれた。でも、吉川さんの意志は固いらしく 「いつか車にカメラを付けて、トークしながら旅する動画を(ネット)あげる時に、絶対それをやるんで楽しみにしてください。メッチャ、楽しみだな」 「でも、それが目的で免許を取るんじゃないよ。視野を広げるためにだよ。道幅のね。」 MCをまとめたギャグも滑り気味で、お寒い空気な中、ライブ後半戦が始まった。 7曲目は「URAHARAテンプテーション」である。 この曲も、バンドアレンジが大きく施された楽曲となった。 ベースラインと、歪んだコーハンさんのギターがよりいっそう、アレンジを際立たせているという感じである。 この曲のお馴染みの歌詞である「跪くのよ(ひざまずくのよ)」で、観客が一斉にしゃがみ込むというのがライヴ恒例であったのが このコロナ禍の着席が義務付けられた今では それも叶わなくなっている。 いつになったら”ひざまずく”ことが当たり前に出来るのだろうか? 8曲目「チャーミング勝負世代」は、オリジナルに近い、近年のバンドバージョンに倣ったものであった。それだけに安心して聞いていられる。 9曲目は「アカネディスコ」。 この曲では、時折、入るコーハンさんの合いの手的なコーラスが重要なスパイスになっていた。 これもまた バンドアレンジの妙と言えよう。 ただ、中盤の「 Fallin' Fallin' FALL 」で繰り返される観客との長めのコール・アンド・レスポンスが これまたコロナ禍になって行われていないのは、やはり切ない。 ライヴは途切れなく続いた。 気づけば、もう10曲目である。 「NEO SUGAR SUGAR YOU」もリリース(2018年5月23日)から3年。 今では当たり前となっているが、初配信曲であったのも記憶に新しい。 今回、吉川さんの衣装が浴衣ということもあるのだろうか。 「NEO SUGAR SUGAR YOU」が夏のお祭りソングのようにも聞こえる。これまたアレンジの妙かもしれない。 11曲目は 新曲「どんな時も笑顔で」。 中島卓偉さんの作詞作曲のこの曲。デビュー10周年の記念曲であり、それを意識した歌詞が特徴的であるがメロディアスでとても耳馴染みやすい。 言うなれば”普通に良い曲”である。 ステージでは既に何度か披露していることもあり、既にお馴染みな曲となっているが今後も 定番曲となっていくのではないかと思われるのだった。 きっか言う処の”神セブンの曲”を披露し終わって、久しぶりのMCタイムとなった。 「早いもので、次の曲がラストなんですが.....」 えっ? ライヴが始まって1時間余り、早すぎるのでは?と思ったのもつかの間。 「最後の曲になります、むちゃくちゃ長いので、飽きてしまったら 途中退場しても構いませんので、退室可となっていますので...ハイ、ぜひ 聞いて頂けたらなと思います」 「なかなか歌わない曲になってます。めちゃくちゃ長い楽曲です、X JAPANか吉川友かどっちかというぐらい」 実は13:00の回で、この曲を披露していた事はツイッターの情報で既に知っていた。 しかし、それはライヴ途中で披露される短縮バージョンだとばかり思っていたのだが違っていたのである。 「それでは聞いてください。花」 私はまだこの時点では、アイドルソング史上 最長記録 17分25秒のこの曲がフルで披露されるとは想像もしていなかったのでネット上の歌詞が記載されているサイトを開き、どこがカットされるのか確認しようと思っていた。 シンセサイザーの音色が場内に響き渡り、その音色を確かめるようにきっかは 静かに最初のワンフレーズを歌い始めた。 この長い「花」の第1楽章『ヒナゲシのように』の始まりである。 勢い良く始まったバンド演奏を引っ張るきっかの歌声は力強い。 この第1楽章は、普段の吉川友楽曲のテイストに近い。 しかし、第2楽章『アネモノの恋』でそれは一転する。 まずセリフからスタートするというスロー・ロッカバラードに意表を突かれるだろう。 きっかは歌詞の一つ一つの言葉を 観客に語りかけるように歌い上げていく。 それはまるで 物語を綴る語り部のようでもあった。 だが、その思いが強すぎたのか、この楽章の後半は出だしを間違えた事もあり、歌詞を大幅に間違えて、何度も同じ処を歌うミスをしてしまう。 最初のアクシデントで歌詞が飛んでしまったのだろう。 なんとか軌道修正を試みようとしているのを肌で感じた。 これだけ膨大な量の歌詞を覚えるのは並大抵のことではない。 この程度のミスはご愛嬌である。 (なお、13:00の回ではノーミスだったとのこと。) そして演奏は、最後の第3楽章『コスモスへの祈り』へと突入した。 始まりは再びセリフである。 これを見事に間違えることもなく、先程のアクシデントを見事に乗り越えた。ソロ歌手活動10年選手の経歴は伊達じゃない。 スローバラードから、メロディアスな4つ打ちのポップソングへ。 ラストに向かって一気に駆け上がっていく。 「Do you believe in eternity?」というサビの歌詞が 脳内で強烈にリフレインすると、いよいよ曲も大団円。 アイドルソング史上 最長の「花」はこうして終了した。 まさかまさかのフルバージョンでの披露は、体感時間では20分以上と感じられたが、実際は18分弱。 ライヴではやはり、音源に比べ多少は長くなるようだった。 だが、一本の長編映画を見たような満足感を得られたことに変わりはなかった。 「こういう状況の中、来て頂きましてありがとうございます。10周年なんで またいろんなイベントをやっていくと思うので また会いに来て頂けたらと思います。」 再び、バンドメンバーを紹介してステージから送り出したきっかは 「お身体には気をつけて、熱中症には気をつけて 日々を過ごしてください。今日はありがとうございました。」 −と再度、感謝を述べるとステージを捌けていったのだった。 配信で見るライヴは、昨年から数えると5回目となった今回。 きっかを最後に生で見たのは もう3年前−2018年6月9日の事であるのだが、Showroomで 最低でも1週間に1度は”会っている”為、そんな時間的距離感は感じない。 だが それでもやはり本人を目の前にする事と ネットを介してとのではまるで違う。 とはいえ、コロナ禍である今、本人を生で見るのは まだまだ時間が掛かる。というのは否めないだろう。 そういう意味では、配信ライヴは身に沁みて有り難いことである。 今回はバンドアレンジが益々、洗練され、歌メロのオリジナルとバックの演奏とのコンフュージョンが高次元で実現したと強く感じた。 もはや吉川友のライヴにバンドは欠かせない。そう思わざる負えないところまで来たと言っていい。 またこの10周年の記念には、決して避けて通れない難曲「花」をフルバージョンで披露した勇気も讃えたいと思う。 さて 次の単独ライヴはいつになりますか? 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SET LIST | |
1 | あまいメロディ |
2 | TABOO ※ |
3 | 恋 |
MC(バンドメンバー紹介) | |
4 | ありのままのI LOVE YOU |
5 | Sweetie ※ |
6 | こんな私でよかったら |
MC | |
7 | URAHARAテンプテーション |
8 | チャーミング勝負世代 |
9 | アカネディスコ |
10 | NEO SUGAR SUGAR YOU |
11 | どんなときも笑顔で(新曲) |
MC | |
12 | 花(フルコーラス) |
MC |
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