秘 訣 3
左手を使うな

 左手の引きを意識すると、ロッドを最大に曲げる位置を遅らせたり、オモリ負荷を充分にロッドに与えることはできず、ライナー気味若しくは左にひっかけた弾道になり易くよい結果は得られません。仮によい弾道を得たとしても、充分なロッドの曲がりは得られず距離をロスしていることになります。 

 また、左手の引きを意識して投げると体が開き気味になってしまいます(回転投法信奉者に多く見られる)。この状態で投げようとすることを「前で振る」などといいますが、前で振ることは、一番ロッドを曲げようとする瞬間を逃し、手投げになってしまいます。

 別の表現をすれば,「かける」タイミングを遅らせることになります。本来早く「かけられる」ところを左手を使いすぎてしまうことによって,一番曲げたいとするポイントの前に「いっぱい」になってしまい,大きく右へ抜けてしまいます。これを補正するために,自らそのタイミングを遅らせて,前で振る投げ方を助長してしますのです。

 つまり、積極的な左手の引きを行うことによって脇を締めた右腕・手を体から早く離してしまい、これから一番強く振りたい=押し出したい時に、充分な力をロッドにかけられなくなってしまいます。右手が早めに体から離れると、その後右手は弧状の軌跡をたどり、よほど腕力がない限りロッドに負けてしまいます。

 これに対し,右手の押し出し=右手の直線的な動きの方は効率的です。また,「かける」タイミングを遅らせて力をロスすることもありません。 

 それでは,左手はどのような動きをすればよいのでしょうか。

 右肩・腕・手を押し出すことによって反作用的に左肩を引くことになります。その左肩の動きに合わせて左手を動かしていけば良いのです。
 決して,左手で引き込んでやろうなんてしないことです。

 力まかせのキャスティングをマネても遠くには飛びません。力まかせのキャスターが左手を意識しなければもっと遠くに飛ぶはずです。

 オモリが左方向に飛ぶ傾向がある人。要注意です。キャスティング専門の人でも左方向に飛ぶと重症と言われ、右方向に抜ける投げ(早めに指から離れてしまい右方向へ飛ぶ状態)よりも修正は難しいものがあります。遠くへ飛ばしたいという意識が先行し、力んで「振りすぎ・右押し出し不足・左引きすぎ」になってしまっているからです。

 「左手には意識せず、積極的に右の肩・腕・手を押し出す!」ことが大切です。

 「遠投には左手の引きが大切」は誤った投げ方です。