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イチローの2000本安打 2004年5月31日 |
2004年5月21日(現地時間),マリナーズのイチローが対D・タイガース戦で日米通算2000安打(内日本1278)を達成した。打撃の神様川上を超える日本最速とのことである。 もちろんここでは,イチロー氏のバッティング技術をどうこういうものではない。 注目するのは,氏のコメント。多くの選手は,バットの長さ・形状・重さを変えるらしい。しかし,氏はこれまでの2000安打を同じ型のバットで打ってきたとのことである。長さ約85センチ、重さ約910グラム。 「ころころとバットを変えるのは結果の出ない理由を道具に求める弱さというケースもある。まずはバットの微妙な変化をカバーできる器を持つこと。ピンポイントでバットがベストの状態にないと打てないような選手では駄目なのです。」 バットをロッドやリールに換えると,少し恥ずかしくなる。いやいや,かなりお恥ずかしい思いをさせられるといった方が正しい。 つまりは,飛ばなくなるのを道具のせいにしてはいけない。ロッドを換えれば,飛ぶようになるのでない,大切なことは,練習せよ,腕を磨けということである。 イチロー氏は天才だからそれでいいのだ,ということにならないと考える。 誰しも,投げのフォームを大切にするはずである。 キャスティング競技に限定するまでもなく,実釣においても,投げのフォームは飛距離を稼ぐには重要なポイントである。サイド気味に振るのか,縦気味に振るのか,V字投法にあっては1歩踏み込むのか,2歩踏み込むのか,等々。 そもそも,各自にあったフォーム=投げ方は,タックルと一体となって有り得るものである。だから,フォームを変えるのはタックル見合いで行われるべきであり,他方タックルを換えるにあたっては,フォームのことを考慮すべきことなのだろう。 フォームのチェック・修正には積極的に取り組む必要はあるが,やみくもに行うのではなく「考え」にしたがって(理論といいたいがそこまで格好の良い理論体系などできていないから)適切に進めるべきである。当然,フォームにリンクするタックルもしょっちゅう変わっていてはおかしいということになる。 新製品は必ず旧製品よりも優れている,との思いこみはないだろうか。かく言う自分こそ,この思いこみが激しい方である。どうしても,新しい性能・機能などのキャッチコピーがつけられているモノを知ってしまうと気になって仕方がないのである。 皆さんはこんな経験をしたことはないだろうか。タックルを交換すると飛距離が伸びる。そして,しばらくすると,旧タックルと変わらない飛距離に戻る。実は,このような場合,ほとんどと言っていいほど,タックル交換し始めの飛距離の伸びは錯覚に近いようなモノである。新しいモノに対する多額の投資が錯覚を生じさせているのである。おそらく,多くの方はこのことを理解して下さるだろう。 でも,新しいものが出るとどうしても食指を延ばしたくなってしまう。イチロー氏のようにプロフェッショナルではないアマチェアなのだから仕方がない話かも知れない。ここに凡人とそうでない人に別れるポイントがあるのだろう。 実釣に比べれば,キャスティング競技は,「新しい」モノに対して,慎重な姿勢をとるとされる。新しいタックルには十分な練習を積んだ上で,よほどの自信がない限り,実戦に供することはできない。自らの実力よりもタックルで負けたとされることは,後悔はなはだしく納得できないことなのだからである。 当然,この逆も有り得る。あるタックルが有利と分かれば,実釣以上に,競技では直ぐさま,タックルの寡占化が広がるのである。 タックルにも目利きが必要。目利きができなければ,期待する飛距離は得られないことになるはずである。 「弘法は筆を選ばず」というが,弘法大師様がいらっしゃれば,竹の棒でランディー・ジョンソンの150キロボールを打てちゃうということになるのか。竹竿でも220m投げちゃうということになるのか。 失礼しました。喩え方がまちがっていますね。こんな意味ではありませんよね。このことわざ。 |