茅原実里
Minori Chihara Live Tour 2010
〜 Sing All Love 〜







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 今年に入ってからも、アニメ関連の音楽が喧しい。
 まず、昨年同様、大ヒットしたアニメ「けいおん」の第二期スタート に伴いリリースされたOP「GO! GO! MANIAC」、ED「Listen!!」の オリコン・シングルデイリーチャート、オリコン週間シングルチャートの 1・2フィニッシュは日本のポップソング史上歴史的事件であった。
 昨年末のNHK紅白歌合戦に出場を果たした水樹奈々さんも、快進撃は続き、 遂にオリコン・週間シングルチャート首位を獲得。これは声優として初の快挙である。
 この背景には昨年のレポでも書いたように、既存音楽の訴求力の低下、配信・DL全盛 の中でのパッケージメディアに強いアニメ・声優関連製品の優位性、また ファン層の拡大もこのヒットの要因があると思う。そして、この傾向は今後もきっと続くに違いない。



 このブームを牽引する一人である、声優/歌手の茅原実里さんのライヴに今年も参加してきた。

 茅原さんのライヴは私自身、これで三回目となる。
会場の愛知県芸術劇場は昨年のParade Tour公演と同じ場所。芸術劇場というだけに普段はオペラやクラシックの演目が上演される機会も多いハコだが、 近年、JAM Projectスフィアなどアニソン関係のライヴも多い。
 昨年は、この荘厳な会場を青や白のサイリュウムが客席を彩り、余りの美しさにライヴ後半、茅原さんは感極まり涙でほとんど唄えなくなってしまうとい う思わぬハプニングを生んだ。それに対し、我々観客は大合唱で歌を補完し、 得も言われぬ感動的なシーンとなった(ネット上では未だに、その時の事が語られる程である)。
 会場は5階席まであり、天井が非常に高く、左右にはバルコニー席を配置し ているのだが昨年の公演で3階席まで客を入れたのに対し、今回は5階席ま で人で埋まっていた。この動員を鑑みれば、この1年で茅原さんの人気が沸騰しているのは明らかな事であった。




 時計は6時10分を指し示しそうとしていた。

 客電が落ち、客席が騒然とした雰囲気に包まれた。
 暗闇に包まれたステージにバンドメンバーが現れると、客席からは大きな声が 挙がり、やがてそれは「みのりん」と茅原さんの愛称を呼ぶ声へと変わっていった。
 間もなく、場内のスピーカーからは1曲目を知らせるリズミカルなキーボードの フレーズが流れ始め、それを合図として客席から「Hi!Hi!」というコールが 沸き上がった。
 歌入りと共にステージ中央に現れた茅原さん。スポットライトを浴びたその真紅のドレス姿は眩しかった。
 曲は「Final Moratorium」。ニューアルバム「Sing All Love」のリードトラックとなった曲でもある。PVでは緑のイメージが強い曲だっただけにステージへと放射されるレーザー光線も緑。客席においても緑のサイリュウムを光らせている者が多い。
 勢い良く「名古屋行くよー」という茅原さんの掛け声で始まったライヴは休む ことなく2曲目へと繋がった。
 昨年のParade Tourでは間違いなく、ハイライトとなった「Paradise Lost -at next nest-」が早くも披露された。この曲は昨年8月、出演したNHKの「MUSIC JAPAN 新世紀アニソンSP」でも披露され、彼女の事を余り知らない視聴者に 彼女がどういうアーティストであるか知らしめた曲でもある。極端な事を言えば、 声優であることを知らずにこの曲がきっかけでファンになったという方もいるだろう。
このような要因が積み重なって今回のライヴの動員増を支えたのもしれない。
 定番となった歌詞の一節である「分かり合う」に対しての「求め合う」「離さない」に対しての「離れない」「輝いて」に対する「眩しくて」コール&レスポンスでひとしきり盛り上がった後もライヴの勢いは次の曲「Flame」でも全く衰える事はなかった。
 3曲連続、飛ばしに飛ばした茅原さんとバンドメンバーもここで一端、小休止。
「Flame」の中間部のソロの間に重ね着していた上着を脱ぎ、純白の姿を現した 茅原さんが観客に熱く語りかけた。
 「名古屋のみんな、逢いたかったよ」
元気良く第一声を上げた茅原さんは、慎ましやかに感謝の言葉を述べ、 「最後の最後の最後までよろしく〜」と客席を煽ってMCを短くまとめた。
 4曲目は「Falling heaven's now」。もちろん「Sing All Love」からの選曲である。
個人的に「Sing All Love」の中では特に気に入っていた曲だけにこれがステージで どのように再現されるのか注意深く見て(聞いて)いたのだが、CDそのまんま。おかしなアレンジ等が施されなかった点ではGood Job(笑)と言って良かった。
 引き続き披露された「Love Medicine*」は観客にとっては曲者の曲でもあった。 それは何故かと言えば − 練習も何もなく、ぶっつけ本番で客席を巻き込んでの振りがあったから(笑)に他ならない。
 問題の振りは曲のサビの部分(「Love is a medicine 笑顔に効く思いやりを渡そう〜」)で登場したが、ステージ上の茅原さんの動きを見ながら我々観客は瞬時に反芻し実行。マア、それぐらいなら見様見真似でやれば良い。ただ、その振りというのが腕を左右に振り、最後には敬礼するなど、80年代のアイドルさえもやらないようなものだったから大変だったのだ。いわゆる、ひとつの”羞恥心との葛藤”というヤツだ。
しかし、周りを見れば、皆、その振りを必死にやっている。然も、茅原さんの速い動き に遅れずに付いていけてるからまた凄い。これは既に他公演で経験済みなのか、それとも 今日の観客の順応性が特に高いのか。私には驚かされる事ばかりだったのである。
 6曲目はやや、しっとりめの「tea for two」だった。茅原さんが比較的、声優的なアプロ ーチをする、つまり可愛らしい唄声を披露する曲なのだが、今の茅原さんのスタイル からはやや浮いているような気もした。特に”攻めの曲が多い”アルバム「Sing All Love」の中ではどうしても異質なものに思えてしまうのだが、どうなのだろう?
 この曲では階段状のステージセットを上り下りしながら唄っていたのが印象深かった。 (正直に言えば、階段で転けるのではないかと気が気ではなかったのだけれど 笑)






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SET LIST
1Final Moratorium
2Paradise Lost -at next nest-
3Flame
MC 1
4Falling heaven's now
5Love Medicine*
6tea for two
MC 2(バンドメンバー紹介)
7優しい忘却
8純白サンクチュアリィ
9Interlude(衣装チェンジ)
10孤独の結晶
11雨音のベール
12サクラピアス
13PRECIOUS ONE
MC 3
14Lush march!!
MC 4
15mezzo forte〜FUTURE STAR〜輪舞-revolution            
16Interlude(衣装チェンジ)
17animand〜agitato
MC 5
18君がくれたあの日
19書きかけのDestiny
20愛とナイフ
21覚醒フィラメント
22Perfect energy
・・・Encore・・・
23Tomorrow's chance
24雨上がりの花よ咲け
MC 6 - 挨拶 -
25sing for you




15曲目のメドレーと24曲目のアンコールは、日替わりで披露されました。










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