1983.12.8
このなんでもない日が 自分にとって特別な日になろうとは思いもしなかった。 その日、学期末試験を終えた私はハードロック/へビィメタル(以下HR/HM)の世界に自分を引きずり込んだ友人と共に自転車で名古屋市公会堂に急いでいた。 この日、名古屋市公会堂ではナイトレンジャーの初来日ライヴが行われようとしていたのである。 思えばナイトレンジャーのファーストアルバム「Dawn Patrol」が自分にとって初めて買ったHR/HM系のレコードであり、このライヴが初めてのライヴであった。 また当時、楽器に対する知識ゼロであった自分が今のようにギターを弾くようになったのも明らかにブラッドギルスやジェフワトソンの影響と言える。 話は横にそれてしまったが、この日のライヴは初ライヴであった事もあり夢のように過ぎていったが、その時の事は今でも鮮明に憶えている。 時は流れ14年。 1997.4.11 いよいよこの日はやって来た。2年前の3人レンジャーによる部分的復活。それに続く昨年の衝撃のオリジナルメンバーによる完全復活、来日公演と我々ファンが望んだとおりのシナリオが実現された。 その復活劇は今年になってNewアルバム発売と共に名古屋公演の発表という最高の贈り物を伴って最高の盛り上がりを見せたのである。全く夢のようだった。 ライヴ当日。私はホールに開場1時間半前に到着するが既に何十人かが並びはじめていた。 人並みを見ると、若い人もいるがほぼ20代半ばから後半といったところだろうか。みんな会社を休んだり、早めに切り上げてきているのだろう。みな自分と同世代であり、もちろんナイトレンジャーファンということで、なにかしらシンパシーさえ感じてしまう。 今回、このライヴへは14年前の友人と一緒という訳にはいかなかったが、ナイトレンジャーが縁で親しくなった友人と会社の後輩の女の子3人で行き、私の心の中では14年前の記憶とオーバーラップすることも多かった。 前置きは長くなってしまったが、肝心のライヴは新曲「NeverLand」で始まり、1st、2ndを中心とした曲構成。 その要所要所にNewアルバム曲「NeverLand」からの曲をはめ込んでいくというもので正に現時点でのベスト オブ ベストという感じだった。これならオールドファンにも新しいファンにも満足できるものだと思えた。 また 間にアコースティックセットを挟み「High Enough」(ダムヤンキーズ)やビートルズのカバーを演奏するなど昔のナイトレンジャーにはない新たな魅力が発見できたことも今回の収穫と言えるだろう。 特に「Sentimental Street」をドラムのケリーがキーボードのみで歌い上げたのには驚かされたし、昔でもレパートリーでなかったはずの曲「Let Him Run」をやってくれたことも非常にうれしかった。 しかし、ライヴの様子を冷静に分析する事よりも”あのメンバーがあの曲を演奏してくれる”事のほうが私にとって一番大切の事であり、それは「Touch of Madness」「Sing Me Away」が演奏された時、胸にジーンとこみ上げてくるものがあり 涙さえこぼれそうになったことからも明らかだった。 今まで数多くのライヴに足繁く通ってきたが、涙が出るほどの感動を味わったのは今回が初めてであった。 このライヴレポートはCBC(中部日本放送)のラジオ番組「CBCトップリクエスト」の「コンサート見聞録」に投稿した文書を一部改変したもので、番組内では一部抜粋した形で紹介されました。 |
SET LIST | |
1 | NEVERLAND |
2 | TOUCH OF MADNESS |
3 | MY ELUSIVE MIND |
4 | SING ME AWAY |
5 | FOUR IN THE MORNING |
6 | SOMEDAY I WILL |
7 | BRAD GILLIS GUITAR SOLO 〜 |
8 | RUMOUR IN THE AIR |
9 | JEFF WATSON GUITAR SOLO 〜 |
10 | EDDIE'S COMIN' OUT TONIGHT |
11 | ALAN FITZGERALD KEYBOARD SOLO 〜 |
12 | SENTIMENTAL STREET |
13 | LET HIM RUN |
14 | BEATLES COVER SONG 〜 HIGH ENOUGH (DAMN YANKEES) |
15 | GOOD BYE |
16 | FOREVER ALL OVER AGAIN |
17 | NIGHT RANGER |
18 | SLAP LIKE BEING BORN |
19 | WHEN YOU CLOSE YOUR EYES |
20 | NEW YORK TIME |
21 | DON'T TELL ME YOU LOVE ME '97 |
・・・ENCORE・・・ | |
22 | SISTER CHRISTIAN |
23 | (YOU CAN STILL) ROCK IN AMERICA '97 |
赤坂BLITZ公演ではこの他に「COMING OF AGE」( DAMN YANKEES ) なども演奏されました。 |