トリノはとっくの昔の話しになってしまいましたが 2006年4月12日
 前回のお約束では,トリノオリンピックにちなんでスキーのことを書き込もうと準備していたのですが,皆さんご案内のとおり,荒川選手が金メダルを取ってくれたおかげで,どうにか気が紛れたものの,全体的には低調で落胆させられ,キーを叩く気にはなれませんでした。ただし,日本人がフィギュアで頂点を極めるなんて,本当に荒川選手はブリリアント。遅ればせながら,拍手を送りたい気持ちですし,おめでとうというより,「ありがとう」という感じです。

 あっ,そうですね。WBCは良かった。トリノのメダルとWBCの優勝を比べて二者択一を迫られたら,WBCでしょう。「同じ相手に何度も負けるわけにはいかない」はインプレッシブな言葉でした。
 WBCについてはこれだけでK&Tに載せたい議題でありますが,これは多くの掲示板等で議論されているので,ここで述べることは控えたいと思います。

 ところで,もしもトリノオリンピックがもう少々まともな結果だったならば,どんなことを考えていたか,どんなストーリー展開を想定していたか,と申しますと。
  • 冬のオリンピックの本筋であるスキー競技で誰かがメダルを取って,盛り上がる。
  • 古くはコルチナダンペッツォの猪狩千春さん。男子回転での銀メダルの話しが引っ張り出される。
  • ニュータイプの若者と見られても,実は涙ぐましい努力と研鑽がその結果をもたらした。それは昔も今も同じ。
  • いつまでも技術向上に終わりがない。
  • 三浦敬三氏,エンジョイスキーの大御所。102歳にならんとする日まで,日々トレーニングに励み技術向上を目指す人がいた。
  • キャスティング競技だって同じだ。歳をとろうとも常に飛距離を伸ばしたいと考え,練習に励む。その姿勢が素晴らしいではないか。
  • キャスティングをプロフェッションとしているならば引退もあろう。アマチュアには引退などない。
  • ならば,心を広くして,好きなキャスティングで飛距離を伸ばしていこうではないか。誰が何と言おうとも。
 かなり強引な展開ですが,三浦敬三氏のスキーに対する取り組み姿勢を学びたかったので,前振りにトリノオリンピックを使いたかっただけです。
 残念ながら氏は,楽しみにしておられたというトリノオリンピックを見ずに他界されましたが,氏の本「101歳の少年」は,平易な表現ながらも,実に示唆に富む内容であります。
 いくつか引用させていただきますと,
  • 一日の積み重ね。その上にそれもこれもいかに楽しくスキーを続けていけるか,いかに自分の思い描く理想的な・・・・・
  • 何事も,自分で試して自分で身につけることが進歩につながっていくのだと,ステンマルクに会って改めて実感する・・・・・・
  • 自分の感覚を敏感にして,スキーとの対話を大切に,そうすれば自分にあった道具に出会えると・・・・・
  • 私の目標はスキーがもっとうまくなること。脚力が落ちて山を登るのがしんどいなら,トレーニングをして少しでも軽く感じられるように・・・すべては自分が好きなスキーを続けるために・・・・
 ちょっと,話しの道がそれて申し訳ありませんが,ステンマルクの名前,懐かしいじゃありませんか。ステンマルクとは,古き良き日本人のごとく,お金に走らず昔の恩義に報いるため,他のメジャーメーカーのオファーを退け,ユーゴスラビア(今はセルビア・モンテネグロ,クロアチア,ボスニア・ヘルツェゴビナになったんですね。時代というより歴史を感じます。)にあった弱小メーカー・エランのスキーを駆使して数多の大会で優勝を飾り,エランを一流メーカーにしてしまったスウェーデンが生んだ伝説的スラローマーです。三浦氏の本でも言及されていますが,ステンマルクの富良野Wカップでの旗門不通過後の滑りは私の頭にも残っています。コースアウト後の滑りでも魅せるスキーヤーだったとして。NHKでオンエアされた記憶があるのですけれど,昔のことだから,あっているかなぁ。おっと,いけない。あまり書きすぎるとステンマルクで別項を立てる必要がありますね。
 話しを戻して,三浦氏のメッセージ中の「スキー」を「キャスティング」や「投げ釣り」に読み替えます。
 これから老齢化していく私にとって,応援歌以上の強烈な励ましが含まれる素晴らしいメッセージではありませんか。そう思うのであります。

 自分は,三浦氏のスキーに対するがごとく,キャスティング=投げ釣りに氏のように取り組むことができるだろうか。自らに問いかけても答えが返ってきそうにありませんが,好きだから続けられる,好きだから続ける,好きだからもっと上手くなりたい。好きだからもっと飛距離を伸ばしたいと思うのであります。歳をとると体力は確実に衰える方向にありますが,好きだからこそそれを最小限に止めるどころか向上させ,飛距離を伸ばし,釣りに活かしていきたいのです。

 100歳まで生きられるかどうかは分かりませんが,キャスティング大会に100歳の人が出場したらびっくりするだろうなぁ。今のうちにST−A,B・・・ST−Zなるカテゴリーでも作っておきましょうかね。

○おまけ
 トリノオリンピックが終わって,別のものを書こうと思っていたのですが,D社のオファーがあって,ニューロッドのインプレ執筆にとりかかってしまいました。
 ご覧になった方もいらっしゃるかとは思いますが,これが結構のホネでかなりの時間を費やしました。同時並行的に,年度末のお仕事,子どもの大学・高校受験+卒業・入学(Wパンチ×2),人事異動等々ありまして,ここのところでやっと落ち着いてきたところです。(※この間にも関東オープンやシマノ予選会もやったので平穏とはいえませんでした。)
 まぁ,めんどくさがり屋の私ですから,これらがなかったからといって,K&Tを更新できたかどうかは確約できませんが。
 密かに考えていた1ヶ月に1度の書き込み構想は早くも崩れてしまいました。ブログを立ち上げなくて良かった。作って数ヶ月も更新しなくては格好悪いですからね。