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キャスティング大会の位置づけ 2005年9月23日 |
久しぶりの書き込みとなります。 しばらく前から,書き込みたいアイテムは,浮かんでは消え,また浮かんでは.....と,なかなか文章にすることはできませんでした。期待している方は少ないとは思いますが,地道に,K&Tの「T」部分でも,増やしていきたいと思います。 ブログが流行っている今日この頃ではありますが,書きぶりからすればこのコーナーはブログ的です。でもブログにしてはあまりにUPが不定期ですので,このままの形式がちょうどいいのだと思っています。 さて,久しぶりの「お題」は,キャスティング競技って,実は,メーカー大注目の大切な競技ってこと,であります。 私の立場で言ってしまうと,手前ミソといわれて当然かも知れませんが,一昔に比べて,最近,キャスティング大会が積極的に開かれています。実釣人口に比べれば一握りの人間のための大会となっていますが,着実に大会は増え,参加者数も確実に増えてきています。 キャスティングのことだけを載せている当HPとしては,キャスティング人口の増加に少しでも寄与したいと思いますし,多少は貢献しているのではないかと思っています。見せるためのHPとしてはテクニックもなく現在においても今ひとつですが,インターネットが一般化する前に,いち早くキャスティングに特化した内容をもってネット上にリリースし,多くの方々にご意見等を頂戴しながら,曲がりなりにもキャスティングを盛り上げることができたことは,当HP管理者として,ちょっとした自慢です。 増えてきたといっても,絶対数は実釣人口に及びませんが,キャスティング競技の,投げ釣りに与える影響は,決して小さいものとは思えません。とりわけそれは,それぞれの大会・競技会において際だっていると考えます。 反論を恐れないで言うならば,私は,「実釣大会よりもキャスティング大会の方がタックルに対する熱い視線を感じる」ということです。 実釣は魚を釣る大会なのですから,当然のごとく「魚」の匹数,重量がキーになります。ポイントの探索力,手返しの素早さ,魚にとって魅力的な仕掛け・エサ等々,これらに重きが置かれます。参加者は,広く砂浜に散らばり,各々魚を釣ることに集中します。隣の競技者が投げるところを見て,仮にそのフォームの素晴らしさに感心したとしても,それはその時だけで,気にすることは釣果そのものであって,使うリール・ロッドによって大会での勝ち負けが左右されると考える人は少ないといえるでしょう。 それではキャスティング大会ではどのような光景となっているか。 平均的に見て,大会の参加人数は実釣大会よりも少なくなっています。 飛距離を測る投てき競技であるため,一人一人個別にアクション=投てきが行われ,その際,多くの参加者がその投てき者を見守ります。人によってはデジカメやビデオによってそのフォームを撮ったりしています。 個人の技量のチェックのほかに傍観者が注視するものがあります。それはロッド・リールです。トップキャスターが使うリールはどのようなもの。ラインの放出はスムースか。バックラッシュしない機構は何か。抵抗が少なく効率の良いガイドシステムはどのようなものか。ロッドの長さは,硬さは,重さは,シートの位置は,etc.。気になるところ,その行き着きところは,当然ごとく,「リール・ロッド」のメーカーはということになります。 少ない人数で行われる大会にもかかわらず,タックルに対する注目度は,実釣を遙かにしのぐといっても過言ではありません。大会やEメールにおいて「トップキャスター達はどのようなタックルを使うのですか」という質問をしばしば受けることも,タックルに対する注目度の高さを現しているといえるでしょう。 実釣大会から離れて投げ釣りを考えて見たとして,投げ釣りは投げることが基本であり,誰でもが1mでも遠くへとばしたいと考えています。したがって,飛距離は投げ釣り人にとって絶対的なものであって,そのツールであるロッド・リールは,より飛距離を出せるものを望むことになります。 メーカーだって,「釣り大会は販促につながるが,キャスティング大会は実釣に比べ参加者が少なく販売促進効果は得られない。」なんて考えてはいません。メーカーが主催するキャスティング大会(ナマリを用いるキャスティング大会のこと)が無いのは,安全面+グラウンド確保がハードルになっているからだけなのです。 D社,S社いずれも,キャスティングというニッチな競技にもかかわらず,ラインナップに競技用モデルを用意しており,キャスティング大会での実績をカタログに載せるのはアイキャッチになっています。「このタックルで○○匹釣って優勝しました」よりも「このタックルで2○○m出し優勝しました」のほうが,より訴求力があることを十分に分かっているからにほかならないからです。 ですから,メーカーの本音としては,実釣大会を主催するように,キャスティング大会を開催したいという願望があると考えます。ただし,前述のとおり,安全性とグラウンド確保の難しさから行っていないということです。とりわけ安全性の確保はメーカにとって必然です。万が一でもフェイタルなアクシデントはあってはなりません。 今年,ウェールズで行われた世界大会では,「安全対策に万全を期すことがこの競技にとってもっとも大事なこと。立ち入り禁止ゾーンを設けたり,旗による色分けや防護ネットなども用意してあります。もっと注目していただきたいのは,メンバーに救急隊員がいるということ。加えて,常時4人の競技進行担当者が配置されると言うこと。」というコメントが付け加えられていました。前半は納得できるものの,問題は後半。メンバーに救急隊員がいるからといって,彼らのような先のとがったシンカーでは,たとえ救急隊員が何人備えようと,事故が起きれば,最悪のシナリオになりかねません。 日本国内で使用されているキャスティングシンカーは,外国で使用されるシンカーと違って,ゴムで覆われており,外国のものよりも安全であるといえますが,直撃すれば,特に,ライン切れの場合には,かなりのダメージとなります。 そうはいっても,どうにかタックルの優位性を全面出せるキャスティング大会が仕組めないものか,という命題に,S社は,安全面を重視した18gラバーシンカーによる大会を行うようになってきたのです。 繰り返しになりますが,本音は,実釣の飛距離とリンクするような大会,つまりサーフ系のキャスティング大会なのだろうと思います。 実釣に訴えることができる飛距離は18gの100m+ではなくて,25号の200m+なのですから。 |