しかし,体調不良もあって,ロッドに触れる回数が減り,充分なキャスティングが出来ない状態となり,インプレを出すタイミングを失してしまった。 (かなりの方から「インプレはどうした」との言葉を頂戴いたしました。実のところ,この赤ロッドはかなりの評判になり,様々なHPでインプレが紹介されていたと記憶しています。私がしゃしゃり出なくとも結果的にOKだったかなぁと,身勝手な解釈をしています。が,しかし,本当にお待ちだった方。失礼いたしました。一時期はT地さんからロッド借りて,35,33,30のフルラインナップでフルキャストを繰り返していた頃もあったのですが。) 2005年は,青のスカイキャスター。 素材をワンランク落とした,単なるトーナメントキャスターの廉価版・普及版なのか。 しかし,スカイキャスターで使われているHVFは決して悪い素材ではないはず。サンダウナー,Hspec,CompeはいずれもHVFでこれらが著しくトーナメントキャスターに劣るとも思えない。 そこで,昨年出来なかったトーナメントキャスターとの比較をしながら,青のスカイキャスターの実力のほどを確かめて見ることにした。 インプレにあたり,ストリップ仕様を基本に,ガイド・チタンLR6個を,いずれのロッドにも同一の場所にセットしている。 ガイドは全てチタンでトップから,T−MNST10,T−LCSG10,T−LCSG12,T−LCSG16,T−LCSG16M,T−LCSG20となっている。 |
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1 | 外観・スペック | ||||||||||||||||||||||||||
ご存じのとおり,トーナメントキャスターは赤,スカイキャスターは青で,これらは,RYOBIのボロンプロスカイヤーと似たようなカラーリングである。価格による赤>青の構造も同じ。しかし,DAIWAが作ったのであるから当然といえば当然のこととなるが,軽さ・細身,そして実釣をメインターゲットに据えたことは,ボロンのものとは全く異なるものである。 スペックは,DAIWAのカタログからの転記となるが,スカイキャスターのほうが先径が若干太くなっている。素材も異なり,トーナメントキャスターはSVF,スカイキャスターはHVF。カタログによれば,ともに高密度カーボン繊維により,軽く,強く,スリムでハリのあるロッドになるとされており,SVFのほうがより高密度とされる。
仕上げは素晴らしいの一言。当方はガイド+7リールシート付きなどを望む輩ではないので外観上の仕上げなどは全く気にしないが,赤より下のグレードであるスカイキャスターであっても全く手抜きをしないラッピングには恐れ入る。 当方が最も気になるところは,継ぎ部分。ハテラスの頃から比べると,今や継ぎ部分には何の不安・問題も無くなったといえる。如何に外観等の仕上げが良くても,このガタの1点だけで,価値が大幅に下がってしまうものである。(※R社の継ぎには泣かされたことを思い出す。) |
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2 | 感触 | ||||||||||||||||||||||||||
スカイキャスターは何に似ていると問われれば,トーナメントキャスターと答えるのが本筋だと思ってしまう。 「色が分からないようにマスキングして投げ比べてみたら果たして判別がつくものか」と思いこんでしまうほど,これらは似ているからである。 しかし,ちょっと注意深く扱えば違いは存外分かり易い。 外観・スペックでも触れたが,スカイキャスターの方が若干でも太い分,気持ち軽めに感じるのである。振った感触も同様。軽く感じる分,曲がり安い感覚を受ける。だたし,あくまでもこれはわずかな差。 曲がり方については,いずれもVジョイントなる方式により,ワンピース的な曲がり方を狙っているモノと思われ,(当方,開発者ではないので断定できないが)曲げ特性などもトーナメントキャスターとスカイキャスターの差はなさそうである。 反発に関して,トーナメントキャスターはその細身からは想像できない素早いかえりを有している。こう表現するとスカイキャスターはさほど鋭くはないように思われてしまうが,これは今回,35−405といずれももっとも硬いグレードで比べているため,かえり感覚がより鮮明になったということである。逆を言えば,30や27グレードでは分かりにくく感じるかも知れない。 トーナメントキャスターはすでに多くの方が手にした経験があるので,各々感じるところがあるだろうが,当方としては,RYOBIのS−DHZを細身にしてソフィスティケイテッドしたようなものと思っている。 それでは「スカイキャスター」は。 トーナメントキャスターを「優しく」したような感じである。ノーマルサンダウナーとCompeとの比較同様に,優しいは易しいに通じ,スカイキャスターは投げやすく感じるのである。何に似ているかと言えば,トーナメントサーフの振り出しにそっくりといっても良いかも知れない。トーナメントサーフの振り出しのポテンシャルもなかなかのものであったが,これが並継ぎになって,しっかり感(遠投系キャスターとしては安心感のほうが適切かも知れない。)が増し,色を変えてリリースされたモノ。これこそがスカイキャスター。このような言い方をした方が適切だと思えてしまう。 |
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3 | 飛び具合 | ||||||||||||||||||||||||||
上記の「優しさ」の裏返しになるが,トーナメントキャスターのほうがかえり感覚が早い分,より飛距離が得られる。ともに曲げることができる極限からの反発は,明らかにトーナメントキャスターの方が一枚上手であるからだ。 ロッド自体のポテンシャルは,トーナメントキャスターの方が上である。したがって,絶対的な飛距離を競うキャスティング競技での使用を考えるならば,スカイキャスターよりもトーナメントキャスターが選ばれる可能性が高い。ただし,気になるその差は,例の如くリール一巻き二捲きレベルに過ぎない。 しかしである。 キャスティングは機械が行うのではなく人間が行う。そのため,確実に,これら二つの差が常に生じるかといえるかどうか。これを考えると,実釣では,トーナメントキャスターの圧倒的優位は必ずしも無い。 なお,飛び具合についてはトーナメントキャスターに軍配をあげることになるが,ロッドは人が使うモノであるから,どうしても人によって合う・合わないがある。もちろん人によっては,スカイキャスターの方がより飛距離を得られることも充分に考えられることをご承知いただきたい。 |
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4 | 個人的な結論 | ||||||||||||||||||||||||||
トーナメントキャスターと投げ比べて驚くべきは,スカイキャスターのコストパフォーマンスの高さ。費用対効果は抜群である。例えば実釣の世界,すなわち釣り上げるキスの数では,限りなく差など生じないのでは無かろうか(我が釣りの実力を自慢するするわけではないが,差は「ゼロ」と言い切れてしまいそうである。)。 トーナメントキャスターに限りなく近くて,35−405S仕様でトーナメントキャスターの8がけなのだからお得モノ。 繰り返しで申し訳ないが,当方はガイド付きなど求めぬ輩である。したがって特に気にする必要もないが,ガイド付きを望む人たちにとっては「赤」と変わらず「青」であってもチタンローライダーが奢られており,DAIWAが,この「青」を単なる「赤」の廉価版とは考えていない意気込みを感じ取ることが出来る。廉価版ではない。普及版でもない。もちろん赤のデチューン版でも有りはしない。 価格構成からすれば,実釣トーナメンターやキャスティング競技者の入門ロッドと位置づけても良いかも知れない。しかし,それではいかにももったいない。そんな実力のロッドとは到底思えないデキを示しているからだ。 一流どころにとってのサブロッドとして,充分に実力を発揮できるロッドである。いや,最高グレードのレギュラーロッド(通常頻繁に使用に供するの意)といったら言い過ぎだろうか。 |
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5 | おまけ | ||||||||||||||||||||||||||
仲良く並べての2ショット。 「リールにも青のZUをリリースしては?」と思いたくもなるが,Compeのことを考えるとブラックのZUを用意しなければならなくなる。 当方は,色と飛距離,色と釣果の相関関係はないと考える傾向にあるのだが,釣り場での映え(コーディネイトというよりも目立ちさ加減か)と釣果は強い相関があると考える向きには重要なことになるだろうか。 トーナメントキャスターのロゴとスカイキャスターロゴを見ると,なぜかハリーポッターをイメージしてしまう。 「赤」のトーナメントキャスター,グリフィンドールカラー=勇気ある者=勇気ある者はトーナメントを選ぶが良い。 「青」のスカイキャスター,レイブンクローカラー=賢い者=賢き者はスカイキャスターを選ぶが良い。 いずれにしても選択はユーザーにゆだねられる。釣具店で帽子(ソーティングハット)をかぶれば,「こっちにしなさい」と誰かがささやいてくれることはないのだから。 さて, 次に,見えてくるのは,S社Sパワーのキャスティング仕様か,はたまたD社SDのSVF化でしょうか。 ここのところ,毎年々々,高い戦闘力を持ったロッド・リールが2大メーカーからリリースされますね。多少のブレはあるかも知れませんが,トレンドで見れば確実に進化してきているといって間違いないでしょう。 全部使うことは出来ませんが,全て欲しいなぁ,と思うのは私だけではないでしょう。 健康増進法の効用は,なんと言っても,ニュータックルを買う余裕が出来たということでしょう。 |