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レポート#12 2000.10.25「女学生の友」「少女世界」

 (前略)
 まず前回の補完から。鮎川の「透明人間」は「中学二年コース」の昭和36年7月号で完結(ってこれは山前リストに載っていたような)。横溝の「怪盗X・Y・Z」は「中学三年コース」の36年4月号で完結でした。
 22日に調べたのは「女学生の友」など。 図書館にあったのは、まず26年3月号。島田一男の「赤い靴の秘密」が連載中。つぎが29年の10月号(こういうパターンが多いんですよ。なんなんだろ)、島田の「黄金十字の秘密」が連載中で、これは31年3月号まで続いています。ちなみに「赤い靴」はポプラ社から、「黄金十字」は東光出版社から、それぞれ刊行されています。ひょっとすると「紫リボンの秘密」(ポプラ社)もこの雑誌が初出なのかも。
 あとは……ないですねえ……なにもない。29年10月号で連載中だった西条八十の「あらしの白ばと」が延々と続いて、33年2月号で完結。と思ったら4月号からまた再開しています。まあ、スリラー風、みたいな。 城戸禮の「はりきりスピード娘」(32年9月号〜最終回未確認)、小沼丹のノン・ミステリ「白い少女」(32年7月号)、同「早春」(33年3月号)、氷川瓏の「紅ばらの秘密」(33年5月号)……で、気力が尽きて34年以降は未調査です。
 これよりは「少女世界」の方が面白い。海野十三の「美しき鬼」は、『海野十三全集 別巻2』巻末の書誌によると24年2月号〜25年3月号の連載ですが、24年8月号から12月号まで確認しました。海野名義になってますが、作者は24年の5月に亡くなってますので、この部分は島田一男の代筆でしょうか。海野はその後も26年8月号付録に「ルーブル宮殿の怪盗」が再録されているほか、9月号に「幽霊射手」が載っています。前記の書誌では新作扱いになっているのですが、未発表の遺作が見つかった、ということだったのでしょうか?
 島田一男は24年12月号に「紅の騎手」で登場、25年4月号から「まぼろし令嬢」を連載開始、26年5月号まで。続いて6月号から「仮面天使」、これは27年1月号ではまだ連載中ですが、2〜7月号が欠号で完結時期がわかりません。
 27年8月号には高木彬光の「悪魔の口笛」(ロボットが出てくる神津もの)の第二回が載っています。28年4月号以降の号がないため、これも完結時期不明。しかしどういう読者を想定していたんだろうか、この雑誌。
 三橋一夫の翻案ものがいくつかあります。「ポオルとヴィルジニィ物語」なら私でも知っていますが、「チロルの哀歌」「ザヴェの流れ」「ハルシュタットの鐘」「チルレルタールの泉」「ザルンの氷河」と続くと、なにがなんだか。あと「菫の国」「夢の手風琴」……ひょっとして全部創作だったりして。 ほかには27年1月号の大倉子「手」、同年増刊号の耶止説夫「謎の日記」、など。
 あと、「少女ライフ」「少女の友」「少女ロマンス」などを覗いてみましたが、例によって西条八十と島田一男(と久米元一)ばかりです。 他に「幼年クラブ」「幼年ブック」の31年〜35年分のチェック。これもまた目次が切り取られていて(まさか寄贈主がやったわけじゃなし、どこぞの漫画マニアの仕業でしょうけど、この情熱は尊敬に価します。「冒険王」「おもしろブック」「少年画報」「少女」「少女クラブ」「中友」「コース」……めぼしい雑誌の折り込み目次は徹底的にやられています。百冊じゃきかないな)泣きながら頁を繰ります。そういう調べ方なので、きっと(これまでにも)大量のチェック漏れがあるんでしょうね。
 ともあれ横溝の三津木&御子柴ものが各一編。
「まほうの金貨」 幼年ブック 昭和31年1月号〜12月号
「のろいの王冠」 幼年クラブ 昭和32年1月号〜12月号
 前者は連載時期が確定。後者はひょっとしたら新発見。
 ということで今週はおしまいです。
 と、ようやく書きおわったところで更新を拝見。
 うっわー、すすすごいすごい。くまかかか。
 おもしろブックの56年10月号は図書館で欠号なんですよ。カメラの方はさっそく次回にでも調べてみます。でも昭和25年の雑誌はないかも。とにかくありがたやありがたや。
 それにしても、「忍法相伝64」って、いったいなんなんでしょうね?
 では、また。