レポート#13 2000.10.30「青雲寮の秘密」
うーむうーむ。すごいなあMORIOさん、松橋さん。
やっぱり、お宝情報をもちながらつつましやかにROMってるお方がいらしたんだ。
個人的に仰天ものだったのが松橋さんのさりげない一句。
>これは連載物で、内容そのものは(以下略)
れれ連載?
連載というとひょっとして10月号の前後にもお話が続いて載っているあの連載のことですか?
がーんがーんがーん 完っ璧にチェック漏れだよおお。
狼狽のあまり思わずがっくりとマウンドに膝をつく私でしたわさ。「終った……おれの野球生命が……」
でも幸いオタク生命にはなんの支障もなかったので、いそいそと図書館に向かうのでした。
「おもしろブック」昭和31年分を請求。はい、確かに載っておりました、「青雲寮の秘密」。8月号から11月号まで(ただし9月号は休載)の三回連載。MORIOさま、松橋さま、ご教示ありがとうございます。
(やっぱり目次が切り取られていてぶつぶつ←言訳)。
なるほど「天国荘奇譚」です。原作との比較はのちほど。
「カメラ」も「週刊大衆」も彬光発言の「宝石」も、該当号は欠号。「跫音」初出の「小説春秋」だけ確認できました。MORIOさま、ありがとうございます。
あとはいつもの調査に戻ります。まず「五年の学習」「六年の学習」を請求してみたら、二誌あわせて十二冊しかありませんでした(昭和35年までの分は、ですが)。「六年」の昭和34年2月号で水谷準の「六つの赤いつぼ(第11回)」を確認。 「漫画少年」が三十冊ほどあり、ということはやはり国会図書館より充実してるんでしょうか。25年9月号に森下雨村の「左千夫の功名」、26年調整号〜12月号にやはり雨村の「鬼巌城」(原作者が表記してないけど、ルブランです)が載ってます。
ついつい「ジャングル大帝」その他に読みふけってしまって気がつくと四時。慌てて「中学時代」を請求。これも「中学コース」と同じで、24年から31年まで、延々となにもない。
31年11月号から学年別に分離。「中学時代一年生」12月号には橘外男の「魔人ウニウスの夜襲」と北村小松の「少年のひみつ」が。おお、これは期待できそうだ、と1
月号を手に取ります……
○山田風太郎「黄金明王のひみつ」 中学時代一年生 昭和32年1月号〜3月号
……い、いや、そこまでは期待してなかったんですけど。 こんなお話です。
旅館の息子啓作は片腕のない客、有賀と出会います。有賀は材木商で、旅館の隣の山城家にある大きな樟の木を買いに来たというのです。山城家はかつてはこの地方きっての名家でしたが、七年前に怪盗「くも小僧」の手で秘宝「黄金明王」を盗まれてから傾きはじめ、樟の木も切り倒して売られる予定でした。
有賀は啓作に暗号文を記した紙片を見せます。それはくも小僧の仲間から有賀が手に入れたもので、黄金明王の隠し場所を示しているらしい。十月十五日の夜、樟の木の影が落ちる場所……啓作は木を切る作業を延期してもらおうと村人に話します。村中に宝捜し騒動が起きるなか、くも小僧らしき不気味な男が現れました。 そして十五日の夜、木を見張っていた山城家の娘真弓が姿を消し、男の死体が…… 怪盗、暗号、足跡のない殺人、と、正攻法の少年探偵小説ですね。
これもお渡ししたいと思いますが、週末の予定がはっきりしません。たぶん土日は休めるはずなんですが。図書館ででもお会いできるでしょうか?
ではまた。