サンダウナー33-405S COMPETITIONのインプレッション

 2003年,新たにキャスティング競技用ロッドとしてサンダウナーCOMPETITIONがリリースされた。競技用といえども基本的には投げ専用モデルである。遠投用となれば投げ釣りフリークにとっては気になる存在となる。
 ノーマルサンダウナー,その後Hspecの追加を挟んで,今回のCOMPETITION。これによりサンダウナーは3つのタイプを持つことになる。いずれのタイプも#2が長尺で#2−3の継ぎがダイワのいうスーパーフレックスジョイントのいわゆる逆継ぎシステムとなっている。(この継ぎシステムを有した投げロッドにはサンダウナーの冠がつけられているのだろう)
 使用したロッドは33−405COMPETITION。カタログ表記ではインランドプラグ両手投種目,サーフ系第4種目用とされるロッドである。ガイドはLRをハイスピンダー6個付けと同様の位置に配置している。比較対照としてはノーマルサンダウナー33−405を使い,こちらのガイドも同様6個付けとしている。なお,シンカーは,主として第4種目で使われる15号(60グラム程度)を使用している。

スペック
  仕舞p 自重g G無しg 先径o 元径o 錘負荷
1 サンダウナーCOMPE.33-405S 164 405 3.0 22.3
2 サンダウナー33-405S 164 585 448 3.2 20.5 27〜35
3 サンダウナーHspec35-405S 164 495 358 3.2 20.7 30〜40
4 ハテラス33-405S 142 375 3.2 22.5 27〜35
5 旧キススペ405AX S穂先  143 410 3.3 22.2 30〜40
6 スピンパワーSF405AX 143 395 3.8 22.6 30〜40
7 スピンパワーSC405BX 143 380 4.2 22.4 27〜35
8 S-DHZ30-405 145 440 4.0 22.0 23〜30
今回テストに供したロッドは上の2本。
Hspecは借用して使用したことがある。本当は欲しかったのだが高価すぎた。
※交換等を繰り返し,同時にこれらを所有したことはない。
 現在所有または過去に使用したロッドとともに各ロッドのスペックを示した。
 これらロッドは,第4種目用として探し求めてきたロッド群である。
 COMPETITIONは軽いとされているが,特筆すべきレベルではない。
 軽さはHspecがグリップを除けばの条件付きで一番となるとなるが実用的でないので,ハテラスとなる。
 2〜5は前回の長期テストで触れているので省略するとして,6〜8までのインプレは
スピンパワーSF・SC:
軽さを求めこれら二つのロッドに挑戦したものの,キススペを超えるフィーリング,飛距離を得ることはなかった。キャスティング用とされるSCであってもキススペのカエリには及ばないと思う。
S-DHZ30-405:
当初33を購入し使ってみたが15号では曲がる気がせず,30号と交換してもらった経緯がある。それでも若干硬いのではないかと思った次第。スピードよりもパワーを必要とするロッドでいかにもRYOBI的。本当はブルーを使いたかったが手が出なかった。
 
外観
 飛距離には関係ない話と言われそうだが,まったく意味がないわけではない。COMPETITIONは特別な塗装をしていないブラックである。古いタイプのカーボンロッドは黒が定番となっていたがその際でもクリアー塗装は施されていた。COMPETITIONはそのクリアーも#3や継ぎ部分を除いてほとんど成されていない。だからといって素と思われる黒い部分もつや消し的な最小限の処理がされている。
 開発の段階においては塗装はされないものだが,その段階でOKとしたものが塗装をすると感触が変わることが多いとされている。通常,塗装すると若干軟らかくなる傾向にあるが,今回はテスト時のパフォーマンスをそのまま製品化するためにこのようにしたのだろう。
 塗装が加わることによって飛距離が伸びるならばそれもよかろうが,変わらない若しくは当初想定してた質と異なるならばそのような配慮は不要というもの。飛距離を第一にとして,余計な塗装をしなかったことに関しては好感が持てる。
 投げロッドは塗装しなければ売れないと聞いたことがある。ショッキングピンク,ブルーメタリック,パールホワイト,シルバー等々,釣り場で目立つ,際だつ,それと分かる色でなければならないらしい。
 このような美しい塗装が施されている現行のロッド群において,素に近いブラック仕上げはかえって人目を引くことになるかも知れないとしても,それは「渋い」や「クール」の範疇だろう。なんといっても素による一番の好感は,豪華な塗装をしないことによって価格を押さえることができたことである。(バトルA・H氏の言葉を引用すれば「旧キススペの#2だけでCOMPETITIONが買えてしまう」。)

曲がり具合
 先に結論を言ってしまえば,同じ33−405と表記されながらもノーマルサンダウナーとCOMPETITIONはまったく違う。似て非なるロッドである。全長・継ぎシステムも同じであっても,硬さ=曲がる感触,反発の仕方はまったく違う。
 スペック表をだけでは分かりにくいが,全長にわたってノーマルのほうが太い。実際ノーマルの#1をCOMPETITIONに入れようとしても,COMPETITIONの#2をノーマルに入れようとしても,ノーマルのほうが太いために挿入することができない。
 カーボンの巻き方等がどのようになっているかは分からないが,ノーマルのほうが太いにもかかわらず,明らかにCOMPETITIONのほうが硬く感じるのである。もともとノーマルであっても#2の曲がりを活かそうとしたロッドではあるが,#2の曲がりを活かしながらも全体的にタイトに締め上げることによって,曲がりにくくしたような感覚を受ける。つまり,ノーマルよりは硬いということ。しかも,カエリも素早く感じる。
 誤解があるといけないので付け加えるがノーマルは柔らかく感じるものの,ある域を明らかにしっかりと受け止めるような硬さがある。ノーマルで飛距離を得るときとは,柔らかく感じるロッドが硬いロッドへと変るようなときと言い換えることができる。
 COMPETITIONでは,曲がり当初は柔らかく途中から硬くといった具合ではなく,最初からある程度の硬さを感じる。COMPETITIONでは,ある段階からのしっかりと受け止めるような感覚が,ノーマルよりもかなり速い時点からあるということである。
 個人的推測で申し訳ないが,この硬さを感じるポイント違いは,#2の上部つなぎ目部分から20〜30センチ程度あたりの強化が効いているのではないかと考える。この強化部分は,ロッド反発時の最終タイミングにおいて,反発の支点となる位置であり,この部分のカエリはフィニッシュ時のロッドの素早いはじき返しとしても体感できる。
 また,この部分の処理はフィニッシュ後のロッドのブレにも関係し,COMPETITIONは,ノーマルのようにしなり返しでロッドがむち打つようなことも少なくなっており,フルスウィング時でのライントラブルを軽減している。
 時折,「サンダウナーは硬くない」との意見を聞くことがある。しかしそれは曲げるべきところまで曲げていれば,必ずしもそのような答えにはならない。軽さ,細身,素振り,そして力加減をした投げ方でCOMPETITIONの硬さを判断してしまうと予想外の感覚に戸惑いを感じることになるだろう。

飛び具合
 #1が,細身に割には「弾く」ように返るため,スナップショット的な瞬間的な力の入れ方で予想以上の飛距離を得ることが可能だが,同様の投げ方でそこから飛距離を伸ばしていこうとしても期待する飛距離は得られない。最大飛距離は#2をキチッと曲げなければならないからである。大きなスウィングアークでゆったりした展開よりも,反発力を瞬間的に生じさせるよう速いスウィングスピードが必要となる。また,スピード感のあるスウィングを創り出すため,通常硬めのロッドの場合には長めにとるタラシを,ノーマルと同等ないし短めの方が有効だと思われる。
 このような投げ方をすれば,#2を大きく曲げることができると同時に,硬さを実感できることになる。この押しごたえともいうべき状況を創り出せれば,このロッドの持つポテンシャルを活かした飛距離を得ることが可能となる。
 漸次的ではない曲がり方はいかにもキャスティング専用ロッドであり,硬さと相まって,面を確実にとらえれば強い反発を持ってオモリを飛ばすことが可能となる。
 この裏腹にあるものが投げやすさとなるが,この点に関してCOMPETITIONは,容易ではない。曲がり当初からある程度硬く,しかもカエリが速いので,ごまかしが利きにくいロッドといえる。ノーマルならば,例えば二度振り(ロッドの曲がりと反発は本来一度だがキャスト途中で若干ロッドが戻り,そこから再び曲げるような場合)において許容範囲をもって飛距離を確保することができるが,COMPETITIONでは飛距離が落ちるというよりも二度振りそのものを許さず,抜けた投げになってしまうことになる。
 また,同様のことから,実釣では当たり前の飛距離の調節もこのロッドでは難しい。飛距離を調整するような投げ方をすると,方向性が付きづらくなる。
 つまりCOMPETITIONは名前のとおり,フルパワーで投げることを前提に造られたロッドなのである。
 一番の関心事はその飛距離であるが,このロッドを使おうとする人達は既に高い技術レベルに達しており,新たなロッドを使うからといって5m・10mをプラスさせることはまずもってない。飛距離であれば5m以内,リール一巻き・二巻きの違いの世界となる。曖昧な数値かも知れないが,「キャストする動作の中において押しごたえ=曲げごたえを実感できるものがあってリール一巻きに現れる」ということも確かなことである。

実釣用オモリへの類推
 第4種目では,15号という実釣ではあまり使われることがない重さのシンカーを用いるが,この軽めのシンカーを振り子動作させることによって,重いシンカーを使ったときと同じような負荷をかけロッドを曲げる。
 このようなことから,第4種目用とされるCOMPETITIONも着地式のキャスティングには十分対応できるものと考えられる。事実,過去のキャスティング専用ロッドにおいても,実釣に使われることが多々見られている。
 曲がり当初からある程度の硬さを感じるとしても,重いシンカーの着地投法では,#1部分でタメを作りやすくするため,15号スウィング投法よりも扱いやすい。
 COMPETITIONは15号スウィングにおいて若干のバッファーがあると思われるので,着地投法では30号を上限として使用可能である。ただし30号の場合は,キャスト可能なもののオモリの重さに対して反発が負けている状況で,振り込みを強くしても比例的な飛距離の伸びは厳しい。だからといって,一部のロッドに見られるような,一定の範囲を超えたロッドの曲がりにおいて,#2が腰砕け的になるようなことはない。実質的には25〜27号のシンカーによって,期待する飛距離が得られると思われる。

おまけ
 今回,インプレッションとしてネガティブな側面に触れることはあまりできなかった。「もう少ししなやかさがあっても,更に軽くできたはず」等々,気になる点はあるのだが,当初から万人向けの扱いやすいロッドを目指している訳ではないのだから,ネガティブな面も使い手側で克服すべき課題と思ってしまうからだ。
 聞くところによれば,40・35−425まで含めてCOMPETITIONに対する評判はよろしいらしい。
 方向性・飛距離を含めた安定度は,実釣遠投用ロッドに比べて劣るものの,飛びの違いを感じることができ,これが遠投エンスーの心をくすぐるのだろう。
 基本的には,人が使う道具であることから,飛ぶ・飛ばないの個人差は当然ある。ぴったりハマル人もあれば,単なるニューロッドに過ぎないという人もいるはずである。
 遠投実力者達の間では,非現実的な「半色から1色は違う」ということはいわないが,「イケル」感覚を持ったキャスターはごく一部ではなさそうだ。
 もちろん,COMPETITIONの魅力と興味も手頃な価格設定があっての前提となろうが。

 次回のインプレは白いロッドといきたいところですが,当方財政危機状態のため,中止若しくは先送りが必至の状況です。
 ニューロッドテストは公共事業みたいなものなのでしょうか?!?